太田述正コラム#6315(2013.7.8)
<皆さんとディスカッション(続x1954)>

<太田>(ツイッターより)

 「方軍氏「中国を侵略した元日本兵が最も望んだのは中日の平和共存」…」
http://j.peopledaily.com.cn/94475/8314404.html
 この方軍という人物は分かってる可能性があるが、日本人は、日支戦争も、戦後の中共へのODA供与も、またずっと前の支那革命支援も、全て人間主義的精神でやったんだぜ。

 「韓国 技能五輪で18回目の総合優勝=金12個…2位はスイス、3位は台湾だった。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/08/2013070800653.html
 旧日本帝国諸国の健闘は喜ばしい限りだが、旧宗主国はどうなってんの?

<TA>

≫女性の方が男性よりも、本来的には、性により貪欲である、という本を紹介したことを覚えておられるかもしれません。(色々検索をかけたがコラムを発見できなかった。分かった方はご教示願いたい。)≪(コラム#6314(未公開)。太田)

 「第一次性革命はあったのか」シリーズ(コラム#5260〜)
http://blog.ohtan.net/archives/52131986.html
でしょうか?

<太田>

 いや、違いますね。
 私の記憶違いだったかなあ。

<SKI>

 --ジル・ボルト・テイラーのスピーチにて--

 ・・・メールマガジンで読ませていただきました、最近の仏教の関連のやりとり興味深く思っております。
 数年前にTEDにて興味深い学者のスピーチを見る事がありまして仏教の瞑想(三昧)とおそらくは仏陀の言っていたそれを偶然に体験出来た状態だと思っています。
 ご存知なかったら参考になるのではないかと思いメールいたしました。

 「ジル・ボルト・テイラーは、脳科学者なら願ってもない研究の機会を得ました。
 広範囲に及ぶ脳卒中の発作により、自分の脳の機能―運動、言語、自己認識―が、1つひとつ活動を停止していくのを観察することになったのです。この驚くべき物語をお聞きください。 」
http://www.ted.com/talks/lang/ja/jill_bolte_taylor_s_powerful_stroke_of_insight.html

<pJ/DBSxE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 当選のためには個人の美意識やプライドは徹底して押さえ込まれ、ひたすら群集の前で自分の名前を連呼し、握手とビラ配り。この過程が私には、カルトや自己啓発セミナーの洗脳と同じに見えてしかたない。
http://www.google.co.jp/gwt/x?gl=JP&hl=ja-JP&u=http://senkyo2.com/review.php&q=%E6%96%8E%E8%97%A4%E7%92%B0%E3%80%81%E9%81%B8%E6%8C%99&sa=X&ei=I5PZUdWhN8X5kgWujYAI&ved=0CBwQFjAA

 斎藤環
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%96%8E%E8%97%A4%E7%92%B0

 太田さんも選挙に出られましたが、どのようなものでしたか?
 知識人ほどドブ板選挙を嫌悪してるらしいですが。

<太田>

 私の選挙体験について、前篇を「講演」(ユーチューブにアップ済)しながら後篇を「講演」するのをネグってましたねえ。
 ところで、斉藤って人、精神科医でオタク研究家だというのに、ご本人の表現がちょっとオタクっぽくってオカシイと思うな。
 ちゅうのは、そんなこと言ったら、(仏教を含め、)宗教全般を否定することになっちゃうからです。
 恐らく本人はそういう自覚は全くないんでしょうがね。
 さて、私自身の体験に照らして言えば、(最初から手馴れていた)ウグイス嬢/ウグイス壮年の(私の主張を一言入れた)連呼にせよ、(最初はヒドかったけど次第にツボにはまってきた)候補者たる私自身の短い「演説」にせよ、それが少しでも聴衆の好意的反応を引き起こすと、「他の人々との一体感」(コラム#6313)に包まれたカンジになり気持ちイーもんだったですよ。
 今にして思えば、ありゃ、ミニ悟りと言って悪けりゃ、疑似悟りだったなって思います。
 「握手とビラ配り」は、比例区(全国区)だったこともあり、殆んどやれませんでしたが・・。

 以上についても、科学的根拠があるみたいですよ。
 連日引用している同じNYタイムス記事から、また別の個所を引用しましょう。

 「二人の人の間のどんな交流(affiliation)の印(marker)であれ、それがたとえ、拍子を合わせて拍手するといったささいな(subtle)ものであってさえ、他者が悲嘆にくれている時により同情(compassion)を感じるようにさせてくれる」
http://www.nytimes.com/2013/07/07/opinion/sunday/the-morality-of-meditation.html?ref=opinion&_r=0

 さて、SKIさん、「他の人々との一体感」、ひいては全てとの一体感を、我々は右脳で潜在的には常に感じているらしい、という精神医学者のジル・ボルト・テイラーの証言は興味深いですね。
 これが正しいとすると、悟りというのは、右脳で潜在的に感じていることを(左脳、ないしは左脳と右脳における)新神経回路の形成か休眠神経回路の活性化によって意識化させる(顕在化させる)ことである、ということになりますね。

