太田述正コラム#5357(2012.3.14)
<皆さんとディスカッション(続x1491)>

<太田>(ツイッターより)

 電子楽器の祖テルミンの発明者たる、ロシアの物理学者テルミンの数奇な一生が紹介されている。
 テルミンを引っ提げて訪米し、実は産業スパイ活動に従事。
 黒人女性と結婚して顰蹙を買い、その後、彼女を放置して帰国した。
 ご多分に漏れずシベリア送り。
 等々。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-17340257

<日本Wake Up@youtube>(同上)

 コーニー 2012関連ビデオを字幕で紹介しています。
YouTube http://bit.ly/Aq8rZr

<くゥらんきィ>(同上)

 日本がまともな国でないことは、SCAPの徹底した骨抜きによるものと理解しております。
 この呪縛が解けるには、まだ一世代も二世代もかかるでしょう。
 しかし、現状では中国の属国になるよりはアメリカのほうがまし。
 気長にわが国びとの覚醒を待つより仕方がないですね。

<太田>(同上)

 失礼ながら、米国の属国化は「SCAPの徹底した骨抜きによるもの」ではなく、吉田茂を始めとする「戦後日本人自身の選択によるもの」と正しく理解しないから、(あなたもそうですが、)なかなか「呪縛が解け」ないのです。

<くゥらんきィ>(同上)

 『吉田茂を始めとする「戦後日本人自身の選択によるもの」と正しく理解しないから』の云々は承服しかねます。当時の日本が現憲法を受け入れた経緯をご存知なのでしょうか。故江藤淳氏の著作「1946年憲法その拘束」を読めばよく判ります。

<太田>(同上)

 江藤の著作、懐かしい!
 私自身、(吉田茂以下の)外務省元凶論に到達したのがわずか2年前のことだから、あなたが戸惑うのも無理はありません。
 私のコラム#4368から始まるシリーズに目を通した上で、それ以降の関連コラムを、「吉田茂」で検索して適宜読んでごらんなさい。

<くゥらんきィ>(同上)

 判りました。
 コラムを読ませていただいて、また返信いたしましょう。・・・

<ΓΓΓβΓ>(「たった一人の反乱」より)

≫「船中八策」だが、「大阪都」構想を除けば、大阪とは何の関係もない話ばかりだ。(道州制すらそうだ。大阪都ができて、かつ道州制になれば、自治体は、現在の都道府県-(区)市町村という二層構造から、大阪に関しては、近畿道/州-大阪都-(区)市という三層構造へと複雑化してしまう。)≪(コラム#5299。太田)

 簡略化するために決定権を分散させようって言うのが道州制なんじゃなかったっけ?
http://www.ga9.jp/modules/pro/content0014.html

<太田>

 ボクの書いたことをちゃんと読んでくれー。


<ΓΓΓΓβ>(「たった一人の反乱」より)

ワンピースの1話
http://www.youtube.com/watch?v=6oFvhK8mbnQ&feature=related
ワンピースの2話
http://www.youtube.com/watch?v=IusQL6dRTdo&feature=related

 取り合えず5話くらいまで見れば大まかな世界観は掴める・・・かなぁ。
 仲間の1人の「チョッパー」が参入するのですら80話とかなんで味方キャラの把握ですら無理だろうし。

<太田>

 連日、サンキュー。
 なお、前回の『用心棒』(コラム#5355)は『七人の侍』の書き間違いだ。(ブログは訂正済み。)

<ねこ魔人>

--景観問題の欠缺--

 太田さんは安全保障の専門家であるのにもかかわらず、たくさんのことに興味を持たれ、しかも自分の論理を展開できていますよね。
 例えば、文明論や芸術論など。
 さらにはクラシックへの造詣も深いときています。
 だからこそなのですが、太田さんが深く論じていない分野があると気になります。
 なまじ他の分野にも多大な注意を払われている分、本来専門外のことであっても、論じていない分野があると違和感を感じるからです。

 では何かというと、題名の通り、景観への関心です。
 私は太田さんが景観についてほぼ皆無といって良いほど関心を持たれていないことが逆に気になります。
 なぜなら、太田さんは、日本と比べて景観に対する意識の高い海外に行かれた回数がとても多いからです。太田さんは、幼少時代はカイロですごし、防衛庁に入庁後はカリフォルニアとロンドンに行かれました。
 これらの町では景観にとても気を使っています。例えば、ロンドンでは、ドッグランズやシティといった再開発地域以外では、19世紀以来の近代建築の占める割合が高いです。
 さらに、上記の地域以外では、都市のスカイラインを中層建築物の高さで統一するため、高さ規制が行われています。
 一方、戦後の日本の都市は、無機質で質の低いコンクリート建築で占められ、高さもバラバラです。この結果、ロンドンは美しい都市景観が保たれ、日本の都市では醜悪な都市景観が生まれてしまいました。

太田さんは海外に行かれたので、このロンドンの街並みと日本の都市の街並みの比較にならないほど大きい質の差をご存じであると思います。
 ですが、さきほど申し上げた通り、太田さんはそのことに言及した個所が多くはありません。
 建築物については、コラム2253で東京駅について取り上げたものがあるようですが。

 思うに私は、この景観問題も、政官業癒着構造の帰結であると考えています。
 政官業癒着のメカニズムの下では、景観という国民全体の利益よりも、癒着構造の当事者である、政治家、官僚(含む地方公務員)、民間業者の利益の最大化が目指されるからです。
 政治家はデベロッパーの利益のために、建物の高さを規制する法を撤廃し、公務員に建物の高さについて、デベロッパーへ指導することを禁止させる。
 公務員は、デベロッパーに天下る。
 デベロッパーは、政治家へ献金を行う。
 この結果、景観は二の次にされ、政治家と公務員、デベロッパーが儲かることが、都市開発において最優先されてきました。

