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太田述正コラム#2406(2008.3.6)
<「太田総理・・」2008年第3回出演>(2012.2.4公開)

1 始めに

 2月10日収録、21日放送の「太田総理・・」のアンケートに記入したものをご披露します。

2 アンケート

日本テレビ「私が総理大臣になったら・・・秘書田中」アンケートのお願い
以下のマニフェストに対してご意見を具体的にお書き下さい。 
山本モナマニフェスト「官僚は天下りしたら退職金はナシにします」
★官僚の不祥事や、怠慢な仕事ぶりは目に余る
★原因は、縦割り行政と天下りというシステムにあるのではないか
★そこで今回のマニフェストで、システムを根本から変える

質問1 このマニフェストに  賛成 ・ ○反対 
理由:

 職務権限のあった企業や法人に退職後すぐ再就職するようなことは論外だが、官僚にも再就職の自由はある。
 とはいえ、退職する官僚が、企業や法人、とりわけ企業と個人的に交渉して再就職しようとしたとしても、中には再就職できない人が出てくるだろうし、運良く再就職できたとしても、天下りの場合並の給与がもらえる人は、キャリア官僚であっても100人に1人いるかいないかだろう。
 天下った官僚が高禄を食むことができるのは、天下りは、官僚が企業や法人と個人的に交渉して行う再就職ではないからなのだ。
 つまり天下りとは、役所が人事の一環として、特定の企業や法人と話をつけた上で、官僚に対して特定の企業や法人に再就職せよと命じるシステムであり、個々の官僚にこの命令を拒否する自由は事実上ないのだ。
 だから、天下りした官僚の退職金を没収するのは筋違いだ。
 単に天下りを禁じれば済むことだ。                               
質問2 天下りは禁止すべきだと思いますか?
                                     
 禁止すべきだ。
 天下りは官と業の癒着そのものであり、官僚OBに対するヤミ年金の支給だからだ。
 このヤミ年金の原資は、官が当該業者から購入する財・サービスの価格を水増ししたり、または当該業者に直接的間接的な補助金を支給したり直接的間接的な減税を実施したり、もしくは当該業者に係る直接的間接的規制に手心を加えることで捻出される。
 つまり、天下りは不可避的に行政の歪みを伴うものなのであり、そのツケは高い税金、非効果的・非効率的な行政となって国民に回されるわけだ。

質問3 禁止すべきと答えた方に・・天下りを禁止するためには、どうしたらいいと思いますか?

 天下りを罰則をもって禁じることはもちろんだが、それとパッケージとして、恩給制度を復活させる等、再就職できなくても、あるいは低い給与で再就職しても官僚OBが体面を維持できるような手立てを講じる必要がある。
 問題は、現在の与党にその気がないことだ。
 自民党は官界とも、政府と関わりの深いあらゆる業界、業者とも構造的な癒着関係にあり、この癒着関係の抜本的解消につながるところの、天下りの禁止を断行する能力も意思もない。
 となれば、昨年(恩給制度の復活的なものを伴っていない点は問題があるものの、)天下り禁止法案を国会に上程した民主党を中心とする政権交代しかない、ということになる。
                                    
質問4 「こんなにヒドイ官僚を知っている!」ということがあればお書きください。

 これはもう、守屋前防衛事務次官で決まりだろう。
                                    
3 終わりに

 14日放送の「太田総理・・」には、太田光、山本一太(自民)、渡辺周(民主党)、浅尾慶一郎(民主党)、須賀雅則(元航空自衛官)、潮匡人(軍事評論家)、ケビン・クローン、木下優樹菜、羽野晶紀といった皆さんが出演する予定であり、今回アンケートをお示しした21日放送の「太田総理・・」には、太田光、山本モナ、大村秀章(自)、中山泰秀(自)、平沢勝栄(自)、古川元久(民)、中野雅至、河辺啓二、堤和馬(元労連事務局長)、若林晶紀、DAIGO、木下優樹菜、ケビン・クローン、アントニオ猪木といった皆さんが出演する予定であると聞いています。
 同じ10日に、21日放送分、14日放送分の順に収録するとのことですが、私はあわただしく官庁不祥事問題専門家と安全保障問題専門家を演じ分けなければならないわけです。果たしてどうなることやら。
 それにしても、バラエティ以外でもう少しTV局から声がかかって欲しいものです。
 また、大阪のTV局から声がかかりませんねえ。                    

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