太田述正コラム#5051(2011.10.14)
<皆さんとディスカッション(続x1352)>

<太田>(ツイッターより)

 リビアのシルトでの戦いの推移が一目で分かる図が載ってるよ。
http://www.guardian.co.uk/world/interactive/2011/oct/11/libya-sirte-gaddafi-map-interactive

<ΣΖΖΣ>(「たった一人の反乱」より)

 間抜け自衛隊の大使館付駐在武官は、仕事しておくれやす。
 大使の身を守らんで、どうしますのんや?
http://www.youtube.com/watch?v=EG8zTjyaxjw&feature=related

<ΖΣΖΣ>(同上)

 駐在武官じゃなく防衛駐在官。

<太田>

 1佐と大佐(どっちもcolonel)の話と同じで、防衛駐在官と駐在武官は同じものさ。(どっちもdefense attache。)

<ρζρζ>(「たった一人の反乱」より)

 <ρζζρクン、>軍部は一枚岩ではなかったし、満州事変の計画全体に対するコンセンサスなんかそんざいしなかった。
 石原一人がやったと主張するつもりもないし。

<ΖΖΣΣ>(同上)

 俺は<ρζζρ>じゃないが、<ρζζρ>の言う「日本のコンセンサス(対赤露戦略)」と<ρζρζ>の言う「軍部<の>・・・計画全体に対するコンセンサス」とは、全く違うものじゃないのかい?↓

 「・・・満州事変については、国策として実施すべきであったところ、関東軍が下剋上的に実施したものであり、極めて問題でした。」
http://blog.ohtan.net/archives/52081055.html

 つまり、「日本のコンセンサス」は国民世論を指しているのであって、実際に行われた「計画全体」に対するコンセンサスを指しているわけではないと思うぞ?
 そう考えれば、確かに、国民・軍部には、現に実行された「計画全体に対するコンセンサスなんかそんざいしなかった」だろうね。
 もっとも、実行に移された後は、国民はこれを支持したようだけど。

 ↓も読んでみれば?

 コラム#4077
http://blog.ohtan.net/archives/51993512.html

 補足として、満州事変後の世論の反応を載せて置くよ。
 (※満州事変の開始日は1931年9月18日)
 「事変後初の『大阪朝日』の社説は、20日の「日支兵の衝突、事態極めて重大」で、この社説は・・・異例の二段組みで、関東軍の行動を自衛権の発動だとして、全面的に擁護し<た。>」
 「<また、『大阪朝日』の26日の社説は中国側の連盟への提訴や不戦条約違反という主張に対して>」『断じて他の容喙は無用、帝国政府の満州事変声明、正当なる我権益擁護のみ』と題して、再び事変の正当性を強調し<た>。」
 (「・・・帝国軍隊の行動は全く『正常なる権利の擁護のため』であって、決して局外者よりかれこれ非難さるべきではないのである。
 ・・・吾人の見解では連盟がもしこれ以上に容喙するようのことあれば、それこそ必要以上に日本の国論を刺激し、却って実際利益なき結果となるであろうことを断言して憚らない」)

 「10月16日の『大阪朝日』は第一面に大きな社告を掲載し・・・『満州に駐屯の我軍将士を慰問、本社より一万円、慰問袋二万個を調製して贈る』と題して・・・金一万円を支出して二万個の慰問袋を調製し、直ちにこれを現地に送<った。>
 これと合わせても広く一般から慰問金を募集した<が、>これは爆発的な反響を呼び、当初締切日の11月5日までに3万円、11月17日、5万円を突破、同29日には11万5千円、12月10日には25万円、23日には何と30万円を超えた。
 『大阪朝日』では、寄付者の名前、住所、金額を紙面に掲載したが、連日、大きなスペースを割き、ついには表の全面埋めるほどの寄付が殺到・・・事変への熱狂的な共感、支持となってハネ返った。・・・」
 「<かくして>10月24日に、原田棟一郎取締役ら慰問班3人が慰問金、慰問袋を持って現地へ出発し<たが、> こうした『朝日』の協力ぶりに、関東軍は感謝して、10月27日に、本庄繁関東軍司令官から村山龍平大阪朝日社長に感謝状が贈ら<た>。」
 (「謹啓、今次の事変については終始熱誠なる御後援をいただくのみならず、今回また特に慰問使を御差遣下され、かつ出動将卒一同に対し、慰問品を御寄贈なし下され候段、感謝に堪えず、ここに一同を代表して、厚く御礼申述べ候」)
http://www.masrescue9.jp/guest/back_no/maesaka6.html
 (また下掲には満州事変勃発以降陸軍へ寄贈された金品の収支が載っている。)
http://www3.plala.or.jp/kindai-kyoto/99_blank002.html

