太田述正コラム#6672(2014.1.3)
<皆さんとディスカッション(続x2132)>

<太田>(ツイッターより)

 「…プロテスタント、キリスト教の一神教と彼らの価値観、『自主独立』『自由』『民主主義』といったものをアメリカは今まで一生懸命に守ろうとしてきて、外に対してもそうした価値観を広げてきました。…<しかし、>今、アフリカ系アメリカ人のオバマ大統領がホワイトハウスの住人で、彼の助言者も多くがアフリカ系アメリカ人であるところから、すでにもう政策の優先順位が明確に変わっています。国内問題を何よりも重視しています。弱者に光を当てて、この人たちを救いたいという政策です。…日本が中国の横暴な外交に割って入ってアメリカとともに中国の膨張を防ぐ役割を担うべきなのです。安倍晋三首相はそれを一生懸命やろうとしていると私は思います。…中華思想に凝り固まった強力な軍隊を持った中国が動きを活発化させてい<ます。>…」
http://t.topics.jp.msn.com/t/news/politics/%e6%ab%bb%e4%ba%95%e3%82%88%e3%81%97%e3%81%93%e6%b0%8f%e3%80%80%e3%80%8c%e4%b8%ad%e8%8f%af%e6%80%9d%e6%83%b3%e3%81%ab%e5%87%9d%e3%82%8a%e5%9b%ba%e3%81%be%e3%81%a3%e3%81%9f%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%8c%e5%8b%95%e3%81%8d%e3%82%92%e6%b4%bb%e7%99%ba%e5%8c%96%e3%80%8d-4
安倍「秀秋」、ひいては日本の「右」の米国事大主義的浅薄さが見事に描写されている。

 「縦横無尽の東京地下鉄網…」
http://j.peopledaily.com.cn/94473/8501926.html
 新年の中共人民啓発のための東京地下鉄絶賛記事だが、どうして中共の対日政策を私のように分析する人が内外共に皆無なんだろう。
 彼らは人民日報/人民網を読んでいないのだろうか。
 誰か理由思いつく人いない?

<ねこ魔人>

 --「帝国陸軍 見果てぬ『防共回廊』」--

 これまで過去にもブログで何回か登場しているようである、関岡英之氏の著作の中に、太田ブログ読者でなければ、目が飛び出るほどのものがあるのを発見しました。

 本の名前は、「帝国陸軍 見果てぬ『防共回廊』」(2010)です。以下、詳細です。

http://www.amazon.co.jp/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E9%99%B8%E8%BB%8D-%E8%A6%8B%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%AC%E3%80%8C%E9%98%B2%E5%85%B1%E5%9B%9E%E5%BB%8A%E3%80%8D-%E9%96%A2%E5%B2%A1%E8%8B%B1%E4%B9%8B/dp/4396613598

 一番最初に投稿された読者レビューによると、本書のあとがきには、「防共回廊が実現できていれば朝鮮戦争もべトナム戦争もなかった」とあるようです。
 まさか、太田史観に類する史観は絶無であると思っていたのに、どうやら、関岡氏も同様、太田史観に極めて近似した史観を持つに至っていたようです。

 別の書評としては、「防共回廊」 日本近代史の「ミッシングリンク」と題して、太田史観でお馴染みの悲劇的な論理が展開されています。「・・もし大日本帝国の防共構想に当時の米国が理解を示し相乗りしていたならば.....後の支那における国共内戦→中共成立→文革動乱→民主化運動、北朝鮮の成立→朝鮮戦争、更にベトナム戦争に代表される防共戦争などなど.....それらの出来事からの大量虐殺は生じなかったし、米国は反共防共
政策からの消耗がいまよりもずっと軽減されていたかもしれません。世界史に全く違う歴史が現出していた可能性があるわけです。」という。
http://ossaaan-rider.blog.so-net.ne.jp/2013-06-22

 どうやら、太田史観に近似した史観に到達した人物はもう1人いたようです。
 ・・・
 ねこ魔人です。
 昨日の防共回廊の話ですが、追伸をさせていただきます。

 本書(防共回廊)の存在を、どうやら安倍総理も知っているようです。
 下記の動画の5分27秒あたりから、関岡氏と安倍首相が立ち話をしたことを言及しています。
 そして、安倍総理に対し関岡氏は出版直後に本書を贈呈していたところ、6分あたりの動画では、安倍総理が本書を読んでいて、さらに、防共回廊があと少しで完成したにもかかわらず、惜しかったの感想を述べたことが明らかにされています。
http://www.youtube.com/watch?v=cumehpHFmPI

