太田述正コラム#6500(2013.10.9)
<皆さんとディスカッション(続x2046)>

<太田>(ツイッターより)

 「日本の雑貨店 様々なアイデア商品…」
http://j.peopledaily.com.cn/94638/205938/8418526.html
 人民網、頑張ってるけど、日本ヨイショも種切れチックになってきたなあ。

 「国際成人力調査:日本、読解力と数的思考力で首位…」
http://mainichi.jp/select/news/20131009k0000m040025000c.html
 この話、強烈な反響を各国で呼んでいる。韓国じゃ日本を無視。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/08/2013100803161.htm
 英国は自国成績の悪さは国際的醜聞だと。(後はコラムで)

<太田>

 調査結果が一目で分かるのがこれ。
 日本はスゴイである。↓
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304171804579122812328386966.html?mod=WSJ_World_MIDDLESecondNews#project%3DSKILLS1009%26articleTabs%3Dinteractive
 <本件でダントツの日本の教育に対して(暗記重視と理論偏重により独創力形成を阻害していると)ケチをつけるとは、ホント、英国/ガーディアンも落ちぶれたと思うよ。
 (少なくとも英語教育に関してはこの批判、一見当たってるようだが、根本的には日本の成人にとって英語なんて必要ないもんだから身につかないってことに尽きる。)
 また、一握りの上澄みにおける創造性の有無は、教育とは基本的に関係ないさ。↓>
 ・・・Japan's state education system is often criticised for quashing original thought among pupils in favour of rote learning, and for placing an emphasis on theory rather than practical skills・・・
http://www.theguardian.com/world/2013/oct/08/why-do-japanese-children-lead-world-numeracy-literacy
 <英国の現在の学力判定試験の数学と英語が真の力の水準を検出するものとなっていない+(日本での)高卒の時期の2年も前に数学と英語の教育を止めてしまっている、という二つの問題点が指摘されている。↓>
 ・・・I have been arguing for some time that GCSE maths and English at grades A* to C do not give any assurance that a young person is numerate or literate. Indeed, there is ample statistical evidence of students with these higher grades failing the basic numeracy test.・・・
 ・・・by 2015, the education-leaving age will be 18, we should move now to make mathematics-numeracy and English-communication compulsory up to that age, as is the case in so many other countries. ・・・
http://www.theguardian.com/education/2013/oct/08/english-literacy-numeracy-national-disgrace
 <英国人は、実に、読解力で24か国中22位、数的能力で21位。↓>
 ・・・Young people in England, those aged between 16 and 24, also scored 22nd for literacy and 21st for numeracy out of 24 of the world's developed countries・・・
 <英国の成人の4分の1は10歳児並の数理能力しか持っていない。↓>
 ・・・a quarter of adults in England have maths skills no better than a 10-year・・・
 <同じく、年配の人の方が若者よりも読解力も数的能力も高い。↓>
 ・・・older adults in England score higher in literacy and numeracy than the average among their peers, while younger adults show some of the lowest scores for their age group.・・・
 <スコットランドとウェールズは、カネがかかりすぎるとこの調査に参加しなかった。(だから、イギリスと北アイルランドだけが参加した。)↓>
 The OECD survey did not include people from Scotland or Wales, which declined to take part on cost grounds.・・・
http://www.theguardian.com/business/2013/oct/08/uk-economy-warning-oecd-education
 <読解力/数的能力と生産性向上度との相関度は高いことを銘記すべきだ。↓>
 ・・・there is a definite correlation between the OECD's narrow educational metrics and productivity growth・・・
 <ちなみに、英国における両親の学歴と子供の読解力/数的能力との相関度は他国に比べて2倍も高い。↓>
