太田述正コラム#6452(2013.9.15)
<皆さんとディスカッション(続x2022)>

<太田>(ツイッターより)

 米ソ間でアサド政権の化学兵器処分方針を合意。
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-24091633
 これでオバマも胸をなでおろしただろう。
 武力を背景にした外交の威力って奴だわ。
 期限の来年半ばまでの間、国連要員がうじゃうじゃシリア国内をうろつくから、自然に停戦にならざるをえないかもよ。

 飛んで火にいる夏(初秋?)の虫的な、日本のアニメを持ち出した反論投稿があり、ようやくフォーリンポリシー上の議論が噛みあってきたよ。
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/09/11/bad_manners_us_china_relations_wwii?page=full
 <本>日の「ディスカッション」で「解説」付で紹介するけどね。

<太田>

 それがこれだ。(《》内は私による要約。)

<sundayrequiem6>

As you are a japanese, I have the right to ask, have you watched any anime? there are many award-winning series that draw historical parallels to World War II without directly referencing the war. japanese anime is largely anti-war in sentiment in the core and democratic in principle, that good will prevail over evil. None could be farther from the truth than your statements.《日本のアニメは、概ね反戦でありその核心に民主主義性があり、善は悪に勝つというものだが、あなたの言ってることも、日本のアニメも全部ウソだな。》

<太田>

Thank you for your constructive comment.《建設的コメントをありがとう。》
The fact is that Japanese during the 2nd Sino-Japanese war as well as the Pacific War were exactly the same Japanese as depicted in Japanese anime, for example, by Miyazaki.《戦中の日本人だって宮崎のようなアニメで描かれた日本人と同じだった。》
Japan pursued pre WWII deterrence strategy I mentioned, because Japanese people were in fact peace loving and democratic.《大戦が終わってから大きく変わったのはむしろ米国人の方。》
It is rather the Americans who underwent a fundamental change since the end of the Pacific War.
Americans were white supremacists then.《当時、米国人は白人至上主義者だった。》
So they had a very skewed view plenty of prejudices on the East Asia at large, where 'colored' people reside.《だから「有色」の人々が住む東アジアについて偏見だらけの歪んだ見方をしていた。》
Besides, Japan was a country where Christianity had virtually no influence.《しかも、日本ではキリスト教が殆んど影響力を持っていなかった。》
That was the reason why ignorant and arrogant America accordingly committed such a hideous crime upon Chinese, Vietnamese, Cambodians, Laotians, Malaysians, and Indonesians, by inviting the invasion of the communists, as I have suggested.
《だもんで、無知で傲慢な米国人が、共産主義の侵攻を招くという、恐るべき犯罪を支那人、ベトナム人、カンボディア人、ラオス人、マライ人、そしてインドネシア人に対して犯したのだ。》
And congratulations, now that you have president Obama.《だけど、おめでとう。今や君達はオバマ大統領を持っている。》
Think why he sent his envoy to the Hiroshima Peace Ceremony for the first time as an American president.《彼が広島の平和記念式典に米大統領として初めて大使を送ったのはどうしてかを考えてみよ。》
His mentor is rev. Wright and his wife is Michelle.《彼の師はライト牧師だったし妻はミシェルだ。》
I have extensively read what they said and wrote, so that I presume Mr. Obama's view on the War is very similar to mine.《この二人が書いたものは相当読んだが、オバマは私と似た先の大戦観を持っていると考えている。》
I admire Mr. Obama and the American people who elected him president.《私はオバマとオバマを選んだ米国民を尊敬している。》
Study, and you will understand what I am saying.《勉強しなさい。そうすれば、私が言っていることが理解できるようになるだろう。》

<太田>

 列挙の中に、朝鮮人とフィリピン人を入れ忘れたけど、前者は旧日本帝国臣民だし、後者が受けた共産主義者による被害は、他の諸国に比べると小さいので、まあいいかってなもんだね。
 この私の投稿以降、投稿はゼロだが、(それを回避する方法もあるけど、)この私の投稿は、sundayrequiem6クンを含む、他の投稿者達に届いているはずだ。
 何の反論投稿もないところを見ると、かなりのショックだったんじゃないか、と勝手に想像している。

<TA>

≫中共がインド国境や南シナ海で強く出て東シナ海では寝転んでることもできたのにそうしなかったのは日本の「独立」を望んでいるから、が僕の結論。≪(コラム#6450。太田)

 中国が「日本の「独立」を望んでいる」とのご主張は分かる話なのですが、そのために中国が「東シナ海」(尖閣)で「強く出て」いるとのご主張は、よく分かりません。太田さんの過去のご発言との整合性がとれないように思えるのですが・・。↓

 「・・・現在の中共は、・・・深刻な危機下にある。・・・経済を解放してしまった中共当局は、腐敗と抑圧を糾弾する国内外からの批判の声に晒され、次第にその耐性限界に近付きつつあるように見受けられる。・・・中共当局としては、対処手段は経済成長の継続とナショナリズムの喚起しかないが、例えば尖閣で対日攻勢に出ることで短期的には国内の不満をそらすことができても、対日攻勢には軍事的にも経済的にも限界があり、そのことが不満を更に募らせてしまう、という、いわば死のスパイラルに、彼らはからめとられてしまっている。・・・中共当局は、完全に追い詰められた心境になっていると思ってよかろう。」(コラム#5939。太田)

