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太田述正コラム#6428(2013.9.3)
<皆さんとディスカッション(続x2010)>

<太田>(ツイッターより)

 「永遠に感動を与え続ける宮崎監督のアニメ映画…」
http://j.peopledaily.com.cn/206603/8386657.html
 中共の人々は、余暇は、仲間と宮崎駿等の日本のアニメを楽しみ、一人で蒼井そら等の日本のAVを愛でる。
 彼らが反日に現を抜かす心理的時間的余地など急速になくなりつつあると信じたい。

<太田>

 日本のアニメ・AV関係の記事は後回しにして、まず、シリア関連から。
 米国の対テロ戦は継続中、そのために、米国は、アルカーイダ的なものをやっつける+一般住民虐殺を防止・緩和する+大量破壊兵器の拡散を防止する、ことを追求中だってさ。
 こりゃ、米国の個別的自衛権の見地から対シリア武力行使を正当化しようという試みだな。↓

・・・we must recognize that the 21st-century wars against terror are still fundamentally wars, so far as the rule of law. These wars will be waged in three domains: the campaigns against global, networked terrorists like al Qaeda and their associated allies; the attempt to prevent, and where that is not possible, to mitigate the effects of civilian catastrophes, including genocide, ethnic cleansing, and the mass killing of citizens by their own states; and the struggle to preclude the proliferation of weapons of mass destruction for the purpose of compellance rather than deterrence. President Obama recognized these three arenas when he referred on Saturday to the implications of this crisis for "governments who would choose to build nuclear arms ... terrorists who would spread biological weapons ... armies who carry out genocide."
 <シリアじゃ、この三つが全部含まれてるってさ。↓>
 In Syria, all three of these arenas are in play.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/09/01/obama_syria_intervention_congress_constitution?page=full

 アサド政権は優勢に転じておらず、着実に敗北に向かいつつある。
 だからこそ、化学兵器を使用したんだと。
 こりゃ、説得力がある。↓

 ・・・ In actual fact, though, the rebels are slowly but surely reducing the amount of territory controlled by the regime.
 Nevertheless, the myth of a military turning point in the regime's favor has persisted since June. This has also hampered the search for motives for the poison gas attack: Many observers wondered why Assad should use chemical weapons if he is winning the war already. In actual fact, the situation has been difficult for the regime's troops for quite some time now. Since the spring of 2012, many of the army's positions have only been supplied from the air because all land routes are under the control the rebels.
 <飛行場/空軍力を失ったらアサド政権はオワリだと示唆してる。(だから、米国が武力行使してこれらをつぶせば、反体制派の勝利はぐっと近くなる。)↓>
 Northeast of Damascus, Assad now only has control of a dwindling island of territory -- and to keep hold of it, the military needs the airports.・・・
 the regime has full control of only seven or eight airports throughout the country.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/situation-in-syria-deteriorates-as-west-looks-for-answers-a-919733.html

 キップリングは、白人(英国)の重荷について論じたが、その際に、英国が「よりよくしてやり、より安全にしてやったことで非白人には恨まれるだろう」とも述べてるんだね。
 実際には、英国は「重荷」を果たさなかったので恨まれず、ちゃんと「重荷」を果たした日本は韓国等に恨まれてるってワケだな。↓

 In 1899 Rudyard Kipling, the pre-eminent poet of British imperialism, addressed some stanzas to America. “Take up the white man’s burden,” he urged, “The savage wars of peace/ Fill full the mouth of famine/ And bid the sickness cease.”・・・
 “the blame of those ye better/ The hate of those ye guard.”・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/fdbfa06c-13ba-11e3-9289-00144feabdc0.html?siteedition=intl#axzz2dgy9sAmz

 それでは、日本のアニメ・AV関係の記事群です。

 まず、アニメ関係から。
 宮崎駿オマージュ・コラムの第一は、できが悪すぎたので、反論投稿しといたよ。
 この前のスレートへの投稿と併せ、しばらく経ったら、どなたか、ボクの投稿に対する反響をダウンロードしてみんなに提供して欲しいな。よろしく。↓