 ・・・the link between less-educated homes and pupil's educational problems was almost twice as strong in England as in some other countries. ・・・
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/oct/08/education-england-oecd-report
 <この問題は今始まったものではなく、150年にわたって英国は大衆教育に失敗してきた。↓>
 It's the classic problem that this country has not solved over 150 years: how do you educate the masses?・・・
 <英国の企業等は職員に何の教育訓練も施していないので、若者は社会に出てから読解力/数的能力を向上させる機会が少ない。↓>
 With a third of employers in the UK not offering any training to their staff, the result is that young adults in employment are unable to catch up or maintain their skills through workplace training.・・・
 <米国の成績は英国よりもっと悪い。かつて米国は世界の高熟練成人の42%を占めていたが現在ではわずか28%にまで落ちた。↓>
 The survey showed an even weaker performance from the US, which ranked bottom for numeracy for 16 to 24-year-olds, and in the lower half of the tables overall, below England and Northern Ireland. Where the US once boasted 42% of the world's highest-skilled adults, according to the OECD, it now has just 28%.
http://www.theguardian.com/education/2013/oct/08/oecd-adult-literacy-numeracy-uk-poverty-inequality
 <にもかかわらず、米国の主要メディアで本件を報じたのはWSJくらいであ(り、危機意識が欠如してい)る。
 韓国の成績は余り振るわなかったが、若い人になるほど成績は高く・・日本の若い人に続いて24カ国中2番目・・、状況は急速に改善されつつある。↓>
 ・・・ Koreans aged 55 to 65 ranked in the bottom three against their peers in other countries. But Koreans aged 16-24 were second only to the Japanese.
 <米国は、戦後のベビーブーム時代の層の成績資産を食いつぶしてしまったと言える。↓>
 The results show that the U.S. has lost the edge it held over the rest of the industrial world over the course of baby boomers' work lives・・・
 <米教育省は、この調査結果を踏まえ、二つ報告書を書いたが、政府機関閉鎖のあおりをくらって、いまだにその公表ができていない。↓>
 The U.S. Department of Education wrote two reports in response to the OECD finding, but neither has been released due to the government shutdown・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303442004579122193775018938.html?mod=WSJ_World_MIDDLESecondNews
 <WSJは、成績が最も悪かったスペインとイタリアをあげつらうことは熱心だ。↓>
 Workers in Spain and Italy are the least skilled among 24 developed countries ・・・
 <両国とも昨年GDPはマイナス成長だった。(これは米英の近い将来を暗示している。)↓>
 The economies of Italy and Spain both contracted last year, and are forecast by the European Commission to shrink again this year・・・
 <ただし、米英両国は、勤務者達の能力を最もよく活用していることは確か。↓>
 ・・・both the U.S. and the U.K. are exceptionally good at ensuring that workers' skills are fully exploited, ensuring that their respective skills deficits don't translate into a growth gap with other leading economies.・・・
 <日本は、対照的に活用度が十分でない。だから、労働市場の硬直性を打破することで、日本には成長余地がある。↓>
 ・・・the relative inflexibility of Japan's job markets. It does suggest that if Japan were able to fully use its workers' skills, it could generate higher rates of economic growth, having long stagnated.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304171804579122812328386966.html?mod=WSJ_World_MIDDLESecondNews

