太田述正コラム#4666(2011.4.5)
<皆さんとディスカッション(続x1163)>

<太田>(ツイッターより)

 ガンディーについてのシリーズを書き終えたところだが、「偉人」を生み出すような社会は基本的に非人間主義的社会だと思えばいい。
 ガンディー、毛、スターリンら自身、一皮剥げば、皆、非人間主義的なモンスターだ。

 「たった一人の反乱」で原発論議が盛んなのは、太田コラムの読者にもともとそういう問題意識を持った人が多いためか、それとも新たにそういう人達が参入してきたためか。
 (エネルギー+軍事)安全保障問題ではあるがね。

<ΕΕκκ>(「たった一人の反乱」より)

 ・・・「【フランクフルト時事】東日本大震災の発生後に日本を出発した貨物船が、欧州の港湾に到着する時期が近づき、各港湾は放射性物質汚染への対策を急いでいる。」
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011033100113

 「商船三井の船舶から「基準値超える」放射線量検出−中国から引き返す」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=a6loEVpN.YvU

<ΚεΚε>(同上)

 <ΚεεΚクン(コラム#4664)、>

 「安全・安定運転に向けた保守管理技術をいかに効率的に行い、稼働率向上を実現するか。」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/821

という事が、日本の原子力にとってネックであるという事はわかるし、地熱発電に力を入れるのはやるべきだと思うけど、そもそも原子力を現状で総発電量の0.2%しかない地熱で置き換えるという事は現実的なのか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%86%B1%E7%99%BA%E9%9B%BB

 また、みんな忘れているけど、インドや中国の経済は引き続き成長していく事から長期的には原油価格はこれからも上がり続けるのは必至だ。
 そういった中で、アメリカなどの先進国は石油からの脱却と原子力を推進していたんだよ。
 化石燃料から脱却すべき状況のなか、原子力からも脱却するとか不可能だよ。

 「石油高騰はなぜ起きる?」
http://sekiyu.permanency-j.com/2008/05/post_3.html
 「中国・インドの経済成長」
http://sekiyu.permanency-j.com/2007/12/post_1.html
 「グリーン・ニューディール」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB

<εΚεΚ>(同上)

 いま、命を守るか、今までの生活を守るかの大きな選択を迫られているんじゃないかな。
 原油は埋蔵量は実はまだまだ余裕があるという話もあるけど、それはさておき、普通に考えて地震国で活断層だらけの日本に原発の立地にふさわしい場所があるとは思えない。
 仮に直下型の巨大地震にに原発本体は耐えても、配管は必ずやられる筈。
 福井には13基、稼働してるらしいけどここも地震地帯。浜岡は言うまでもなく東海地震の中心地で活断層の上。事故で出している死人の数から言えば圧倒的に安全なんだという論理もある。
 でも、ひとたび何かあったら、周辺地域は半永久的に住めなくなるし、すぐには死ななくても、癌や白血病が何世代にも渡って増えるから、長期に渡って苦しむことになる。
 俺は英語が出来ないから、日本を出ても食っていけんぞ。

<ΕΕκκ>(同上)

 FRIDAY 4/8号より転載とのこと。
 東電と保安院・・・雑誌の飛ばし記事ということもふまえても怒りを通り越して呆れる(笑)↓

「■3月17目「アタマ下げなかった』
 こちらは西山審議官とは別の保安院幹部とメディアのやりとりである。
記者: 放水が中断された模様ですが。
幹部: 2も3(号機)も格納容器から(放射性物質が)漏れてて、現場が(放水)できないと言ってるんでしょ。
記者: 官房長官は「格納容器が破損して、そこから放射性物質が漏れた可能性はあるが、分からない」と言っていました。
幹部: もう知らないよ。放水なんてどうでもいいんだよ。それより、(原子炉冷却装置の)電源がキチンとつながれぱ、すべて解決するんだよ。しかし、なんでこんなに(復旧作業に)時間がかかるのかね。3月14日には(電源が)復旧するって東電から報告があったんだけどな。
記者: そんなに遅れているんですか。
幹部: 簡単なことだよ。アタマ下げなかったんだよ。
記者: アタマ?
幹部: (電源の供給元の)東北電カにアタマ下げず、自分でやろうとしたから、こんなに遅れてるんだろうな。とにかく態度がデカいらしいじゃない?
自衛隊にも怒られたって。
記者: 自衛隊に?
幹部: あれやれ、これやれと注文ぱかり多くて、とにかくナマイキで自衛隊が怒ってたらしいよ。東電が悪いよ。

