太田述正コラム#6111(2013.3.28)
<皆さんとディスカッション(続x1852)>

<太田>(ツイッターより)

 今度は手堅いヨイショ記事→「日本の病院広告はシンプル 「完治保障」のフレーズなし…」
http://j.people.com.cn/94475/8185038.html
 ついでに→「中国の女子学生は男子学生より高成績…」
http://j.people.com.cn/94475/8184944.html
 日本の女子学生ももっと頑張ってエエんじゃないけ?

 「…蒼井そらが中国で人気…1300万人以上のフォロワー…なのはどうして?…」
http://j.people.com.cn/206603/8185338.html
 答えが書いてないじゃん。
 太田説:一、日本のAVの中共席巻、そして彼女の、二、支那人顔、三、対中共マーケティング努力、四、人柄、五、マルチタレントぶり。
 ウーン?

 慰安婦問題で見るに見かねて昼飯前にNYタイムスに投降した<(注)>。
http://lens.blogs.nytimes.com/2013/03/27/a-wars-cold-comfort-in-china/?ref=world
 それにしても腹が立つのは日本の大使館、とりわけNY総領事館の連中だ。
 匿名でもどうして安倍政権の立場に立った投稿をしないんだい?
 2ちゃんねらーも内弁慶ばっかりだと見える。

(注)
Up to the end of WWII, Koreans were Japanese citizens.
They were treated equally.
Foe example,All Korean Japanese (male adult) citizens also had voting rights in national elections held in mainland Japan. Whereas all Japanese citizens living in the Korean Peninsula had no voting rights in national elections.
Brothels were established around Japanese garrisons to prevent
the rape of Chinese women committed by Japanese soldiers, rampant since the beginning of the Sino-Japanese war.
Brothels were legal at that time in Japan.
In fact, brothel culture flourished and prostitutes could become highly esteemed idols in Japan, especially during the Edo period, the reason why ukiyoe(wood print) grand masters liked to draw prostitutes.
Comfort women(CW) i.e. prostitutes were recruited mainly from Japanese citizens, that meant from both 'Japanese' Japanese as well as Korean Japanese.
There is not a single 'Japanese' Japanese ex-CW claiming coercive recruitment by the Japanese government.
And there is not a single written document or valid third party testimony proving any coercive recruitment of the CW by the Japanese government.
Testimony of the ex-Korean Japanese CW or any other woman herself based on her memory alone is usually deemed not reliable enough.
Consider these facts before making judgments of your own on this issue.

 誰か、反響を調べて報告してくれないかなあ。
 何せ、NYタイムス、月間の記事アクセス数に制限があるので・・。

<2n/2+63K0>(「たった一人の反乱」より)

 米国のスターよ、甦れ! 米国に押し寄せる英国人俳優の波
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324559504578381670992588736.html

 アメリカ人には、イギリス人に対する劣等感があるのはわかる。
 で、イギリス人には何か劣等感はないのか?そこのところがわからない。

<OhBlOTJj0>(同上)

 そりゃあるだろ。
 日本ですら20世紀にアジアの一部を植民地化した罪悪感がぬぐえずに、いまだに謝り続けてる人たちがいるんだから。
 イギリスのように長期にわたって世界中を蹂躙しまくった歴史を恥じて小さくなってる人たちだって必ずいるはず。

<太田>

 上掲の記事にも出て来るけど、アメちゃん、クイーンズイングリッシュの発音に痺れちゃうみたいね。
http://www.csmonitor.com/layout/set/print/Books/2013/0326/Cheers-America-6-thoughts-from-a-British-writer-on-the-differences-between-the-US-and-UK/Perfect-looking-homes
 だけど、もっと決定的なことがある。
 米国はイギリスよりも更に人種の坩堝だし人口もはるかに多いけど、イギリス人の方が米国人より個性的な面構えをしている人が多い、ということだ。
 ボクは、米国人のは付和雷同的「個人主義」であるのに対し、イギリス人のは人間主義的個人主義なんだからこそだと思ってるんだな。

<4cXgwwxs>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 【スクープ最前線】首相「北朝鮮と民主党の深い闇」を極秘調査 拉致問題を政治利用か
http://www.zakzak.co.jp/smp/society/politics/news/20130327/plt1303270709000-s.htm
 こいつは妙にリアリティがある話。
 民主党が悪いと言うより、日本の政治家ならやりかねない。

<CjgIi//Y>(同上)

 自民以外の全ての政党に碌な情報ソースも付けずに叩きまくる産経、その系列のzakzakネタって時点で読む価値ゼロだったのは解ってはいたけどさ。

 「東京と平壌をつなぐ「闇」について、ジャーナリストの加賀孝英氏が迫った。」
 加賀孝英氏でググってみたけど、↓陰謀論大好きな人みたいよ?
http://blogos.com/article/52138/
 選挙結果が出た今この記事↓読めば、いかにトンチンカンな事ほざいてたか解るっしょ?
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121212/plt1212120709002-n1.htm
 あと↓この記事覚えてるかな?
http://www.news-us.jp/article/299873983.html
 当時も「民主叩く為なら捏造・風評なんでもアリだなぁ」とは感じてたけど、同一人物で吹き出したわ。
 <4cXgwwxs>さんは「日本の政治家ならやりかねない」って言ってるけど、それこそ日本の政治家を過大評価し過ぎと違う?

