太田述正コラム#6392(2013.8.16)
<皆さんとディスカッション(続x1992)>

<太田>(ツイッターより)

 「… 大邱大学を卒業したという呉<善花>氏の主張<は>うそ<であり、>…オ・スンイル(呉氏の本名)という名前の、該当する年代の女性は卒業生の中にいない…。また、…下士官として軍隊に入っていた1978年から2年間、大邱市内の保健大学(専門大学=短大に相当)に通っていた …。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/15/2013081500547.html
 これ読むと、呉さん、まさに立志伝中の人物であり、尊敬しちゃうな。
 ゴーストライターがいたとも書かれているが、それもむしろ彼女の勲章だろうて。
 朝鮮日報もホント、ケツの穴が小せえなあ。

<TA>

≫ついに、中共は、十全なる戦略核弾道弾搭載潜水艦システム保持寸前になったってさ。要するに第二撃核戦力保持寸前ってこと。それは、中共が、対米核抑止力を持つに至ったことを意味する。これは、米国の核の傘の信頼性の低下を意味する一方で、日本への対中共用非戦略核兵器の配備の軍事的意義が大きくなった・・それを日本が保有するか少なくとも使用できればその意義は更に大きくなる・・こともまた意味する。≪(コラム#5833。太田)

 コラム#0030を読みながら思ったのですが、この「戦略核弾道弾搭載潜水艦」、日本単独でも発見・撃破は可能ですか?
 また、「日本への対中共用非戦略核兵器の配備の軍事的意義」云々は、コラム#0376での「垂直エスカレーション戦略」と関係ありますか?

<太田>

 最初の質問:中共のSSBNは、水中音が乱反射する浅海域が多い中共の周辺海域に配備されるでしょうから、日本単独であれ米国の協力を得てであれ、SOSUSで(聴音して)発見するのは困難ですし、たとえ発見したとしても、中共から多彩かつ大量の攻撃を受けることから、哨戒・攻撃機を接近させることが困難なので撃破するのもまた困難です。
 後の質問:イエス。

<TA>

≫しかも、今回の<インドの>原潜は戦略核搭載予定だ。原潜も潜水艦搭載核ミサイルも国産。≪(コラム#6384。太田)

 この「潜水艦搭載核ミサイル」は、第二撃核戦力とかいう代物なのでしょうか。そしてこの原潜を中国が発見・撃破するのはやはり不可能なのでしょうか。

<太田>

 ミャンマーは中共から欧米よりに舵を切り替えた(典拠省略)・・この際ついでに触れておくが、(タイランド湾に面している)カンボディアも同様の切り替えを行う可能性が高まっている・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324653004578651520835332376.html?mod=WSJ_Opinion_LEFTTopBucket
ので、インド亜大陸以東のインド洋にSOSUS
http://ja.wikipedia.org/wiki/SOSUS
網を構築することは困難です。
 インド亜大陸以西のインド洋に関しては、可能性があるのはパキスタンですが、仮に中共がパキスタンと協力してパキスタンに地上局を設けたSOSUS網を構築したとしても、インドのSSBNはインド亜大陸以東のインド洋に配備すればよいし、その方が中共の政経中枢や軍事中枢に近いので好都合でしょう。           

<マサキ>

 こんにちは。スレ違いであればゴメンナサイ。
 「安全保障論」とはどんなことを勉強するのでしょうか?
 「軍事」とは違うのでしょうか?
 また「安全保障論」とは他の分野とあわせて勉強するものでしょうか?
 「国際政治学」とかの知識がないと無駄になるのでしょうか?
 僕は「国際文化」と「安全保障論」を勉強する予定です
 「国際文化」とはある地域の歴史・文学・文化です
 なんだかハテナが多くなってしまいましたが、よろしくお願いします。

<太田>

まず、自分で調べなくっちゃ。
 以下は出血小サービス。
 安全保障は軍事よりも広い概念です。
 そして、国際政治は安全保障よりも広い概念です。
 また、私の理解では、国際政治学は国際関係論と比較政治学を総合したものです。
 なお、国際政治学は政治学の一部門なので、政治学全体の勉強もしなければなりません。
 わーきゃりましたか?


 それでは、その他の記事の紹介です。

 安倍、朴両者とも、エエんじゃない?↓

 「首相の式辞、加害責任に触れず 「不戦の誓い」もなし・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0815/TKY201308150071.html
 「対日強硬発言は抑制 韓国大統領「光復節」演説・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013081602000132.html

 「アジアの中で靖国参拝に反対しているのは中韓2国だけ」(外交評論家の石平氏)・・・

→台湾が「国」であるかどうかはさておき、昨日台湾政府が発出した声明は、靖国への閣僚参拝を非難する寸前の内容だ。来年あたりには、直截的な非難声明を出すんじゃないか。
 なお、台湾独立志向の民進党の最近の反日傾向も気になる。
http://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2013/08/16/2003569825 (太田)

 中江要介元中国大使は12年4月に国会で、昭和60年12月に中国の胡耀邦総書記(当時)と靖国問題を協議した際のエピソードを証言している。同年8月15日に中曽根康弘首相(当時)が公式参拝したのをきっかけに、日中関係が冷え込んでいたころだった。
 胡氏「もう靖国神社の問題は両方とも言わないことにしよう。黙って85年でも100年でも騒がずに静かにして、自然消滅を待つのが一番いいじゃないか」
 中江氏「もし今黙っちゃったら、日本では『ああ、もうあれでよかったんだ』と思ってしまう人が出るかもしれない」
 冷静になろうと努める中国側を、むしろ日本側がたきつけているような構図だ。時の首相がいかに真摯に戦没者の慰霊と追悼の意義や正当性を訴えようと、背中から矢を射る勢力が幅を利かせていては事態はなかなか改善できない。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130816/plc13081606130002-n1.htm

