太田述正コラム#4957(2011.8.28)
<皆さんとディスカッション(続x1307)>

<太田>(ツイッターより)

 ロンドン滞在中の1988年、大書店でイギリス議会制度の起源についての本を探していると店員に聞いたら、そんな本はないと言われて当惑したことがある。
 コラムでもまともに取り上げたことがない。
 そこで、勉強を兼ね、今度のオフ会の「講演」のテーマは「イギリスにおける近代議会の誕生」にしたい。

<太田>

 このテーマ、ボクにとっちゃ単純にオモシロイ・・なんで世界中でこんだけ当たり前になっちゃった制度が、しかし、イギリスで形成されるまで世界のどこにもなかったのかを知りたい・・んだけど、原点を振り返ることで、現在の日本の政治・・イギリス由来の議院内閣制に立脚した政治・・についての理解が深まる、とでも言えば、皆さんの興味もちったあ湧くんじゃないかな。

<太田>(ツイッターより)

 中共、よく見てるね。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110827/chn11082717230003-n1.htm 
 抜けてるのは、海江田じゃ小沢支配の党執行部になるから、自公との協力が不可能で国会運営の展望がゼロだって点だ。
 第一回投票で前原と野田のどっちが得票数が多いか、だけを注目してりゃいい。

<ζΜΜζ>(「たった一人の反乱」より)

 次も短命だそうです。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0826&f=politics_0826_020.shtml

<太田>

 こんなこと書いたのはわれらが産経新聞(電子版)だけだね。↓

 「・・・前原票<も野田票も?(太田)>は予想外に伸び悩み、鹿野氏が2位になる可能性が出てきた。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110828/stt11082801140001-n1.htm

<野口佳>

 <コラム#1697>「慰安婦問題の「理論的」考察(その1)」<を読みました。>
 河野談話に関する、石原信雄官房副長官(当時)の裏話...確か中央公論に載っていた・・・をご存知ですか?

<太田>

 「確か」なんて書かず、ご自分でネットであたるくらいのことするのが、投稿する際のマナーでは?
 また、私が知ってるかどうかなんてどうでもいいのであって、あなたが私に何をおっしゃりたいのかを書かなきゃいけません。

 さて、石原元副長官の話、何となく記憶はあったけど、あたってみたら、どうやら、産経の対談記事が元みたいですね。
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/30961/
 読んでみて改めて思うんだけど、河野談話を出した当時の、宮沢首相も河野官房長官も石原官房副長官も、そして法務省、外務省、大蔵省の官僚達も、(それぞれが私人として人間主義者であったかどうかは知らないが、)人間主義的な対外政策を遂行することに同意したってことですねえ。
 結果は、人間主義的であった戦前の日本の対外政策とおんなじで、真意が一部の人には伝わったけれど、悪意を抱いている人々に悪用され、或いは無智な多くの人々に単純に誤解され、日本は袋叩きにあう羽目になったってわけだ。
 それにしても、宮沢はもう語ることはできないけれど、せめて河野は石原と同じことを語って欲しいものだが、それをやらない、ということは、河野が私人としても人間主義者であって、その「主義」に殉じようとしている、と理解すべきじゃないかな。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 シリアを支配するアサド大統領の宗派であるアラウィ(Alawi)派は、シーア派からはシーア派に属すとされているが、スンニ派の一部からは、シーア派どころか、イスラム教ではない、とさえ目されている
http://en.wikipedia.org/wiki/Alawi
ところ、シーア派ヒズボラのみならず、イランからも、アサド批判の声があがったのは注目されるべきだ。
 もとより、アサドのように、反体制派の物理的弾圧一本やりじゃ、シリアの不安定状態が続くことを心配しているってことなんだろうが・・。↓

 ・・・Iran’s foreign minister, Ali Akbar Salehi・・・, called on the government in Damascus to recognize its people’s “legitimate” demands on Saturday・・・
  Mr. Salehi’s remarks echoed those on Friday by Hassan Nasrallah, the leader of the Iranian-backed Shiite militant group Hezbollah, in which he called on Syria to introduce reforms・・・
http://www.nytimes.com/2011/08/28/world/middleeast/28syria.html?_r=1&ref=world