<XyLaqkZc0>(「たった一人の反乱」より)

 「米国で囁かれ始めた在日米軍撤退論・・・
「日本は米国の防衛負担を引き継ぐべきだ」・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37445
 筆者の古森 義久はしょーもない、典型的吉田ドクトリン信者。

<TA>

≫在日米軍に対して中共が地対地ミサイルで完全な奇襲を行うことは不可能であると考えられます。ということは、(ゴンズ論文の論理からすれば、)その前兆を掴んだ段階で、米空軍や米海兵隊の航空部隊は、日本(や韓国)の基地からグアムやアラスカの基地に退避する可能性が大だということになり、中共は、攻撃すべき対象(在日等米軍部隊)を失うことになるでしょう。≪(コラム#5195。太田)

 ↑で太田さんは典拠を付けていませんが、典拠を付けるまでもない常識的事柄だった、ということなんですね。↓

 「・・・2008年10月にJASBC<(統合エア・シー・バトル構想)>の開発を目的に実施された図上演習「Pacific Vision」においては、敵による航空基地等の攻撃を受ける前に、兵力をいかに退避・分散させるかが勝敗の鍵となる点が教訓として得られた。そして、空軍の兵力は、アラスカ、ハワイ及びオーストラリアを結ぶ圏外を拠点とし、日本、韓国、グアム、テニアン、サイパン及び東南アジアに展開することが適当とされ、今後はシンガポール、インド、インドネシア及びヴェトナム等との関係の構築が重要であると認識された。」(161頁)
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/review/1-2/1-2-8.pdf

 上記の『海幹校戦略研究 2011 年 12 月(1-2) 統合エア・シー・バトル構想の背景と目的 ―― 今、なぜ統合エア・シー・バトル構想なのか ―』(木内啓人(注))ですが、エアシーバトルや中国のA2AD(接近阻止・領域拒否)戦略について詳細に解説されており、私はとても勉強になりました。
 もしよろしければ、太田さんにもお読みいただき、補足・反論等のコメントを頂ければ幸いです。

 (注)役職は「海上幕僚監部 人事教育部 教育課 教育班長」で階級は一佐のようです。
http://j-navy.sakura.ne.jp/file-headstaff.html

<太田>

ここまで手を広げて勉強しておられることに敬意を表します。
 さて、エアランド・バトル教義
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%AB
には、第二次冷戦末期に米陸軍が米空軍を誑し込んでぶち上げた陸軍予算獲得戦略という側面があったわけですが、今度のアエシー・バトル教義にも、米中冷戦が本格化しようという時期に、米国防予算縮小という「危機」に直面して米海軍が米空軍を誑し込んぶち上げた海軍予算獲得戦略という側面があることを忘れてはなりません。
 (というわけで、日本の自衛隊でも、エアランド・バトル教義を「研究」したのはもっぱら陸自だったと認識していますが、エアシー・バトル教義を「研究」しているのは、今度はもっぱら海自だと想像されます。)
 このどちらも、米国防省全体としての共通教義ではないことに注意が必要です。
 また、目的が目的だけに、当然、前者ではソ連の脅威が、後者では中共の脅威が必要以上にプレイアップされています。
 興味深いことに、前者をぶち上げた直後にソ連は崩壊し、脅威は雲散霧消したのですが、今回も、そう遠くない将来に中共が崩壊し、脅威が雲散霧消する可能性なきにあらずです。
 (ただし、この種の教義をぶちあげることが、対象国の体制の崩壊に資する面もあるのが面白いところですよね。)
 とはいえ、ご指摘の点を含めた、同教義の細部には我々が頭に入れておかなければならない事実が含まれていることもまた銘記すべきでしょう。
 私から見ると、エアシー・バトル教義は、そのタイトルからしても、米海軍が形の上では自分の傘下の米海兵隊を見限ったと解釈できる余地がある点がとりわけ興味深いものがあります。
 少なくとも、米海軍は、中共が軍事的に何をやらかそうと、中共本土に地上部隊を派遣するつもりはないし、また派遣された場合に積極的にその部隊を支援するつもりもなさそうですねえ。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 「・・・幹の体積の総和を森林の蓄積といいますが、日本は過去50年間ぐらい増え続け、3倍ぐらいになっています。人工林は4〜5倍に増えていて、自然林もどんどん成長しています。・・・
 <他方、>歌川広重の「東海道五十三次」に描かれている江戸時代の風景には木がまばらにしか生えていない。明治時代の写真(下)にも、ほとんど木はない。かつての日本は、「森林飽和」とはほど遠いイメージです。・・・

→ここまで読んだ時、ぎゃっ私の人間主義論の自然との関わりの部分は誤っていたのかねえって思っちゃった。(太田)

