太田述正コラム#5823(2012.11.4)
<皆さんとディスカッション(続x1712)>

<太田>(ツイッターより)

米国の世論調査会社と学者の調査によれば、それぞれ、中共の人の80〜95%が政府に満足しており、また、91%が政府の経済政策に及第点をつけているんだって。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-20178655
 ホンネは隠してるんじゃないか、阿Q性の表れじゃないか、等色々考えさせられちゃうねえ。

<太田>

 このマーチン・ジャック(Martin Jacques)(コラム#3352、3967)によるコラム、なかなか「面白い」のでもう少し紹介しておこう。↓

 <中共は国民国家ではなく文明国家だ。その(領域の)一体性と団結を至上命題とする。↓>
 ・・・China is not primarily a nation-state but a civilisation-state. For the Chinese, what matters is civilisation. For Westerners it is nation. The most important political value in China is the integrity and unity of the civilisation-state. ・・・Its most important responsibility - bar none - is maintaining the unity of the country. A government that fails to ensure this will fall. ・・・

→前段については、インドも日本もそうだし、私に言わせれば、米国もそうだ。
 そのことと、後段とは全く結び付かない。(太田)

 <巨大で統治が極めて困難なので不安定性を見つけて対処するのが根本的なよいガバナンス。↓>
 Because the country is huge and governance is extremely difficult. They are always anxious, always fearing the unforeseen. Anticipating sources of instability has long been regarded as a fundamental attribute of good governance.・・・

→インドだって全く同じだが、中共のような警察国家じゃない。(太田)

 <欧米じゃ、法治主義と法の支配/人権の確保が国家に求められるが、中共じゃ国家は家で政府は家族の長であり、自分の外にあるものではなく、自分の延長と見ている。↓>
 ・・・in the West・・・both left and right share certain basic assumptions. The role of the state should be codified in law, there should be clear limits to its powers, and there are many areas in which the state should not be involved. We believe the state is necessary - but only up to a point.
 The Chinese idea of the state could hardly be more different. ・・・
 They see the state as an intimate, or, to be more precise, as a member of the family - the head of the family, in fact. The Chinese regard the family as the template for the state. What's more, they perceive the state not as external to themselves but as an extension or representation of themselves. ・・・
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-20178655

→中共が近代国家ではない、というだけのことだ。(太田)

<dyu88OCO0>(「たった一人の反乱」より)

≫「第三極」に投票を≪(コラム#5821。太田)

 たしかにどっと疲れたw

 安倍政権は必ず解釈改憲すると言ってるようなものですしね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121101/plc12110103170002-n1.htm

 維新に投票かー、まいったなあ。

<hXcCHED+0>(同上)

 集団的自衛権を認めようとする野田さんの努力も無駄だったな。
 これだけ領土紛争を経験しても、ダメなのだからどうしようもない。
 民主党もダメ、自民党もダメ。というわけで、「第三極」か。

<bonkers_blunder>(ツイッターより)

 野田首相は第三極タカ派(橋下・石原系?)の躍進、民自公の敗北を狙っているということでしょうか?
 日本の属米路線を破壊できるかどうか、太田さんによる第三極タカ派の評価を知りたいところです。

<太田>

 集団的自衛権行使に係る政府憲法解釈の(無条件の)変更に賛成しているかどうかが、ある人物がタカ派かどうかの私のメルクマールです。
 このような意味での第三極タカ派(を中心とした派(党))連合と自民党とで過半数がとれるかどうか、ということです。
 公明党も憲法解釈変更には反対でしょうから、場合によっては同党を切り捨てられるくらいの余裕の過半数でなければなりません。
 (いよいよとなったら、公明党はついてくるような気がしますがね。)
 小沢のところは、論外です。
 みんなの党は、集団的自衛権の行使に対して、極めて慎重姿勢を打ち出している
http://www.kosaioffice.com/taros-opinion/2012/07/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E5%85%9A%E3%81%AE%E5%A4%96%E4%BA%A4%E3%83%BB%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BC%88%E7%9A%86/
ということは、憲法解釈の変更にはもちろん反対だということでしょうから、それだけで、ペケです。
 同党は現時点での消費税率アップにも反対しています
http://www.your-party.jp/policy/manifest.html
から、なおさらです。
 これ以外の政策については、原発については当分の間まとまらなくて原発が新規着工されないのがむしろ望ましいし、TPPについては推進してほしいけれどダメでも当面は受忍できるし、消費税については、(減税日本を除き、)地方税化の是非については引き続き議論するということでまとまるでしょう。
 地方分権の推進については、(みんなの党を含めてさえ)基本的に一致しているので問題はなさそうです。

