太田述正コラム#4983(2011.9.10)
<皆さんとディスカッション(続x1319)>

<太田>(ツイッターより)

 作家の川上未映子が「外出時、少なくとも夏場はブラジャーなしで」と訴えた正続コラム
http://www.asahi.com/fashion/column/omekashi/TKY201107310126.html
http://www.asahi.com/fashion/column/omekashi/TKY201109040109.html
、引き合いに出してる「諸外国」でも女性の場合乳首ポロリはタブーだし、女性の乳首は性器(コラム#4935)だしねえ。

 いいポストをあてがわれるとすぐにはしゃいで口が軽くなる、前原や鉢呂のような馬鹿者ども
http://www.chosunonline.com/news/20110910000004
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110910k0000m010154000c.html
が部下じゃ、野田首相も苦労が絶えないだろうね。
 もちろん、任命した野田の自業自得ってやつだが・・。

<太田>

 野田首相/党代表の下で内閣や党で要職に就いている人々は、ボスの野田を見習って口を慎み、ひたすら仕事に汗を流そう!↓

 「・・・松下政経・・・塾出身の政治家たちは「強い日本」を実現するため、まずは韓国や中国との摩擦を引き起こすべきではない、という現実主義的な路線を掲げている。このため、野田首相は就任直後、靖国神社への公式参拝を行わない意向を表明し、保守派から「言葉だけで行動しない」と批判された。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20110909000041

<TA>

 コラム#4941の「アメリカは日本の「独立」を望んでいるのか?」という件について、「講演」のテーマとは関係なく、自分でも何冊かの本(日米同盟に関するもの)を読んで考えているのですが、今のところ、このような問いがまともな問いとして成り立つだけの根拠を見付けることができずにいます。こうなったら、あまり気が進みませんが、陰謀論的な主張をしている類の論者の本を読むしかなさそうです。

 ついでと言っては何ですが、この「何冊かの本」の内『日米同盟 −米国の戦略ー』(マイケル・グリーン、パトリック・クローニン 編。川上高司 監訳。1999年)に、在沖海兵隊に関する記述が色々ありましたので、ご紹介したいと思います。↓

 「・・・冷戦後の米国の戦略要素は海上および航空戦力を重視しているが、米国は沖縄に駐留する海兵隊の撤退には慎重になっているように見受けられる。沖縄の海兵隊は名目上は師団であるが、現在展開されているのは師団の約三分の一の規模である連隊に過ぎない。このような小規模の部隊が、アジアにおける紛争に効果的に対応できるとは考えにくい。海兵隊の撤退には三つの利益が存在する。<1.>米国はアジアにおいて新たな陸上戦闘を行う意志はないと中国を安心させること、<2.>日本が独自に自国を防衛できると米国が考えていることを日本に対して示すこと、<3.>日本国内の強い反米軍感情を静めることである。今日の沖縄海兵隊の主要な役割は、同盟関係のクレディビリティ<(信頼性)>の維持と、朝鮮半島危機への対応にある。たしかに、海兵隊を撤退させることによってこのクレディビリティが失われるのではないか、という懸念は存在する。しかし、朝鮮半島危機に最も必要なのは戦術的情報能力(AWACSやJSTARS)の向上や、長距離火砲の追加なのであり、軽歩兵ではない。海兵隊の配置を移動すると同時に、情報能力や火砲を充実させることはむしろ米国のクレディビリティを向上させるであろう。これまで述べたような日米同盟再構築のステップを日本国民が支持し、より多くの貢献をすることこそ、小規模な海兵隊よりもよほど重要なのである。」(14〜15頁。リチャード・サミュエルズ、クリス
トファー・トゥーミー)

 これに対し、同著内で真逆の主張をしている論者。↓

 「海兵隊や空軍の有効性や不可欠性が減じているという主張は現実に即していない。それは特に、海兵隊や空軍は容易にハワイや米国西海岸に撤退させることが可能であり、危機の際に再展開すればよいとする主張に対して当てはまる。こうした戦力は戦闘力だけでなく、そこに存在することに意味があるのであり、米国が安全保障上の関心をこの地域に有していることを示し、またここに関与していく意思をも表している。これらの兵力は前方配備されているがゆえに、日本およびその周辺のデリケートな戦略的・心理的バランスに対する重要な抑止効果を持つのである。・・・
 海兵隊は信頼性の高い部隊であり、そうした信頼性が侵略を抑止するのである。海上配備であろうが、空輸されようが、強襲上陸を行おうが、駐留していようが、海兵隊は米国が日本の防衛、地域の安全、アジアの安定のために関与し続けることの証左となる。・・・
 佐世保には両用即応作戦群が配備されており、海路では数日、空路では数時間のうちに危機が起こった場所に駆けつけることができる。同じだけの兵力をハワイや米国本土から輸送するとなると、特に複数の有事が発生している場合には、海路で数週間、空路でも数日の時間がかかることになろう。・・・
 一九九一年の湾岸危機の初期において、沖縄および他の基地から海兵隊が迅速に投入され、イラクがサウジアラビアを攻撃するのを防いだことがその戦略的有用性を雄弁に語っている。」(51〜54頁。ポール・ジアラ)

