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太田述正コラム#5992(2013.1.27)
<米国前史(その1)>(2013.5.14公開)

1 始めに

集団自衛権問題について、私のかつての部下であった西川吉光君が執筆した論文を紹介する投稿があり、懐かしさも手伝い、明日のディスカッションで取り上げるため、ネットで色々調べていたことから、このシリーズの一回目の執筆に殆んど時間を割けなくなったことを最初にお断りしておきます。

 さて、以前、(コラム#5778で)「米国は、北米植民地であった当初から、渡来した白人達が非白人たる原住民の地を侵略している存在であったことから、恒常的に「戦時」であった」と記したところですが、その実態がいかなるものであったかを詳細に教えてくれる新著が上梓されました。
 バーナード・ベイリン(Bernard Bailyn)の『野蛮な年月:英領北米における集住--諸文明間の紛争 1600〜1675年(The Barbarous Years: The Peopling of British North America--The Conflict of Civilizations, 1600-1675)』です。
 例によって、書評をもとに、そのさわりをご紹介し、私のコメントを付そうと思います。
 (恐らく英国での上梓はまだであることから、)米国のものばかりだというのに、この本の書評の数の多さに驚かれると思いますが、それは、後述するベイリンの実績と、この新著の質の高さの帰結である、と言えるでしょう。

A:http://www.csmonitor.com/layout/set/print/Books/Book-Reviews/2013/0117/The-Barbarous-Years
(1月18日アクセス)
B:http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444354004578058840869863324.html
(1月26日アクセス。以下同じ)
C:http://www.publishersweekly.com/978-0-394-51570-0
D:http://www.nytimes.com/2013/01/06/books/review/the-barbarous-years-by-bernard-bailyn.html?pagewanted=all&_r=0
E:http://www.thedailybeast.com/articles/2012/11/22/the-barbarous-years-what-17th-century-america-really-looked-like.html
F:http://www.historybookclub.com/american-books/colonial-&-early-republic-books/the-barbarous-years-by-bernard-bailyn-1076523209.html
G:http://www.dallasnews.com/entertainment/books/20121221-book-review-the-barbarous-years-the-peopling-of-british-north-america-the-conflict-of-civilizations-1600-1675-by-bernard-bailyn.ece
H:http://harvardmagazine.com/2013/01/brutish-beginnings
I:http://www.wilsonquarterly.com/blog/index.cfm/Current_Books/2012/11/19/Bloody-New-World
J:http://seattletimes.com/html/books/2019725080_br25barbarousyears.html
K:http://www.washingtonindependentreviewofbooks.com/bookreview/the-barbarous-years-the-peopling-of-british-north-america-the-conflict-of-civilizations-1600-1675/
L:http://www.timesdispatch.com/entertainment-life/arts-literature/books/book-review-nonfiction-the-barbarous-years/article_548c8750-ea2c-57ce-a4fb-7f0b605a3df1.html
(以上のほか、長文の書評がNewyorker誌に掲載されている
http://www.newyorker.com/arts/reviews/brieflynoted/2012/12/10/121210crbn_brieflynoted1
が、有料購読者だけしか読むことができない。書評については、例外的に有料記事扱いにしていない主要メディアの電子版が圧倒的に多い中で、Newyorkerを含むごく少数がこの「麗しい」伝統に従っていないのは、大変残念なことだ。)

 なお、ベイリン(1922年〜)は、ウィリアム単科大学卒のハーヴァード大博士であり、長らくハーヴァード大で教鞭を執り、その後アダムス(Adams)大学でも教え、両校の名誉教授として現在に至っている、90歳の学者です。
 彼は、これまで、歴史書に係るピューリッツァー賞を2回(1968年と1987年)受賞しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Bernard_Bailyn (及び、H、I)
 私が彼の年齢に達するまでにはまだ4半世紀以上もあるわけであり、コラムを書き続ける時間はまだまだたっぷりある、という気になって心強い限りです。

(続く)

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