太田述正コラム#6632(2013.12.14)
<皆さんとディスカッション(続x2112)>

<太田>(ツイッターより)

 まだまだ出る出る。1952年のマリリン・モンローの秘蔵写真集。
http://life.time.com/culture/marilyn-monroe-golden-globes-rare-photos-of-a-young-movie-star-in-1952/#1

<ZJ7OGLPo0>(「たった一人の反乱」より)

 自分が映画界の衰退を指摘したりしたので論点がずれてしまったと思う。
 ここでは、とりあえず、日本の業界の衰退と太田さんのいう黒澤映画には面倒になるので触れないこととする。
 まず、第一に日本人俳優はバラエティ豊かで、若手の誰々が良いということにはあまり意味がない。
 なぜなら、イタリア映画や韓国映画が好きな人に聞けば、うんざりするほど、いい役者を教えてくれるはずだ。
 自分自身、若手に好きな役者はいないが、香川照之は何をやらしてもうまいとおもっているし、好きな役者である中井貴一はコメディでも時代劇でもはまる役者だと思っている。國村隼や伊武雅刀なんかも好きだ。
 しかし、それでも日本のドラマには奇妙な偽物、舞台の借り物のような感覚が付きまとうことがよくある。
 一見して矛盾することをいっているのだが、要はこういうこと。↓
 ドラマ低迷、デーブが直言 「日本の俳優演技ヘタ、自覚がない!」
http://www.j-cast.com/2009/07/09045046.html?p=1
 「2割が上手だと思うんですよ。8割はもう自分が下手だということの自覚がないから恐ろしい」
 つまり、上手い役者もいるが、全体の演技がオーバーであるということ。
 デーブはキャスティングに問題があると言っているが、自分は前にも指摘したように、演技がくさいことを許容する風土があるとして、三谷のドラマにおける田村正和を紹介したわけだ。
 デーブの見方は世界的にはメジャーであって、日本人の見方はマイナーなわけ。
 自分がデーブと同じ見方をしたのはなぜかというと、日本のテレビを見なかった時期があることと、海外のドラマにはまったことがあるということ。
 つまり、久しぶり見た日本のドラマが嘘くさいことに気付いてしまったということ。
 太田さんは、舌足らずで、日本の役者の演技が下手と言い切ってしまったので、ややこしくなってしまったと思う。

<U5I5xDUT0>(同上)

 みんな自信満々で役者の演技レベルを語ってるけど、外人俳優の演技の良し悪しなんて微妙なところをちゃんと見分けがついてるの?
 マーロン・ブランドやヒース・レジャーはさすがに演技に凄みがあるなあとかあきらかなダイコン役者とかならオレでも分かるけど。

<XzTm0uhW0>(同上)

 <ZJ7OGLPo0クンに>「日本人俳優はバラエティ豊かで、「層が厚い」」と言われてもねェ。
 「挙げてる名前が、故人や高齢者ばかりじゃん。」って言うから若手の俳優で有望だと思える俳優の名前上げたら、「日本人俳優はバラエティ豊かで、若手の誰々が良いということにはあまり意味がない。」のコンボには吹いたわ。
 だったら初めから層がどうのと知ったような口叩くな。

 ハリウッドが売上伸ばしてるのは、海外市場の開拓が主な理由であって、例えばライラの冒険とかアメリカ国内じゃ散々な成績だったけど海外で300億円以上売り上げて利益回収に成功してた。
 こんな風に海外市場に目を向けず国内のみに重点置いてた時期のハリウッドはボロボロだったじゃねえか。
 逆に日本の映画界は戦後一貫して嘘くさい歌舞伎的演技が主流なんだから売上落としてる事と歌舞伎的演技は関係ねえだろ?
 そもそも仏・伊の映画界も衰退していると言っときながら日本の映画の衰退は日本の俳優の演技のせいなのかよ?
 <ZJ7OGLPo0クンのは>は本当に頓珍漢な書き込みだわ。
 <ZJ7OGLPo0クン、>結局あんたは日本のドラマ業界も衰退したくなかったら日本の俳優の歌舞伎的演技捨てて海外市場の開拓しろって言いたいのか?
 海外のリアリティ溢れる自然な演技(嘘くさい演技するハリウッド俳優も多いと思うがな)と日本の俳優の歌舞伎的演技ってのも所詮は質の違いだろ?
 油絵と水墨画を比べて油絵の方がリアリティあるから素晴らしいって言ってるようなもんじゃねえのか?
 それを舌足らずだか何だか知らんが「日本の俳優は演技が下手」と言い切った太田さんもどうかと思うし、日本映画界の衰退を俳優の演技のせいにしてるあんたもどうかと思うわ。