<太田>

 ここも、次著に使えそうだな。

<ρζρζ>(「たった一人の反乱」より)

 <ΖΖΣΣクン、>当時、無産政党の中でさえ事変支持/反対の大論争があったことは注目に値する。

 それはともかく、ソ連を警戒しそれに備えることが漠然とした国民的コンセンサスとしてあったことは常識レベルのことでもあり、そこについてどうこう言ってない。
 具体的にどうするかという(石原らの)計画の一部として満州事変があって、それが指揮系統上正統な行動だったのかは問題がある。
 日華事変はそういう意味で問題がある以上に、何らかの構想の一部であったという気配が希薄。
 しかし、状況を大きく変化させてしまい、そこに泥縄的に対処していった最終的な結果が対米開戦だったのだと思う。
 石原の構想では対米戦をやるとしても、10年とか20年とか後のことだったわけだろう。

<太田>

 1937年に始まった日華事変は、日本が赤露側から一方的に仕掛けられた戦争であったとすりゃ、日本側において、「何らかの構想の一部であったという気配が希薄」なのは当たり前だろ。
 1936年の西安事件→国共合作→1937年の(北京近郊と上海での)対日開戦による日華事変勃発、という流れをそのような目で振り返ってみて欲しい。
 赤露が、その後、日本に対して、1938年に張鼓峰事件、1939年にノモンハン事件を仕掛けたのも、関東軍を、満州にひきつけておくことで、日華事変に投入させないためだった、と見ることができるんじゃないだろうか。
 つまり、日華事変及びその前後の動きは、すべて、赤露によって、日本の東アジアでの対赤露抑止態勢を弱体化させ、瓦解させることによって、東アジアを自分の手中に収める戦略の一環として遂行された、と見るわけさ。
 それにしても、帝国陸軍にとってさえ、あろうことか、蒋介石政権が、(及び、米国や、あの英国までもが、この政権を日華事変で支援するという形で、)赤露のかかる戦略にモロに載せられるという愚劣極まる自殺的ないし自傷行為的行動をとるなんてことは、想定外だったはずだ。
 なお、英国に関しては、その上記自傷行為的愚行は、日本を太平洋戦争開戦に追い込むことで、大英帝国の過早な瓦解を招来させてしまったという、チャーチル自作自演の自殺的愚行につながって行ったわけだ。

<OT>

 急に予定が空きましたので、<明日のオフ会の1次会(講演会)に>参加させて頂きたいと思いました。
 直前の申し込みでご迷惑お掛けしますがよろしくお願いします。

 質問ですが、太田さんが選挙に出馬された際に、支援者の方々に対して太田さんがどのように主張され、そしてその主張が受け入れられたのか、そうではなかったのか、主張が受け入れられなかった場合はどのように説得するつもりだったのか、を教えて頂けるとありがたいです。
 私が自分の身近な人に太田さんの主張を説明する際の参考にしたいのです。
 初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

<太田>

 ファイナルコール。明日のオフ会、(2次会を除き、)飛び入り歓迎。
http://www.ohtan.net/meeting/ (この部分、ツイッターより)

 さて、後段のご質問ですが、10年前なのでまだ私の考えも青臭かった部分がありますが、私のホームページに当時の私の主張が転載されています。
http://www.ohtan.net/opinion/opinion2_text.html
 これについては、民主党から公式には、何のコメントもありませんでした。
 また、当時、私には、自前の支援者はほとんどいませんでした。
 他方、民主党は、約束に反して、私を支援する団体をつけてくれませんでした。
 従って、「支援者に(太田の)主張が受け入れられたのか」と聞かれても、お答えのしようがありません。
 これ以上のことは、オフ会の席上、改めてご質問ください。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 カネにこだわる人間は、幸せな結婚生活を送れないってさ。↓

 ・・・people who prioritize money are less likely to be satisfied in said marriages.・・・
http://healthland.time.com/2011/10/13/wealth-matters-part-2-materialistic-people-are-less-happy-in-marriage/

