太田述正コラム#4708(2011.4.26)
<皆さんとディスカッション(続x1184)>

<太田>(ツイッターより)

 <コラム#4706の>訂正:英国人だったのはチャーチルの母親であり、彼の妻はスコットランド貴族の娘。
http://bit.ly/elqBOd 
 いずれにせよ、母たる女性は、父たる男性に比べ、より大きな影響をその子供に及ぼす、と言えそうだ。

 (コラム#4534に関し)皆さんが、戦後の「右」の識者達の戦前史観は、「左」のそれよりも、その不誠実さや卑屈さ等においてより咎められるべきだ、と思い始めていることと期待している。
 さあ、虚心坦懐に戦前の日本人達と心を通わせよう。

<εεΞΞ>(「たった一人の反乱」より)

 <εΞεΞクン(コラム#4706)、そ>れは16年前の番組だよね。
 現在の作業員の労働実態が問題。
http://v.youku.com/v_show/id_XMjU5MjIyODI4.html

 風呂無し、防護服のまま仮眠、食事は缶詰 原発作業員の過酷な労働環境
http://www.youtube.com/watch?v=eEqUd47UPVw

<εΞΞε>(同上)

 ↓もう〜てんやわんやの大慌て(笑)
週間ポストのスクープ「夏の電力充分」報道で、政府の電力供給見通し方向転換(笑)
http://www.news-postseven.com/archives/20110425_18482.html
「原発利権死守」の思惑があった(笑)。
 要は「電力隠し」を見抜かれたエネ庁と東電が、週間ポストのスクープで国民裏切りの大嘘がバレるのを恐れ、発売前に大慌てで供給力の水増し調整を行なったというわけである。
 それでも枝野幸男・官房長官は4月15日の会見で、「これで需給ギャップが埋められるものではない」と強調した。
 まだ“原発は必要”といううそにしがみつく醜いあがきだったが、弥縫策(びぼうさく)はまた綻ぶものだ。
 ↑
 <計画停電=原発がやっぱ必要!>←おもいっきり大嘘。
 だいたい発電所が新たに出来たわけでもないのに2週間程度で回避とか茶番にも程がある。
 今回の計画停電で交通事故死したヒトもいるってことは、エネ庁始め原発利権墨守GPは原発以外でも殺人を犯したってことだな。

 笑える福島第一原発のニュース ベスト5
http://hakaiya.com/20110425/diary-23227
第5位 燃料棒の溶融を今さら認める
第4位 それでも燃料棒は溶融していない
第3位 ベストを尽くした
第2位 福島第一原発の被ばくはノーカウント
第1位 ガスボンベが爆発
特別賞 「爆破弁」を使ってガス抜きしました
追加特別賞 大きな音とともに白煙が発生
 ↑
 たしかロシアの崩壊も、チェルノブイリの情報隠蔽で信用をなくしてのことが切欠だったんんでね?
 ロシアに負けじと(トホホ)日本も同じようなことやって信用を失っている・・・管が辞めるとしても花道はないわな。

 チェルノブイリ 今こそ「史上最悪」に教訓学べ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110425-OYT1T01315.htm
 チェルノブイリ4/26で25年経過、しかし、地震国のトルコの原発受注に(日本が受注予定だったのを)横取り成功。
 したたか〜おそロシヤ。

<ξξΕΕ>(同上)

 「【シドニー時事】オーストラリアの資源や農業への投資を拡大中の中国について、57%の豪国民が政府は多くの投資を許し過ぎていると考えていることが25日、豪シンクタンク、ローウィー国際政策研究所の世論調査で分かった。
 豪州の最大の貿易相手国、中国の経済成長について75%が良いことと評価。一方で中国が今後20年のうちに豪州の軍事的脅威になるとの回答も44%に上り、根強い警戒感が示された。
 また北朝鮮問題について、中国が北朝鮮を支援し韓国と軍事的に対峙(たいじ)した場合、韓国支援のために豪州が派兵することを支持すると56%が回答。「政冷経熱」の豪中関係を浮き彫りにした。」
http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201104250147.html

 オーストラリアでさえ韓国のために派兵する気があるのか。日本はどーだろね?
 でも、何で中国がオーストラリアにとっての軍事的脅威なんだろか?