<TA>

≫ <在特会メンバーらによる京都朝鮮第一初級学校に対する>街宣での発言内容には全く問題ない。≪(コラム#6498。太田)

 「問題ない」とは、法的に、といった類の意味でしょうか。損害賠償額の妥当性や威力業務妨害罪の構成要件などといった法律論は知りませんし興味もありませんが、私の常識では、「街宣での発言内容」は極めて問題であると思っています。↓

 「約束というものは人間同士がするものなんですよ。人間と朝鮮人では約束は成立しません。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%85%AC%E5%9C%92%E5%8D%A0%E7%94%A8%E6%8A%97%E8%AD%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6#.E6.B0.91.E4.BA.8B.E8.A8.B4.E8.A8.9F

 ↑朝鮮人は人間ではない、と主張しています。法律上「全く問題ない」のか知りませんが、極めて不快です。
 この在特会とやらについて詳しくもありませんし興味もありませんが、公園の不法占拠だかを問題視するのであれば、然るべき機関に、然るべき処置を依頼すればよいことで、現に都市公園法違反とやらで罰金10万円の有罪判決を言い渡されています(上記ウィキペディアより)。なぜ街宣で違法行為を正そう・質そうとしたのか理解できません。
 スパイ云々についても全く共感しません。スパイ防止法もないことを第一に問題視すべきでしょうし、エシュロンによる「スパイ」活動に比べれば、かわいいものでしょう。
 「金王朝に忠誠を尽くす教育を行っている朝鮮学校なんてものの存在自体が公序良俗違反」(コラム#6498。太田)はその通りだと思いますし大いに共感しますが、それを糾弾する類の言に終始し、自由や民主主義の素晴らしさを説くことを疎かにするのでは、朝鮮学校の児童の心を揺さぶることができるとは思えません(児童に対する街宣ではないのかも知りませんが・・)。
 なお、「くっだらねー活動をしてる在特会なんてのが最近人気あるんだとはねえ。」(コラム#4221。太田)とおっしゃる太田さんが、在特会にシンパシーを持っているなどとは思いません。

<太田>

 私は、この判決に関する主要紙の電子版が、おおむね共通して引用していた「「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「何が子どもじゃ、スパイの子やんけ」」を在特会の街宣内容の最も過激な部分である、と解した上で、コラムで問題ない、と書いたのであって、あなたが引用した「京都朝鮮学校公園占用抗議事件」に関するウィキペディアを読むと、街宣内容として、「約束というものは人間同士がするものなんですよ。人間と朝鮮人では約束は成立しません。」のほか、「ゴキブリ朝鮮人、ウジ虫朝鮮人は朝鮮半島へ帰れ」、「朝鮮人は保健所で処分しろ」などもあったというのですから、「ゴキブリ・・・」については、「ゴキブリ「的」朝鮮人、ウジ虫「的」朝鮮人・・・」の趣旨と解することもできるので除外できるとしても、残りの二つは侮辱による不法行為にはあたるので、その分、理論的には学校運営阻害(と器物損壊)の損害賠償額にその分を加算しなければならないでしょうね。
 しかし、文書ではなく、話している時には、とりわけ、喧嘩腰で話している時には、人間、おうおうにして不用意な言葉づかいをしてしまうものです。
 「約束というものは・・・」についても、「人間とゴキブリ的朝鮮人では約束は成立しません」と言っておれば、また、「朝鮮人は保健所・・・」についても、「ゴキブリ的朝鮮人は保健所で・・・」と言っておれば、刑法上も民法上も侮辱に問えなかった可能性が高いでしょう。
 いずれにせよ、本件、人種差別事案には該当しませんよ。
 なお、在日朝鮮人が拉致事件に関与してきた経緯(典拠省略)に照らせば、北朝鮮系在日朝鮮人の一部の活動が「エシュロンによる「スパイ」活動に比べれば、かわいいもの」であるとは、私は全く思いません。
 (韓国系を除く)現在の在日朝鮮人の大部分は朝鮮学校で教育を受けた人々であり、その朝鮮学校は、実質的には北朝鮮の国家機関であって、(日本人拉致を行ってきただけでなく、国民を餓死させその少なからぬ部分を強制収容所に送りこんでいる)金王朝に忠誠を尽くす教育を行っているのですから、そもそも、朝鮮総連ともども、破壊活動防止法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E6%B4%BB%E5%8B%95%E9%98%B2%E6%AD%A2%E6%B3%95
に基づいて解散させてしかるべきだと私は考えています。
 もう一つ、上記ウィキペディアに記されている経緯を見ると、公園占用の中止も、校長への有罪判決をもたらすこととなったところの警察による捜査も、在特会の街宣や告発が契機になったことが窺えます。
 換言すれば、まことに残念なことではあるけれど、こういうことでもしなければ、戦後の在日朝鮮人に対する逆差別の残滓の撤廃は容易ではない、ということでしょう。
 結局のところ、国が、そしてその背景としての世論が煮えきらないものだから、在特会のような「くっだらねー」団体が「活躍」する余地が出てきちゃうってことです。

 産経までが、こんなことを言ってますが、じゃ、中共や韓国の「街宣」も日本人に対する人種差別ってワケね、と混ぜっ返したくなりますし、何よりも、連中の「街宣」は基本的に事実に即していないのに対し、本件における在特会の街宣は基本的に事実に即している、という根本的違いがあります。
 私は、産経を始めとする日本の「右」のアタマの構造がどうなっているのか、全く理解できません。↓