 太田さんは当然、前者に軍配を上げるでしょう。私も前者の方により説得力を感じますが、正直よく分かりません。
 しかし、この件は議論が分かれる類のものだということは分かりました。

<太田>

 議論、分かれてなんかいませんよ。
 ジアラは、佐世保には両用即応作戦群・・というより、揚陸強襲艦ですが・・が配備されており、それさえ残しときゃ「海路では数日、空路では数時間のうちに危機が起こった場所に駆けつけることができる」と言ってるわけで、そんなら揚陸強襲艦以外は撤退できるじゃんと揚げ足を取りたくなるし、海兵隊が理論上も実際も使われるのは、アジアでは中東地域や東南アジア地域なんだから、(既に米軍が港や飛行場を持っている)ディエゴガルシア
http://en.wikipedia.org/wiki/Diego_Garcia
や北西オーストラリアに揚陸強襲艦を配備した方が更にいいんじゃないのって言いたくなりますね。(揚陸強襲艦を護衛する艦艇群も周辺にいなきゃいけませんが・・。)
 沖縄に海兵隊の地上兵力(あるいは岩国に海兵隊の航空兵力)がいなきゃダメだという主張は、「議論」の名に値しないのであって、単に、米海兵隊の回し者によるプロパガンダである、と思えばいいのです。

 それでは、その他の記事の紹介です。

 ドイツ人記者によるこのコラム、支離滅裂だね。
 1945年より前だって、米国は誤った戦争ばっかしやってきた。
 そもそも、朝鮮戦争やベトナム戦争は、米国が、太平洋戦争などというチョー誤った戦争をやらかしたせいで戦う羽目になったんだろが。↓

 ・・・After 1945, America has in truth only served to fight the wrong wars in the wrong places and for the wrong reasons. There were the two McCarthy-era wars in Korea and Vietnam. In Korea, the absolute rulers in the north and the south wanted to go to war with each other at any cost. Neither the Soviet Union nor America had any real desire to go back to war again only five years after the end of World War II, with their high losses and terrible experiences. ・・・
 Vietnam was merely an escalation of the Korean War. The domino theory held that Vietnam would fall first, followed by the rest of southeast Asia. ・・・
 Afghanistan also falls into this category of the wrong wars in the wrong places at the wrong time. ・・・
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,785419,00.html

 日本人の韓国に対する好悪は愛拮抗している。↓

 <だけど、なんで日本人、イスラエルが嫌いなんだろ?↓>
 Japanese people<'s>・・・31 percent liked South Korea, putting the country third among seven countries that were compared after the U.S. and Germany.・・・But 27 percent of the respondents disliked South Korea.・・・94 percent of respondents said they do not like North Korea, while 76 percent voiced aversion to China. Russia and Israel were next with 44 percent・・・
 The Japanese emperor was the most popular with 70 percent, followed by U.S. President Barack Obama (41 percent), and German Chancellor Angela Merkel (28 percent). But 90 percent of the respondents disliked North Korean leader Kim Jong-il, making him the least popular world leader, followed by Chinese President Hu Jintao (68 percent).
 <日本人が嫌いな指導者は、金正日、胡錦濤に続いて菅直人だってさ。そんなイメージを菅について作り上げたマスコミの罪は大きい。↓>
 The third least-liked leader was Japan's own former prime minister Naoto Kan (65 percent), trailed by Russian Prime Minister Vladimir Putin with 47 percent.・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2011/09/10/2011091000219.html

 ここでは引用しなかったが、IMF前専務理事の例の事件がらみでフランスも軽蔑の対象になっているコラムだ。
 日本もフランスもアングロサクソンからは軽蔑の対象たる野蛮の地にほかならない。↓
 <前にも指摘したように、日本の女性の平均寿命が世界一であることは、日本の女性が抑圧などされていないことを示しているのにアホなことを言うやっちゃ。↓>
 ・・・even in the more liberal West -- let alone in countries with less liberal traditions, such as Japan -- culture comes to the rescue of the powerful <sex(男性)> more often than it protects the weak <sex(女性)>.・・・
 Old societies have customs and traditions; new ones have courts and legislatures.・・・
 <法で男女差別と戦えってんだけど、人間主義社会であれば、そもそも「戦う」必要がない。↓>
 One cannot expect the law to solve all cultural conflicts, but it can play a positive role as a tool of emancipation. At best, the law is a great equalizer. The end of the Western slave trade did not come because European culture changed, but because the British changed their laws.
 <日本における女性に対するセクハラと職場における昇任/給与面での差別は、男性による女性の過度の庇護の見返りだ。確かにどっちも問題があるが、是正するにはどっちの問題にも取り組まなくっちゃな。↓>
 In Japan, sexual harassment of women has sometimes been excused -- by Japanese males -- to foreigners as part of Japanese culture, and the female victims often put up with it by thinking that this is true. No doubt many Afghan women in burqas are equally convinced that covering their faces is a cultural command -- and therefore a natural duty.
 <日本の女性はもっと男性を訴えよってんだけど、それじゃダメなんだよね。↓>
 However, more and more Japanese women are fighting back against unwelcome male attention, not by denying tradition or culture, but by going to a lawyer and suing. Their problem is not with sex, or the art of seduction, but with the abuse of power.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2011/09/10/2003512899