<太田>

 オーストラリアはイラクにもアフガニスタンにも派兵したろ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Australian_contribution_to_the_2003_invasion_of_Iraq
http://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Slipper
 別段、イラクもアフガニスタンも自国にとっては脅威じゃないけど、自由民主主義陣営にとっての脅威だと判断して派兵したのさ。
 オーストラリアの軍事環境は、米国や、そして、ここが大事なポイントなんだが、英国や、はたまた日本とおんなじなんだわさ。
 自国に対する直接的脅威など存在せんのよ。
 中共に対してもしかりだ。
 ただし、中共は核を持ってるから、その限りにおける脅威はあるし、ついでに言えば、中共によるものに限られないが、中共による、あるいは中共が後ろ盾となった形でのテロリスト的脅威はある。


 それでは、その他の記事の紹介です。
 まず、大震災関係の残りの記事から。

 ボクがコラム#4636gとコラム#4648でそれぞれ紹介した英国メディアの記事
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2011/mar/21/pro-nuclear-japan-fukushima
http://www.bbc.co.uk/news/world-12860842
を、ちょっぴり増量して紹介した記事を、今頃になって、日経BPが載せたね。↓

 「・・・英国放送協会(BBC)は3月26日、自社ウェブサイトにモンビオ氏より踏み込んだ異説を載せた。この寄稿「放射能から逃げていてはいけない」の筆者、英オックスフォード大学の原子力・医学物理学者ウェード・アリソン教授は、被曝許容量は「月100ミリシーベルト(mSv)」(生涯で 5000mSvを上限)にできると主張する。これは国際放射線防護委員会(ICRP)が推奨し、日本などが採用している一般市民の被曝許容量「年 1mSv」の1000倍以上だ。・・・
 アリソン教授は2009年10月に自費出版した著書で、1回の被曝量が100mSv以下の場合、ガンになる測定可能なリスクを示すデータはないと指摘。その100mSvを健康被害が発生し始める“閾値(しきい値)”と捉え、少なくとも閾値以下の低線量被曝なら、細胞の自己修復機能が働くとも主張する。
 同教授は、閾値や細胞の修復機能を考慮しないICRPのリスク評価は妥当でないと言う。ICRPの推奨被曝許容量は、1951年は週3mSvだったが、 57年に一般市民は年5mSv、放射線作業者は年50mSvとなり、90年にそれぞれ年1mSv、年20mSvに引き下げられた。・・・
  規制強化の背景には、冷戦時代の核開発競争があると同教授は見る。「核戦争の恐怖が政治的に利用され、市民の放射能への恐怖心が煽られた。そのため、規制当局は基準を厳しくして、市民を安心させようとした」と話す。そして90年の規制強化は、86年に起きたチェルノブイリ原発事故への過剰反応だと言う。
 ガーディアンは昨年1月、アリソン教授の主張を検証する記事を掲載している。閾値や細胞の修復機能に関する結論に疑問を投げかける複数の科学者のコメントを載せ、「これ(アリソン教授の主張)は、主流の科学者が同意しない見方だ」とした。だが同時に、低線量被曝の被害については、研究データが不十分なことや、たばこや飲酒などの要因に隠れて特定が難しいことを指摘する意見も紹介。放射能への過度な恐怖が放射線医療の妨げになっているとする意見など、同教授の主張の一部に賛同する声も取り上げた。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110422/219548/

 チェルノブイリ事故死者数100万人(過去?)説に対する有力説として、9,000人説(将来にかけて)があるんだね。↓

 ・・・According to the Chernobyl Forum, made up of eight UN bodies as well as the governments of Russia, Belarus and Ukraine, around 9,000 eventual deaths from cancers are expected・・・
http://www.guardian.co.uk/environment/2011/apr/26/chernobyl-legacy-no-return