→ナショナリズムを喚起するだけなら、過去に武力紛争を起こした「実績」があるインドやベトナム、更にはこぜりあいを起こしたことがあるフィリピンを対象にすれば、それなりの効果はある一方で、万一武力紛争やこぜりあいが再起し たとしても、(中越戦争では実質的に敗北したけれど、 爾来中共軍は急速に精強化していることを考えれば、)「負けて」恥を晒す心配もないわけですよね。
 しかも、中共当局が対日ナショナリズムの喚起を図ると過去の反日教育に染まった(染まったふりをした)アホな一部中共国民が、中共国内の日本人や日本企業や日系企業を襲ったりする一方で、圧倒的多数の中共国民がホンネでは日本大好き人間だとすると、中共国内的には弊害こそあれ、 ナショナリズム喚起の効果があんまり期待できそうもありません。
 それでも、中共当局が、あえて(武力紛争やこぜりあいが起こったら確実に中共が「負ける」アブナイ)日本をも対象にして、しかもそれを執拗 に続けているのはどうしてか、という疑問に対する私の答えだと思ってください。(太田)

 「・・・オバマは、あえて、「アジアにおける緊張を高め、紛争が起きやすい環境を創り出」す「戦略」を追求(ロス)することでもって、日中関係を悪化 させ、日本に自立を強く促すとともに、中共の(自立に向かって動き出した日本に対する)無力さを際立たせることで当局の国内的権威を失墜させ、その早期瓦解の可能性を高めようとすらしている・・・。」(コラム#5934。太田)

→要するに、客観的に見ると、というか、結果的に、米中が暗黙裡に協力し合って日本を「独立」させようとしている、という(日本人たる我々にとってはまことに情けない)状況だと考えてよいのではないでしょうか。
 一体、日本「独立」のメリットは米中のどちらにとってより大きいのか、米中のどちらが読み勝っているのか。
 それを決めるのは日本であり、日本国民です。(太田)

≫<中国には、>(米国と比較しての)日本に対する敬意や信頼があるんじゃないかな。・・・具体的なデータがないという前提の下だが、中共と韓国での日本文化の浸透ぶりは、米国を含む他の第三国の文化の浸透ぶりを圧しているんじゃないか。東南アジアでも、多かれ少なかれそんな印象を受ける。≪(コラム#6450。太田)

 留学先のデータからは、概ね、そのような傾向が見られそうですね。↓

 中国人・インド人・韓国人・日本人の海外留学先(2007年)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8022.html
 アジア人の海外留学先(2007年)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8024.html

→「そのような傾向が見られそう」とは必ずしも言えませんねえ。
 留学先(データがちょっと古い)は、留学先の言語の国際性とか高等教育機関の質とか旧宗主国であるか、が決定的であり、余り適切なデータで はないのでは?(太田)

<IBRrcJ9ZO>(「たった一人の反乱」より)

 テレビ朝日のサッカーのテーマ曲です。
 サラブライトマンでロック調ですが太田さんの趣味にあいますか…。
http://m.youtube.com/watch?v=P-Jq8R-KGcc&gl=JP&hl=ja&guid=ON&client=mv-google
http://m.youtube.com/watch?v=Ld6V64UHJic&client=mv-google&gl=JP&guid=ON&hl=ja

<太田>

 正調歌劇調とロック調を行きつ戻りつする曲なんですねえ。
 いい曲じゃないですか。


 それでは、その他の記事の紹介です。
 
 対象は米国だけで、しかも、米国の要請がなければ発動できない?
 冗談は止めてくれー。↓

 「集団的自衛権行使「同盟国の要請が前提」 北岡座長代理・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0914/TKY201309140114.html

 軍事介入に、コソボの時は米上院は賛成し米下院は反対したがクリントンは介入した。リビアの時はオバマが軍事介入してから米下院が反対したがオバマはそのまま介入を続けた。(これじゃ、アサドとプーチンが慌てふためいたワケだ。)↓

 ・・・ In 1999, the House of Representatives refused to back Clinton's air war over Kosovo; Clinton went ahead anyway after winning a vote in the Senate. And even more recently, in June 2011, the House voted against authorizing Obama's intervention in Libya — one justified mostly on humanitarian grounds — by a lopsided 295 to 123. (The vote came after U.S. strikes on Libya were already underway, and Obama ignored it.)・・・
http://www.latimes.com/opinion/commentary/la-oe-mcmanus-column-congress-obama-and-syria-20130915,0,4615748,print.column

 世俗化してない米国は双極性障害者の国、対して自然宗教の英国は不安障害者の国ってカンジ。(日本は精神障害者の「少ない」国。)↓

 ・・・between 10% and 30% of the population is likely to suffer from an anxiety disorder at any one time.
 Mental illnesses such as anxiety and depression – there is comorbidity between the two・・・
http://www.theguardian.com/society/2013/sep/15/anxiety-epidemic-gripping-britain
 英国はホントに小さい島国か、だって。ヒマな人は読むとオモロイよ。↓
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-24083162

 腐敗していない民主主義国じゃ、男性の政治家に比べて、女性の政治家は腐敗していないし、腐敗に対しても厳しい。ただし、腐敗している国の場合は、これらがあてはまらないんだって。↓

 ・・・ In democratic countries with generally low levels of corruption, the study says, they are less likely to be corrupt and less likely to tolerate corruption than male politicos. The effect does not hold up in countries where corruption is endemic, however.・・・
http://swampland.time.com/2013/09/13/women-in-politics-less-likely-to-be-corrupt-study-says/

 16ミリフィルムから起こしたモンローの写真集だ。↓
http://lightbox.time.com/2013/09/13/marilyn-moving-and-still-one-fans-16mm-film/#1