太田述正コラム#4648(2011.3.27)
<皆さんとディスカッション(続x1154)>

<太田>(ツイッター)

 英米の主要紙は、連日人間主義報道をしているが、これは、日本人が安全保障上の必要性に迫られ、人間主義的に戦前の対東アジア政策を遂行したってことを彼らに理解させるベースになりうるんじゃないかな。

 日本がポツダム宣言受諾を決意したのは原爆投下ではなくソ連参戦によってであるとのハセガワの指摘の根拠は、終戦直前の史料もさることながら、(彼があえて触れぬ)戦前の日本における横井小楠コンセンサスにある。

<東京電力の私の知人>

 コラムに東電の現場社員に対する内外メディアや皆さんの酷評が載せられていますが、私の知っていることをお伝えします。

・変電の人から聞いた話であって、実際は分かりませんが、東電社員は基本的に建物外部までのケーブル引き、内部は協力会社(関電工など)が担っています。
・東電社員が現地で作業を行っている証拠に、ある社員から、地震後まもなく、放水作業を行っていたと直接メールが来ました。(がれきで打撲を負い、病院に運ばれましたが、幸い被曝はしていなかったそうです。)
・また、金曜日時点で、作業していた社員で顔面被曝が発覚した人がいます。(これからそういう人たちは増えていくでしょう。)
・東電に対する国民感情は高ぶっており、労働者である社員がターゲットにされているのが現状です。・・・ある東電社員が歯医者で診察券を見せたところ、「あ、東電社員か」と言われ、周りに小突かれ暴力沙汰になりかけた話を聞きました。
・東電の安全監理の実態ですが、人によりムラはあるものの、現場経験が長く分かっている社員は、ちゃんと身につけていると承知しています。(だからこそ、今回の被曝事件の基本ミスには私自身驚きましたし、ちゃんと安全監理をしてきた社員にとって、本当に痛ましい事件であると思います。)
・協力会社社員に対する不当な扱いをする社員は中にはいるようですが、そんな人ばかりではありません。

 不確かなことをいいふらし国民感情を掻き立てるのはかえって現場で頑張っている人たちの足を引っ張ることになります。
 目で事実確認をしていること以外の情報は、慎重に扱っていただきたいという私からの切のお願いです。

<太田>

 昨日のディスカッションでも、読者の原発否定論を掲げると同時に私の擁護論も掲げましたし、読者や外国のメディアの東電批判論を掲げると同時に、外国のメディアの東電を誉めた記事も載せました。
 東電への酷評は現実に行われているのですから、当コラムから排除するわけにはいかないことをご理解下さい。

 ところで、東電自身も、「過酷労働もう限界、両親は不明…原発の東電社員がメール・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260360.htmlという形で、世論への働きかけに乗り出してますねえ。

<一読者7>

 私は、東電が解体し例えば政府が経営するようになることで、決していい方向には進まないと思うんです。
 彼らはもっと現場を知らないし、きっと現場に出向くこともしないでしょう。
 頭の良い外国人が経営を担うようになれば、分からないですが、よほど日本を熟知しているたとえばロバート・クレイギーのような人間でないと、一番頑張っている「下」を守るという考えには至らないでしょう。

 小泉元首相のように、何かにターゲットを絞って怒りを向けさせ解体してしまうのは、一見セイセイするし簡単ですが、必ずしも悪の根源を断つことには結び付きません。
 だからこそ、せめて太田コラムには冷静で中立的な情報を載せていただきたいんです。利害関係の少ない外国メディアの記事であれば、極めて客観的で冷静だと思いますが、国内などは既に危害が及んでおり、主観がおおいに入りますからね。