 やや古いが、上記に関連する記事も紹介しておこう。
 特定のモノにこだわり、それをとっておきたいと思うのは、保護、保証、慰安の代償行為としてであるってさ。↓

 ・・・People value possessions, in part, because they afford a sense of protection, insurance, and comfort,・・・But what we found was that if people already have a feeling of being loved and accepted by others, which also can provide a sense of protection, insurance and comfort, those possessions decrease in value・・・
http://healthland.time.com/2011/03/04/people-and-property-how-they-may-serve-the-same-purpose/

 ↑この二つの話、本日のディスカッションで上の方に出てきた話にひっかけると、、日支関係、特に戦前の日支関係は、人間主義社会であるがゆえに金銭欲や物欲の少ない日本人と、(一族内を除いて)非人間主義社会であるがゆえに金銭欲や物欲が強烈な支那人との邂逅が、誤解と不幸を双方にもたらした悲喜劇である、と言えそうだね。

 経口避妊薬服用中に番の相手と出会った女性は、性的満足を得にくいが、この相手と長続きするってさ。↓

 ・・・those who meet their partners while taking oral contraceptives report less sexual satisfaction in their relationships — but they're also less likely to split up.・・・
 <理由:MHCは女性の体を妊娠したホルモン状況に置くので、MHCの似た親族的な男性の方が安心できるから。しかし、親族的な男性は、本来、番の相手としてはふさわしくない。よって恋は燃えあがらない。↓>
 People tend to be attracted to partners with MHC<(=major histocompatibility system=主要組織適合抗原系) types that are dissimilar from their own, probably because this would give their offspring a greater chance of survival by creating a diversified immune system. The pill, however, puts the body into a hormonal state similar to pregnancy — and pregnant women tend to prefer MHC scents that are similar to their own, probably because this would make them feel safe and comfortable around supportive relatives.・・・
http://healthland.time.com/2011/10/12/how-the-pill-affects-sexual-satisfaction-lasting-marriage/ 
------------------------------------------------------------------------------

 一人題名のない音楽会です。(いつもより1日前倒しでお届けします。)
 ハメリンの12回目です。

--シャルル=ヴァランタン・アルカン(Charles-Valentin Alkan)(注)--

(注)1813〜1888年。ユダヤ系フランス人。フランスのロマン派の作曲家、ピアニスト。ショパン(1810〜49年)の友人。「アルカンはショパンと同様にほとんどピアノ作品のみを書<いた。>・・・<彼が>ピアノによる交響的表現を追求した<点が>・・・リスト(1811〜86年)に与えた影響は大き<い>・・・。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3

 アルカンの曲、結構、ポピュラーっぽいから安心してどうぞ、と申し上げると同時に、どうして、彼の名前や彼の曲が同時代人たるショパンやリストほど知られていないか、も併せて考えていただきたいと思います。
 相当のボリュームがあるので、それぞれの曲の冒頭をちょっと聴いて見てご自分の感性に合っていたら、その先を聴く、という具合に進んでください。

Le vent(風) (from Trois morceaux dans le genre pathetique Op. 15)風の音に静かに耳を傾けよ!
http://www.youtube.com/watch?v=BGbm2F8NNxE&feature=related
Aime-moi(僕を好きになって!) (from Trois morceaux dans le genre pathetique Op. 15)主旋律がエエよ。
http://www.youtube.com/watch?v=7W31BhXC-Js&feature=related
Morte(死) (from Trois morceaux dans le genre pathetique Op. 15)
http://www.youtube.com/watch?v=E31_ogoKhVY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=5LKTP28iDig&feature=related

Grande Sonate Les quatre ages Op.33 - 20 Ans 以下、自分のそれぞれの年齢の時と重ね合わせて聴いて欲しい。
http://www.youtube.com/watch?v=MRFGIUN2MLA&feature=related
Grande Sonate Les quatre ages Op.33 - 30 Ans
http://www.youtube.com/watch?v=Py7BxB51OTA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=p8LOOB9BFSo&feature=related
Grande Sonate Les quatre ages Op.33 - 40 Ans
http://www.youtube.com/watch?v=25KZy39eMa4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=LxYg66z8dCk&feature=related
Grande Sonate Les quatre ages Op.33 - 50 Ans ちょいと老け過ぎだが、昔だからねえ。
http://www.youtube.com/watch?v=WnnricUDH58&feature=related
Grand Sonata Op. 33- IV 50 ans: "Promethee enchaine"
http://www.youtube.com/watch?v=aqGn86ZPdIA&feature=related