 どうやら、安倍総理がこのような歴史観に親近感を抱いている以上、安倍総理が一連の改革を行うにあたり、少なくとも、安倍総理自身が戦後史観との矛盾を感じて改革を断念することはないだろうと想像できます。

 しかし、防共回廊を支持する以上は、安倍総理は対米独立には親近感を抱くでしょうが、最近太田さんが述べられている、中共との連携への意思を持つ見通しはあるのでしょうか?
 むしろ、戦前の歴史を教訓とするならば、日本は同じ民主主義国家でありながらかつて戦ったアメリカと連携し、戦前からの敵である中共を牽制する、といった方針を採用しそうに思えますが。

<太田>

 私自身、太田史観と呼んだこともあったかもしれませんが、そりゃ、戦前の日本人、いや、少なくとも帝国陸軍の常識であって、史観じゃなく史実なんですよ。
 だから、不思議なのは、どうして帝国陸軍関係者等が戦後この常識について口をつぐんでしまったか、の方なのです。
 とはいえ、この常識を語っている、(と少なくともあなたの紹介からは窺えるところの、)関岡英之のような人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E5%B2%A1%E8%8B%B1%E4%B9%8B
が出てきたことは歓迎です。
 今後の安倍首相のことについては、戦前の日本の対赤露戦略を米国がつぶした、という自覚が本当にあれば、そんな米国や媚米を貫いてきた日本の外務省に対して少なくとも距離を置く気持ちにはなるはずですが、そんな形跡は、現在でも皆無ですね。
 今後、彼を始めとする、日本の「右」の人々が、太田コラムを読むこと、いや、読み込むこと、に期待をつなぎましょう。

 なお、現在私が唱え始めた中共の対日戦略の方は「常識」ではないだけに、同じようなことを指摘する人が出てくるかどうか興味津々です。
 そんな人を発見されたらぜひ教えてください。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 中共当局もまた、この映画を正しく評価しとるね。↓

 「「永遠の0」鑑賞まで… 中国国営TV、安倍首相を批判・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG126V3DG12UHBI01T.html?iref=com_top6_04

 東京国立博物館のカンボディア古美術コレクションが先の大戦期に仏印当局との怪しげな合意に基づいて取得された、とする記事だ。
 カンボディア政府は返還要求はしないみたいだけど・・。↓
http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/SEA-01-231213.html

 気球に乗って尖閣に上陸しようとして失敗した人物を海上保安庁が救出した話のガーディアンの記事への投稿がふざけてるのが多くて結構面白い。↓
http://www.theguardian.com/world/2014/jan/02/chinese-balloonist-disputed-islands-rescued-japan

 日本での豚の胎内で人間の器官をつくる実験のことがBBCによって大きく取り上げられていた。↓
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-25550419

 北野武監督の『アウトレイジ ビヨンド(Beyond Outrage)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B8_%E3%83%93%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%83%89
に好意的な映画評がNYタイムスに、と言いたいところだが、彼の映画観たことがないので、よー分からんかった。↓
http://www.nytimes.com/2014/01/03/movies/beyond-outrage-mobsters-are-back-with-beat-takeshi.html?src=dayp

 駐英中共大使が、安倍首相を『ハリー・ポッター』に登場するヴォルデモート(Voldemort)卿に、靖国神社を7つのホークラックス(seven horcruxes)・・ホークラックスは人の魂の一部を資から守るために入れておくためのもの・
http://en.wikipedia.org/wiki/Magical_objects_in_Harry_Potter
・、に譬えたことを「好意的」に取り上げたコラムだ。↓
http://blog.foreignpolicy.com/posts/2014/01/02/egypt_enemy_puppet_abla_fahita_ahmed_spider_muslim_brotherhood_vodafone
 小早川秀秋じゃ、連中にはチンプンカンプンなので、日本以外で準えるべき人物を探したがすぐ思い浮かばなかったんで、投稿はしなかったよ。

<太田>

 FTへの投稿、その後も投稿は結構なされてるけど、私の投稿については完全にスルーされてるね。
 FTの読者、投稿内容が理解できなかったのかしら?↓
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/b6e608fe-69cb-11e3-89ce-00144feabdc0.html?siteedition=intl
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太田述正コラム#6673(2014.1.3)
<映画評論42:キャプテン・フィリップス(その3)>

→非公開