<太田>

 当コラムで、国内メディアの記事を無視するというわけにはいきません。
 昨日の「ディスカッション」で言えば、ΘεεΘクンの投稿が、あなたご懸念の「冷静でない非中立的な情報」にあたるのかもしれません。
 しかし、これも(紙の新聞を引用している形なので、北海道新聞に実際にそう書かれていたのか確かめようがないのですが、)北海道新聞の記事を引用して自分の主張を展開した投稿であり、記事内容が実際そうであれば、あのような主張が展開されても仕方ないでしょう。
 なお、北海道新聞は「左」であり、あのような記事はいかにも「道新」(と役所じゃ呼んでいました)らしい、と思った次第です。
 しかも、本日、やはり「左」の朝日に記事、「・・・3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)事故をめぐり、東電側が2号機の同建屋でも同様の放射線量を6日前に把握しながら、注意喚起していなかったことが判明した。・・・ ただし、午前中の段階で、事前に高い放射線量を計測と説明したのは「1号機」。夕方になってそれを「2号機」に訂正。「福島事務所と第一原発のやりとりで取り違えてしまった」と謝罪する、お粗末な対応ぶりだった。」
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260411.html (下出)
が載っただけでなく、「右」の産経にも、「福島第1原発2号機で高線量、周知せず 東電、被曝事故前に」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110326/dst11032621560085-n1.htm
という記事が載っていました。
 これじゃ、ΘεεΘクンならずとも、東電の過失と「協力企業」軽視を批判したくなるのでは?

 なお、ガーディアンが「協力企業」の労働者の実態・・低賃金であること等・・を紹介する記事を載せてました。↓
 ・・・The nerve centre of the operations to contain the crisis is a heavily shielded building on the reactor site, manned by about 50 top engineers. But the rest of the workforce, from firefighters to welders to electricians, are drawn from a pool of semi-skilled labour who work for low wages. Many work for associated companies such as Hitachi, Watanabe's employer, Toshiba, and Toden Kogyo. Between shifts they are housed in a football stadium, J-Village, within the expanded 30km evacuation zone and brought in by bus.
A number were seasonal workers, using a job at the plant to supplement livelihoods as small farmers. ・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/27/fukushima-crisis-workers-radiation-fears

<ΕΕΘΘ>(「たった一人の反乱」より)

 Mrオク…もとい、武田教授の、「放射線の専門家に自重を求める」。↓

 「テレビ出られて福島原発の放射線について「安全だ」と言っておられる専門家の方に自重を求めたいと思います。
 わたくしたち原子力の専門家は、原子力や放射線の正しい利用を進めるために、国際的な勧告や放射線障害防止に関する法律を厳しく守ることを進めてきました。
 決してレントゲンや CT スキャン等だけを参考にして安全性を議論してきたのではありません。
 また、1年間の被曝量で規制値を決めても、それは1年間ずっと続く場合だけではなく、規制値を超える場合には、危険があると考えて良いということだったのです。
 委員会では、半減期はもとより、元素の種類による身体への影響等極めて詳細で厳密な議論を経て決めてきたのです。
 確かに国際的な基準になっている空間の線量率が1年に1マイクロシーベルトという数値、WHO が定める食品の放射性物質の量など、日本の委員会では厳しすぎるという意見があったことは確かです。
 しかしわたくしたちはそのような議論を経て、現在の基準を作ってきたのです。
 ・・・・・・
 政治家やメディアでは「国民を安心させなければいけない」と言っていますが、現実に法律で定められた規制値を超えている状態を安全といい、それで安心していいというよりもむしろ、現実をそのまま伝えて判断を社会に任せるべきと思います。」
http://takedanet.com/2011/03/post_aea1.html

 「東電、1号機の高放射線量を事前把握 作業員らに伝えず
 高い放射線量を確認しながら、東電は作業員らに注意喚起をしていなかったことがわかった。東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性があった」と認め、謝罪した」
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103260185.html
 ↑
 はぁ? あり得ないだろ〜これ。 言い訳にしても酷過ぎる。・・・
 ・・・どう考えてもあり得ない行為(何をおいても第一に注意すべきは作業員の安全=線量把握なのは皆が承知の常識)で、あーうっかりしてたメンゴ〜で済まされる問題では無く、報道されていない理由(ワケ)があるとおもう。 
 でなければ殺人未遂の刑事事件処置だろこれ。

