太田述正コラム#5031(2011.10.4)
<皆さんとディスカッション(続x1342)>

<太田>(ツイッターより)

 ヨーヨーの世界チャンピオンのブラック
http://www.officeblack.com/ の人生観、日本観をとりあげたビデオだ。
http://edition.cnn.com/video/#/video/world/2011/10/02/lah-japan-yo-yo-economics.cnn?hpt=hp_c2
好きなことでメシが食えるほどいいことはないってのはその通りだよな。
だけど、それが成就できる人ってほんの一握りだ。

 「婚外子の相続差別は違憲 大阪高裁決定「家族観が変化」…」
http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY201110030626.html
 共同親権制の否定は違憲という判決も早く出て欲しい。
 とにかく、日本の家族法制やその運用実態は先進国のグローバルスタンダードから乖離し過ぎている。

<やへがき やくも>

≫正当防衛を目的とした個人による銃砲所持だって認められておらず、裁判所に訴え出たところで却下されるでしょう。≪(コラム#5029。太田)

 裁判所にわざと原告敗訴の判決をださせるところがわたしの考へた戦術です。
 すなはち、銃砲所持がみとめられないので形式的には原告敗訴なのですが、かはりに、集団的自衛権を託されたものの義務として、これを国家が誠実に代行すべきことを裁判所がみとめ、実質的には原告の意図にかなふ判決がでるのではないかと考へたわけです。
 これは、裁判所が自然権や社会契約説を支持するなら必然的に導かれるものだと考へたのですが、立憲主義国の裁判所がこれを支持しないことなどあるものでせうか。
 また、これに論及することなく銃砲所持の不許可を合憲とすると、ほかに何がその根拠となりませうか。

≫暴力団を、なぜ「暴力」団と呼ぶかだが、近代国家であれば独占しているはずの暴力を、国家に代わって保持し行使しているからだ。そういう意味で、暴力団は存在そのものが違法な組織であって、具体的には、それは、(違法であるところの、)非弁行為遂行組織であり、自力救済代行組織だ。≪(同上)

 わが国は集団的自衛権の行使を抛棄してしまってゐるのですから、ここが暴力の独占の例外になってゐるわけです。
 もし、暴力団が集団的自衛を目的とした militia を名告ってくれたら、全力でこれを支持するんだけどなあ(笑)。

<秋の空> 

≫英国人であるにもかかわらず、日本は真珠湾より早く英領マレー半島を攻撃していたことに全く言及していない≪(コラム#4868。太田)

 おっしゃるとおりですが、私の知る限り、『日本人』であるにもかかわらず、日本は英国と戦い、帝国陸軍は真珠湾攻撃より早くコタバル強襲上陸作戦を開始していたこと、昭和17年2月に陥落したのは『シンガポール』ではなく、『大英帝国』なのだという認識がない人が圧倒的であります。
 当然のことながら、大戦前、駐日英国大使が本国にどんな対日政策を具申していたのか、吉田茂がどんなに愚かであったのか知らない人間がほとんであり、現代日本人が属国日本の病理から抜け出せない一因でもあります。(太田さんのクレイギー・吉田茂関連のコラムを引用すべきですが省略します) (当方、『国賊・吉田茂の正体、英国陸軍の実力』というサイト立ち上げに奮闘中)

(追記1)コタバル強襲上陸が真珠湾攻撃よりどれだけ早かったかは、太田さんが引用したマレー作戦Wikiのページ(注1)、マレー沖海戦Wikiのページ(参照1)では多少の差があります。
 この時間差をめぐって(たぶんWikiを書いた人と)議論したことがあるので気になりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%83%BC%E6%B2%96%E6%B5%B7%E6%88%A6
 その際、上陸した佗美浩支隊が敵飛行場を制圧し、第12飛行団、さらに、日本軍飛行集団主力がこの地域の英航空戦力を一掃したのがマレー沖海戦の大勝利に結びついた事をもっと強調してほしいと注文をつけた記憶があります (典拠・・・例えば・・・太平洋に消えた勝機by佐藤晃著・・・帝国陸軍士官学校61期生)。