 「・・・中国や韓国の反日デモでは、多くの日の丸が焼かれた。侮蔑的な言動もあったが、その多くは放置された。日本と日本人は国内で、あらゆる国や民族へのそうした行為を許さない。そういう存在でありたい。」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131009/trl13100903330000-n1.htm

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 大した問題じゃないってんで竹島問題については殆んど勉強してこなかったが、誰かいいサイト、紹介してくんない?↓

 「独島:1950年代のCIA文書、日本の立場を代弁・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/08/2013100801214.html?ent_rank_news

朝日による報道の後追い記事だ。↓

 <韓国がそんなもんで受け入れるワケないと思わなかった点でも野田政権の判断は甘かったと言わざるをえない(太田)。↓>
 「慰安婦:「李明博政権が日本に特使派遣」 元官房副長官が証言・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/09/2013100900632.html
 <産経が客観報道に徹しているのが、またもや不思議でならない。↓>
 「野田前政権、慰安婦問題で解決案提示 昨年4月、おわびなど柱・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131009/plc13100900580000-n1.htm

 (大恐慌直前の黄金時代の)1927年の米国を描いた本の書評だ。
 (戦前の日本人はこの米国が大好きだったワケだ。)↓

 <世界の映画の8割、車の85%を生産し、一年で英国の全電話数を増やした国。↓>
・・・1927, the United States produced 80 percent of all the movies and 85 percent of the cars worldwide. The nation also added more phones on annual basis – 781,000 in 1926 – than Britain had overall.・・・
 <リンドバーグの大西洋横断飛行がなされた。↓>
 Lindbergh’s landing in Paris on May 21, 1927.
 <禁酒法下、米国第五の産業が公的には姿を消し、ギャングの天下となってた。↓>
 As for Prohibition, it “shut down the fifth-largest industry in America” and removed “$2 billion a year out of the hands of legitimate interests and put it in the hands of murderous thugs.”・・・
 <ベーブルースが本塁打記録をつくった。↓>
 Babe Ruth, an aging playboy believed to have seen his best days, reeled off a record-setting home-run spree. ・・・
 <自動車王フォードが反ユダヤ、反カトリック、反金融街、反デブ、反酒、反タバコ、反銀行家、反弁護士を唱えていた。↓>
 Ford, he reminds, possessed a boundless antipathy for Jews, Roman Catholics, Wall Street, fat people, liquor, tobacco, bankers, and lawyers, among many other peoples and things.
 <『我が闘争』の中で好意的に言及されている唯一の米国人はこのフォード。ヒトラーは常にフォードと一緒に写った写真を持ち歩いていたという。↓>
The man behind the popularization of cars and the assembly line “had the additional distinction of being the only American mentioned favorably in Mein Kampf, Adolf Hitler’s memoir of 1925,” Bryson writes. “Hitler, it was said, kept a framed photo of Ford on his wall.”・・・
http://www.csmonitor.com/Books/Book-Reviews/2013/1008/One-Summer

 欧州系ユダヤ人(アシュケナージ)は、ローマ帝国時代にユダヤ人男性が欧州の女性との結婚を繰り返したために、遺伝子的には殆んど欧州人と変わらないんだって。↓

 ・・・the women who founded the Ashkenazi Jewish community of Europe were not from the Near East, as previously supposed, and reinforces the idea that many Jewish communities outside Israel were founded by single men who married and converted local women.・・・
 <こうして女性がどんどんユダヤ教に改宗したため、ローマ帝国の人口の10%がユダヤ人になってたんだと。↓>
 ・・・there had been mass conversions to Judaism in the early Roman empire, resulting in some 6 million citizens, or 10 percent of the population, practicing Judaism.・・・
http://www.nytimes.com/2013/10/09/science/ashkenazi-origins-may-be-with-european-women-study-finds.html?ref=world
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太田述正コラム#6501(2013.10.9)
<日本の「宗教」(その4)>

→非公開