太田述正コラム#5379(2012.3.25)
<皆さんとディスカッション(続x1502)>

<太田>(ツイッターより)

 セレブそっくりの赤ちゃん15組をどうぞ。
http://blog.sfgate.com/sfmoms/2012/03/21/these-babies-look-like-celebrities/#3915-1
 残念ながらセレブってもボクが知らないのが多いからなあ。

フロリダ州で黒人少年を射殺して以来逮捕もされず姿を消している男を(殺さずけがもさせずと呼びかけつつ)拘束した人に1万ドルの賞金を与える、とブラックパンサーが表明した。
 http://blog.sfgate.com/hottopics/2012/03/24/new-black-panthers-offer-10000-bounty-for-trayvon-martin-shooter/?tsp=1
 米国の南部っていまだにあらゆることが自力救済の西部劇的世界なのね。

<松井千尋>

 了解いたしました。ありがとうございます。

<在中6年>

 --女子学生遺棄事件--

≫それは何という「鎮」ですか?≪(コラム#5377。太田)

 あ、ちょっと勘違いしてました。
 遺棄した場所は、隣の「県」でした。


≫ということは、件の女性、高校への行き帰りに同じ道を通って毎日自宅とバス停の間を歩いていたはずですね。≪(同上)

 中国の高校は全寮制のところもおおく、記事にも彼女は寮住まいだったとあります。
 休みの日はこの30数キロ離れた実家に帰っていたようです。

≫倒れていた彼女が最初に発見されたのはこの道の近くだと推察されますが、発見した人は彼女と同じ村民ではなかったとしても、顔の面識はあった可能性はありますよね。≪(同上)

 う〜ん。どうなんでしょうか。可能性はゼロじゃないでしょうが。
 どちらにしても発見し通報してるだけ親切です。
 それ以上は、中国ではできないです。
 ま、太田さんが言いたいのは、この点だとおもいますが・・。
 下手に助けるといろんな信じられないことがあるので、私ももし中国で人助けをする場面があれば躊躇します。
http://blog.livedoor.jp/amuro001/archives/3901113.html

≫遺棄されていた彼女を2回目に発見した人については、その場所と彼女が(最初に)倒れていた場所との位置関係がよく分からないのですが、分かりませんか?≪(同上)

 高公鎮の中心部から北が実家(この間が倒れていた場所)で、遺棄されていた場所は高公鎮中心部の西の別の<県の>鎮です。

≫鎮ごとに方言があるとも思えません。≪(同上)

 確かにこの例、安徽省だと鎮の方言に違いはないと思います。
 しかし、福建省とかだと川一本、山ひとつ向こうのとなり村で方言が全然違うということはよくあります。

≫いずれにせよ、「下っ端」であっても、少なくとも県の範囲内くらいでの広域異動は行われているんじゃないんですか。≪(同上)

 県は日本人の感覚では「広域」かもしれませんが、隣の市まで4時間バスにのるのは「近い」という感覚です。
 私もそういう感覚になってきていますので「広域」に違和感があったかもしれません。
 ただ、地元関係者との癒着なんて中国の警察では当たり前です。

<太田>

 ありがとうございました。
 おかげさまで、中共の「田舎」の様子が何となく分かってきました。
 むしろ、一度ならず二度も通報されたことの方が「異常」なことだったのかもしれませんね。
 さもなきゃ、(遺棄したのは警察そのものじゃなくって委託業者だったのかもしれませんが、)埋めもせずに、恐らく道路からそんなに遠く離れた所ではない場所になんか遺棄しないでしょうからね。
 もっと何か分かったら・・そろそろ情報が遮断されるでしょうから期待薄ですが・・教えてください。

<双極性障害者>

 コラム#5377で鬱病が話題になったので、次の放送内容を思い出しました。

 「うつ病と向き合うために」
 昭和大学 医学部 精神医学教室 教授 岩波 明
http://www.nhk.or.jp/r-asa/life.html

 最近は本来の鬱病ではない新鬱病が多くなったそうです。
 いわゆる仮病ともいえる精神疾患なのでしょう。
 教職員をはじめとする公務員のみなさんの、鬱病による休職が増えていることと関係があるのでしょうか。
 公務員は休職期間中でも給料の8割、傷病手当などが支給されるようです。