日本が汚染され、誰も住めなくなるかもしれないという瀬戸際に「東電がアタマを下げないのが悪い」とは1!
この幹部はどうやら本気で、東電が悪くて自分たちはトパッチリを受けている、と言いたいようなのだった 」
http://blog.goo.ne.jp/kitaushi/e/58bccd331a294bee402da0cf3452e259

<ΚεεΚ>(同上)

>そもそも原子力を現状で総発電量の0.2%しかない地熱で置き換えるという事は現実的なのか? <(ΚεΚε)

 <ιιεεクンがコラム#4660で引用してたサイト>を見てみるべし。↓

 「その技術者が「原子力の技術は全然確立していなかった」
僕もそういう意味では完全に洗脳されていました。どういうことかといいますと、日本が資源エネルギーの無い国だから原発なんだと。今でもそういうふうに国はいっています。
 それが本当かといいますと、そんな事はないんですね。(略)
 日本は本当にうらやましいエネルギー大国だと。なぜか。日本にはものすごい数の温泉があると。(略)
 世界でもうらやましくて涎がでそうなくらい地熱に恵まれた国なんですね。ですから、普通の温泉のように熱水溜まりというところを掘り当てて、そこから蒸気を出して発電する方法。これは今までも地熱発電ですけれども、そういう熱水溜まりのないところでも地面を深く掘ると温度が非常に高くなって、そこの熱を取り出せば発電出来るのです。
 これが高温岩帯発電という方法で、そのやり方もいろいろあります。(略)
 <続く>
 日本はどうしても原子力発電を推進させたいために、やっているというけど、地熱の方にはあんまり力を入れていません。
 しかも日本が熱エネルギーの大国だと いうようなことをできるだけ伏せようとしています。
 新聞、雑誌いろんなものを通じてやろうとしたけれども、もう圧力で潰されて、あまり効果がでませんでした。(略)
 研究者に聞いてみました。いくら予算あるか、人件費、鉛筆代、実験、地下にボーリングを掘ったり、
そういうの全部入れて2千万円だそうです。そんなもんで力入れているとはいえんです。これ電中研(電力中央研究所)というところがやっています。
 9電力会社がお金出してやっている。NEDOというところでもやっています。
 だけど予算は少ない。(略)
 あってもそれは安全に取り出せないとか、国立公園内にあるから駄目だとか、とにかく今まで古い地熱発電の悪い概念だけで洗脳されてるはずです。
 それのほんとうの事を書いた記者は、僕が頼んだ記者はあっというまに飛ばされました。
 定年退職前で本社勤めも飛ばされましたし、週刊朝日の幾らでも 記事を書ける立場の人が数カ月後にはもうそこからははずされていましたし。」
http://www.stop-hamaoka.com/kikuchi/kikuchi2.html

<εεΚΚ>(同上)

 金・権力・・・利権の独占を図る国家とズブズブの原発マフィアの構図が浮き彫りになっているよね。
 ↑
 ここの恐ろしい番犬は電事連。

≫マスコミ幹部ならみなしっている。圧力をくわえてくるのは「東電」でなくて、電事連(電気事業連合会)。 http://www.fepc.or.jp/ 予算は潤沢、情報網は内調より上、不景気時代の銀座のクラブ、キャバクラを経営的に下支え。反原発系のライターいわく「怖いのは電事連」電事連につぶされたライター、研究者多数。行方不明になった者もいる(因果関係不明)。反原発系にスパイがたくさんもぐり込んでいる。だから、反原発の看板を掲げるところは簡単に信用できない。ちなみに広瀬隆をマスコミから抹殺しようしたのは電事連。深手を負ったが広瀬は生き延びた「反原発」グループに対しては正面から懐柔したり攻撃しない。まずそのグループの「知識・知能レベル」を調査。潰したければ、その「知識・知能レベル」にあわせて「あえて恣意的な情報」を掴ませる。その情報で「こんだけ原発は危険!」とそのグループがやると、あとから「あれはガセ」と信用失墜≪(コラム#4642。θΕΕθ)