 要するに東電/原発問題のコアにあるのは、広義の天下り問題だってことがよく分かる記事だ。↓

 「・・・この事故は東電の言う「想定外の津波」が引き起こしたものではない。「想定外」としてきたものは実際には、「想定内」だったものがいくつもあった。例えばその1つは「大津波」。東北全域を大津波が襲う可能性は既に2009年6月の原子力安全・保安部会で地質専門家から指摘されていたのだ。さらに、津波で原子炉の冷却機器が動かなくなった「電源喪失」も、約50年前から米原子力規制委員会(NRC)で指摘され、昨年10月には原子力安全基盤機構からも指摘されていた。
 しかし、こうした指摘に東電や原子力安全委員会は明確な対応をしてこなかった。そもそも原発推進の主要な根拠となってきた発電コストの低さ自体も、18兆8000億円に上る核燃料の最終処理費用が含まれておらず、ごまかされている可能性がある。・・・
 なぜ東電はここに至ったのか。そこには、東電が政治家、官僚、原発立地自治体、学識経験者と一体になって作り上げた政・官・学・地元の巨大な原発共同体があった。この巨大な力が反対派をねじ伏せ、原発を遮二無二進めてきたのである。・・・
 2002年には原発のトラブル隠しが発覚し、2007年には今回の福島第1原発3号機などで臨界事故が起きていながら隠蔽(いんぺい)していたことが明るみに出たが、当時の自民党政権は甘い処分に終わらせた。
 こうした不祥事には最も敏感に反応するはずの原発立地自治体には、巨額の原発交付金が投じられ、東電の納める固定資産税とともに過疎の自治体の懐を潤す。2007年7月の新潟県中越沖地震で大きな被害を受けた東電・柏崎刈羽原発を抱える新潟県柏崎市を例に取れば、1978年から2009年までに計1133億円もの交付金が市に入った。固定資産税を合わせると1995年度には市の歳入総額の34.5%にも達している。
 地元自治体が原発推進派に取り込まれるのはこのためだ。だが、このカネは、一定の期間が過ぎると交付の減少などで落ちていく。減れば、また原発を誘致して資金の導入を図りたくなる。地元には原発は「麻薬」なのである。
 隠蔽だけではない。1995年に始まった電力自由化も、電力小売りの完全自由化に至らず、発送電分離もならないまま終わったのは、政官との結びつきが強く影響したと言われる。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110421/219535/?top_updt

 日本の人間主義は、医療面でも見られるってわけだ。
 要するに、患者が医者を信頼してんだよね。↓

 「日本では・・・どの病院でも行うべき医療のスタンダードというものが、アメリカよりも少ないこと。・・・訴訟に備えて証拠を残すこと<が重視されず、>カルテの記載が大まかであること。そして、医療訴訟を起こすことのハードルは一般人にはとても高いということです。そもそも、私の家族が<病院に入院中の>祖母の<突然の>死を「寿命だったんだね」と話していたように、患者側の医療に対する姿勢や病院での人の死に対する受け止め方が、ずいぶんと平和的だなと感じました。
 医療に対する患者側の信頼が高く、医療の安全性がアメリカのようには問われない。しかも、アメリカとは違った見方で、人の死を考えることができる<日本>。」
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/blog/kurofunet/kouchi/201104/519383.html