 江戸時代の人口が3000万人で頭打ちになったのは水田を開発する場所がなかった、または水が得られなかったからという説がありますが、私は森林資源がそこまでしかなかったからではないかと考えています。・・・
 逆に言うと、森林資源があったから日本は3000万人養えたと言えるかもしれないですね。・・・
 農業生産が止まったのは水のせいだけではなく、肥料がなくて止まったのかもしれません。当時、肥料はすべて里山の木で堆肥でつくり、それだけでは間に合わないので、青い葉っぱまで使って緑肥にして、ぎりぎりで回していたんです。だから私は、日本人は「稲作農耕民族」ではなくて「稲作農耕森林民族」だろうと言っているわけです。

→ここらあたりでようやく一安心した。(太田)

 江戸時代からぎりぎりのレベルで保ってきたけれど、明治になると農業だけではなく、製糸産業などいろいろ産業が始まるわけです。ところが、まだ石炭を大々的に使うようになっておらず、主な燃料は依然として木だった。それから、開発が進んで家もたくさん建てるし、工場も建てる。しかも、鉄道なども普及し始めて、より遠くから木材を集めやすくなってくる。一番ひどかったのは、明治30(1897)年ぐらいではないかと推定しています。
 明治30年代に日露戦争がありました。実際に日露戦争が終わった明治44年になって、本格的な治水事業が始まった。土砂崩れや洪水の氾濫を防ぐために、山腹の斜面に木を植えて、はげ山を緑化していったのです。そこで日本の森林は下げ止まりました。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130327/245731/?mlp

 フクシマのストリートビューがこれ以外にもNYタイムスで採り上げられている。↓
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/mar/27/fukushima-google-street-view-meltdown-tsunami

 スティーヴ・ジョブスのマンガ伝記が日本で出版されたことが報じられている。↓
http://www.guardian.co.uk/books/2013/mar/27/steve-jobs-manga-biography-mac-apple
 ようやく真相が分かったよ。
 要するに「占い師」と中島はレスビアン・パートナーとして同居してたんであって、仮にこの二人が法的に「結婚」できていたとすれば、占い師が中島の成人後見人となって、カネの無駄遣いを止めさせることができていたかもしれないってことだ。↓

 「オセロ中島語った 洗脳「されていない」元同居女性に「会いたい」・・・」
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/03/28/kiji/K20130328005493260.html?feature=related

 同性婚の禁止について憲法的判断を米最高裁が求められている↓けど、日本でも同性婚の可否について少なくとも議論がもっと起こらなくっちゃ。
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/explainer/2013/03/gay_marriage_at_the_supreme_court_did_interracial_marriage_opponents_claim.html

 行政訴訟制度の導入とそれが活用されていること、更には同訴訟での住民側の勝訴率が3分の1を超えていることをあげて、中共でも自由民主主義化が着実に進展していることを訴えるコラムだ。
 (単なるガス抜きにしか私には見えないが・・。)↓

 ・・・The enactment of the Administrative Litigation Law in 1990 enabled Chinese citizens to file lawsuits against local governments and public agencies.
 In recent years, hundreds of thousands of non-governmental organizations, often with official approval, have represented individuals on bread-and-butter issues, including land seizures, housing demolitions, environmental abuses, labor rights and healthcare. The number of lawsuits against the government has ballooned to more than 100,000 per year, with plaintiffs winning over one-third of the cases.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2013/03/27/2003558087

 昨今の執拗なNGO弾圧もこれあり、ロシアは着実に独裁制へと堕しつつある、とする記事だ。↓

 ・・・Since (Vladimir Putin's return to the presidency), one can observe how an authoritarian regime -- which still tolerates a small level of freedom in some niches of society as long as they don't question state power -- is slowly transforming in to a bona fide dictatorship.・・・
 intimidation and defamation. Tax officials and public prosecutors are responsible for the former. State-controlled television are responsible for the latter ・・・
 NGOs are enemies of the Kremlin and the Russian state. And enemies deserve no respect or fairness.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/russian-ngo-raids-a-sign-of-growing-authoritarianism-say-commentators-a-891248.html

 他方、イラクは着実に3分割への道を歩んでいるという記事だ。↓

 Iraq's great divider Prime Minister Maliki's actions may lead to the country's breakup, as the U.S. stands idly by.・・・
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-barkey-iraq-dissolution-20130326,0,4956554,print.story

 マリで北部から追い払われたばかりのアルカーイダ系反体制派は、中南米から欧州へのヤク密売ルートの主要中継点たるマリ北部にあって、ヤク・マフィアからの上納金で武器等を確保してきたって話が出てる。↓

 ・・・al Qaeda in the Islamic Maghreb (AQIM)・・・receive virtually no outside funds, so taxes on the drug shipments that pass through the north is the primary way they raise the money they need to pay fighters and purchase new weaponry.
 ・・・They get some money from kidnapping Westerners, but nothing like what they get from the drugs,・・・
 Drug cartels throughout Latin America see northern Mali as an ideal staging point -- it is situated roughly halfway between South America and Europe and has long been largely beyond the reach of the fragile central government in Bamako.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/03/27/welcome_to_cocainebougou_mali?page=full
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太田述正コラム#6112(2013.3.28)
<第一次世界大戦の起源(その1)>

→非公開