Concerto for Solo Piano - I.[1/3] ←コレと※(下)だけ聴くという手もアリか。
http://www.youtube.com/watch?v=OuxcI7nyKl0&feature=related
Concerto for Solo Piano - I. [2/3]
http://www.youtube.com/watch?v=9ZAbiArRFn8&feature=related
Concerto for Solo Piano - I. [3/3]
http://www.youtube.com/watch?v=jOpHGApRwf0&feature=related
Concerto for Solo Piano - II.
http://www.youtube.com/watch?v=U2mW8fsnIa4&feature=related
Concerto for Solo piano Movt. III
http://www.youtube.com/watch?v=fKQO2rRv0VA&feature=related
Symphony for Solo Piano IV
http://www.youtube.com/watch?v=n56OZBbpi5Y&feature=related
Symphony for Solo Piano IV (Finale Presto)※
http://www.youtube.com/watch?v=l8dP0LW0Ps8&feature=related

Concerto for Solo PIano" No.9, Op.39 1/2 ロマンティックであるぞな。
http://www.youtube.com/watch?v=3lnkXpw6rjc&feature=related
Concerto for Solo Piano" No.9, Op.39 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=3_xfKMAibik&feature=related

Concerto for Solo PIano Op.39 No.10 名曲じゃー。
http://www.youtube.com/watch?v=3HOQpwzU-IU&feature=related

Etude No. 11 "Overture" Op. 39 シンプルないい曲だよ。
http://www.youtube.com/watch?v=OLe9MB5jg3c&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=IMi0FLI7KRg&feature=related

Le Festin D'Esope, Op 39 No 12 これもいい曲だ。
http://www.youtube.com/watch?v=SSxbao_Chq0&feature=related

Op.65 No. 2 "Espirits follets: Prestissimo" ハメリンの軽やかな弾き方に脱帽。
http://www.youtube.com/watch?v=71h-56OBwd8&feature=related

Grand Sonata Op. 33 いとも無造作にこれほどたくさんの難曲を弾きこなすハメリン!
http://www.youtube.com/watch?v=hZFAhgfc1Fc&feature=related

Sonatine お疲れ様でしたー。
http://www.youtube.com/watch?v=nXXSO_YSJ6Y&feature=related


[参考1:Bernard Ringeissenによる演奏](まだ根性の残ってる人はどーぞ。)

En Rhythme Molossique - Etude Op. 39 No. 2 - Risoluto 壮麗な曲だ。
http://www.youtube.com/watch?v=31cFnuyr5N0&feature=related

Scherzo Diabolico(悪魔のスケルツォ) 華麗な曲だ。
http://www.youtube.com/watch?v=wRoWfdKA7Js&feature=related

Etude No. 9 Op. 35 一瞬バッハかと見まがう作品
http://www.youtube.com/watch?v=sU14jZ8HgQU&feature=related

Etude Op. 35 No.1
http://www.youtube.com/watch?v=4MYHns3Kz_M&feature=related

[参考2:もう人間のピアニストはいらない?](オマケのお遊び。)

Scherzo Focoso Op. 34 これは人工っぽいね。
http://www.youtube.com/watch?v=MNleymt9gyI&feature=related
Prelude in Eb major Op. 31 上のよりはマシか。
http://www.youtube.com/watch?v=BB2629DTgGI&feature=related
Op.12 Trois Improvisations Dans le Style Brillant, No. 3 Allegro Marziale これはイイでき。
http://www.youtube.com/watch?v=FBI6rk-CgFg&feature=related
Prelude in E minor Op. 31 疲労が生じる人間にゃこんな風には弾けないのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=FGJBDwqdBeg&feature=related
Op.17 Le Preux "The Knight" Concert Etude 人間が弾くのはムリでは?
http://www.youtube.com/watch?v=1V0bMaDemhU&feature=related
 この曲のOsamu Nakamura(プロらしい)による実演。やっぱちょい苦しそう。ハメリンでも、本来の上のスピードでは弾けないだろって議論になってるよ。↓
http://www.youtube.com/watch?v=-jNbI__2-DY&feature=related

(続く)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

太田述正コラム#5052(2011.10.14)
<戦間期の排日貨(その3)>

→非公開