太田述正コラム#6403(2013.8.21)
<日支戦争をどう見るか(その30)>(2013.12.6公開)

 結局、日支戦争/太平洋戦争は、全球的覇権国化という妄想的な目的を抱いた米国が、ローズベルトを首魁として米国の指導者間で共同謀議を行いつつ、発動し、戦争犯罪を繰り返しながら遂行することによって、その目的を達成したところの、米国が率いる、キリスト教的(双極性障害的・産業)文明と日本本土が率いる人間主義的(尋常的・プレ/ポスト産業)文明との間の、空前絶後の規模で闘われた、文明の衝突たる戦争であった、ということになりそうです。(注56)

 (注56)既に数年前に、19世紀末から現在までの間に、米国が原因で何千万人ものアジア人が死んだ、という見方ができることに気付いていたとはいえ、日支戦争/太平洋戦争についての、当時の米国サイドの有責性をもっぱら厳しく咎める、こんな文章を読んだら、わずか1年前においてさえも、書いた人間は気が触れている、と私は一笑に付したかもしれない。
 もとより、このような現在の私の考えの妥当性については後世の判断に委ねなければないが、このような考えに到達したことについて、最大の契機になったのは、私の読者に双極性障害の疑いのある人々が「異常」に多く、私が、公私とも、この障害に強い関心を抱かざるを得なくなったからだ。
 中でも、第一の私小説の主人公の女性読者とコラム#6328で言及した女性読者、とりわけ、後者について、(その言動が余りにも常識外れであったことから、当人と当人の関係者のためにも)必死になってその解明に取り組んだことが大きかったと思う。
 (おかげで、日支戦争/太平洋戦争のみならず、口幅ったいが、私の、キリスト教や仏教に関する理解まで、このところ急速に深まってきたことは、ご承知の通りだ。)

 そうであるとして、極東裁判の基準に照らせば、ローズベルトやトルーマンらの米国指導者こそA級戦犯、しかも彼らだけがA級戦犯・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/A%E7%B4%9A%E6%88%A6%E7%8A%AF
平和に対する罪は彼らだけが負い、戦争犯罪及び人道に対する罪についても罪責が質量ともに桁違いであるのでやはり彼らだけが負う・・であって、彼らは、裁かれ、その多くが死刑に処されるべきだったと言えそうです。
 残念ながら、日本側の全員が(処刑者はもとより)亡くなっており、米側も同様なので、日本が主導する形で、(どうせ、事後法による「裁判」なのですから、死者をも対象とすることとした上で)極東裁判を再開し、日本側全員の名誉回復を行うとともに、彼らの名誉剥奪がなされなければならない、と切に思います。
 (何度も言いますが、この戦争における英国の位置付けについては、後述します。)

 以下、補足です。
 当時の米国の指導者であったローズベルトやトルーマン等の狂人ぶり・・双極性障害性、とりわけ妄想性・・が、まさに平均的米国人としてのそれであった、ということを、ジェシー・ウォーカー(Jesse Walker)の新著、『妄想合衆国--ある陰謀論(The United States of Paranoia: A Conspiracy Theory)』の書評を通じて明らかにしておきたいと思います。

A:http://www.latimes.com/features/books/jacketcopy/la-ca-jc-jesse-walker-20130818,0,918744.story
(8月17日アクセス)
B:http://articles.washingtonpost.com/2013-08-15/opinions/41412406_1_paranoia-federal-employees-conspiracy-theory
(8月21日アクセス(以下同じ))
C:http://www.nydailynews.com/blogs/pageviews/2013/08/the-united-states-of-paranoia-appeals-to-the-conspiracy-theorist-in-all-of-us-0
D:http://readingglutton.blogspot.jp/2013/08/the-united-states-of-paranoia-by-jesse.html
E:http://www.washingtonpost.com/posttv/video/onbackground/the-united-states-of-paranoia/2013/08/20/468ded6a-09bd-11e3-9941-6711ed662e71_video.html?hpid=z3
(著者のインタビュー(映像。参考)

 なお、ウォーカー(1970年〜)は、ミシガン大卒のリーズン(Reason)誌編集者たるリバタリアンです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jesse_Walker

 この本の内容に入る前に、まず、双極性障害についての日本語ウィキペディアの下掲の記述を(同障害についての復習を兼ねて)頭に入れてください。

 「双極性障害の生涯有病率は、海外では1.0〜1.5%の値が報告されている<・・ただし、「何らかの形の双極性に苦しむ人々は、米国では25%近くに、また、英国では5%前後に達している。」(コラム#6172)・・>が、日本における疫学調査では、およそ0.2%とかなり低い。この大きな有病率の差の原因<については、>・・・未だ結論は得られていない。・・・
 双極性障害のうつ状態は単極性のうつ病と症状<が>似ており、完全に区別はできないが、過眠・過食などの非定型の特徴が多い、幻聴や妄想が多い、といった傾向はある。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8C%E6%A5%B5%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3
http://souutu.info/syoujyou/mousou.html (←双極性障害における妄想の説明)

 同じく、この本の内容に入る前に、次に、20世紀の米国における赤狩り(Red Scare)と茶狩り(Brown Scare)の概要について、頭に入れてください。

 赤狩りには、ロシア革命勃発直後の1919年から21年にかけての第一次赤狩りと1947年から57年にかけての第二次赤狩りがあります
http://en.wikipedia.org/wiki/Red_Scare
が、これらについては、詳しい説明を要しないでしょう。
 大事なのは、1922年〜1946年にかけて、米国人の間から共産主義に対する警戒心が消滅していたことです。
 その末期に起こったのが、下掲の茶狩りです。

 「1939年から1941年の間、米国のファシスト達による破壊活動(subversion)の妖怪が米国の第二次世界大戦参戦を巡っての議論に影響を与えた。
 いわゆるファシスト達の大部分は、フランクリン・D・ローズベルト大統領が、米国を戦争に向かわせるべく秘密裏に策動しているところ、外国に介入することは米国における民主主義を破壊することになろう、と警告した。
 これらの標準的な非介入主義者の主張に彼らが通常付け加えたのは、ローズベルトが国際的なユダヤ人による陰謀に沿って行動している、という非難(charge)だった。・・・
 ローズベルトは、自生的(native)なファシストの脅威を公的に非難するとともに、<彼らに対する>FBIによる監視を厳重にするだけでなく、<彼らを、>欧州のファシストに意識的に協力している、或いはだまされている、と貶めることによって対抗した。

→私に言わせれば、「ファシスト」達もローズベルトらもファシストであったことに変わりはなく、前者の非介入主義者達が内に閉じこもったスペインのフランコ型であったのに対し、後者の介入主義者達は大帝国構築を目指したイタリアやドイツのムッソリーニ/ヒットラー型であった、という違いがあっただけのことです。(太田)

 第二次世界大戦中には、ローズベルトは、反政府的扇動(sedition)の廉で自生的ファシスト達を告発する(prosecute)ことを内々(personally)命じた。・・・
 1946年には、自生的ファシストの脅威に対する誇張された恐怖・・1919年〜20年の赤狩りにおおむね比定しうる「茶狩り」・・は自然に消滅した。
 茶狩りの遺産には、市民的自由一般を掘り崩すための先例を打ち立てたところの、告発とFBIによる監視、等がある。」
http://www.answers.com/topic/fascism-american

(続く)