 ああ、ご質問そのものに答えていませんでしたね。
 (ご質問がタカ派の各派の「政策」についてであれば、私は、どの派(党)の政策パッケージも、およそ論評に値しないと思っています。もっとも、そんなことはどうでもよい理由については既にご説明しました。)
 タカ派に限らず、第三極の政治家で私が評価できる人物や評価できるのではないかと想像している人物は皆無です。
 民主党の場合、知らないないけれど評価できるのではないかと想像していたのは唯一野田佳彦現首相、知っていて評価できると思っていたのは唯一桜井充参議院議員でしたが、前者は予想をはるかに上回るタマであったのに対し、後者は私の完全な眼鏡違い(コラム#4961)でした。
 それでも、民主党政権は大変な実績を挙げてくれましたがね。
 第三極には、結果として、自民党を政権の内側から牽制ないし叱咤することとなるであろうところの役割しか期待していないので、心配ありませんよ。

<hXcCHED+0>(「たった一人の反乱」より)

 iPS細胞の実用化に立ち込める暗雲 – 米・カリフォルニア大学
http://www.su-gomori.com/2011/06/ips.html

 このニュース、iPS細胞による再生医療の根幹を揺るがしかねない。

<rcm8UL3h0>(同上)

 当時、発表者本人にも絶望感はなかったようだし、ノーベル賞にも選ばれたし、大丈夫でしょう。
 Xu博士によると、これらの結果によって、将来iPS細胞が医療に使えないということではないが、 今後はどんな種類のiPS細胞が拒絶反応を起こし、どんな種類のiPS細胞が反応しないのかを詳しく研究しなければならないだろう。
http://blog.livedoor.jp/xcrex/archives/65563493.html

 この論文より分かったこととして、患者特異的iPS細胞を移植治療に用いる際には、拒絶反応を呈する細胞群なのか、または呈しない細胞群なのかを、移植前に想定できる可能性が出てきたのだと思います。
 このような免疫拒絶反応の機序を応用すれば生体内で不要なものに対しては免疫反応を誘導して除去したり、 治療に必要な目的の細胞に対しては免疫反応を起こりにくくすることなども可能になるのではないかと感じました。
http://www.gcoe-stemcell.keio.ac.jp/treatise/2011/20110603_01.html

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 <先の大戦中、英国にやってきた米兵の給与は英兵の5倍だった。↓>
 ・・・GIs・・・<w>ith average salaries more than five times that of a British soldier and no living expenses to worry about・・・
 <英国に黒人が約7,000人しかいなかったところへ、延べ100,000人の黒人米兵がやってきた。↓>
 Around 100,000 black American troops arrived in the UK during the war, far outnumbering the black population at the time - which may have been around 7,000. US troops were segregated in the UK as they were back home. ・・・
 <約70,000人の英国人女性が米兵と結婚した。↓>
 ・・・around 70,000 British women became GI brides. ・・・
 <米兵との間にできた私生児は約9,000人にのぼる。↓>
 ・・・estimates suggest around 9,000 war babies were born out of wedlock as a result of these liaisons.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-20160819

 アップルバウムの新著の抜粋の第三弾です。
 ハンガリーの名士にしてフリーメースンのグランドマスターであった人物のオハナシ。↓
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/foreigners/features/2012/iron_curtain_applebaum_excerpt/iron_curtain_excerpt_anne_applebaum_on_how_hungarian_security_services_watched.html
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太田述正コラム#5824(2012.11.4)
<フォーリン・アフェアーズ抄(その7)>

→非公開