太田述正コラム#4817(2011.6.19)
<皆さんとディスカッション(続x1238)>

<太田>(ツイッターより)

 「ディスカッション」では簡単には紹介できない材料が本日までに随分たまった。
 有料読者向けコラムとして、「イギリス人の起源」か「女性の社会参画の意義」か、「イギリス人の先の大戦観の歪み」か、「悪の人間科学的説明」か、「映画評論:抱擁」等の、まず、どれをとりあげるか、思案のしどころだ。

 <昨日の一人題名のない音楽会に>一つ追加。
 久保田早紀がファド調の編曲で歌う異邦人をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=MnocaLe8qe4&feature=related

<ψΕψΕ>(「たった一人の反乱」より)

≫中森明菜 明菜なーんてって小バカにしてたけどびっくらしたなーもー。やっぱこの曲は魔力を持っている!≪(コラム#4815。太田)

 中森明菜を小バカにしてたっていうのがわからん。
 スキャンダルはわかるが、この人はデビューそうそうから大器として評価されていたと思うが。
 こういうちょっとしたコメントで、コメントした人物のセンスがわかるんだよ、太田さん。
 ここで、作曲者である井上陽水が絶賛した「飾りじゃないのよ涙は」。
http://www.youtube.com/watch?v=eAKgSkCVPo8

<太田>

 よくぞ、この曲をあげてくれた。礼を言っておこう。
 実は、センス云々以前のシリアスな問題なのよ。
 「1982年<にテビューし、>1984年11月に、井上陽水から楽曲提供を受けた10枚目のシングル「飾りじゃないのよ涙は」をリリース。アイドルからアーティストへの転換期を迎え」た明菜
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%A3%AE%E6%98%8E%E8%8F%9C
だったわけだが、この歌のせいでボクが完全に彼女と縁を切った・・というか、確か、その頃、日本のはやり歌の世界と縁を切ったことを思い起こさせる記念すべき曲だもんね。
 (どうでもいいけど、それまでの、アイドル時代の彼女のヒット曲も、彼女の歌唱力を十分引き出しているとは言えない↓。なお、彼女の容姿はイモカワイイ、で終わり。

 スローモーション 少女A
http://www.youtube.com/watch?v=X9XxuP-YWpI&feature=fvsr
 セカンドラブ
http://www.youtube.com/watch?v=OMOETQdjYDs&feature=fvwrel )

 明菜自身、自分の「もともとの音楽のルーツについては、姉や兄たちがディスコミュージックやソウルミュージックを聴いていた影響・・・を挙げており、洋楽<(=米国のポップス)>の影響を受けていることも明かしている」(ウィキペディア上掲)わけだけど、この歌でもって、いわば明菜が自分の原点・・戦後日本の原点でもある・・に戻ったということであり、この歌は、歌手がいなくなってアーティスト(と若干の演歌歌手)ばかりになるという、日本のはやり歌の米属国化の完成を象徴するものだったのさ。
 前にも書いたことあると思うけど、ボクは同世代人及びそれ以降の戦後日本人と決定的に違っていて、クラシックと正調歌謡曲だけで育っていて、全く洋楽を聴いていないのみならず、聴こうと思ったことすら全くないという珍しい人間なんよ。
 自慢じゃないが、ボクは理科系の学問であるかどうかのリトマス試験紙であると同時に洋楽的音楽であるかどうかのリトマス試験紙でもある。
 だから、「飾りじゃないのよ涙は」を聴いて、リトマス試験紙的に生理的嫌悪感が先に立ってしまい、ついに明菜の歌唱力に気づくことがないまま現在に至っていた、ということだろうな。
 ボクはこういう人間だからこそ、米国からの「独立」を叫ぶようになったと言われても仕方がないのかもしれないし、だからこそ、ボクの主張がなかなか日本人に受け入れられない、ということなのかも・・って気がしないでもないなあ。