 次にアラブ革命関係です。
 シリア「革命」だけど、体制側は戦車まで投入、反体制派虐殺作戦に着手。↓

 ・・・The southern town of Deraa, which has been a centre of the rebellion, bore the brunt of the regime's assault. Witnesses said at least 3,000 troops, backed by tanks and heavy weapons, entered the town in the early hours of Monday.
Soldiers were said to have opened fire at random, with snipers firing from rooftops and men armed with guns and knives conducting house-to-house searches. ・・・
 <軍部内に反抗する気配あり。↓>
 In Deraa, a battalion commander was reported to have clashed with other sections of the security forces as he tried to protect wounded civilians. A Syrian activist, Malath Aumran, said the commander was later arrested.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/25/syria-crackdown-protesters-brutal
 <「革命」が始まってからこれまでの、軍部内での反抗の事例が紹介されている。↓>
 ・・・In the early stages of the uprising in Deraa, a soldier from the Sunni city of Homs was allegedly shot dead for refusing to open fire on protesters. Since then, there have been numerous unverified reports of soldiers and even senior officers being shot for refusing to obey orders.
 Last week, Gen. Abdo Khodr Tellawi from Homs was killed with his two sons and a nephew. The Syrian state-run SANA news agency claimed that “armed criminal gangs … killed them in cold blood.” But opposition activists say that the Syrian intelligence services executed them because they were showing signs of sympathy for the protesters.
 <支配的少数派たるアラウィ派軍人の中からも反抗者が出ているようだ。アラウィ派も一枚岩ではないってこと。↓>
 Other officers killed in the past two weeks include two Christian colonels, Samir Kashour and Whaib Issa, and Gen. Ayad Harfoush, who, like Tellawi, was an Alawite.
 Alawite military and intelligence officers are generally expected to stand with the regime, fearing a bloody backlash against them should Assad fall. But the Alawite community is not a homogenous entity and there are longstanding tensions between rival clans which could witness some powerful Alawite figures siding with the opposition against the Assads.・・・
http://www.csmonitor.com/World/Middle-East/2011/0425/Syria-s-military-shows-signs-of-division-amid-crackdown

 戦前は経済は高度成長してて、農村部を除けば、繁栄してたんだぜ。↓

 「・・・昭和史は、よく「軍国主義の戦前」と「自由で民主的な戦後」、「焼け野原から経済大国へ」というイメージで語られることが多いものの、それは一面でしかありません。
 「戦前の昭和」を拡大してみれば、1926年(昭和元年)〜1945年(昭和20年)の20年足らずです。そのうち、物資が不足したりした「戦時体制」の期間は、国家総動員法の発令から敗戦まで(1938年〜1945年)の8年間。それより前の13年間は、恐慌に苦しみ、外交も綱渡りが続いていたものの、都市部では、家電を使い、週末はデパートに行くような豊かな生活が実現していました。・・・
 戦前日本の
・プロレタリア文学に見られるような「貧富の差」が問題化

→日本型政治経済体制の普及に伴い、急速に解消に向かってた、というのが実態に近い。(太田)

・政党政治が機能不全になり、カリスマ的指導者を求める雰囲気が蔓延

→有事なんだから政党政治が機能不全になるのはあったりまえよ。また、結局カリスマ的指導者なんて一人も現れなかったじゃん。(太田)

・社会改革が進まない閉塞感から、新興宗教や「エロ・グロ・ナンセンス」が流行
という状況・・・

→日本は、いつの時代もそうじゃんけ。(太田)

 経済危機も高橋蔵相の積極財政が功を奏し、日本は主要国のなかで最初に恐慌から脱出する。・・・」

→これこれ。こういったことこそ重要なんだよ。(太田)

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110418/267273/?ml

 残りの記事です。

 英領北米植民地は、本国イギリスの政治犯をかくまってたのね。↓

 ・・・In 1660, it was to the New World that Edward Whalley, John Dixwell, and William Goffe, all responsible for the beheading of Charles I, fled after the restoration of the monarchy imperiled their lives. ・・・
http://www.slate.com/id/2292078/pagenum/all/#p2

 英国が見る影もなく零落しつつある。↓

 ・・・Britain・・・is facing the biggest squeeze in living standards since the 1920s. Government budgets have been slashed in every direction. This year hundreds of thousands of public-sector workers will get the sack, while inflation, tax increases, and a steep reduction in welfare benefits will eat into the household incomes of nearly everyone else. A whole range of public institutions, from military airfields to public libraries, are closing or being sold off. ・・・
http://www.newsweek.com/2011/04/24/time-for-a-royal-wedding-while-england-is-royally-screwed.print.html

 1959年に撮られた、エジプト生まれのユダヤ人のアレキサンドリアにおける海辺の私的写真を紹介した記事見ーけた。
 エジプトの古き良き時代の紹介ということなんだろうが、こんなのが記事になるんだったら、私のエジプト時代のカイロ等での私的写真を紹介するだけでも記事になりうるってことだな。↓
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/04/25/once_upon_a_time_in_egypt?page=full
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太田述正コラム#4709(2011.4.26)
<日進月歩の人間科学(続X20)>

→非公開