太田述正コラム#5003(2011.9.20)
<皆さんとディスカッション(続x1329)>

<太田>(ツイッターより)

 <本>日配信する非公開コラムを書<いていた時のことだ>が、吉田ドクトリンの形成と墨守の共同正犯が朝日新聞社であることを痛感し<た。>。
 その中心にいたのが緒方竹虎だ。
 しかし、緒方といい、緒方と対峙した三木武吉といい、ホント、「戦前はユニークな人が多い」。

 石原莞爾よ、満州事変は来たるべき対米戦争のため(=個人的妄想)だったのか、対ソ(対赤露)抑止のため(=世論)だったのか?
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110919/plc11091914400006-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110920/art11092007410002-n1.htm
 ま、石原の主観がどちらであったとしても、客観的には後者のためだったわけだが。

<太田>

 関係個所を抜き出しておこう。

 「<1928>年に爆殺された父張作霖に代わりこの地の軍閥を率いることになった張学良が「国旗」を青天白日旗に変える「易幟(えきし)」を宣言し、蒋介石の国民党と手を結んでから・・・<1931>年になると中村震太郎大尉殺害事件などが起き、日本人の安全は著しく脅かされる。日本による厳重抗議件数は3千件を超えたとされる。満州にいる日本人ばかりでなく日本国内からも、関東軍に対してその軍事的解決を求める声が強まった。・・・
 石原は東京裁判酒田法廷での宣誓口述書の中で・・・「万一日本が満州より全面撤退したなら、単に権益を失うばかりでなく、ソ連が満州に進出し、日本自体がその国防を全うし得ず支那(中国)もまた国防上重大な関頭に立つといわざるを得ない」・・・<と>主張した。」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110919/plc11091914400006-n1.htm
 「<1931年の>柳条湖事件・・・翌日の9月19日・・・若槻礼次郎の民政党内閣は・・・臨時閣議を開いた。・・・外相、幣原喜重郎は・・・事件が関東軍による「謀略」である可能性を強く示唆し、閣議は事態不拡大の方針で一致した。<柳条湖事件の首謀者であった>石原莞爾作戦主任参謀ら関東軍にとって頼みの綱だった陸相、南次郎も沈黙を守るしかなかった。・・・
 石原にとって、満州での日本の権益を守ることだけが目的ではなかった。若いときから温めていた「世界最終戦争」への布石という意味があった。・・・<彼は、>起案した満州問題に関する文書でこう書く。
 「支那問題、満蒙問題は対支問題にあらず、対米問題なり。この敵を撃破する覚悟なくしてこの問題を解決せんとするは、木によりて魚を求むるの類なり」・・・
 石原と盟友、板垣征四郎高級参謀は本庄繁軍司令官を説き、政府や陸軍中央の意向に逆らっても戦線を広げ、ほぼ満州全域を支配する。・・・
 関東軍ばかりでなく、林銑十郎司令官率いる朝鮮軍も、政府の決定を無視して国境を越え、満州に攻め入った。ここにいたって政府も追認せざるをえなかった。
 だがその一方、中国の国民政府が国際連盟に提訴したことで、事変は「国際問題化」する。その時点で石原らが目指していた「満州占有」はほとんど不可能となった。一転して満州の「独立」を目指す。・・・
 満州事変のひとつの帰結としての「満州国」は事変の翌<1932>年3月、建国された。現実はともかく日・朝・漢・満・蒙の「五族協和」をうたっていた。当初「漢民族の統治能力」を疑ったがために満州占有論を唱えていた石原も建国にあたっては、この考えを翻していたという。・・・
 石原は満州事変後は日中戦争拡大に反対したし、戦後は最終戦争論を捨て、戦争放棄の考えにまで至っている。」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110920/art11092007410002-n1.htm

→私のとりあえずの結論:石原莞爾は妄想を伴う精神障害者であった可能性が高い。彼の妄想に基づく行動が外形的に世論と合致している時はもてはやされ、合致しなくなった時には退官を余儀なくされた、ということだ。(太田)