<ψΕΕψ>(「たった一人の反乱」より)

 何でもかんでも民主党のせいにしたいらしいw。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110616/biz11061622440036-n1.htm

 相変わらずニュー速+だと。
 産経ソースには大量の雇われ書き込みがw
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110617/biz11061722060039-n1.htm

<太田>

 宗主国に恨み節の産経。↓

 「・・・5月26日にフランスで行われた日米首脳会談。オバマ大統領はいつ辞任に追い込まれてもおかしくなかった菅首相に9月前半の公式訪米を要請した。公式招請は衆院での不信任案採決に先立ちオバマ大統領がいち早く支持表明したのに等しい。裏事情をよく知る日米関係筋の話では、オバマ大統領が招待したのは「日本の首相」ではなく、菅首相その人だった。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110619/stt11061903240000-n1.htm
 
 東京新聞は、菅首相続投にあきらめムード。↓

 「・・・政府・民主党内では、野党党首時代の攻撃的な言動を重ね合わせ、「自分を退陣させようとする勢力とのチキンゲームを楽しんでいる」との声も出るほど。首相に近い若手は「ぼろぼろになって、引きずり降ろされるまで辞めないのが首相の美学だ」と、行動パターンを分析した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011061902000032.html

<εεχχ>(「たった一人の反乱」より)

≫<「どうでもいいけど、ちゃんと探せば、太田さんに間違いを認めさせる突っ込みを入れることはできるんだなw」(コラム#4813)というボク>の書き込みは、<コラム#3867> の上記コメントを素直に読んだ立場に立って、あえて書いたところがあるのですが、やっぱりそういうことじゃないようですね。≪(コラム#4815。太田)

 <>内の推測コメントは間違いです。
 あえて書いたという箇所は、その最後の部分ではなく、それ以外の部分です。
 今回のことについては、太田さんに間違い(手違い?)はあったと思いますよ。
 <コラム#3867>のコメントが記事の紹介だけならいいですが、リンク先の記事の内容をあるがままに肯定する(女性の味方たる太田さんらしくない)コメントをしちゃってるので、日本女性が痩せてきている原因は「男性を慮っているから」だという森を描くなら、それと真っ向からぶつかる<コラム#3867>のコメントは間違い(とまでいかずとも本意とは違う)だったと釈明したほうがよいのでは。
 その必要は無い=間違い自体認めない、ということなら、どっちが太田さんの「ホンネ」か分からないですからね。
 自分の(余計な、強引な)フォローは必要なかったかな。

<ψΕΕψ>(同上)

>リンク先の記事の内容をあるがままに肯定する(女性の味方たる太田さんらしくない)コメント

 「なんちゅう主体性のなさ」は肯定か?、批判だと思うんだが。

>日本女性が痩せてきている原因は「男性を慮っているから」だという森を描くなら、それと真っ向からぶつかる<コラム#3867>のコメントは間違い(とまでいかずとも本意とは違う)だったと釈明したほうがよいのでは。

 「同性の他人の目を気にするためとか。なんちゅう主体性のなさ。」
 「日本の女性の(男性を慮った)人間主義の病理的側面であるととらえれば、必ずしも矛盾とは言えない気もするなあ。」
 「つまりだな、私に言わせれば、日本人の人間主義は、日本人の女性の(日本人の)男性好みの女性になってあげたいという思いやりの成就という形でも発現している、ということなのさ。」

 ↑「という形でも」と最終的に書いたんだから、女性たるHisako WatanabeさんとSakiko Ohnoさんによる説明を否定せずに、男性たる太田さんの解釈を上乗せしているだけでしょう。