 例を挙げるならば、丸の内美観論争を上げます。
 同論争では、戦前からの100尺(30m)規制の撤廃派と賛成派が争いました。
 これは、国民全体の利益と癒着構造の当事者の利益の対立と言い換えることができます。
 最終的には、100尺規制維持派は敗北し、以後は、東京海上ビルを先駆として、丸の内の高層化が推進されていくことになります。

 太田さんは、海外の景観整備への熱心さについて良くご存じだろうし、しかもこれは、太田さんの裏芸である政治と金の問題でよく取り扱われる、政官業癒着構造とも関連が深そうです。
 太田さんは、日本の都市景観についてどう思われているでしょうか?また、改善すべきであると思っている点はございますか?

<太田>

 私が「深く論じていない」分野は経済問題等たくさんありますよ。
 土地勘が十分でない分野については、発言を控えているのです。

 お尋ねなので、都市景観について、とりあえず思っていることの一端をお示ししておきます。

1 全般

 「日本の都市の景観問題が、電線類、屋外広告物、建築物の高さなどに限定され、他国と比べ、広い意味での景観が議論にならない傾向がある。2004年(平成16年)には<、ようやく>景観法が制定され、地方自治体の権限で建築物の形態等を規定することも可能となりつつある。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%A8%88%E7%94%BB
という事情、そして、これに加えて、電線の地下化が進展していない(典拠省略)ことから、日本の都市の景観は、特に欧米の都市の景観に比べて、確かに見劣りしますねえ。

2 緑地

 「ヨーロッパの古い中世の<ままの>都市を訪れると、意外に町の中に緑がない。<これは、>中世には、都市と自然は対立関係にあると考えられ、都市の最大の目的は市民を安全に暮らさせることなので、余計なものを排除してコンパクトに存在するのが理想とされ、人々が集る広場、祈りを捧げる教会、住むための住居などは必要だが、それ以外のものは都市の外側にあればいいと考えられた<からだ>。都市の外側には広大な農村が広がっており、緑をわざわざ都市の中に持ち込むことなど誰も考えなかったのだ」
という背景の下、その後、積極的に都市の中に公園が作られるようになって現在に至っている、
http://www.sjef.org/kouza/envclect/envc_018.html
と承知しています。
 他方、日本では、「東京や大阪は世界の都市に比べて<、まだ、>一人あたりの公園面積が小さい<けれど、>・・・社寺や田畑および里山など、実質的に公園的利用がなされている面積を足」し、
http://air.ap.teacup.com/yamazaki/216.html
更に、宅地の緑を足せば、例えば東京の区部で1998年にまだ30%近い緑地率となり、公園率が低いパリを凌駕している可能性があるし、そのパリに比べて公園率が2〜3倍のロンドンやベルリンやニューヨーク
http://www.sjef.org/kouza/envclect/envc_018.html 前掲
にだってそれほど劣らないのではないか、という気がしています。
 具体的数字をお持ちの方は、ぜひ教えていただきたいな。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 このところの、ガザ地区からのミサイルのイスラエルへの発射とそれに対するイスラエルの報復爆撃の背景が説明されている。
 要するに、ハマスのシリア離れを不快に思っているイランが、ハマス以外のガザの過激派にミサイル発射をやらせてハマスを困らせるとともに、石油価格高騰を狙っているというわけ。↓

 ・・・While Hamas has not ruptured its relations with Tehran in the same manner that it abandoned Damascus, Iranian leaders are clearly irked that the Palestinian faction has refused to stand by Assad, a key strategic figure for Tehran in the region.
 Whereas Iran once respected Hamas's wishes and helped maintain a modicum of calm inside Gaza, the gloves are now off. Iran is using its smaller and less-expensive proxies, the PRC and PIJ, to create unrest on Hamas's turf.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2012/03/13/iran_s_war_in_gaza?page=full

 米ロースクールの最新ランキングだ。
 エール、スタンフォード、ハーヴァード、コロンビア、シカゴ・・・。↓
http://www.csmonitor.com/USA/Education/2012/0313/Law-school-rankings-The-results-are-out-but-do-they-really-matter

 グラント将軍が南北戦争中にユダヤ人追放令を発し、リンカーン大統領がその取り消し命令を発したという事件があったんだね。
 グラントは、大統領になってから、罪滅ぼしでユダヤ人優遇政策をとったという。↓

 ・・・Americans today are often surprised to learn that Ulysses S. Grant once expelled “Jews as a class” from his war zone・・・<o>n Dec. 17, 1862・・・. It seems incredible that he could blame Jews for the sins of smugglers and traders—most of whom were not actually Jewish at all—and expel them from the entire territory under his command. ・・・
 Lincoln・・・instruct<ed> the general-in-chief of the Army, Henry Halleck, to countermand General Orders No. 11 <13 days later>.・・・
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/history/2012/03/ulysses_s_grant_and_general_orders_no_11_how_the_infamous_order_changed_the_lives_of_jews_in_america_.single.html

 肉類(鶏肉を除く)は体には毒だと考えた方がいいのかも。↓

 ・・・about 9.3% of the deaths among the men and 7.6% of the deaths among the women in the study could have been avoided if the participants ate 42 g of red meat a day, or less・・・
http://healthland.time.com/2012/03/13/just-how-unhealthy-is-that-steak-the-deadly-dangers-of-eating-red-meat/
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太田述正コラム#5358(2012.3.14)
<松尾匡『商人道ノススメ』を読む(その5)>

→非公開