(追記2) 久しぶりに太田コラムというか日本語のサイトを見に来ました。
 The Duchessの映画評論よかったです。
 E.M. Forster のシリーズではHowards End
http://en.wikipedia.org/wiki/Howards_End_(film)
も取り上げて欲しかったです。
 暴力団に集団自衛権を行使させろという議論を太田さんにふっかけておられる方(やへがきやくも氏)がいらっしゃるんですね、楽しみです。

<太田>

 映画評論リクエストについては、承りました。

<TA>

 「たかじん・・・」の公式HPに、「調査室」という名称で視聴者に放送内容を踏まえた質問を投げかける、アンケートのような蘭が有りますので、ご紹介します。↓

 「今回は霞が関のどの省庁が一番手ごわいのか?どこの官僚が一番腐っているのか?各省庁の官僚たちを“腐っている”順にランキング…そこまで腐って委員会霞が関vs野田新内閣「腐ってる官僚トップ5」大発表スペシャルと題してお送りしましたが・・・あなたが最も腐敗していると思う省庁はどこですか? 」
http://www.ytv.co.jp/takajin/research/20110925/form.cgi

 太田さんと関わりのありそうな回答を抽出してみました。↓

◆防衛省と自衛隊を分けることを前提にして防衛省です。防衛官僚と言う連中の意識は太田の通りです。汗もかかず血も流さず、現場の粗を探すことを存在理由にしている。与党、財務省、外務省に「何もするな」と言われれば「はい」と二つ返事をして現場の仕事を邪魔し、言う事を聞かなければ予算を回さない。野党やマスコミに批判されれば「現場に言っておきます」「制服の暴走です」とその場を取り繕って、行動を制限することに躍起になる。自衛官は背広組が国防を語られることには我慢ならないほどの憤りを感じている。民間では工場を知らない営業マンが、偉そうに製造工程を語ることを現場の人間は我慢するのだろうか?

◆使えもしない武器の費用対効果を考える必要すらなく(太田述正氏の証言)、事務用品ですら特殊な自衛隊仕様があって高額な買い物をしている(三宅久之氏の証言)といった税金の無駄使いで明らかなように、防衛省が一番腐っていると思います。自衛官は頑張っているからと背広組と制服組を分けているようですが、全体の奉仕者であるという点では、本当は何もできないのに出来る風を装っている詐欺まがいという点で制服も背広も同じ穴の狢ではないでしょうか。財政がひっ迫している中で、こんな無駄使いをしている組織が日本をダメにしている諸悪の根源と云っていい。喫緊の課題である東北復興の財源を確保するためにも、無駄の権化=防衛省自衛隊をいの一番に解体すべきです。

◆防衛省と外務省 韓国、中国、ロシアに対していいようになめられ過ぎ!! いい加減アメリカの下僕から脱皮して新の日本を取り戻すべき!!

◆官僚経験者として内情を暴露されていたゲストの方と、パネラーとして出演されていた元官僚の方で一致していたのが、全部の省庁が腐敗しているということでしたから、設問に対しては『全部の省庁が腐敗していると思う』。とはいえ、腐ってもナントカで、それでもお役所は曲がりなりにも国民の日常生活に密接した仕事をしているわけで、その点を情状酌量しながらあえて一番腐敗している省庁を決めるとすれば、台風や地震といった天災で警察や消防の助っ人で出動するくらいが仕事になっている防衛省自衛隊がいかに益体なしか、元防衛庁審議官が鋭く厳しく指摘されていたことからも、『最も腐敗していると思う省庁』は防衛省だと思います。