<Chase>

≫満州事変と十月事件に促されて、日本の二大政党の間で「英国に倣って」挙国一致内閣を作ろうとする動きが出てきた、という話<の中の、>「」の典拠を知りたいもんだ。≪(コラム#5001.太田)

 「英国に倣って」の大きな動きの典拠は分かりませんが、言葉としては、
http://www.furuyatetuo.com/bunken/b/67_kinronman/4_.htm#03
に、安達内相が若槻に対し、提議したとあります。
(原田熊雄※『西園寺公と政局』第2巻 139頁との事
※元老西園寺公望の秘書で情報収集係)

<太田>

 「安達<謙蔵内相>は・・・<1931年>10月下旬に・・・若槻<禮次首相>に対し、次の議会を一党で乗り切ることは困難であるとし、「この際英国流に犬養(政友会総裁)を首班にして、協力内閣でこの難局を乗り切ったらどうか」と提議し、若槻もこれに賛成したという・・・。」というわけですか。
 ご教示、どうもありがとうございました。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 リビア情勢だけど、バニワリドにカダフィの「後継者」と目されていた息子のサイフがいるという有力情報、シルトにもう一人の息子がいるとのヨタ情報があるって。↓

 ・・・Sabha・・・'s airport and castle had been liberated, said National Transitional Council military spokesman Ahmed Bani. ・・・
 Anti-Gaddafi forces launched an offensive on・・・Bani Walid・・・on Thursday and again on Friday, but were forced to retreat under heavy fire both times. Heavy clashes have continued since then.・・・
 ・・・900 armoured vehicles were involved in an assault on the Mediterranean city of Sirte over the weekend, with more reinforcements being brought in.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14980398
 ・・・ where Saif al-Islam al-Gaddafi, the deposed leader's son, was said to have been spotted <at Bani Walid>.・・・
 Rebels in Misrata believe a senior Gaddafi figure -- possibly another son, Mutasim -- is hiding in the coastal city of Sirte・・・
 Many believe that the ferocity of the resistance in both strongholds can be explained only by the presence of a member of the former ruling family.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/19/gaddafi-son-spotted-bani-walid

 アタマを電気で刺激することで、動作を覚えるスピードを速めることができることが分かった。
 他の能力を高めることもできるのではないかとさ。↓

 Electrically stimulating the brain can help to speed up the process of learning, scientists have shown.・・・
 While the stimulation didn't improve the participant's best performance, the speed at which they reached their best was significantly increased・・・
 Targeting the area of the brain that controls motor skills allows movement tasks to be learned more quickly, and the researchers envisage the technique could be used to help in the training of sportsmen.・・・
 It is the hope of the researchers that the same method may be applied to other parts of the brain to improve educational learning・・・
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-14975165

 幸福になる方法が説明されている。↓

 <普段自分がしないことをやって他人に親切にする。↓>
 ・・・ doing kind things for others strengthens our connection with them and builds trust -- particularly with strangers -- leading to happier communities. The acts can be large or small, but must be beyond the things you do regularly.・・・
 <その日感謝すべきことを思い出して、夜、書き出す。↓>
 Next I must write down, every night, three things I'm grateful for. This, apparently, helps us to feel happier, healthier and more fulfilled -- and less materialistic.・・・
 <瞑想をする。↓>
 ・・・meditation・・・
 <感謝したい人にその旨を書いた手紙を送るか、その人に読んで聞かせる。↓>
 Another suggestion is that you should thank the people you're grateful to, and that the best way to do this is by writing a letter, then reading it to them.・・・
 <幸福は感染する。↓>
 ・・・all happiness can be contagious. ・・・
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2011/sep/19/pursuit-of-happiness
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太田述正コラム#5004(2011.9.20)
<戦間期日本人の対独意識(その9)>

→非公開