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太田述正コラム#6059(2013.3.2)
<皆さんとディスカッション(続x1826)>

<太田>(ツイッターより)

 「日本人は外出時にゴミ袋を携帯…」
http://j.people.com.cn/94475/8149553.html
 こういうヨイショ記事にはいつも感動する。
 米紙の安倍首相インタビューの要約ぶりに問題はないという指摘
http://j.people.com.cn/94474/8148438.html
もその通りだと思う。
 だから人民網の記者は、内心、安倍首相の主張通りだと考えてるんだろうな、とつい思いたくなるんだなあ。

 「三一節:朴正熙元大統領と朴朴槿恵大統領、演説の違い…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/02/2013030200414.html
 要するに、経済発展はしたけれど自己批判の精神が失われたわけだ。
 旧宗主国の日本の方は、戦前史について、戦後、一貫して自己批判を続けてるけど、これも困ったもんだね。

<RdRNJQh10>(「たった一人の反乱」より)

≫普通は億の金積まれたら多少の発言のしにくさなんて屁でも無いだろ。そもそも発言なんてしんどい事しないで遊んで暮らすわ。≪(コラム#6057。vbM+ZH6z0)

 <遊んで暮らしてもらっては>国とか、国民にとってすごい損失。
 ハーバードとかならば留学した人は多いけど、<太田サンのように>英国の陸軍大学とかの、長年、ソ連、アラブ世界とやりあってた所に留学した人て、少ないから。

<P7dEzYN2>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 オードリー・ヘプバーンをフルCGで完全再現、イタリアの街で動くとこうなる
http://gigazine.net/news/20130301-audrey-hepburn-vfx/

 ぐへへ、ぐへへ。

<04jd9T9o>(同上)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130228/kor13022813030002-n1.htm

 太田さんが紹介した上の記事、韓国語版も出してほしいよね、朝鮮日報みたいに。

<TA>

≫<ジャンバルジャン>はあの英雄ナポレオン・・・と事ある毎に引き比べられている。彼はナポレオンと同じ1769年生まれ。ナポレオン・・・<の>イタリア遠征と同じ1796年に徒刑場送りとな・・・る。19年の刑期を終えて、1815年、南仏ディーニュの町に入<ったが、>・・・<その年>はナポレオン没落の契機となったワーテルローの敗戦の年。その戦いの一部始終は第2部第1編をまるごと 費やして、詳細に記述されている。≪(コラム#6058(未公開)。稲垣)

 十年以上前に原作を読んだことがあるのですが、当時、ユーゴーがなぜ唐突にワーテルローを数十ページにわたって長々と解説し出したのか理解できませんでした。
 小説の書き方としてどうかはともかく、ちゃんと理由があったのですね。この小説、これ以外にも訳の分からない長文の脱線箇所がいくつかあったと記憶します(確かパリの下水道云々など)が、それらにも何か意味があるのかも知れません。
 それにしても、読んでいた当時ですら、パン一個盗んで「19年の刑期」という設定はリアリティ的にどうかと思っていましたが、ナポレオンの事跡との辻褄合わせのための設定だったのですね。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 武器輸出三原則そのものじゃなく、その拡大解釈の方だが、その反対だよ。
 「日本の外交力を削(そ)ぎ、国際的地位を危うく<し、>国益<を>毀損」してきたと言ってよい。↓

 「・・・これまで政府が平和国家の理念として表明してきた「国際紛争の助長を回避する」<から>、「国連憲章を順守する」に変わった。・・・」
http://mainichi.jp/opinion/news/20130302k0000m070130000c.html
 「・・・武器輸出三原則は、戦争放棄の憲法九条、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則とともに、日本が先の大戦の反省から戦後築き上げてきた平和国家という「国のかたち」の根幹を成す。
 それらが揺らげば、軍備管理・軍縮分野で影響力を保ってきた日本の外交力を削(そ)ぎ、国際的地位を危うくする。国益は毀損(きそん)される。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013030202000140.html