<ββΑββ>(「たった一人の反乱」より)

 「暗黒バエ」に進化の兆し?=嗅覚、視覚関連遺伝子に変異―57年飼育、ゲノム解読
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-24X598/1.htm

 こういう忍耐力を必要とする作業やらせたら日本の右に出る国ってねえな。

<TA>

≫<橘孝三郎が講演録で紹介している挿話>から見えてくるのは、既に1932年の段階で、日本の農村においてすら、日米戦争の不可避性と当該戦争における日本の敗戦を予見し「期待」するとともに、戦後日本の吉田ドクトリンをも先取りしたかのような発想がかなり広範に存在していた可能性がある、ということです。
 これは、戦前の昭和日本が、既に、縄文モードに転じていた、という私の仮説と整合性のある挿話である、と言えそうです。≪(コラム#5378(未公開)。太田)

 「日本の農村においてすら、・・・敗戦を予見し<ていた>」のであれば、↓の「考え」(仮説?)と矛盾しませんか?

 「<マッカーサーに対する拝跪的態度の原因は、>戦前から戦中にかけて、日本の人々は、一人一人がおおむね主体的に判断して正しいと信じた対外政策、そして正しいと信じた戦争を支持し、推進したにもかかわらず、それが挫折してしまったことにより、戦後当時の彼らは、トラウマで頭の中が真っ白な状態に陥ってしまっていたのだ、と考えています。」(コラム#5354(未公開)。太田)

 また、戦争志向という点では、縄文モードよりも弥生モードに近いのではないでしょうか。

<太田>

 こいつは鋭い良い質問でしたね。

 弥生モードや日本以外の諸文明におけるところの、権力欲と物欲を充足させるための戦争(チンギスハーンの征服)や生業としての戦争(ゲルマン/ノルマン人侵攻)やイデオロギーに基づく戦争(ユダヤ戦争(66〜74年、115〜117年、132〜135年))
http://en.wikipedia.org/wiki/First_Jewish%E2%80%93Roman_War
などとは縄文モードは本来無縁ですが、「敵」によって不条理な権利侵害を受けたと思った時に自分達が武器を持っていれば縄文モードの人々だって戦いますよ。(たとえ最終的には敗れると分かっていた場合であってもです。)
 すなわち、縄文モードにおいても、個別的自衛権の発動としての戦争はアリなのです。(憲法第9条の政府解釈を思い出してください。)
 太平洋戦争は、(後退しつつあった)弥生モードのタテマエ・・人間主義(注)的な利己的利他的思惑に基づく集団的自衛権の行使・・と(進展しつつあった)縄文モードのホンネ・・個別的自衛権の行使・・の両方が交錯する戦争だったのです。

 (注)人間主義は人間の本性に根差すものなのでイデオロギーとは言えないが、明治維新後の日本におけるように、イデオロギー的な働きをする場合がありうる。

 また、人間主義的な人々は、「敵」を非人間視することが基本的にないので、戦いに敗れたことに伴う短いトラウマの時期が過ぎれば、「敵」が「友」に変わることは不思議でもなんでもありません。

 それにしても、1932年の段階で、茨城県の農民達に、私が長々と説明した以上のようなことが、(日米の力関係も含め、)直観的に分かっていたらしいことには驚きました。

 あ、補足すれば、「トラウマで頭の中が真っ白な状態に陥ってしまっ・・・た」のは、日米の力関係が分かっていなかった人々・・亡くなった私の母親もそうでしたが、当時の過半の日本人はそうだったはずです・・でしょうね。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 日本のAV産業は世界の誉れ(?)。↓

 「台湾で今年2月、日本製アダルトビデオ(AV)を模倣し、貸し切り電車内で成人男性18人が、17歳の少女1人と合意の上の集団痴漢プレーを展開するという前代未聞の事件が発生した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120324/chn12032412000001-n1.htm

 日本のCPA業界は世界の鼻つまみ。↓

 「AIJ社長、監査報告書偽造を会計士に依頼・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120325-OYT1T00229.htm?from=main7