 それにしても昨夜の菅総理会見のことなんだが、仕事終えて夜のニュースで放映が無く、朝刊でも何の記事もなかった(見落としたのかもだが)。
 心配されている管の精神状態が不安定のため中止になったのかとおもいきや、どーやら管総理会見はあったようだが、この未曾有・緊急時の日本の総理会見を、全くスルーするマスコミって・・・どーいうことか?
 会見内容が報道に値しない空っぽ会見だったのか、管総理に見切りをつけているのか・・・。
 普通に考えると両方かね?

<εΘεΘ>(同上)

 <太田さんがコラム#4646で引用していたコラム↓、>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110324/219123/?bvr

違和感を感じたらやっぱり清谷<執筆>か・・・。
 士を増やして幹部や曹をクビにしろってんだろうが、士を大量に増やせばそいつらもまた曹になるわけで。

<εεΘΘ>(同上)

 そこは日本以外の国はどうやってやりくりしているのかを参考にすれば良いんじゃないか。
 まぁ、太田さんが述べられた事の意味を考えると、『有事を考えられていない』というのは、換言すれば組織を構築する際に、目指すべき目標がないという事なのだろうな。
 目指すべき目標が無いのだから、結局は曹が多すぎたとしても、それが組織として問題があると言えるのか、という事だな。
 組織を最適化しようにも、何を目指して最適化するのかが、結局は無いんだろうな。
 つまりは現状で自衛隊の組織論を考えるのはあまり意味が無い、という事になるな。

<εΘΘε>(同上)

 今の士は制度が変わって数年ですぐ曹に昇任しちゃうからね、

<θθεε>(同上)

 士の数を少なくしてるのは現場指揮官を有る程度確保することによって、緊急動員時に一般人を士にすることができるため・・・って聞いたことがある。
 ワイマール体制下のドイツ軍と同じだそうな。

<太田>

 ボクもその話しようと思ってたところだ。
 (典拠を付けてくれりゃなお良かったね。)
 ま、苦し紛れの言い訳だけどね。

<ΘΘεε>

 民主は近い将来の自衛隊の国軍昇格と隊員募集を自民と連繋したらどうか。
 石破あたり賛成しそうだが。

<θεθε>(同上)

≫人間主義は人間の本性であり、日本以外の大部分の文明では、制度やイデオロギーがその発現を妨げてるだけなんだから。≪(コラム#4646。太田)

 こういう物言いって左翼の奴特有だよな。
 海外でも日本で略奪や暴動が起きないのは移民を受け入れず独自の文化を守ってるからだって意見は結構あるんだがな。

<太田>

 太田FAQ等を手掛かりに過去コラムにあたって欲しい。

 人類は、狩猟採集時代に適合するよう進化した遺伝子をしか持っていないにもかかわらず、その後にやってきた農業時代、工業時代、情報時代に、それぞれに「適合的」な制度やイデオロギーを創り出すことによって何とか乗り切ってきた。

 ところが、日本人は、本来、農業時代以降だけに「適合的」な定住生活を、縄文時代というユニークな狩猟採集時代に1万年も経験し、農業時代に入るのが遅れたため、狩猟採集時代のメンタリティー、つまりは遺伝子が本来規定しているところのメンタリティーである、人間(じんかん)主義と自然との共生・・例えば、自然災害も擬人化してとらえ、自然を、おおむね人間主義的だが、たまに反人間主義的災厄(犯罪)を引きおこす存在と見る・・を全人類中、最も強固に維持し続けてきたってわけ。
 このメンタリティーが余りにも自然なものだから、縄文人だけが住んでいた日本列島に農業文化を携えて弥生人が大量に大陸から移住してきた時に、弥生人達はすぐにこのメンタリティーを身につけてしまったと思われる。その結果が現在の人間主義的で自然との共生志向の日本であり日本人なのさ。
 だから、今後、外国人移民を大量に受け入れたって、彼らもすぐにこのメンタリティーを身につける、と想定していいの。
 この記事を見てくれ。たった一つの例ではあるけれどね・・。↓

 「看護師試験合格のインドネシア人「被災地に行かせて・・・」 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032522260114-n1.htm

<θεεθ>(「たった一人の反乱」より)

 海外でもってたとえば?