 <ひどい不況の頃、日本はナチスドイツから大量に武器を買ったんだと。↓>
 ・・・Here is the Depression that wracked Japan while its government spent millions buying weapons from Nazi Germany.・・・
 <ゼロ戦は1930年代末に支那で活躍したんだと。↓>
 Mitsubishi A6M “Zero” fighter planes that crushed the Chinese resistance to Imperial Japan in the late 1930s and, on Dec. 7 in the year of Miyazaki’s birth, dropped the bombs on Pearl Harbor.・・・
 <専制的な日本が全世界を征服しようとしたんだと。↓>
 It was a beautiful machine that helped tyrannical Japan dream of conquering the world, and that brought death faster to its enemies.・・・
http://entertainment.time.com/2013/09/02/is-hayao-miyazaki-gone-with-the-wind/

 <上出の3点に反論するボクの投稿。↓>
Corrections:

・・・Japan
Replace Japan by Nationalist China.

・・・Mitsubishi A6M “Zero” fighter planes that crushed the Chinese resistance in the late 1930s・・・・

Incorrect. Zero was introduced in 1940.

・・・that helped tyrannical Japan dream of conquering the world・・・

→that helped resist white/Christian supremacist America's intervention on Japan's deterrence stragegy against Soviet Russia.

 宮崎駿オマージュ・コラムの第二はできがいいねえ。
 日本の中で、宮崎の政治的発言を捉えて彼の作品まで全否定しようとするむきもあるが、ナンセンスだ。(太田)↓

 <宮崎の作品には、戦争の無意味さをテーマとするものが多い。物事は様々な視点が可能であり話し合いで紛争を解決すべきだとしている。(人間主義の平和志向性)↓>
 ・・・Many of Miyazaki’s films explore the futility of war. His films often lack villains--and instead present opposing interests looking for resolutions.・・・
 <ディズニーのアニメとは違って、女性が主人公になる場合が多く、しかも男性顔負けの活躍をする。(人間主義における女性優位)↓>
 While Disney movies typically feature female protagonists only when they are princesses, and only a single Pixar movie, “Brave,” has had a female hero in the lead, Miyazaki’s movies routinely celebrate girls in central roles. “Kiki’s Delivery Service” was about a young witch’s coming of age; and in “Spirited Away” a young girl saves her family.・・・
 While none of Miyazaki’s films was a huge hit in the U.S., his influence on animation was global.
 <環境の保護も重要なテーマ。(人間主義の自然調和志向)↓>
 Protecting the environment is a major theme in Miyazaki’s works・・・
I stayed with a family friend, who told me that Miyazaki was “our Walt Disney.”
 <宮崎はディズニーを超えた。↓>
 I’ve since learned that he was much more than that.
http://blogs.wsj.com/speakeasy/2013/09/02/hayao-miyazaki-retires-was-he-better-than-walt-disney/

 今度は、日本のAV関係の記事だ。(ちょっと前のだが・・。)↓

「・・・<中共の人々は、>日本人はAV女優を職業としてちゃんと認めているのか? とか、普通の人はAV女優をどういう目で見ているのか?(差別されないのか?)ということにも関心があるみたいですよ」
 反応に困って絶句していると、彼は言葉を継いだ。
 「そうそう、AVの影響だと思いますが、日本人の男はみんな変態なんでしょ? ということも聞かれて僕は返答に困りましたが(笑)。・・・

→筆者は女性記者だが、「職業として認めている」、「差別されない」って即答しなきゃあ。カマトトめ。(太田)

 「・・・日本の表のイメージは桜とか富士山ですが、裏のイメージは確実にAVですよ。だって、私が知る限り、中国人はみんな日本中にAVがあふれ返っていると思っているんですから。私は聞かれたら否定していますが、でも、友だちはそんな私の回答を疑っています(笑)。・・・」・・・

→「あふれ返っている」の定義次第であり、必ずしもこのイメージは間違っていない!(太田)

  以前「日本のアニメは好きだけど、日本のことは嫌い」といっていた若者がいたが、「日本のAVは大好きだけど、日本は嫌い」という若者も実はけっこう多いのかもしれない。・・・

→その通り。もっとこの点を掘り下げた取材をして記事にしなくっちゃあ。(太田)

  もちろん、中国はAVやポルノは禁止だ。従って、違法ダウンロードしてこっそり見る、という行為が必要になり、余計興味をそそられるのだろう。 ・・・

→中共当局が、日本のインターネットAVを遮断してないってことは、むしろ「こっそり見る」ことを奨励していると考えていいだろう。当然、それは、一人っ子政策に伴う女性不足で欲求不満にあえぐ若い男性達対策の部分もあると思われるところ、その結果は人々の間で潜在的な日本シンパを増やすことにつながっている、と見なくっちゃ。(太田)