 桜だけじゃなく、日本発の夥しい植物が米国のランドスケープを変えている、というオハナシ。↓

 ・・・“We have Chinese plants and European plants,” said Forrest, of the New York Botanical Garden, “but if you subtracted any geographic source, none would be so missed by American gardeners as Japanese plants.”
http://www.washingtonpost.com/lifestyle/magazine/beyond-washingtons-cherry-trees-how-did-so-many-japanese-plants-find-their-way-into-american-gardens/2012/02/24/gIQAThQoVS_print.html

 フランスにおける反ユダヤ主義の話、ここにも出てた。↓

 <毎年2,000人のユダヤ系フランス人がイスラエルに移住してきている。↓>
 ・・・about 2,000 French Jews are currently resettling in Israel each year, and a total of 100,000 have already made the move. ・・・
 <フランスにイスラム教徒たる移民が増えるほど反ユダヤ主義も深刻化している。↓>
 ・・・there are already "hundreds of anti-Semitic incidents" a year, committed mainly by Arab immigrants・・・
 <既に、ユダヤ系フランス人の半分近くが、いざという時のためにイスラエルに住居を確保している。↓>
 ・・・almost one in two French Jews maintains a residence in Israel. It's a sort of insurance policy, just in case the situation in France gets even worse.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,822928,00.html
-------------------------------------------------------------------------------

<mk2:翻訳>

 コラム#5363より:

 ・・・ラーンド・ハンド裁判官は・・・20世紀前半において連邦裁判所を支配した。もし同様の場所を20世紀後半において支配した裁判官が誰かいるとしたら、それはヘンリー・フレンドリー裁判官である。彼はちょうどハンドが去る1959年に第二巡回区の米連邦高裁入りをし、自身が自殺する1986年までそこに留まった。・・・
 ハーバードでの学生時代、彼はフェリックス・フランクファーター教授(後に判事)によってハーバードロースクールに個人的に勧誘された。彼はハーバード・ロー・レビューの編集長を務めるとともに、ロースクール史上、ほぼ間違いなく、最も高いグレードの成績を得ていた。(ルイス・ブランダイスはそれよりも高い成績を記録したが、それは水増し採点が行われていた時であった。)・・・
 フレンドリーは自身の穏健的保守主義によって賞賛を得た:ウォーレン最高裁長官率いる連邦最高裁のリベラルな司法積極主義が最高潮に達したとき、、彼らの行為をより好ましく実際的なものにするために、最高裁の行き過ぎた判断を是正しようと試みた。こうすることで、彼は最高裁内の最も積極的な保守的批評家だけではなく、フレンドリーのような、その根拠は認めつつ、法廷の行き過ぎた行いを批評するような穏健派の幅広い支持をも勝ち取った。フレンドリーは政治的レッテル貼りをされることを避けることにおおむね成功し、それは彼を、保守派と革新派のどちらの支持の裁判官・学者にとっても好ましい存在にした。・・・

<太田>

 不屈のチャレンジ精神に敬意を表します。
 こういう場合、米国の連邦裁判所についてのウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E9%80%A3%E9%82%A6%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80
等にあたって欲しかったですね。

 15−15=0点ですね。

<mk2:翻訳>

 同じくコラム#5363より:

 ・・・他の国民が行ったように、アメリカ人はヒトラーに反応した。最初、彼らはヒトラーを嘲笑し、その後、ヒトラーがドイツにもたらした秩序に対して、嫌々ながらも賞賛を表明した。後に、彼らはヒトラーの反ユダヤ主義には見て見ぬふりをし、彼の領土拡張への渇望を大目に見、そして彼は戦争への欲求はないのではないかと思った。少数の人々がヒトラーの脅威を警告したが、ほとんど無視された。
 アメリカ人のほとんどは、ドイツ人の人種主義を許容したのだ。何故ならばそれが、まさにユダヤ人に向けられたものだったからだ。・・・

<太田>

 残念ながら、6−15=△9点ですね。よって累計で、マイナス23点です
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

太田述正コラム#5380(2012.3.25)
<松尾匡『商人道ノススメ』を読む(その15)>

→非公開