 ↑
 陰謀論でも全く無い、ノンフィクションの世界が脈々と・・・これが現実にあるということを先ずは認識すべき。
 されど、今回の福島原発放射能ダダ漏れにより、悪の中枢手先機関・電事連の影響力は弱まり、歯軋りしているのが現在。
 この電事連と、その原発推進総本山の悪行の史実は、監督官庁の責任回避の為保安院・東電・電事連が俎上に載せられることは必須だろ〜。
 しかし、東電が沈没しても他の電力会社軍団が結託して電事連を使って反原発の声を押し潰す動きが予想されるが、(以前ほどの影響力は無いとは思うが、未だ潤沢な資金があるため)注意してこれからの報道を見ていきたい・・。

 ↓電力会社推薦ズブズブ候補者。
http://i.min.us/ik9LzU.pdf
 もはや原発原理主義・・・。

 「ロシア戦闘機、放射性物質採取か 防空識別圏侵入」
http://www.asahi.com/international/update/0329/TKY201103290500.html

 ↑この、防空識別圏(ADIZ)とは。
http://okigunnji.com/004/adiz.html
 冷戦時、米軍が適当に分割したことにより、「竹島問題」はこれが発端となり、韓国ADIZに入っているため、李承晩大統領がそれをよいことにして、李承晩ラインを引く際に自国の国防圏とばかりに竹島を含ませてしまった・・。

 メルトダウン(炉心溶融)を含めた最悪の事態はすでに15、16日の日に起きていた・・・ 。
 「炉心溶融(メルトダウン)してしまった福島原発の現状と今後・大前研一」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110404/265766/
 ↑
 1号〜3号機まで全て炉心溶融していると推察でき理由と、今後無事(順調)に事が運んでも、10年20年単位での長期に渡る困難な作業が予想されるとの、Mr武田教授と同様の見解。

 「福島原発危機 現場ジャーナリストが伝える「生々しい証言」」
http://t24.in/2011/03/post-410.html

>技術者が「原子力の技術は全然確立していなかった」<(ΚεεΚ)

との構造的欠陥だけでなく、老朽化の問題も・・・構内で(地震前から)地割れしているところもあり、4号機の地下二階で、海水が染み出している・・・。

 先ず、“摩訶不思議”な3/17 突然に、福島島第1 放射線の「定置計測場所」を変更 (正門から西門へ)
http://news.biglobe.ne.jp/topics/domestic/0317/28103.html

 その前日と前々日(3/15・3/16)に、3回の大きな放射能の放出(サージ)が福島第一原発の正門付近の計測地で観測されている。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110404/265766/?ST=business&P=3

 このメルトダウンの可能性が大きい上記事実と(東電はこの時点でわかっていたはず)、東電は18日に作業現場での危険なレベルの線量を把握していながら、下請け孫請けの協力会社には情報を意図的に共有せず(後出しで)、1週間後の3/24に作業員の被爆があった。
 で、4/5現在も未だに作業員が危険な復旧作業を強いられているという事実。
 東電はいくら情報統制をしようと、後に驚愕の事実が暴露されるであろうと推察する。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 まずは大震災関係から。
 毎日のように新たな「展開」があるね。↓

 「福島第一原発の事故で、東京電力は四日、2号機から海に漏れ続けている高レベルの放射能汚染水を集中廃棄物処理施設で貯蔵するため、同施設などに たまっているレベルの低い汚染水一万一千五百トンの海への放出を始めた。・・・
 海に捨てるのは処理施設の一万トンと、5、6号機のサブドレンピット(地下水の排水用立て坑)にある計千五百トン。五日間かけて海に流す。・・・
 東電は周辺海域の魚などを毎日食べても、成人で年〇・六ミリシーベルトの被ばく量で、自然界から受ける年間線量の四分の一程度だとしている。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011040590070443.html

 今次大震災後の日本人の人間主義的言動を報じるアフリカ人記者の記事に感銘を受けたアフリカ人達の投稿から三つを抜き出した。↓

a:May God Bless the Japanese and provide more for them. I am indeed impressed and privileged to see the images of such resilience and humility in the face of devastating natural disaster. Keeping the "clear head" probably helped them re-build their country after world war II as the allies had no real moral obligation to help them and may not have been seen them in the same light as Germany.
b:・・・It is the pity of African disempowerement, percieved or real, which is reflected in our blaming everyone but ourselves for our problems or looking for a saviour to save and serve us from our troubles. The chief culprit for this pervasive dependency syndrome are African governments who subjugate their subjects into conforming objects bereft of initiative.
c:・・・Their attitude when compared to Haiti and other third world counties where disaster have struck, is like day and night. I really applaud them for their understanding, orderliness, maturity, patience and resilience in the face of
this disaster. I pray God to comfort them.
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12847408