◆外務省です。 日本を国際的にここまで弱くした売国官僚。 経済も防衛も医療問題もすべてここに端を発する。

◆防衛省。 内局は国防の事より個人の保身・出世の事しか頭にない。

◆経産省です。 9/25放送中のどなたかの発言にもありましたが、3.11の原発事故後も相変わらず原子力主導路線を変えることなく、天下りによる電力会社との癒着や原発の安全性の見直し等々の問題をうやむやにしようとしている所。

◆官僚で一番腐っているのは、当たり前のように5兆円近くの血税を要求してはせっせと高額備品を買って無駄使いをしている防衛省です。自衛隊をよく保険に例える人がいますが、保険はいざという時それなりに役に立ちます。去年わたしは大病を患ったのでそれがよくわかります。ところが太田述正さんが暴露した自衛隊の実態は保険とは程遠いまったくの【 役 立 た ず 】、それ以外の何物でもないじゃありませんか。まさか自衛隊がそんなに役立たずだったとは…〈呆〉。使えもしない無駄な兵器を維持するために、毎年多額の税金を食い潰すだけの自衛隊はもっと縮小して、保険にもならない防衛省は防衛庁に格下げして、最後はきれいに解体してほしい。

◆事務次官が在任中の収賄で有罪判決がでたように、防衛省がいちばん腐っていると思います。アフガンやイラクもそうだったように、米軍に加担・追従するほうがよほど確立が高いのに、近頃は憲法改悪論と一緒に近隣諸国の脅威を煽って防衛費を激増させようという怪しげな輿論があります。今放送で実際に防衛官僚だった方のお話を聞いて思ったのは、有事がおこっても実質何もできない自衛隊を所管する防衛省の腐敗ぶりと危険性がよく理解できました。あの石破氏もご自身のブログで、有事を口実に自衛隊が実権を握ることの恐ろしさを指摘されています。東日本震災では、たしかに警察や消防と人命救助や物資の救援に貢献したことは認めます。けれど有事に何もできないのだから、いっそのこと規模を縮小して各都道府県の人命救助に特化させた救援隊に再編すべきでしょう。他の省庁の腐敗ぶりもよく解りましたが、彼らは少なくとも実務を行っているわけですから、いちばん腐敗しているのは何もできずに4兆円以上もの血税を無駄に浪費している防衛省です。制服とか背広とか関係ありません
よ。

◆外務省。戦前から腐っている。吉田茂や幣原喜重郎など、録な人材がない

◆国土交通省です。那覇基地など航空管制を国土交通省が行っている基地では労組系の管制官がついている時には、スクランブル機が着陸する旅客機の後回しにされて延々と滑走路の手前でスタンバイすることになり、航空交通管制のレーダーで自衛隊の飛行を常に監視していて、特別な動きがあるとマスコミにリークされる。さらに飛行プランもマスコミだけでなくロシア(旧ソ連)にまで筒抜けで、偵察航空隊が北方領土の偵察飛行の計画を提出すると、その日のその時間には軍用機は格納されて人も歩いていない。さらに航空機や船舶事故の調査でも常に「自衛隊が悪い」と言う先入観に基づいて行われ、結果は始めから決まっているのだ。

◆最後のシメでも言われていたように、「最も腐敗しているのは国民」です。腐敗がこれだけ言われて久しいのに、それに対して暴動も革命も大規模な(100万人単位)のデモも起きない。これでは国民が官僚などの腐敗を容認しているのと同じです。最低でも東電や経産省に対しての暴動や大規模デモを起こすべきですが、起きない。国民が腐敗しているから政治や官僚が腐敗するわけです。これでは国民は各省庁に対してその腐敗を指摘する資格がないとも言えるわけです。

◆外務省即刻廃止して国務省(名前変えるだけではではない)にする。憲法改正と国の基本姿勢を明確にし先送り政策廃止を明文化すること。政府も国民も国の存立には痛みが不可欠であることを肝に銘じよ。

<ΖΖΡΡ>((「たった一人の反乱」より)

