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太田述正コラム#5754(2012.9.30)
<2012.9.29オフ会次第(続)>(2013.1.15公開)

 (『防衛庁再生宣言』等で、いわゆる自衛隊の戦力ゼロ論を唱えながら、尖閣に関しては、自衛隊の戦力を高く買っているのはどうしてだ、と揶揄するむきがあるかもしれないが、私が問題にしてきたのは(陸海空プラスアルファを一切合財を含めた)トータルとしての自衛隊の戦力であって、自衛隊の持っている個々の機能の能力ではない。
 「海」や「空」では、地形とか人工物とか一般住民とかを考慮する必要が基本的にないので、いわば、TVゲームの世界に近い形で戦闘が行われるとみてよい。
 つまり、そこでは、自衛隊の装備・・より正確には装備体系・・と練度でほぼ、勝敗が決すると言ってよいのだ。
 海自と空自に関しては、装備は米軍に準ずる高性能だし、練度は米軍に勝るとも劣らないことから、人民解放軍の海軍や空軍じゃ到底太刀打ちできないってこと。)

D:軍事裁判所の設置は、政府憲法解釈変更ではどうしてもダメで憲法改正しかないのだろうか。
E:太田さんの、日本の憲法に規範性なし、との主張は、憲法中の統治機構の部分にはあてはまると思うが、人権規定の部分については無理だろう。
 集団的自衛権は前者に、軍法会議等は後者にあたる。
O:なるほど、私の後者に関する政府憲法解釈への躊躇の原因はそこにあると言えるのかもしれない。
E:太田さんの恩給復活論についてだが、恩給は現行憲法の平等権、すなわち人権規定に抵触するので無理ではないか。
O:戦後長きにわたって、公務員に関し、(恩給制廃止を目指しつつ)恩給制と年金制が併用されてきた。
 恩給制が現行憲法違反だったとすれば、そんなことはできなかったはずだ。
 いずれにせよ、自衛隊を軍隊にするのであれば、少なくとも自衛官・・軍人と言った方がいいだろうが・・に対して恩給を復活しないと、どうしようもない。
 戦死傷した時に公務災害補償を行い、後は年金でやってくれ、ということで彼らを戦地に赴かせられるワケがない。
E:それにしても、自衛官以外にどこまで恩給を復活するのかは悩ましい。
O:段階は踏むとしても、私は、少なくとも、全中央官庁の公務員を対象に復活させ、天下り全廃を実現したい。
 見返りゼロで、(地方公務員に数倍する)悪知恵を駆使して行われるであろう国家公務員達の抵抗を押し切って彼らの既得権益を廃止できるはずがないからだ。
E:どれくらいの額の恩給を考えているのか。
O:人間、年間数百万円の所得があれば、それ以上もらっても幸福度が増えることはないよう(コラム#省略)なので、それくらいでいいのではないか。
 数百万といっても幅があるが・・。
 とにかく、年金だけじゃ、到底食っていけない。

F:「ディスカッション」で、投稿者には典拠を求め、太田さん自身は典拠は付けなくてよい、というのは、いかがなものか。
O:私は、基本的に自分の書いた(「ディスカッション」以外の)コラムに拠って議論をしているのであり、そのコラムには典拠が付されているからだ。
 いちいちコラム番号まで付けないけど、そこまでは勘弁してよ、ということだ。
 (なお、以上の話は、読者や私が直接体験したことにはあてはまらない。)
F:それにしても、いしゐのぞむ さんに対する議論は、もう少しやさしくやってあげてよかったのではないか。
O:旧かなや旧字体等の話はともかく、肝心の尖閣の領有権問題に関しては、いしゐさんは典拠の付け方が不十分であり、もっと強い表現を用いたかったくらいだ。
 いしゐさんが、その後、何も言ってこないのは、彼が、気分を害したというよりは、典拠を持ち合わせていないからじゃないのか、と私は疑っている。
 いずれにせよ、いしゐさんの本の中身のうち、明時代の話を始め、大部分は、領有権問題とは何の関係もない。
 英米のどの主要紙だったか忘れたが、尖閣問題の記事への投稿で、「中共の、尖閣領有問題に関する昔領有していた、という主張はナンセンスだ。そんな主張が許されるのなら、テキサスはメキシコに返さなきゃならなくなるし、そもそも北米大陸全体をインディアンに返さなきゃならなくなる」というのがあったが、まさにその通りだ。
 下関条約で日本に割譲された清の領土に尖閣が含まれるのかどうかだけが問題なのだ。

F:オスプレイは90%安全、といったところではないか。
O:その通りだ。100%安全だったら、(価格がきわめて高いとはいえ、)民間機としても既に使われているか、使われようとしているはずだ。
 90%でもどうして米兵が使うかと言えば、彼らは、敵が自分達を殺そうとするところの、戦闘に従事するから、敵に殺される危険に比して、オスプレイが故障して、或いは同機の操縦士のミスで、死ぬ危険などとるに足らないからだ。
 (更に言えば、高性能であるオスプレイを使うことで、彼らが敵に殺される危険が低下するからだ。)

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