<太田>
 
 今次大震災に係る英米の人間主義礼賛記事の中の一つに、日本人がそう考えてるってのがあったよ。
 誰か、あたってみてくれ。

<少数株主>

 --世界に目を開かない日本人--

 コラム#4646の法治主義ってのはこういうことだ
 「救援活動を阻む日本の官僚政治」
にはつくづくいやになりす。なんと融通の聞かないことかと。
 臨機応変と言う言葉どこに言ったのでしょう!
 小生もこれで地震前からこれで苦労させられています。
 島国根性もあいまって。
 避難者も持して待つより、臨機応変のほうがよいのに。
 もう、津波に襲われ破壊しつくした処は、元の姿になることはないのに。
 日本は何も福島、三陸だけでない。
 ここ以外にも良い処あり。
 九州・四国へ疎開…申請ゼロ 宮城「できれば近隣で」
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260280.html
 私の住んでるところなど、一部は被災地、関東に流れ、又作られ品切れもあるが、今日見た限りでは、あふれる商品、ナフサ類、桜も咲き始め、震災の被害などで苦しんでるなどうそのよう。
 放射線も、福島からの発生がとまれば、自転の関係上、徐々に北極圏に移動するでしょう。
 確かに夏は暑い。それに九州では玄海原発の放射線漏れで、発電が夏に不足し、計画停電の話しあるが、雲仙など東北地方並みの気温で、冷房はなくても何とかなる。
 扇や、充電池式のミニ扇風機でなんとかなる。
 又徳島も剣山に近い所は、涼しい。
 そうすれば救援物資もそれだけ少なくなるのに。
 みんなで渡れば怖くない。護送船団の原点、(小沢一郎の地元に近いだけのこと)あり。
 小生、上二つの話で、なぜか支援の気持ちが縮んでいく気がした。
 勝手にしやがれと。

<太田>

 時間がかかるだけで、ちゃんと対応はしてるみたいね。↓

 「・・・東日本大震災の被災地で、日本の医師免許を持たない外国人医師の医療行為を認めると決定。阪神大震災の際も外国人医師の被災地での活動を認めていた。」
http://www.asahi.com/international/update/0326/TKY201103260448.html

 関連だけど、応急的措置じゃなく、恒久的に優遇措置を講じて欲しいもんだ。↓

 「厚生労働省は25日、経済連携協定(EPA)に基づき受け入れたインドネシア人15人とフィリピン人1人が看護師国家試験に合格したと発表した。合格率は4%で、昨年度(1.2%)に比べ若干上昇したものの、依然として低かった。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110325/bdy11032518230002-n1.htm


