太田述正コラム#4329(2010.10.22)
<皆さんとディスカッション(続x991)>

<θδθδ>(「たった一人の反乱」より)

疑問はシベリア出兵“構想”における原敬の行動に集中していたので、疑問が氷解した今は特に何もありません。
 (太田さんの政治家に対するスタンスも納得行くものだと思いました。)
 ただ質問した手前、一応、他の読者にもわかるように、英文についての補足を最低限しておきます・・・・・・。

【共同出兵におけるアメリカの瑕疵】
 「<米国シベリア派遣軍司令官のグレイブスは>極東ロシアでのパルチザン活動は、その目標を主として、コサック勢力(およびその背後の日本軍)の駆逐に向けられているものと見ており、したがって彼らが鉄道運行に阻害をあたえないかぎり、これに武力を行使することを拒否する態度をとっていた・・・」
 「とくに三月四日、有力なパルチザン部隊に遭遇して苦戦に陥っている日本軍の救援が乞われたにもかかわらず、これをアメリカ側が拒否し、つづいて三月二○日、スーチャン炭坑でのボリシェヴィキ派労働者の武力蜂起に対し、アメリカ軍は鎮圧に乗り出さないばかりか、むしろ好意的態度をとったとみられた・・・」
 「アメリカ軍の対ボリシェヴィキ闘争における非協力は、シベリア出兵の大規模な反ソ軍事行動への発展をひそかに期待し、またコルチャク政権の強化に力を入れていたイギリス政府の失望を引き起こ<した>」
 (細谷千博著 『ロシア革命と日本』 pp66〜68)
 「<また>アメリカ政府の撤兵決定は、・・・打ち切りの通告が、国際慣行に違反した、非友宜的な方式でなされた・・・
 すなわち、国務省からの正式の通告に先立ってグレイブスは一月十八日、日本派遣軍当局に撤退通告を行い、その実行に着手した・・・
 それは国務省、参謀本部、派遣軍三者間のコミュニケイションの欠陥にもとづく手落ちであったものの、<日本側に対米不振を募らせた。>」
 (細谷千博著 『ロシア革命と日本』 p76)

【原内閣とシベリア出兵】
 「・・・干渉政策に批判的な言辞を弄していた原と内田は、政権につくと前任者の政策をひとまず継承した・・・」
 (原暉之著 「シベリア出兵 革命と干渉 1917-1922」p408)

 「原内閣のシベリア政策<は>新しい方向を示唆<していた>、・・・<それは>日本のシベリア政策がようやくソヴィエト政権への敵対的性格を露骨にし、革命の覆滅を直接意図する、本質的意味での干渉的性格をおびはじめた<事である。>」
 (細谷千博著 『ロシア革命と日本』 pp108〜109)

 「シベリアの情勢ばかりでなく、日本の政治的支配下にある地域の政治情勢も・・・ボリシェヴィキの影響力を遮断するために、適当な対策をとる必要を促していた・・・」
 「世界的大変乱二伴フ国民思想ノ動揺ハ未タ楽観スヘカラサルモノアリ況ンヤ朝鮮二於テハ帝国ハ既二諸派<=ボリシェヴィキ派> ノ侵襲ヲ受ケタルヲ自覚シ今二於テ大二之二処スルノ途ヲ講セサルヘカラサルナリ」(八月十三日、外交調査会での田中陸相の覚書)
 (細谷千博著 『ロシア革命と日本』 pp72)
 「・・・政府の対露政策は・・・朝鮮・満州を防衛するための緩衝地帯を確立しボリシェヴィキの極東露領侵入を阻止する、というものである。」
 (原暉之著 「シベリア出兵 革命と干渉 1917-1922」p507)
 「日本政府は原首相<1921年11月暗殺>と田中陸相のイニシアティヴで一九二一年五月に撤兵政策を決定していたが、撤兵完了期日の明示を回避し続け・・・
 「<原の後を継いだ高橋内閣も>ワシントン会議<1921年11月〜1922年2月、や>大連会議<1921年8月〜1922年4月>での撤兵要求を拒否した。・・・」
 (原暉之著 「シベリア出兵 革命と干渉 1917-1922」p567)

<太田>

 いやーどうもありがとうございます。
 改めて知恵遅れの大男、米国、に対するに英明なる青年、日本、と思いますねえ。
 今の日本の有様を見て、当時の日本人は泣くだろうねえ。

<qq>

 民主議連、ノーベル平和賞の劉氏釈放求める決議、参加者は11人にとどまる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101021/stt1010211751004-n1.htm

<太田>

 じゃ、自民党は?