 次にリビア革命関係です。
 フランス、カタールに次いでイタリアも反体制派を承認。次はクウェートらしい。↓

 Italy became the third country after France and Qatar to recognize the opposition Transitional National Council as Libya’s legitimate government, and Kuwait said it expected to follow suit in the coming days.
 <体制派の外相臨時代理が、ギリシャに引き続きトルコを訪問して和平工作。↓>
 Acting Libyan Foreign Minister Abdul Ati al-Obeidi arrived in Turkey for talks with its government, just a day after he delivered a message from Gaddafi to Greek Prime Minister George Papandreou in Athens.・・・
 <ブレガでの戦いを反体制派が有利に進めつつある。↓>
 In eastern Libya, there were reports that rebels had retaken most of the oil town of Brega・・・
http://www.washingtonpost.com/world/rebels-get-diplomatic-military-boost/2011/04/04/AFnRmrfC_print.html

 その次はイェメン革命関係です。
 体制派による反体制派殺害が続いている。↓

  Yemeni security forces and pro-government loyalists opened fire on protesters marching in two cities Monday, killing at least 12 and wounding scores,・・・
http://www.washingtonpost.com/world/yemen-security-forces-kill-protesters/2011/04/04/AFUxmleC_print.html

 現在進行形のアラブ革命に神経をとがらす中共当局によって、なりふり捨てての「反体制派」弾圧が続けられている。↓

 ・・・The order to nip in the bud any reactions to the Middle East uprisings was issued from the top on Feb. 19・・・
 It was delivered by top Party officials at a closed-door emergency meeting on the campus of the Central Party School in Beijing to top Chinese Communist Party (CCP) leaders, including members of the Standing Committee of the Politburo and leaders from the ministries, provinces, and the army, as well as universities and large corporations.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/04/04/the_widening_net?page=full

 戦争が大好きと公言した最後の米大統領はセオドア・ローズベルトだったが、現在でも米歴代大統領は戦争が大好きとしか思えない。どうしてそうなのかを「解明」したコラム。↓

 Teddy Roosevelt was probably the last U.S. president who seemed to view war as an activity to be welcomed (he once remarked that "A just war is in the long run far better for a man's soul than the most prosperous peace"), and subsequent presidents always portray themselves as going to war with great reluctance, and only as a last resort. ・・・
 Here are my Top 5 Reasons Why America Keeps Fighting Foolish Wars:
1. Because We Can. <=ツォーイ軍事力がある>
2. The U.S. Has No Serious Enemies.
3. The All-Volunteer Force. <=徴兵軍じゃなくなった>
4. It's the Establishment, Stupid. <=左右の指導層がどっちも軍事介入大好き>
 ・・・the foreign-policy establishment is hard-wired in favor of "doing something." Foreign-policy thinking in Washington is dominated either by neoconservatives (who openly proclaim the need to export "liberty" and never met a war they didn't like) or by "liberal interventionists" who are just as enthusiastic about using military power to solve problems, provided they can engineer some sort of multilateral cover for it.・・・
5. Congress Has Checked Out.<=戦争に関しては事実上議会が権限放棄>
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/04/04/is_america_addicted_to_war?page=full

 ガンディーの非暴力主義に大いに影響を受けたマーティン・ルーサー・キングもまた、(女誑し等々)罪深い人物だった。良く知られてる話ではあるけどね。↓

 ・・・His civil rights cause was holy, but he was a sinner. ・・・
 <Martin Luther> King remained true to the message of nonviolence at a time when the world seemed on the brink of self-annihilation.・・・
 Why do the hard work of bettering the world if that’s something only saints do? ・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/remembering-martin-luther-king-as-a-man-not-a-saint/2011/04/01/AFvQjTXC_print.html
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太田述正コラム#4667(2011.4.5)
<先の大戦時に腐っても鯛であった英国>

→非公開