太田述正コラム#4417(2010.12.5)
<皆さんとディスカッション(続x1035)>

<太田>(ツイッターより)

 (コラム#4415に関し)ワールドカップ開催が決まったロシアとカタールは大国とミニ国家というとりあわせだが、どっちも天然ガス大国でそのカネを公的私的にちらつかせて開催権を勝ち取ったと噂されている。
 テロが起きなきゃいいが・・。

 (コラム#4358に関し)戦前・戦中の日本が自由民主主義(的)国家であったことは常識なんだよね。
 太田コラム読んで初めて知った人がいるらしいことだけでも信じがたいが、読んでもなお信じない人に至っては、この世の人とは思えんぞ。

<δδξξ>(「たった一人の反乱」より)

 <前原外相、>これぞ上から目線 w。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101205-00000076-san-pol

 なんだか〜、とってつけて皿に盛ったような やっつけ仕事にしか見えない。

<太田>

 前原誠司は、民主党代表だった時の中共軍事的脅威発言といい、国交相時代の北方領土「不法占拠」発言(上掲ヤフーサイト)といい、言っちゃならないことを言っちゃう、同じく民主党代表経験者の岡田克也そっくりの外相不適格者・・ということは、首相にはもっと不適格者・・だ。
 違うのは、前原は安保半可通、岡田は安保音痴、という点だけさ。
 勉強は中途半端が一番ダメ、ということからすると、前原の方が度し難いか。

<植田信>(2010.12.3)http://8706.teacup.com/uedam/bbs

 ・・・キャリア官僚が50代で退職を迫られれば当然、退職後の生活が心配になります。それで「天下り」となるわけですが、これも、制度として「天下り」に代わる、たとえば太田述正氏が提案する「年金制度」を設ければそれで済むことです。・・・

<太田>

 植田さんにとって、私は、依然何とも気になる存在みたいね。


 それでは、記事の紹介です。

 まずは、以下で引用される本日の朝日の社説にひっかけて少々お時間を拝借。↓

 日本国憲法第89条は、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と規定しているが、現実には宗教組織若しくは団体の経営する教育機関にすら公金が支出されている。

 この憲法問題については、最高裁はまだ判断を示していないが、平成2年1月29日東京高等裁判所判決は、「教育の事業に対して公の財産を支出し、又は利用させるためには、その教育事業が公の支配に服することを要するが、その程度は、国又は地方公共団体等の公の権力が当該教育事業の運営、存立に影響を及ぼすことにより、右事業が公の利益に沿わない場合にはこれを是正しうる途が確保され、公の財産が濫費されることを防止しうることをもって足りるものというべきであ<る>」としている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%81%E5%AD%A6%E5%8A%A9%E6%88%90

 今世間を賑わせているところの、朝鮮学校への公金の支出の是非問題に関し、政府の答弁書は、いわゆる各種学校「に対する公費の助成<(=公金の支出)>に関しては、同法による学校の閉鎖命令、私立学校法による法人の解散命令、私立学校振興助成法・・・による収容定員の是正命令、予算の変更勧告、役員の解職勧告等の規定の適用があり、このような国又は地方公共団体の特別の監督関係の下に置かれる教育の事業は、憲法第八十九条にいう「公の支配」に属すると解される。」としているが、これは上記高裁判決に沿ったものだ。
http://d.hatena.ne.jp/bonstar/20100812/1281605422

 本日の朝日社説では、「・・・ 朝鮮学校については、教室の肖像画や教科書の記述が批判されている。問題はそれにどう対処するかだ。
 文部科学省は無償化適用に際し、財務の透明化などを基準に審査することを決めている。個々の教育内容については判断材料とせず、「自主的改善」を促すことにとどめた。
 政治や行政が教育内容へ直接介入することを避ける原則は、大切にしなければならない。すでに決めた基準にしたがって、審査を進めるべきだ。・・・」としている。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

 結局、憲法第89条は、少なくとも「教育」に関しては、裁判所、行政府、「左」の主要マスコミにおいて、完全に空文化していると言えよう。
 よくご存じのように、憲法第9条に関しては、(ある意味国民のコンセンサスの下で、)条文全体が完全に空文化しているところだ。
 日本国憲法には規範性がない、という私の主張に納得のいかない方も少なくないようだが、そうとしか言いようがない状態だと思わないか。(なお、明治憲法にも規範性がなかった、と私は主張してきたところだ。)
 いいかげん納得してくれないかなあ、おのおのがた。

 工場の海外移転とTPP/FTAでの出遅れで、日本の工業の空洞化はどんどん進んでいる。↓
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010112501000511.html 以下
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819481E2E6E2E3828DE2E6E3E0E0E2E3E29797EAE2E2E2;bm=96958A9C93819481E2E0E2E6E78DE2E1E3E0E0E2E3E2869195E2E2E2