 ↑1984年6月に中江を駐中大使に就けたのは「ハト」派の田中派と野合した「タカ」派の中曽根首相だろが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%B1%9F%E8%A6%81%E4%BB%8B
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A_(%E6%97%A5%E6%9C%AC)
 そんな自民党命で凝り固まり続けてきたのが産経じゃねーか。バッキャロ。

 中韓両国サマのおかげだと靖国神社は感謝しなくっちゃ。↓

 「・・・<8月15日>の<靖国神社>参拝客は17万5000人で、前年より1万4000人多かった・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/16/2013081600438.html

 「著名な」日本の政治家の靖国参拝を控えさせようと米国の指導層は懸命だね。↓

 <戦争犯罪人を含め戦没者を悼むのは結構とまで言ってくれとるよ。涙が出るね。
 しかし、参拝を控えれば周辺諸国からのおしおきを回避できるとよ。日本人はイヌか。↓>
 ・・・It is true that Japanese have a right to mourn their dead, even those deemed war criminals, but for a few prominent statesmen to refrain from visits while in office is a minor expense considering the costs imposed on the nation by each visit. Dwelling on the past is compromising Japan’s future, and it is time its leaders saw this.
http://www.csmonitor.com/Commentary/Opinion/2013/0815/Japan-s-tribute-to-war-criminals-threatens-regional-ties
 <安倍はそれを控え、中韓と前向きの話に集中せよ、とさ。エラそうに。↓>
 ・・・“The best that Japan and South Korea can arrange for now is a [verbal] cease-fire — no opening of these historical issues by Abe and instead focusing on positive areas of cooperation,” said Michael J. Green・・・
 <その一方で、直接対話を頑なに拒む朴大統領を窘めとる。ま、こっちは韓国人らしき人物の言だからいいだろ。↓>
 “If you close a door to a leader [like Abe] in a systematic way, how can you lead a so-called northeast Asian peace process?” said Bong Young-shik, a senior research fellow at the Asan Institute for Policy Studies in Seoul. “You can’t only deal with countries you like.”・・・
http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/on-anniversary-of-japans-surrender-issue-of-war-history-remains-touchy/2013/08/15/0d299bde-0597-11e3-88d6-d5795fab4637_story.html?hpid=z4

 ところで、上掲↑のうち後者の記事じゃ、まるで靖国神社に合祀されてる戦犯はA級戦犯の14人だけみたいな口ぶりだが、そんだけ無知な人物が靖国の記事書くなってんだ。
 ところで、この記事の投稿欄に目を通したが、岸信介がA級戦犯だという誤ったイメージが幅を利かせてるねえ。
 他方、珍しく、日本の朝鮮半島統治を擁護したり、南京事件で日本を弁護したりする投稿もあったな、
 ところで、南京事件で日本を弁護したkonan007って人が、国民党兵士が日本兵士の身なりをして強姦等に及んだという話を、 New York Times January 4, 1938とNew York Times January 4, 1938 Wireless to the New York Times. SHANGHAI, Jan. 3.の2本の記事をも引用してやってたが、どなたか、この記事ネットで見っけてくんない?
http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/on-anniversary-of-japans-surrender-issue-of-war-history-remains-touchy/2013/08/15/0d299bde-0597-11e3-88d6-d5795fab4637_allComments.html?ctab=all_&

 宮崎駿の『風立ちぬ』が米国の2主要メディアで紹介されてるが、どちらも好意的だな。
 アメちゃんは、後掲の村上春樹に対する評価もそうだが、宮崎や村上の作品に登場する人間・自然を戦前の日本人も愛でていた、つまりは、日本の戦前と戦後は一繋がりなのだ、ということに気付かないおバカさんばかりだとみえる。↓

 The New Miyazaki Movie Looks Haunting・・・
http://www.slate.com/blogs/browbeat/2013/08/15/the_wind_rises_english_trailer_the_new_miyazaki_movie_looks_haunting.html
 <この作品は、安倍首相が憲法改正を目指している現在と密接に繋がり合っているとさ。↓>
 ・・・The movie's subject dovetails with an issue currently under heated debate in Japan: the new prime minister's plan to amend the country's constitution to allow for the building of a full-fledged military, boosting the limited self-defense forces put in place after the war.
 <その上で、宮崎がこの動きに反対していること、それに対し「右」が反発していることが紹介されている。↓>
 Miyazaki, a venerated cultural figure in Japan, published an essay last month objecting to Prime Minister Shinzo Abe’s plan, in the process raising the ire of some Japanese conservatives, who on Internet message boards labeled him "anti-Japanese" and a "traitor."
 <宮崎は、平和主義者であって、現在と同じ問題・・大地震と経済的停滞・・に直面していた当時の日本を描いているって。↓>
 Miyazaki's movie, which is seeking U.S. distribution, reflects his pacifist stance.・・・he depicts Japan in the years leading up to WWII, when it faced some of the same problems that have plagued the country in recent years, including a devastating earthquake and economic stagnation.・・・
http://www.latimes.com/entertainment/movies/moviesnow/la-et-mn-the-wind-rises-trailer-miyazaki-20130815,0,314360.story

 村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の好意的書評が出てた。↓
http://www.latimes.com/features/books/jacketcopy/la-et-jc-haruki-murakami-novel-2014-20130815,0,3723602.story
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太田述正コラム#6393(2013.8.16)
<日支戦争をどう見るか(その26)>

→非公開