 英米のメディアがある国(ないし地域)にどのようなトーンの報道をしているかを統計学的に処理すれば、その国(ないし地域)に動乱が生じるか否かを判定することができるってさ。↓

 ・・・The study's information was taken from a range of sources including the US government-run Open Source Centre, and the Summary of World Broadcasts (now known as BBC Monitoring), both of which monitor local media output around the world.
 News outlets which published online versions were also analysed, as was the New York Times' archive・・・
 Reports were analysed for two main types of information: mood - whether the article represented good news or bad news, and location - where events were happening and the location of other participants in the story.・・・
 generated graphs for different countries which experienced the "Arab Spring".
In each case, the aggregated results of thousands of news stories showed a notable dip in sentiment ahead of time - both inside the country, and as reported from outside.
 For Egypt, the tone of media coverage in the month before President Hosni Mubarak's resignation had fallen to a low only seen twice before in the preceding 30 years.
Previous dips coincided with the 1991 US aerial bombardment of Iraqi troops in Kuwait and the 2003 US invasion of Iraq.
Mr Leetaru said that his system appeared to generate better intelligence than the US government was working with at the time.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/technology-14841018
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 一人題名のない音楽会です。
 ハメリンの9回目です。(とはいえ、ハメリンをダシにしたショパン特集みたいになっちゃってますが・・。)

Chopin/Godowsky Op.25 No.9 (1st version) 
http://www.youtube.com/watch?v=j5eP6kBdhIw&feature=related
もアクセス禁止になっていたところ、代替とは言えませんが、Leopold Godowsky本人による原曲の演奏をどうぞ。1:49〜
http://www.youtube.com/watch?v=JUGXQtxYR9U&feature=related

 口直しに、編曲は編曲でもジャズ編曲をどうぞ。↓

Bernd Lhotzky(編曲・演奏)
http://www.youtube.com/watch?v=p8cTzugtGAU&feature=related
???
http://www.youtube.com/watch?v=mmPxOCP8CUc&feature=related

<以下、「フツー」の演奏>
 原曲'Butterfly' ???? 1位 誰だー、このピアニスト?
http://www.youtube.com/watch?v=6ei-e5EaFAE&feature=related
 原曲 Maurizio Pollini 1位
http://www.youtube.com/watch?v=fHv8DwH18fA&feature=related
 原曲 Ohlsson 1位
http://www.youtube.com/watch?v=kCsS8B2vf8U&feature=related
 原曲 Josef Lhevinne(1874〜1944年) 1位
http://www.youtube.com/watch?v=aDnzfuBtiio&feature=related
 原曲 Guiomar Novaes 5位
http://www.youtube.com/watch?v=lxkb10BaRf0&feature=related
 原曲 Vladimir Ashkenazy 5位
http://www.youtube.com/watch?v=iKaSpfGN_Q8&feature=related
 原曲 Nikolay Lugansky 7位 ちょっと考え過ぎ?
http://www.youtube.com/watch?v=Os7UEGoYYQQ
 原曲 CLAUDIO ARRAU 7位 可もなく不可もなし
http://www.youtube.com/watch?v=qsYvXwtp7Ms&feature=related
 原曲 Andrei Gavrilov 7位 ほんのちょっと上滑り感あり
http://www.youtube.com/watch?v=2G2ORRcjdbg&feature=related
 原曲 Wilhelm BACKHAUS 7位 やや無造作な感じ
http://www.youtube.com/watch?v=q6iq5iJr3sc&feature=related
 原曲 Georges Cziffra 11位 タッチがややきつ過ぎる
http://www.youtube.com/watch?v=rb_SvKEfLzY&feature=related
 原曲 Alicia de Larrocha 11位 歯切れが心持良くない
http://www.youtube.com/watch?v=sJ4P8OpVL3E&feature=related
 原曲 Jozef Hofmann 13位 気分に流れている
http://www.youtube.com/watch?v=5SnCs4KZ4JI&feature=related

<番外編>
 原曲 Idil Biret(1941年録音) ゆっくりした思い入れたっぷりの演奏。同じ曲と思えず
http://www.youtube.com/watch?v=Oh4g3WEmbTI&feature=related
 原曲 Francis Plante (1839-1934) 録音時、90歳だったって! 同上
http://www.youtube.com/watch?v=jzacNIOxYOU&feature=related
 原曲 Amilcar M. Ubiera アマチュアらしいが、ほんとに?と言いたくなるうまさ
http://www.youtube.com/watch?v=i08qWWOmaH8&feature=related

 原曲 Valentina Lisitsa 通奏低音
http://www.youtube.com/watch?v=cKeley78hM4&feature=related

 ひょっとしてこの原曲↑、クラシック曲の中でユーチューブにアップされている数が一番多い曲か?

(続く)
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太田述正コラム#4984(2011.9.10)
<戦間期日英関係の軌跡(その17)>

→非公開