 さて、その他の記事の紹介だ。
 大震災関係から。

 国際機関と日英で、期せずして、被爆限度量緩和の大合唱が起こっている。↓

 「・・・日本の現在の基準は、一律に1ミリシーベルト<以下となっているが、>国際放射線防護委員会(ICRP)は、原発事故などが起きた後に周辺に住む人の年間被曝限度量は、2007年の勧告に基づき、・・・一般の人が年間浴びてもいい放射線量を三つの範囲で設定。緊急時は20〜100ミリシーベルト、緊急事故後の復旧時は1〜20ミリシーベルト、平常時は1ミリシーベルト以下と<するの>が妥当とする声明を発表した。・・・
  日本アイソトープ協会の佐々木康人常務理事は「ICRPの基準はもともと、余裕を持って設定している。日本の基準はさらに、厳しめの数値を取っている。1〜20ミリシーベルトという数字なら、健康に全く影響はない」と話している。」
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260337.html
 ・・・the radioactive fallout at Fukushima is less than 1% of that at Chernobyl.・・・at Fukushima any release of iodine should be much less than 1% of that at Chernobyl・・・
 <冷戦の時の民衆たぶらかし政策として、被爆限度量がものすごーく低く設定されちゃったんだって。↓>
 In the Cold War era most people were led to believe that nuclear radiation presents a quite exceptional danger understood only by "eggheads" working in secret military establishments.
 To cope with the friendly fire of such nuclear propaganda on the home front, ever tighter radiation regulations were enacted in order to keep all contact with radiation As Low As Reasonably Achievable (ALARA), as the principle became known.
 This attempt at reassurance is the basis of international radiation safety regulations today, which suggest an upper limit for the general public of 1 mSv per year above natural levels.・・・
 <年間被爆限度量は1ミリシーベルトから100ミリシーベルトに引き揚げるべきだとさ。↓>
 ・・・a responsible danger level based on current science would be 100 mSv per month, with a lifelong limit of 5,000 mSv, not 1 mSv per year.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-12860842

 東電全然津波対策をとってなかったわけじゃなく、2002年に動力ポンプを8インチ高い場所に設置し直したんだって。↓

 ・・・ in 2002, Tokyo Electric Power Company, the plant owner and Japan’s biggest utility, raised its maximum projected tsunami at Fukushima Daiichi to between 17.7 and 18.7 feet — considerably higher than the 13-foot-high bluff. Yet the company appeared to respond only by raising the level of an electric pump near the coast by 8 inches, presumably to protect it from high water・・・
 <いずれにせよ、東電を含む電力会社は、原子力関係の学界や建設会社とは違って、津波問題から逃げ回ってきたとよ。↓>
  Kenji Sumita, who was deputy chairman of the government’s Nuclear Safety Commission of Japan・・・said power companies, which were focused on completing the construction of a dozen reactors, resisted adopting tougher standards, and did not send representatives to meetings on the subject at the Nuclear Safety Commission.
 “Others sent people immediately,” Mr. Sumita said, referring to academics and construction industry experts. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/03/27/world/asia/27nuke.html?hp=&pagewanted=print

 北朝鮮政府と赤十字が、見舞金を送ってきたって話、何で日本の主要メディアの電子版でとりあげてないの?↓

 North Korea・・・has taken notice of the quake-stricken nation, and is helping out with a $500,000 donation.・・・
 No one's not exactly sure why the nation, which has dealt with famine, even donated, but the help is most likely appreciated. North Korea's Red Cross has also apparently sent $100,000 to Japan separately from the government・・・
http://newsfeed.time.com/2011/03/24/why-north-korea-could-only-afford-to-give-500000-to-japan/

 戦前、戦後と一貫して日本の外務省キャリアは、アングロサクソンかぶれ、かつ日本の世論音痴であり続けて来た。
 加藤コミッショナーはその良い例だ。↓

 「・・・加藤コミッショナーが、なぜ今回の巨人の暴走は阻止できなかったのか。
 大リーグの感動ドラマ再現にとらわれていることも理由の一つと考えられる。大リーグが9.11同時多発テロに屈しないという強い意思表示から、テロの4日後にニューヨーク・ヤンキースを筆頭に公式戦を再開。米国中が勇気づけられた劇的なドラマを忘れられないようなのだ。
 オタクと揶揄する向きもあるほどの大リーグ通で、駐米大使を経験している加藤コミッショナーらしいともいえるが、いまの日本の現実からは遊離している。「ヤンキースはニューヨークの文化そのものだし、相手は憎きテロリストたちだ。今の巨人はヤンキースではないし、しかも今回は天災だ。同一に論じること自体が間違っている」と指摘する球界関係者、OBたちの声の方が的を射ている。
 また加藤コミッショナーには、民主党政権下では政界ルートを有効活用できなかった巨人と似た事情もある。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/110326/bbl11032621580033-n1.htm