<太田>

それでは、その他の記事の紹介です。

 米国の人種主義的帝国主義マークIIを米国人が描くと・・描こうとするだけでも評価すべきだが・・こういう表面をなぞったような内容になってしまう、といういい例だ。↓

 ・・・American industries produced more goods than Americans could buy, and a regular cycle of overproduction followed by financial panics roiled the economy throughout the late 19th century.
 The solution, McKinley came to believe after he took office in 1897, was overseas markets for American products. He didn't want to impose political rule on restive native populations, as Spain did in its colonies. He wanted, in Miller's summary, "reliable and protected trading routes — as well as political and economic stability within America's trading partners." The difference for the locals would be minimal, as Cuban and Philippine rebels learned after throwing their support to American troops they believed were liberating them, only to hear all talk of self-government relegated to the unspecified future after the U.S. victory in the Spanish-American War. Perhaps they took comfort from McKinley's assurances that "their welfare is our welfare."・・・
 <前に触れたことがあるが、マッキンレー大統領はアナキストに暗殺された。↑>
http://www.latimes.com/entertainment/news/books/la-ca-scott-miller-20110619,0,7172293.story

 歴史の「ればたら」は楽しい・・とはいえ、この話、日本もからんでいるだけにやるせない面もある・・が、やはり、英国人が先の大戦でドイツ軍がこうすれば勝てたって話をした場合、隔靴掻痒な感は拭えない。↓

 <ドイツによる戦争開始が3年早すぎた・ダンケルクの英軍を逃すべきではなかった・何がなんでも日本を引きずり込んで対ソ開戦をすべきだった・ソ連に侵攻してから非ロシア人を弾圧するのではなく味方につけるべきだった・キエフに戦力を割かずにモスクワを一直線に目指すべきだった・スターリングラード包囲戦をやるのではなく機動戦に徹すべきだった・・てさ。↓>
 ・・・Hitler, he says, should have begun the war three years later than he did, in 1942 rather than 1939. He should not have allowed the British to escape at Dunkirk as France fell. He should have arranged for the Japanese to help in the invasion of the Soviet Union. Once on Soviet territory German forces should have recruited the non-Russian populations rather than repressing them, and returned farmland to peasants rather than exploiting their labor and taking their food. In September 1941, Army Group Center of the Wehrmacht should have pushed forward to Moscow rather than detouring to Kiev. Army Group South should have fought a war of maneuver rather than concentrating on Stalingrad. ・・・
 <ここで評者の茶々が入る。ポーランドが1939年にソ連侵攻ということでドイツと手を結んでいたらどうなっていたかを考えろと。そうしてりゃ、英仏は対独開戦理由が見つからず、対ソ侵攻もずっと速やかに進行し、日本だって対ソ侵攻に加わったかもしれないし、、独ソ不可侵条約もなく、日本の対独離間もなく、当然真珠湾もなく、米国の参戦もなかったろう。結果は、ドイツ・ポーランド・日本の対ソ勝利だったはずだ。なーんちゃって。↓>
 Then, too, what if Poland had agreed in 1939 to join Germany in an invasion of the Soviet Union, as Hitler wanted? If Poland had allied with Germany rather than resisting, Britain and France would not have issued territorial guarantees to Poland, and would not have had their casus belli in September 1939. It is hard to imagine that Britain and France would have declared war on Germany and Poland in order to save the Soviet Union. If Poland’s armies had joined with Germany’s, the starting line for the invasion would have been farther east than it was in June 1941, and Japan might have joined in, which would have forced some of the Red Army divisions that defended Moscow to remain in the Far East. Moscow might have been attained. In this scenario, there is no Molotov-Ribbentrop pact, and thus no alienation of Japan from Germany. In that case, no Pearl Harbor, and no American involvement. What World War II becomes is a German-Polish-Japanese victory over the Soviet Union. That, by the way, was precisely the scenario that Stalin feared. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/06/19/books/review/book-review-the-storm-of-war-a-new-history-of-the-second-world-war-by-andrew-roberts.html?ref=world
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太田述正コラム#4818(2011.6.19)
<イギリス人の起源をめぐって(その1)>

→非公開