太田述正コラム#6025(2013.2.13)
<皆さんとディスカッション(続x1809)>

<太田>(ツイッターより)

 1937年に英国で初演され大ヒットしたミュージカル「ミー・アンド・マイガール」のステップ
http://www.youtube.com/watch?v=0O4Mdrj4nYQ
を、1934年に制作されたレニ・リーフェンシュタールによるナチ宣伝映画(を加工してそ)の登場人物達に踏ませることによってナチをパロディー化し、大ウケしたところの、1940年の英情報省作成の映像
http://www.slate.com/blogs/the_vault/2013/02/12/_lambeth_walk_nazi_style_the_goofy_anti_nazi_parody_video_that_enraged_goebbels.html
だよ。

<1ESy4sfI>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 わが国は強国となり、日本を徹底的に心服させよ(1)=中国人識者
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0212&f=politics_0212_010.shtml

 こういう記事を見ると中国人の世界には「平等」だとか「対等」だとかという概念がつくづくないのだなアと思う。
 中共が民主化してもこういう性分は変わることはないだろう。
 戦前の日本は、中国の民主化を目指していたが、その目標が不毛であった。又、仮に戦前に中国が民主化していても、日中が対ソで共同戦線を張れていたのかどうか多分に疑わしい。

<太田>

 翻訳のせいかもしれないが、論理が通らないところもある「論文」だな。
 ただ、人民網の記事もそうだが、中共の当局に近い人が書いたものは、とりわけ、行間を読まなきゃならない。
 中共の現状は、軍事力においても先進性においても日本に劣っているのだから、と当局に自制を促している、と読むこともできるんじゃないかな。

<太田>(ツイッターより)

 米英の主要メディアの電子版HPのおおむねトップを北朝鮮の核実験が飾っているというのに、人民網の電子版はまだ完黙。中共当局の頭痛の種は尽きないねえ。それに引き換え、このところ、どうしてこうも立て続けに、日本の「独立」を促す行為を周辺諸国が行ってくれるのだろうか。
 一人ほくそ笑むボク。

<太田>

 中共は今回の北朝鮮の核実験を非難したが、その文言の激しさは、北朝鮮の1回目の核実験の時のよりもオツルようだな。↓

 ・・・The Chinese foreign ministry voiced its "firm opposition" to the North's third nuclear test on Tuesday in a statement that, as after previous tests, called for a calm reaction and denuclearisation talks. However, it stopped short of the harsh criticism it unleashed in 2006, when it described the first nuclear test as "brazen".・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/12/china-north-korea-nuclear-test