 上掲のNYタイムス記事の更に別の個所に、「<瞑想・座禅をすると>頭の働き(mind)をより高度にコントロールできるようになる」・・他人によるマインドコントロールじゃなく、自分自身によるマインドコントロールでっせ・・とあるところ、これは、「全てとの一体感」を顕在化させたり潜在化させたりを自由にできるようになる、というのが悟りである、或いは不可逆的になった悟りである、ということを意味しているのかもしれません。
 だって、四六時中「全てとの一体感」に浸ってちゃ、脳内出血で左脳が一時機能を停止したテイラーじゃないけど、仕事も生活も満足にできませんからねえ。

 ところで、このことに関連する面白い書評が読売に出てました。

 「どのような状況におかれても、過去の経験や将来の不安に惑わされず、今この瞬間に集中し、冷静な判断を下せるというサイコパス<(psychopath=精神病質者)>特有の「知覚と感情の分離」・・・
 成功者と犯罪者の分かれ目は、この分離のスイッチのオンとオフの使い分けができるかどうか<だ>・・・
 難手術をやり遂げる外科医、巧みに相手をやり込める辣腕弁護士、テロリストに立ち向かう特殊空挺(くうてい)部隊の隊員、国家や企業を統率するリーダー、さらには悟りを開いた禅の高僧などにもその能力が備わっている」
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20130701-OYT8T00859.htm?cx_text=03&from=yoltop

 この書評子の書き方も誤解を呼ぶのであって、サイコパス(精神病質者)は、「全てとの一体感」、すなわち共感能力、を全く欠いている(=知覚と感情が常に分離している)人を指すのであって、禅の高僧等はサイコパスではないことに注意が必要です。
 ついでに言えば、共感能力が過剰な人(知覚と感情が常に混淆している人)も問題です。

 私が以前に(コラム#6185で)、「(共感過多の)極端な利他主義と(共感皆無の)精神病質者とは、実は相通じるものがある」と書いたことを思い出してください。
 双極性障害者というのは、共感過多(躁)から共感皆無(鬱)へ、そして再び共感過多へ、というサイクルを自分ではコントロールできないまま繰り返す人のことだ、というのが、私の仮説です。

 ちなみに、瞑想/座禅は、(創造力、記憶力、知能指数を含む)人間の総合的な知的能力を増進させるらしい、ということも、前出のNYタイムス記事には出てきますが、これは、「全てとの一体感」を自由に顕在化、潜在化できるようになることの副産物なのではないでしょうか。

<豊丘時竹>(2013.7.8)http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20130708

 自民党タカ派に騙されたフリをいつまで続けるつもりなのか、と太田述正さんが、<コラム#6313で>公明党を引き合いに出して、述べている。・・・
 要するに、自民党タカ派は憲法改正を叫んでいるが、これは見せ金にすぎないと太田氏は述べている。
 だから、集団的自衛権行使容認を宣言させるように強いる方向に自民党の政治を変えていこう、と主張している。
 私はそこまで理解した、と考えている。

<太田>

 その通りです。

 ところで、この記事、見出しに関する限り、読売は完全に宗主国政府の立場になりきってるね。
 宗主国に愛でられる属国の大衆新聞の模範だわねえ。↓

 「米機密漏洩事件 問われる情報管理のずさんさ(7月8日付・読売社説)・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130708-OYT1T00014.htm?from=ylist


 それでは、その他の記事の紹介です。

 維新危なし。↓

 「比例区の投票先は、自民が41%(6月29、30日の1回目44%)でトップ。続いて民主8%(同7%)、維新7%(同7%)、みんな7%(同7%)、共産5%(同5%)などだった。・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0707/TKY201307070265.html

 憲法改正危うし。↓

 「世論調査、改憲反対38%に増加 自民比例29%、民主7%・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013070701001613.html

 どっちがよりワルイか?
 もちろん前者の方だ。なぜかは考えてね。↓

 「・・・衆院議員で内閣府副大臣の西村康稔氏(50)<は>灘高から東大法学部、通産省のキャリア官僚を経て議員になった超エリートだが、・・・昨年7月、視察に訪れたベトナムで現地のホステスを買春していた・・・。・・・衆議院議院運営委員長の佐田玄一郎氏(60)が東京・上野のキャバクラで知り合った女子大生と湯島のラブホテルで1回4万円の援助交際を20回も繰り返していた・・・」
http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201307030220.html?ref=comtop_list