 「日本人の女性は(AVで見るように)あんなに優しくて、男性に何でもしてくれるのか?」
 「日本の女性は昼間は清楚に見えるけれど、夜になるとAV女優みたいに変身するって本当か?」
 「日本女性はあんなに性に奔放なのか?」・・・

→これらの質問にもこの記者は当惑して(見せて)いるが、日本女性に限らず女性は本来的(潜在的)には男性よりも性に奔放であるってことをこの記者はまだ知らない?
 日本のアニメもAVも日本社会の現実そのままではもちろんないけれど、日本社会の人間(じんかん)主義性・・人間の本来あるべき姿・・を反映している、という説明を(太田コラムを参考に)やってやらにゃ。(太田)

 中国人男性は普段、中国人女性から激しい攻撃やプレッシャーにさらされているだけに、「一度でいいから日本のAV女優のような人とそういう関係になってみたい」と妄想するらしい。そして、AV=現実の世界であって欲しい、と錯覚してしまうのだ。 ・・・

→繰り返しになるが、日本のアニメもAVも、多くの場合理想化されているとはいえ、「現実の世界」を反映したものなんだわよ。(太田)

 中国での日本人男性のイメージは、日本人女性に比べて芳しくない。抗日ドラマなどの影響もあって「男尊女卑」という固定観念があるし、AVは当然のことながら、男性目線で男性の都合のいいように演出・構成されているので、「日本の男性は女性に対してやりたい放題」だと思われている。「日本の男性は結婚しても妻以外の女性ともいつもあんなことをしているのか?」と知り合いの日本人は聞かれて苦笑した、と話していた。・・・
 映像のイメージが強く、それを現実のことだと中国人が錯覚してしまうことは、以前書いたコラムでも指摘したように、アニメの世界でもしばしば見られる。・・・
 アニメでさえそんなふうに誤解をされてしまうのだから、生身の人間が出演するAVならなおさらだ。まるでAVがドキュメンタリーであるかのように見られて、日本人にとって日常茶飯事の出来事だと中国人から思われているとしたら……?

→だからこそ、太田コラム的なきちんとした説明をしてやることが必要なのさ。(太田)

 領土問題だ、歴史認識だという前に、日本=AV天国だという認識は、ただAVの量産国というだけではなく、かなりこっぱずかしいイメージを世界にアピールしているような気がしてくるのだが、考え過ぎだろうか。」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130826/252589/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt

→「こっぱずかしい」と思ってる(フリをしてる)のはこの記者だけ。
 世界最大の人口の中共の人々が、日本のアニメ、AVによって人間主義性に目を啓かされつつあることをテコに、人間主義についてきちんと説明することによって、彼らを日本の真のシンパへと導かなくっちゃ。(太田)

 なお、人間主義関連でこんな記事もあったよ。↓

 米国人は、子供の時は人間主義者だが、だんだんそうじゃなくなり、しかも、米国人はどんどん非人間主義化しつつあるんだと。↓>
 At the core of each child is a capacity for empathy. But according to one study, children become less generous toward others as they grow older・・・
 Research suggests that there is such a deficit and that it is rising.・・・
 <オバマは、かつて、米国人の共感(人間主義性)不足に警鐘を鳴らした。↓>
 nobody seems to be talking about reforms addressing what President Obama, in a 2006 speech, called an "empathy deficit."
http://www.latimes.com/opinion/commentary/la-oe-hochschild-empathy-schools-20130902,0,2477771.story

 最後に精神障害問題だ。
 いくら女性二人による執筆だからといえ、なんで「母娘関係」だけに着目するのよ。
 母たる女性が精神障害者の場合、「妻・夫(/パートナー/恋人)関係」も、そして藤圭子には息子はいなかったけど、「母息子関係」だって、全てに共通する部分が多々あるぜ。
 要は、共依存の問題として大きく括った上で、個別の問題にアプローチすべきってこと。↓

 「藤圭子・宇多田ヒカルから考える「母娘関係」・・・」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20130830/363233/?ml&rt=nocnt 
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太田述正コラム#6429(2013.9.3)
<日支戦争をどう見るか(その41)>

→非公開

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