<θδδθ>(同上)

 陰謀論の本ってさ、それこそ沢山あるじゃん。
 特に官僚がアメリカの手先となって日本を牛耳ってるという話の類は、みるからに怪しい著者のの本もあれば、一応しっかりとした学識然とした感じを纏っているものまで。
 これまで、中には結構本当かな?と思わせるようなものもあったけど、太田氏の話からいくと全部ガセということなのかな?副島先生や苫米地さんは見るからに怪しい
から、「やっぱり」と思うけど、結構、説得力を持った本もあるよねぇ。
 でも、太田論からいくと、そんなの日本の官僚、政治家を買いかぶりすぎだって話でかたづいちゃうんだねぇ。

<δθδθ>(同上)

http://www.y-asakawa.com/Message2010-2/10-message74.htm

 <↑>の件<(コラム#4327)>は、差し押さえ(住宅)問題がでたらめなシステムで金融機関始め深刻な状態に陥っている・・・ところまでは良いのだけど、それを戦争開始へと続けているのを太田さんは陰謀論と切り捨てたのは、まぁ当たり前に納得。
 まぁ本人がアセンション云々公言している時点で、自ら私は怪しい者ですと告知してるも同然なんだが、こういうのは勿体ないというか、<θδδθサン>の言うように、陰謀論の類のひとつとする、しっかりとした根拠(典拠)のないもので、これが判断材料のひとつなんだよね。
 船井総研の親分のように壮大なファンタジー(物語)として人気?を得ているような代物は判りやすいけど、まぁ、ヤクザが威力を武器に商いするように、不安を煽って成り立つ商売も当然あるんだということだーな。 ガラクタ市みたいなもんとでもw。

≫知恵遅れの大男の押しかけ子分なのにその大男を用心棒にしたつもりになってる戦後日本人よ、悔い改めなさい。ちょっと前にあわやその大男にぶち殺されそうになったじゃん。そのとばっちりで周りで何人も死んだじゃん≪(コラム#4327。太田)

 ↑しっかし、何度読んでも名言だよな〜ビールぢゃないが、キレがあるのきコクがある…と云うか。
 これ太田さんが言うから、余計に説得力があり過ぎるくらいあるし。
 次回のスレタイにしたいが若干長すぎるし…ヒネおやじの名言集として、誰か編集して欲しいもんだ。
 で、死んだら遺言として後世に残すべよ。

<roma_sakamoto>

 外交において政治家・官僚が政策、行政に対し、宗主国の国益の為の決定を強制されているという感覚すら無いのだとの事に関して、理解できないと質問しましたが、現場の空気であると言うならば、実際の外交のやりとりの場、官僚・政治家の組織内の様子がわからないとこの問題はどこまでいっても、永遠にわからない、と思い一応無理やり自分を納得させました。
 いってみればギャンブルの嫌いな自分がパチンコで身を滅ぼす人間の気持ちが絶対にわからないようなものです。。

≫前回(コラム#4325で)、あなたに2つ問いかけてますね≪(コラム#4327。太田)

 あえて、自分がその問いに感想を述べなかったのは、典拠を探して反論とかいう以前に、何故、その二つが、独立の契機になるのかがそもそも全く分からないからです。
 しかし、それを教えてくださいというのは、きっと英語の先生にアルファベットを教えてくれ、と頼むようなものではないかと思ったうえに、自分は有料会員でもないので、これ以上、質問に時間を割かせるのはどうかと思い遠慮しました。
 が、きっと読者の中には自分と同程度のレベルの人間もいるのではと思い、改めてお尋ねします(笑)。
 なぜ、それが独立への契機になるのでしょうか?私も家畜の牛以上に脳のシワが伸びてしまっていますので。

<太田>

 私の言っている「2つ」とキミの言っている「二つ」は違うよ。
 もともとコラム#4325で、キミが、少しは私の「回答」を咀嚼しようとしているかどうか、試そうとして仕組んでおいたんだけど、ものの見事にひっかかったな。
 これで、キミが何も考えてずに、ただただ幼児が母親にやるような質問ゲームで遊んでただけだってことがはっきりした。
 よちよち。良い子はおうちでネンネしてなさい。
 なお、幼児が英文和訳なんて大それたことに手ー出しちゃダメだよ。
 第一、だーれもキミにそんなこと頼んじゃいないぜ。
 だから、キミのブログへの和訳「投稿」、削除しといてあげたよ。
 その前に斜め読みしといたけど、ミスプリがあったのは百歩譲って大目に見るとしても、およそ日本語になってなさそうだったぞ。一度も読み返さずに「投稿」しただろ。
 もう一度言う。良い子はおうちでネンネしてなさい。
 寝る子は育つかもよ。