<ZJ7OGLPo0>(同上)

 誤解を受ける言い方をしたとは思う。
 自分は、日本映画界の衰退を俳優の演技のせいにしてるわけではないんだ。
 歌舞伎的演技と衰退も関係ない。自分が故人や高齢者ばかりじゃんとけなしたうえに業界の衰退を口走ってしまったのは、映画界の衰退が日本の役者にとっても、環境が悪いし、何より、新しい才能が出にくいことを、言ったつもりなんだよ。
 だから、昔より役者や監督の層が薄いに違いないと思っているし、こんな現状で、日本人俳優はバラエティ豊かと言われても、ピンとこないわけ。

 日本の俳優の歌舞伎的演技を捨てろとも言ってない。ただ、文化的背景が違うのでしかたがない。
 リアリティや役になりきることを志向する外国人、もしくはそういう視点から見ると「日本の俳優、又はドラマは演技が下手」に見えるのは仕方がないということ。
 そして、「日本の俳優は演技が下手」と言われて、腹が立つ気持ちもわかる。
 だから、自分も好きな名前をだしたうえで、外国の視点を紹介したわけ。

<2EgrOoog0>(同上)

 横だが、<XzTm0uhW0クンの>「「日本の俳優は演技が下手」と言い切った太田さんもどうかと思う」には同意。
 上手・下手という、(個人的)価値観に基づく優劣に言及したからおかしくなったと思う。
 ただし、太田さんの分析に頷ける点は多々ある。
 日本では人間主義によって、日常、感情表現を抑制できる。
 だから、アメリカとは違い、感情の過剰表現が非日常的に見える。
 日本人は、ドラマなどで感情の過剰表現をすると演技が下手に見えるが、アメリカ人はそうならない。
 (そして、日米問わず、キャリアの浅い役者ほど感情を過剰に表現しがち。典拠はない)

 これは(市場の違いによる)ハンディキャップの一種と捉え表現すべきで、役者の優劣で表現すべきことではないと思う。

<ZJ7OGLPo0>(同上)

 まさにそのとうりだろうね。
 日本では、嫌でも他人の視線を意識するので、感情表現が抑制されがちだ。
 だから、逆説的に大げさにふるまう歌舞伎のような表現が発達したのだろう。
 向こうの役者は、普通に演技しても、演技がナチュラルに見えるのだろう。
 水戸黄門が何年も続いたり、吉本新喜劇のワンパターンが続くのも、当然なわけだ。
 そもそも、日本映画の出自は、歌舞伎や時代劇であり、阪東妻三郎、片岡知恵蔵は歌舞伎界出身であり、時代劇スターであったわけだから、伝統は途絶えなかったわけだ。

<太田>

 パチパチパチ。
 以下、キミ達の議論のまとめを兼ねて再説明(弁明?)を。

 三船敏郎のような「感情の過剰表現をする」演技が上手な(、しかしボクには苦手の)日本人俳優だって例外的にはもちろん存在するけど、俳優達が、一般の生活において「感情の過剰表現をする」ことを控える日本で生まれ育っている以上、従ってまた、彼らが、「感情の過剰表現をする」演技を求められることが日本では少ない以上、「感情の過剰表現をする」演技が下手な日本人俳優が大部分であって当然なんだよ。

 (日本人の俳優の場合、あえて「感情の過剰表現をする」演技が求められた場合には歌舞伎調になっちまいがち。
 もちろん歌舞伎調の演技にも巧拙はあって、一般の俳優は、その大部分が物心ついた時からそういう演技を叩きこまれているところの、ホンモノの歌舞伎役者に比べりゃ、これまた、基本的には劣るだろうね。)