 関連する一連の記事だ。

 「・・・<今回の核実験の>威力はTNT火薬6−7キロトンを爆破したのと同じだという。これは、1945年に米国が広島に投下した原子爆弾の2分の1ほど。
 国防部側によると、北朝鮮で2006年に行われた1回目の核実験で使われたのは1キロトン、09年に行われた2回目の核実験では2−6キロトンだったという。広島と長崎に投下された原子爆弾の威力はそれぞれ13キロトン、22キロトン。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/12/2013021201603.html
 <ちなみに、米英の原潜搭載多弾頭核ミサイル(トライデントII)1基には8個の核弾頭が搭載されており、そのうちの1個だけで475キロトン。↓>
 ・・・the Hiroshima bomb was estimated to have a yield of 13-18 kilotons and each of the permitted eight W88 warheads on a Trident II missile is 475 kilotons.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/julian-borger-global-security-blog/2013/feb/12/north-korea-nuclear-test
 <今回のは強化原爆であった可能性が高い。↓>
 「北朝鮮が12日に実施した核実験について専門家は、ミサイル搭載が可能な高性能の「ブースト型核分裂爆弾(強化原爆)」を使った可能性が高いと指摘する。・・・
 核兵器は航空機などで運んで攻撃目標の上空で落とす核爆弾と、ミサイルに載せて遠距離の標的を攻撃する核ミサイルの2つがある。ミサイルに搭載するには核弾頭の小型化が不可欠で、そのカギとなるのがブースト型爆弾の開発だ。
 ブースト型爆弾は楕円球形で、中心部に重水素と三重水素を詰め、両端の2カ所にある起爆装置を爆発。その衝撃で重水素などが核融合反応を始め、周囲のプルトニウムやウランの核分裂反応を引き起こす。一方、長崎型原爆に採用された「爆縮」方式は爆薬を多数配置し、中心にある球状のプルトニウムを均等に圧縮する必要がある。ブースト型は小型化に有利で量産しやすいとされる。・・・
 北朝鮮が人工衛星の打ち上げと称した長距離弾道ミサイルの射程は1万キロを超え、米西海岸も直接攻撃できる。・・・
 <しかも、プルトニウム製ではなく濃縮ウラン製であった可能性もある。↓>
 残る問題は核物質の調達だ。北朝鮮は過去2度の核実験ではプルトニウムを使用した。1980年代から使用済み核燃料を再処理してプルトニウムをつくっており、蓄積してきた分を実験に使ったとみられる。ただ一部のプルトニウムの生産施設は国際社会の圧力で稼働できなくなっている。
 ウランは原子炉を必要とせず、地下の小規模な濃縮工場で秘密裏に量産できる。北朝鮮はウランの産出国でもある。・・・今回の実験は濃縮ウラン<(highly-enriched uranium (HEU))>製の可能性が高い・・・
 ブースト型なら核弾頭を約400キロまで軽量化し、弾道ミサイルに2発を搭載できる・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG1202I_S3A210C1EA2000/
 <今回、北朝鮮が濃縮ウランを使ったとすると、4つ問題がある。↓>
 ・・・if it’s now detonating uranium, that would be bad news for four reasons:
 <二つの製造方法を持ったこと自体が問題。↓>
1. North Korea would have two ways to build a bomb, which means a potentially larger arsenal.
 <原料のウランを国内で産出しているし、濃縮ウランは隠し易い。↓>
2. The country has a natural supply of uranium and can enrich to bomb-making levels in secret; plutonium is limited and is much tougher to hide. So its weaponized uranium would be tougher to keep track of and easier to make in larger quantities.
 <イランも濃縮ウランによる核開発を行っており、同国と情報交換ができる。↓>
3. Iran uses uranium in its nuclear program, so North Korea could share research and lessons from the nuclear test with Tehran.
 <濃縮ウランは船で「輸出」し易い。↓>
4. Uranium is easier to ship abroad, meaning North Korea could more easily sell it.・・・
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2013/02/12/why-its-so-hard-to-tell-if-north-korea-used-a-plutonium-or-much-scarier-uranium-bomb/

 北朝鮮は、今回の核実験を米中露に事前通告した。↓

 North Korea on Monday notified the U.S., China and Russia of its plan to conduct a nuclear test. It did not inform South Korea.・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2013/02/13/2013021300572.html

 こういう「重要」ニュース、日本の主要メディアの電子版で読みたかったな。↓

 「日本でプルトニウム生産を再開へ・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/12/2013021200331.html?ent_rank_news


 それでは、その他の記事の紹介です。

 純正アングロサクソン(かつてのイギリス、現在の拡大英国)は拷問はやっても標的暗殺(Targeted killing)はやらないが、できそこないのアングロサクソンは標的暗殺もやる、と(コラム#6018(未公開)で)書いたところ、そこでは、標的暗殺を重罪で有罪を宣告された(逃亡)者の殺害の意味で用いたが、もともと純正アングロサクソンでも、重罪を犯そうとしている(或いはそう疑われる)者を殺害することは(正当防衛権の私的ないし公的行使であって)当然視されていた(コラム#384)、ということをこの際付言しておきたい。
 仮に後者を広義の標的暗殺と呼ぶことにすれば、ブッシュ政権時に始まった狭義及び広義の標的暗殺をオバマ両政権は多用していることで知られる。
 拷問は国際法上・米憲法上違法だが、標的暗殺は、(たとえその対象が米国人であっても、)現在米国は対テロ戦争の最中であって、テロリストたる敵を殺害しても問題ないので合法である、と主張するコラムだ。↓
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/02/12/laying_down_the_law?page=full

 そうは言っても、米軍内部には、(CIAが担当し、多用されているところの)標的暗殺について、強い違和感を覚える者が多いことを指摘するコラムだ。↓
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/02/12/killing_isn_t_cool?page=full
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太田述正コラム#6026(2013.2.13)
<湾岸諸国はどうなる?(その3)>

→非公開