 ここにもたかじんの反応転がってるよ。
http://himado.in/66480

<たかじんのそこまで言って委員会 #110925 そこまで腐って委員会、「腐ってる官僚TOP5」大発表SP>

13. 名無しさん : 2011/9/28(水) 11:39:29 ID:YvLidYntnk
大田の言ってることは理解できるが
傷つきやすくて見下したがりの性格が
いちいちイラつくんだよなあ。
14. 名無しさん : 2011/10/3(月) 21:6:22 ID:ZpveghIzVU
大田さんのコメントはかなりまともだったな。
もう少し辛抱強くこの番組で闘ってほしかった


<忍法帖【Lv=1,xxxP】>

 太田さんは凄い。
 凄すぎて理解されないのが残念。
 先日の番組のラスト3分の「逃げちゃだめだ」には感動しました。
 政権交代によって、自民時代の膿が出始めたと実感する毎日です。
 失政だらけの現政権が目立つけれど、自民時代と比較すれば決して悪いことばかりではないと思いました。

 太田さんは膨大な知識量と頭が良すぎて自分は理解できない(努力不足が原因)部分が大半だけど、数十年先の日本を心配して、どこにも媚びへつらうことなく言論活動していること自体国益になっていると思います。
 次期政権では、是非とも防衛に関するアドバイザーとして登用されるような政党が誕生してほしいです。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 コラム#5025で、「考えさせられる数字が列挙されている」として一つの記事を紹介したが、それは実は書評であり、本日、同じ本の書評がまた出ており、やはり「考えさせられる数字が列挙されている」ので、再度、紹介する。
 どうして、この本の肝心の主張を紹介しないかと言うと、著者・・ハーヴァード大ピンカー(Steven Pinker)教授(心理学)が、人間は元来粗暴だったけれど、次第に温和になってきている、という見解だからだ。
 この見解を認めると、狩猟採集時代の人間は温和だったという、私の人間主義論の根底がぐらついてしまうもんね。↓

 <いわゆる殺人率の低下、国家による殺人(処刑(含む拷問死)、奴隷虐待)率の低下↓>
 ・・・Modern homicide rates in Europe—one of the few regions where records are trustworthy enough to permit such comparisons--are 10 to 50 times lower than in the Middle Ages. Murder rates fell by two orders of magnitude in the northeast United States between 1625 and 1900. The past few centuries have also seen precipitous drops in state-sanctioned violence. That includes corporal punishment (from cutting off the hands of thieves to whipping students) and capital punishment, especially combined with torture (drawing and quartering, burning at the stake). Slavery and despotism (which allows tyrants to kill and torture on a whim) prevail only on the margins; 800 years ago they were the rule.
 <戦争による死者の総人口比の低下。↓>
 As for war, Pinker presents evidence that it killed on average about 20 percent of the population of pre-state societies in the Old and New Worlds, a casualty rate higher than that of the most war-torn modern states.・・・
  Annual war deaths have fallen over the past 60 years by more than an order of magnitude, from about 500,000 to 30,000 per year, according to one estimate. As for terrorism, you are more likely to be killed by lightning than by a terrorist.・・・
 <以上は、民主主義の普及と関係しているとさ。↓>
 ・・・over the past century the percentage of humanity living under democratic regimes has surged from 12 to over 60 percent. ・・・
 <また、女性の避妊権の確保とも、また貿易の拡大による国家間依存関係の深まりやマスメディアの出現や識字率の向上に伴う他者への共感の深まりとも関係しているとさ。↓>
 ・・・when women gain access to birth control violence tends to subside along with population growth. The rise of international trade, which makes nations increasingly dependent on each other, has helped, too. So have mass media and the spread of literacy, which promote empathy for others beyond our family, tribe, nation, and even species.・・・
http://www.slate.com/articles/Arts/books/2011/10/steven_pinker_s_the_better_angels_of_our_nature_why_should_you_b.single.html
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太田述正コラム#5032(2011.10.4)
<戦間期日本人の対独意識(その19)>

→非公開