 他方、国際的には、俳優ってのは「感情の過剰表現をする」演技が通常求められるんだから、日本人俳優の大部分は、グローバルスタンダード(≒シェークスピア劇的標準)に照らせば「演技が下手」だってことになるわけだが、これもまた、止むをえないことなのさ。
 何かおかしいこと言ってるかい?
 しかし、キミ達の多くが、ボクがおかしな言い方をした、と受け止めたおかげで、議論が活発に行われることになったんだから、まあいいんでないの。

<名無しさん@安全保障>

 福岡オフ迄に読んでいた方がいいコラムは(最近のは別として)ありますか?
 主題があるなら少しはなぞって行きたいのです。

<太田>

 演題は「日本の世界史的使命」だから、人間主義(及びその系としての、例えば軍事的国際貢献)の意味と意義ってことになるわけだけど、私も、これから話す内容を考えることになるので、どなたか関連コラムを列挙していただけるとありがたいな。
 多すぎるから、むしろ絞るのが大変かもしれないが・・。

<RdG3UN9U>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 プリンターのインクですけど、100均のダイソーで\210で売ってるインクが良い感じですよ。
 キャノンorエプソンのプリンターなら、ほぼ全機種のインクが揃ってます。
 ダイソーのインク使い出すと、純正の高いインク使うのが馬鹿らしくなる。

<太田>

 アドバイスには感謝するが、ボクだって、当然、純正じゃないインクを使ってきたさ。
 だけど、行き付くところまで行って、詰め替えて使うインクを買ったはいいんだけど、詰め替えやりかけて、あんまりにも大変そうで途中であきらめ、インクを捨てちゃうってことがあった直後に、相当年季が入ったキャノンの古々プリンターがおしゃかになり、プリントを控えてるうちに引越しになって新しいプリンターを買ったという経緯があんのよ。
 で、引っ越ししてからしばらくして量販店を訪れた際に、「魔が差して」純正の換えインクを2種類、1箱ずつ買っちゃった、というワケ。
 人生は計算通りには進行しないんだわねえ。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 中共は60年遅れだっちゅうことね。↓

 「・・・中国の社会保障費が、政府の財政支出に占める割合<は、>・・・先進国の50年代の水準にとどまっている・・・
 2012年の統計では、確かに公的年金が含まれる「社会保障費」は財政支出の約1割。医療保険の財源となる「医療衛生」は6%だ。これらには、自然災害被災者や退役軍人へ援助、公立病院の経費など雑多な費用も含まれており、年金や医療保険に回る割合は各項目のごく一部に過ぎない。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201312130263.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201312130263

 ローズベルト宛てのアインシュタインの1939年の手紙は核兵器開発をもたらしたが、1941年の手紙はドイツ統治・占領下欧州ののユダヤ人の救出にはつながらなかったというオハナシ。
 どうしてそういう結果になったかは、読者諸君はもうお分かりだよね。
 ただ、欧州のユダヤ人に共産主義者が多いからってんで欧州のユダヤ人を救おうとしたアインシュタインまでFBIが目を付けられてたってんだから、ソ連とつるんでたローズベルト政権、双極性障害的だっただけじゃなく、統合失調症的でもあった、と言いたくなるな。↓
http://www.slate.com/blogs/the_vault/2013/12/13/albert_einstein_eleanor_roosevelt_1941_letter_asking_the_first_lady_to_help.html

 ナチスドイツ時代のドイツの女性達も、男性達に負けず劣らず、反ユダヤ人的で、その虐殺に自ら積極的に手を染めた女性が数多くいたっちゅうオハナシ。↓

 “The role of German women in Hitler’s war can no longer be understood as their mobilization and victimization on the home front,・・・Instead, Hitler’s Germany produced another kind of female character at war, an expression of female activism and patriotism of the most violent and perverse kind.”・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/2013/12/13/7828f9f6-5ceb-11e3-95c2-13623eb2b0e1_story.html
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 一人題名のない音楽会です。
 テレサテンの3回目です。
 次々に新たに「発見」しているので、一挙にどうぞ。
 ちなみに、「いいねー」だけど、「曲がいい」と「テレサテンに合っている」の掛け合わせで決めてるって思ってください。
 (「曲がいい」にかかわらず、全然「合ってい」ない時が「ミスマッチ」です。さすがに殆んどないけど・・。)
 また、「ど演歌を聴き易くしてくれている。」については、「ど演歌」≒「曲が<悪い>」なので、テレサテンをもってしても「いいねー」にはなりえないってことです。
 彼女の「ブレス」については、コラム#3476で述べた通りです。
 すべて全くの主観です。
 気に障ったらスンマセン。