 武力でリビアのカダフィ政権が倒されたことの、シリアとイェーメンへの影響が詳述されている。↓

 ・・・Libian・・・rebels<'>・・・ astonishing success — caught in real time on satellite television across the Middle East — may alter what unfolds in rebellions in Syria and Yemen, which have endured months of bloody crackdowns. It is not clear whether the dissidents in these nations will shift from peaceful disobedience to armed insurrection・・・
 <リビアでは、パレスティナ問題を巡る欧米への嫌悪感が希薄だ。↓>
 But the intervention was more palatable for Libyans, who were steeped in the all-encompassing cult of Kadafi and a bit detached from the Arab world's disdain for the United States and the West over the Israeli-Palestinian conflict and other passions.
 <リビアは、シリアやイェーメンほど、地理的・政治的に重要じゃない。↓>
 Libya also did not have the strategic geographic and political importance of Syria and Yemen.・・・
 <しかも、リビア同様、シリアとイェーメンでも、部族的対立がある上、シリアには宗派的対立もある。よって、シリアで武力闘争が始まると収拾がつかなくなる恐れがある。↓>
 <Besides, s>imilar tribal divisions bristle in Yemen, and sectarian and religious differences are undercurrents in Syria. So far protesters in Syria and Yemen, which is brimming with guns and is the region's poorest country, have trodden at the edges of these dynamics. Armed revolt against Yemen's Saleh could ignite a civil war and provide the country's Al Qaeda branch more entrenched footing.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-libya-arab-spring-20110828,0,831375.story

 私はかねてより、スコットランドはアングロサクソン文明ではなく欧州文明に属すると指摘してきたが、改めてそのことを考えさせてくれる、論者集がガーディアンに載っていた。
 そのうち、二人の論の一部を下に掲げる。↓

 <スコットランドは公民的(civic)、社会民主主義志向、反戦、反核、移民大幅受け入れ賛成、多文化志向、EU統合志向、環境保全志向、芸術への公的補助志向。↓>
 ・・・For 25 years, Scottish nationalism has been a civic, social-democratic, multicultural movement. Nationalists have opposed the wars in Iraq and Afghanistan, they opposed Trident. They have openly campaigned for more immigration. The SNP proudly asserts the multicultural nature of modern Scotland with its MSPs taking the parliamentary oath in Urdu, Gaelic, Italian and English. Nationalists promote and engage with the EU. They advocate sustainable energy, land reform, arts funding… the list goes on.・・・
 <イギリスは、特にサッチャリズム以来、税金が低い不平等社会を志向してきた。↓>
  Britain has been torn up by successive Westminster governments that have pandered with increasing desperation to a middle England that seems determined to live in a low-tax, high-inequality, American-style future. I don't want to live in America. I don't want to live in Thatcherland.・・・
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 <サッチャリズムを契機に、スコットランドは、自分達が、イギリスに比べてよりコミュニティー志向で、協力を競争よりも重んじること、を思い起こした。↓>
 ・・・The thing is, the Scots never fell for Thatcherism. We were always sceptical. When she announced that there was no such thing as society, most of us were, frankly, incredulous. Thatcherism, and the enthusiasm with which it was embraced by so many in England, made a lot of Scots begin to realise that we were, after all, meaningfully different en masse from the English; more communitarian, less convinced of the primacy of competition over co-operation. There was no one nation.・・・ 
http://www.guardian.co.uk/culture/2011/aug/28/scottish-independence-snp-iain-banks

 私見では、スコットランドは、欧州文明に属するが、地理的・歴史的経緯からイギリス(アングロサクソン)化して現在に至っているのに対し、比較的最近のイギリスに米国化した部分があることにスコットランドが反発している、ということ。
 つまり、スコットランドこそ、現在では最もアングロサクソン的な地域だ、と考えたらどうか、ということ。
 ついでに、コラム#4953で投げかけた疑問への暫定的解答を記しておこう。
 カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは、もともとアングロサクソンであり、現在もそうあり続けている、と考えたらどうか。
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太田述正コラム#4958(2011.8.28)
<戦間期日英関係の軌跡(その4)>

→非公開