 歴史はオモロイ。
 それにしても、どうして蒙古も清も朝鮮を直轄支配しようとしなかったんだろう。↓

 「<李氏>朝鮮の仁祖と清の太宗(ホンタイジ)は、歴代の朝鮮国王と中原の覇者の中で、最も劇的な形で直接対面したケースだ。一人は、三田渡で三拝九叩頭という恥辱的な礼を行って命乞いをし、もう一人は、壇上に立ってこれを見下ろし訓戒するという悲喜劇を演出した。仁祖がこうなった理由は、当時の国際情勢を理解せず、明の天命が続くと信じていたからだ。著者は、「当時の仁祖をはじめとする朝鮮の君臣は、天子はひとえに漢族であるべしとかたくなに信じていた。それは、恐ろしいまでの自閉意識だった」と語った。これに対し清の太宗は、「天の助けありせば匹夫であっても天子となり、天の禍いありせば天子であっても独り匹夫となる。今、朕は大軍を率いてここに至り、八道を掃討する。お前が父母として仕えた明が、この先いかにしてお前を救うか、よく見ておこう」と朝鮮を叱責した。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20101205000005

 イランの原子力科学者の暗殺もイラン核施設に対するマルウェア攻撃も、どちらもイスラエルのモサドの仕業の可能性が極めて高いとよ。↓

 ・・・<先般の原子力科学者の暗殺> had the hallmark of well-practised professionals. The explosives were shaped to focus the blast and fire a hail of projectiles into the car at an individual target, with minimal "collateral damage". The targets were obviously carefully chosen and the attack would have required weeks of surveillance.・・・
 ・・・the Mossad is known for such exploits. It is widely believed to have killed scientists working on Iraq's nuclear programme in the 1980s.・・・
 Like most computer viruses and worms, Stuxnet does not bear fingerprints, but a western military source recently told the Observer that it was an Israeli creation.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/05/iran-nuclear-experts-killings

 不倫や行きずりのセックスに耽る人物(色情狂)に関わる遺伝子の存在が明らかになったぜ。
 仏・伊映画の『昼顔(Belle de jour)』(1967年)
http://en.wikipedia.org/wiki/Belle_de_Jour_(film)
に科学の光が照射されたわけだ。↓

 ・・・individuals with a certain variant of the DRD4 gene were more likely to have a history of uncommitted sex, including one-night stands and infidelity,・・・The motivation seems to come from a system of pleasure and reward, which is where the release of dopamine comes in.・・・<It is explained> that the three big emotional elements of a dopamine rush are high risk, substantial rewards and variable motivation — or numerous ways the experience can pay off. All three x-factors are manifestly at play during a sexual romp.
 In one respect, <these>findings match another argument straying partners often make when caught in flagrante — that the affair does not necessarily say anything about the commitment the betrayer feels to the prime relationship. The heart, the head and other relevant organs all respond to different motivations, and the DRD4 appeals to the least reasoning, most impulsive of them.・・・
 <(>Infidelity — and, for that matter, any act of fleeting, uncommitted sex — always has an element of risk about it. There's the possibility of getting caught, there's the possibility of catching something, there's the possibility that the charmer in the bar will turn creepy in the boudoir. ・・・And while those risks are enough to keep most people on the straight, narrow and relatively chaste, for some folks danger has the opposite effect. It's the very fact that things are dangerous that is the source of most of the thrills.<)>・・・
http://healthland.time.com/2010/12/02/too-many-one-night-stands-blame-your-genes/print/

 そこで思い出すのが、躁鬱病(双極性障害)に伴う色情狂症状で知られる絶世の美人たる女優ヴィヴィアン・リー(Vivien Leigh。1913〜67年)だ。↓

 「彼女は双極性障害に暫くの間悩まされた。・・・<躁の時は>性的関係が乱脈になり手がつけられない状態になり(ゴシップとして騒がれた例は<ローレンス・>オリヴィエの後輩俳優のピーター・フィンチ<(Peter Finch)>との浮気など)<オリヴィエとの>夫婦関係がすっかり破綻してしま<った。>」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC

 ところで、英語ウィキペディアのこの点についての記述はあっさりしてるっていうか、逃げてる感じだね。↓

 ・・・For much of her adult life Leigh had what is now known as bipolar disorder・・・Leigh told him that she was in love with Finch and had been having an affair with him. ・・・
http://en.wikipedia.org/wiki/Vivien_Leigh

 ちなみに、日本語ウィキペディアの方にしか載っていないことは、この外にもある。↓

 「リーはアイルランド系の株の仲買人の父をもち、母親の家系にはアルメニアのパルシー教徒及びインド人の血も混じっている。」

 日本人のヴィヴィアン・リーないし映画『風と共に去りぬ』(コラム#4391)への思い入れは、英語圏の人々よりも強いのかねえ。

 ああ、そうそう、「彼女は後に恋人の俳優ジョン・メリヴェールと同居している間でさえ、周りの人たちに離婚前と同様に自分をレディ・オリヴィエと呼ぶように頼み、ベッドサイドのテーブルに額に入ったオリヴィエの写真を飾っていた。」(日本語ウィキペディア)ということも、色情狂の女性ではよくあることだ。
 『昼顔』の主人公も、最後は、(空想の中だけど)愛する夫の下に戻って行く。

 それにしても、躁鬱病における色情狂的症状と色情狂遺伝子の働きで起こる色情狂とはどう違うんだろう。
 人間については、まだまだ、分からないことだらけだ。