すきま風 例のセクシーなブレスが・・。
http://www.youtube.com/watch?v=zvy-G539-II
雪が降る いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=QnfiR8NWUCo
駅舎
http://www.youtube.com/watch?v=zZhdeAiXU4U
そっとおやすみ
http://www.youtube.com/watch?v=cjOD_V-fj4s
男はみんな華になれ
http://www.youtube.com/watch?v=MLJ1oy_ZDVM
想い出の余白
http://www.youtube.com/watch?v=aEyPTJ7-VQg
ふたたび(再来)
http://www.youtube.com/watch?v=94qnldOWjnM
桃源郷
http://www.youtube.com/watch?v=IKeMk2CnMA0
そして・・・めぐり逢い いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=Xh93tXYjvo8
涙の条件 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=D3s8DUXy6uE
夢立ちぬ
http://www.youtube.com/watch?v=0C9VFBAOl94
女の生きがい 祈望 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=jt9rnozrdGQ
夜の乗客 ブレス!
http://www.youtube.com/watch?v=mOl2dFJKXS0
ジェルソミーナの歩いた道 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=lLUJfeCz2nc
ワインカラーの記憶  いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=zsT-UhJyN6o
ミッドナイト・レクイエム いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=UseE7OQuxtA
東京ジェラシー いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=J4sMSbl1uA4
時の流れに身をまかせ
http://www.youtube.com/watch?v=6-Wl4OGZwVs
終着駅(コラム#5461) いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=utW2olDtyGM
ひとり上手(コラム#3233) 漢語
http://www.youtube.com/watch?v=B72h7gEKd6c
釜山港へ帰れ ミスマッチ。
http://www.youtube.com/watch?v=LQmvldORnQc
晩秋 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=_x4Bb3WQ3zU
雨に濡れて いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=BCBr9Fh8QxM
手紙 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=wgkJavAqfqM
ふるさとはどこ
http://www.youtube.com/watch?v=JhYxHXCWEFo
まごころ いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=FBZb2LsueHg
海辺のホテル ブレス!
http://www.youtube.com/watch?v=GW-oXfneDCA
愛の花言葉 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=XHuPFI5UhC4
香港の夜
http://www.youtube.com/watch?v=H5A0unadXdk
こんな女
http://www.youtube.com/watch?v=vz8JIOz158Q
グッド・バイ・マイ・ラブ
http://www.youtube.com/watch?v=UrLBYgeMr1g
川の流れのように
http://www.youtube.com/watch?v=TW0P5PM-ZH0

http://www.youtube.com/watch?v=bDxy-JGN6nA
なみだ恋 ど演歌を聴き易くしてくれている。
http://www.youtube.com/watch?v=pZy4hBlsQE8
片恋酒 同上。
http://www.youtube.com/watch?v=zMW9OCxDvmw
夫婦きどり
http://www.youtube.com/watch?v=xSFkQh1WKNQ
台北の夜
http://www.youtube.com/watch?v=0SzM78FLbF4
アカシアの夢
http://www.youtube.com/watch?v=FWDBqSp6wvI
遠くから愛をこめて
http://www.youtube.com/watch?v=koeFI5imAr8
人生いろいろ
http://www.youtube.com/watch?v=-2cDnx7ZyAk
別れても好きな人(コラム#5516)
http://www.youtube.com/watch?v=GRBHxv4C9b0
足摺岬 いいねー。
http://www.youtube.com/watch?v=V5WFPne4rw8

(続く)
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太田述正コラム#6633(2013.12.14)
<日本の暴力団(その9)>

→非公開