 次にリビア革命関係だ。

 多国籍軍の空爆のおかげで、アジュダビヤ(私はアジャビヤと記してきたが、以後、この読みに変える)とその先のブレガが反体制派によって奪還された。↓

 Libyan rebels rejoice in Ajdabiya as air strikes drive Gaddafi loyalists out・・・
 The revolutionaries can probably move swiftly along the coastal road and retake the small towns of Brega and Ras Lanuf, important for their oil facilities, which they held at the beginning of the uprising. But moving on to the larger and more politically important town of Sirte may prove to be a challenge too far. Sirte is Gaddafi's birthplace and he once proposed making it Libya's capital. He is likely to reinforce the town because its fall would be a devastating blow.
 A rebel assault on Sirte would also raise a dilemma for Nato and the coalition leading the air strikes. The UN resolution permits military action in defence of civilians. Until now, it has been Gaddafi's forces threatening rebel-held cities such as Benghazi, Misrata and Ajdabiya. But a rebel assault on Sirte would present the question of whether the coalition is prepared to launch air strikes to help take a town that has not risen up against Gaddafi. If not, it appears unlikely the rebels will be able to overcome the regime's defences in Sirte on their own.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/26/libya-rebels-ajdabiya-gaddafi-loyalists
 ・・・they later seized the town of Brega, 70km (44 miles) away.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12872718
 <反体制派が、体制派住民の巣窟のシルテを攻撃する場合、多国籍軍が空爆できるか、という悩ましい問題がある。↓>
 ・・・Things may be particularly messy if, in a town like Sirte, the population is broadly supportive of Col Gaddafi. How would protection from the air work then, if at all?・・・
 <また、ミスラタの場合、体制派が街の中に入り込んでるので、どう空爆するかも悩ましい。↓>
 ・・・In Misrata, for example, there is no doubt that government forces are terrorising the civilian population. But they appear to be doing it using armoured vehicles concealed in the very heart of the city and teams of snipers positioned in high buildings.
 Destroying such targets without destroying anything else and without killing or injuring civilians is possible, but difficult. And it might involve the employment of American predator drones, bringing more US equipment and manpower into play when the Obama administration is trying to make this look like less of an American operation.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12872863

 今度はシリア「革命」関係だ。
 港町のラタキアを含め、複数の都市で反体制派による騒擾が続いている。↓

 ・・・There were fresh clashes in the port city of Latakia, where two people were reported to have been shot dead, as well as in the southern towns of Tafa and Deraa. ・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/26/syria-protests-continue-international-condemnation 
 地図はこちらのを参照のこと。↓
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12873053
 <しかし、エジプトやチュニジアでの騒擾に比べれば、まだまだ規模が小さい。↓>
 ・・・the Syrian unrest was not comparable in scale or intensity to the uprisings in Egypt or Tunisia, which gives Assad’s government an opening.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/syrias-assad-moves-to-allay-fury-after-security-forces-fire-on-protesters/2011/03/26/AFFoZDdB_print.html

 最後にイェーメン革命関係だ。
 サレー大統領の辞任が間近いのは確かだが、いつになるのかはっきりしない。
 引用しなかったが、新体制の中身や、彼の親族の扱いが、反体制派との交渉の焦点。↓

 ・・・The view that Mr Saleh's resignation is a matter of "when" rather then "if", was confirmed on Saturday when Foreign Minister Abubakr al-Qirbi said that Mr Saleh was negotiating actual terms of his resignation with the opposition. ・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12868544
--------------------------------------------------

太田述正コラム#4649(2011.3.27)
<ロシア革命と日本(その9)>

→非公開