 ローズベルト時代からトルーマン時代にかけて、米国の自由民主主義の繁栄は国内での人種差別と国外での独裁者との癒着によって達成されたと書いた本が米国で出た。↓

 <南部において黒人差別を行い、戦中はソ連、戦後はナチスの科学者/技術者達の協力を得た。↓>
 ・・・liberal democracy prospered because of an accommodation with racial humiliation” — the flagrant racism of the Jim Crow South. Abroad, victory in World War II depended on an alliance with Joseph Stalin, a tyrant in the class of Adolf Hitler. Then to cope with Stalin’s Soviet Union early in the Cold War, we relied on Hitler’s Nazi scientists and engineers to build our rockets. ・・・
 <ニューディールにおいて、南部の黒人は社会保障から除外され、軍の権利の章典で保護されるどころか積極的に差別され、テネシー渓谷公社においても黒人の機関は差別された。↓>
  ・・・poor black Southerners were deliberately excluded from many New Deal programs, beginning with Social Security, which initially did not cover agricultural and domestic workers, the principal occupations of Southern blacks. Again and again,・・・Southern members of Congress made sure that African Americans were shortchanged, even by the G.I. Bill of Rights and the Tennessee Valley Authority, which actively discriminated in its employment policies and favored white institutions over black ones.・・・
 <ローズベルトのニューディールにも戦争にも南部の連邦議員は積極的に協力したし、トルーマンの冷戦政策にもそうしたこともあり、彼ら、とりわけローズベルトは黒人差別問題から逃げ続けた。↓>
 Again and again the Southerners provided crucial votes, not just for New Deal legislation in the early 1930s, but also on measures to prepare for World War II. In August 1941, for example, Roosevelt won a House vote to strengthen the military draft in obvious preparation for war by a single vote, 203 to 202. Southern members voted 123 to 8 in favor. The pattern recurred after the war, when Southern members gave strong support to Truman’s forceful Cold War policies.・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/fear-itself-the-new-deal-and-the-origins-of-our-time-by-ira-katznelson/2013/03/01/a4030f2c-7b72-11e2-a044-676856536b40_print.html

 後二声くらい足らないね。↑
 当時の米国の人種主義は対外的にも貫徹されていて、そのこともあって、ローズベルトはソ連と手を結んだってことを言わなくっちゃ。
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 一人題名のない音楽会です。
 20世紀民俗音楽特集の第一回目です。
 ただし、下掲の記事に登場した曲だけをご紹介することにしました。
http://www.guardian.co.uk/music/2013/jan/31/rest-is-noise-mozart-beethoven?intcmp=239
(2月4日アクセス)

<英国>

Vaughan Williams(注) Linden Lea (Ian Bostridge)
http://www.youtube.com/watch?v=96W2d4v1zE4

(注)1872〜1958年。「民謡の採集や教会音楽の研究を通して独特の作風を確立し、イギリス人による音楽の復興の礎を築いた。イギリスの田園風景を彷彿とさせる牧歌的な作風」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA

 Second Symphony(London) Adrian Boult指揮 London Philharmonic Orchestra
http://www.youtube.com/watch?v=pV3BGznRyRQ

<英国/米国>

Percy Grainger(注) Shallow Brown John Shirley-Quirk等歌唱 Benjamin Britten指揮 English Chamber Orchestra Conducted
http://www.youtube.com/watch?v=nL5G9C59Iao

(注)1882〜1961年。「オーストラリア生まれのピアノ奏者、作曲家・・・1901年、19歳の彼は母とイギリスのロンドンへ渡り、そこで才能が開花した。・・・1907年の夏、ノルウェー・・・に作曲家、グリーグ(1843-1907)を訪ね、彼の自国の音楽を大切にする心に民俗音楽への興味を引き起こされたグレインジャーは、エジソンによって発明された蝋管蓄音機を使い、イギリスを回り、民謡を歌い手らから収集し、また、それらの編曲も行った。・・・1914・・・年の9月、32歳のグレインジャーはアメリカへ移住し、そこで終生を過ごした。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC

<米国>

Charles Edward Ives(注) , 3 Places in New England James Sinclai指揮 Orchestra New England
http://www.youtube.com/watch?v=ZKJw74JWYwg 1 The "Saint-Gaudens" in Boston Common
http://www.youtube.com/watch?v=UNlL27HvLOo 2 Putnam's Camp, Redding
http://www.youtube.com/watch?v=kZ4ABTDmSiU 3 III. The Housatonic at Stockbridge

(注)1874〜1954年。「<1人の>友人・・・とともに自らの保険会社Ives & Myrickを設立し、引退するまで副社長を務めた。余暇の合間に「趣味」で作曲を続け<た。>・・・作風は少年期に親しんだ讃美歌、愛国歌、民謡などをベースにしており、最初後期ロマン派の影響を受けていたが、後、前衛的になり、シェーンベルクやストラヴィンスキーやバルトークやハーバ、ミヨーに先んじて、無調、ポリリズム、多調、微分音を実験的に導入している。したがって、米国初の前衛音楽の作曲家と呼んで差し支えない。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%BA

⇒グレインジャーは渡米後は米北部のNYを本拠としたし、アイヴスの曲はニューイングランドをテーマにしたものであり、ここまでの全てが、広義にイギリスの民俗音楽と言ってもよいかもしれません。
 全般的に静謐な印象を受けます。
 また、随所にミュージカル・チックな雰囲気も私は感じました。(太田)

(続く) 
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太田述正コラム#6060(2013.3.2)
<映画評論36:レ・ミゼラブル(その3)>

→非公開     

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