 毎日、イイ線行ったね、と褒めたいところだが、次期首相の下馬評は勇み足か。↓

 「エジプト:暫定首相で亀裂 エルバラダイ氏にヌール党反発・・・
 暫定政権も世俗・リベラル派の影響力が強い。だが政権を安定させるには、強固な組織力を誇る同胞団などイスラム勢力との融和が必要だ。ムスリム同胞団に次ぐエジプト第2のイスラム勢力であるヌール党の離脱は、できる限り避けたいのが本音。そのため暫定政権は慎重に協議を続けている。
 エルバラダイ氏以外にも、経済の混乱収拾のためにオクダ中央銀行前総裁ら経済の専門家の起用を求める声もある。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20130708k0000m030065000c.html
 <(その後無効とされた)前回の議会選挙で、ヌール党は投票総数の4分の1近くを占めた。↓>
 ・・・During Egypt's last parliamentary elections, al-Nour's bloc emerged with nearly a quarter of the vote -- second behind the Brotherhood's candidates. It was therefore envisaged that al-Nour stood to gain most from the Brotherhood's fall -- as it was seen as the clean alternative for Islamist voters who were put off by the Brotherhood's machinations, but unwilling to reject political Islam.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/07/egypt-salafist-al-nour-party
 <エルバラダイに代わって、首相の下馬評にあがっているのは、ジアド・バハー=エルディン。LSEで経済博士号を取得し、自由主義経済を唱える社会民主党の創建者の一人で上記議会選挙で当選。↓>
 Leaders of Egypt's hard-line Salafist Nour Party and secular party leaders agreed to put forward Ziad Bahaa-Eldin, a London-trained economist, as a candidate for prime minister, officials from Mr. Bahaa-Eldin's Social Democratic Party said.・・・
 He was among four cofounders of the economically liberal and secular Social Democratic Party and won a seat in Egypt's first postrevolutionary Parliament in 2012.・・・
 he has a Ph.D. from the London School of Economics・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324507404578591730073808300.html?mod=WSJWorld__RIGHTTopStories

 スノーデン事件のその後だが、今度はブラジルが米国政府に抗議。↓

 Brazil asks US to explain internet surveillance・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-latin-america-23222172
 <香港に逃亡する前の間接インタビューで、シュピーゲル誌に対し、ドイツの諜報機関は米NSAと密接な関係にあると語っていた。(ということは、本件でのメルケル首相らの対米牽制は単なるポーズか?)↓>
 In an interview, Edward Snowden accuses the National Security Agency of partnering with Germany and other governments in its spying activities. New information also indicates close working ties between the German foreign intelligence agency and the American authority.・・・
 <ドイツのBNDは、ドイツを通過する通信データ、とりわけ中東関係をフォローしている。(それをNSAに提供している。)↓>
  NSA, for example, provides "analysis tools" for the BND's signals monitoring of foreign data streams that travel through Germany. Among the BND's focuses are the Middle East route through which data packets from crisis regions travel. In total, SPIEGEL reported that the BND pulls data from five different nodes that are then analyzed at the foreign intelligence service's headquarters in Pullach near Munich.・・・
 <ドイツのヴィースバーデンにNSAが新基地を建設中。建設要員も建設資材も全て米国から来ている。↓>
 Currently, a new Consolidated Intelligence center is being built in Wiesbaden. The bug-proof offices and a high-tech control center are being built for $124 million. As soon as the Wiesbaden facility is completed, a complex currently being used in Darmstadt wil be closed. The facilities are being built exclusively by American citizens who have security clearances. Even the material being used to construct the buildings originates from the United States and is guarded throughout the shipping process to Germany.
http://www.spiegel.de/international/world/edward-snowden-accuses-germany-of-aiding-nsa-in-spying-efforts-a-909847.html

 1979年は画期的な年であり、イラン革命、ヨハネ・パウロ2世の法王就任、アフガニスタンでの聖戦開始、トウ小平とサッチャーによる経済革命開始、があったとさ。↓

 ・・・The author, a former Newsweek correspondent, tells the story of that single year with verve and scholarship. He makes unlikely connections between the Iranian revolution and John Paul II's papacy, the Afghan jihad and the economic reforms pursued by Deng Xiaoping and Thatcher, all of which took root in 1979.・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2013/jul/07/strange-rebels-christian-caryl-review

 痴呆にならないようにするためには、とにかく、若年時から頭を使い続けることだってさ。↓

 The key to staying sharp in old age is to exercise your brain throughout life. Now the latest research shows that such activity may actually slow cognitive decline and, if you do develop dementia, shorten the time you spend living with it.・・・
 <社会と関わることも重要だって。↓>
  Social engagement also seems to be crucial.・・・
http://healthland.time.com/2013/07/05/to-avoid-dementia-stay-mentally-active-throughout-lifetime/print/

 こんな記事も出てた。
 文中に登場する「酔いどれ天使」は食道がんで亡くなったが、オヤジと全く同じケースだな。酒を飲むと顔が赤くなる人は、酒をたしなむ程度にとどめるべきだ。さもないと、てきめんに食道がんになるよ。↓

 「チェンバロ協奏曲第1番 酔いどれ天使はバッハがお好き・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/classic/clfeature/20130704-OYT8T00402.htm
 それはそれとして、この曲を、チェンバロとピアノで、それぞれどうぞ。↓
http://www.youtube.com/watch?v=qbaBFIN-b_8
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=B-rgOYwjRk0#at=32
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太田述正コラム#6316(2013.7.8)
<日進月歩の人間科学(続x32)(その2)>

→非公開。