 ところで、マジ、ほかの人で、分かってない人いる?
 もしいたら、何がどう分からないか考え・・←重要・・、その上で質問してくれたまえ。

<宮里立士>

--松原教授の「世迷い言」の件で--

 アングロサクソンとヨーロッパ(+アメリカ)を「キリスト教」という枠で一緒くたにしている点。
 「普遍(絶対)」を知る「キリスト教ヨーロッパ」は「正義」を知っている。
 これに対し、それを知らない「日本」には「正義」はない、すなわち「絶対的価値」を「日本」は知らないというあたりでしょうか?(=松原教授は横井小楠の「大義を四海に布かんのみ」という言葉を知らない)
 松原正教授は一部の間では大変尊敬されている人ですが、その主張の根本に「ヨーロッパは人の上に神を置く文明、日本は人の上にどこまでも人を置く文明」というものがあります。
 ただし、「これは良し悪しではない」とは釈明されます。しかし、どう考えてもこれは、日本人はヨーロッパ人より「劣る」文明人だと、(松原教授は)言っているように聞こえます。

<太田>

 おっしゃるとおりです。
 「人の上に神<やイデオロギー>を置く」人にせよ文明にせよ、狂気を孕んでいる危険極まりない代物なのであって、日本やイギリス等、人間主義を当然視する人々が多数を占める文明に生きる我々としては、「人の上に神<やイデオロギー>を置く」人にせよ文明にせよ、そんなものは敬(=軽(蔑))して遠ざけなければならないのです。

 ところで、宮里さんが引用された横井小楠の言葉は、1866年に小楠の甥二人が米国へ密航留学するにあたって送った漢詩、

  明堯舜孔子之道   堯舜孔子の道を明らかにし
  尽西洋器械之術   西洋器械の術を尽くさば
  何止富国        なんぞ富国に止まらん
  何止強兵        なんぞ強兵に止まらん
  布大義於四海而巳  大義を四海に布かんのみ

の最後の句ですね。
 この「大義」の解釈ですが、「世界の平和」説
http://www8.ocn.ne.jp/~s-yokoi/9.shikai/taigishikai.htm
も「堯舜の大義」説
http://www.geocities.jp/npowaro/raku-13.htm
も私はとりませんね。
 強兵を持つこと自体、和戦両様の構えですし、また、大義は、この漢詩の構造からして、(堯舜を含む)最初の対の2句とそれに続く対の2句を超越したものであるはずだからです。
 私は、大義=人間主義、であったと思いたいところです。
 天才横井なら、既にそれくらいのこと、当時考えてたって不思議じゃないのでは?


 それでは、記事の紹介です。

 中共当局のやらせデモがサーカスを求める民衆によって暴徒化したって構図だ。
 ボクの言ったとおりだな。↓

 「中国四川省成都など3都市で起きた16日の反日デモについて、地元政府当局が事前に承認していたことがわかった。中国政府関係者が明らかにした。だが、インターネットなどで広がったデモの勢いは当局の想定を超え、承認していない都市にも飛び火するなど統制を失ったという。 ・・・」
http://www.asahi.com/international/update/1021/TKY201010210514.html

 批判浴びてることを最高検自らがやってるクサイな。
 検察の上澄みの脳のシワも伸びていて当然か。ああ!↓

 「最高検ストーリーには乗らぬ」 前特捜部長ら否認通す・・・」
http://www.asahi.com/national/update/1022/OSK201010210161.html

 アフガニスタンで米軍を主力とするNATOが良い調子なのは、新兵器のせいも大きいと前回書いたが、それの続きみたいな記事が出てた。
 この新兵器のことがもっと詳しく出てるのと、この新兵器が有効なのは、飛躍的に向上した情報収集能力のおかげだというのだ。
 にゃーるほど。↓

 ・・・Guided Multiple-Launch Rocket System, which has a range of 43 miles and is fitted with a GPS guidance system that steers its 200-pound high-explosive warhead to within 1 meter of its target. (Some have called the weapon a "70-kilometer sniper round.")
 The GMLRS and the High-Mobility Artillery Rocket System?a 15-ton wheeled vehicle carrying a computerized fire-control system that launches the weapons?have both been around since 2005, though only last year were they deployed with U.S. Army artillery units in significant number.
 But accuracy and range mean nothing by themselves.・・・
 It's the intelligence that's changed in recent months?and it has changed dramatically.・・・
 The air over Afghanistan's heavy fighting spots is jammed with intelligence, surveillance, and reconnaissance devices?drones, towers, even blimps filled with various sensors. (One senior officer told me that the number of these blimps has soared from eight to 64 just in the last month.)
 All this information is collected and interpreted by a growing number of imaging and intelligence analysts. Still more important, it's coordinated with information gathered on the ground by special-operations officers and?increasingly?by Afghan security forces, who are better able to gain the trust of local Afghans who dislike the Taliban.・・・
 Only in the last few months have U.S. forces been able to gather and analyze the intelligence information that has made these attacks possible.・・・
http://www.slate.com/id/2270958/

 日本は、料理世界一の国だ!↓

 ・・・Kyoto and Osaka had seven three-star restaurants in the 2010 guide. The latest guide added Kobe restaurants, and an additional five top ratings.
That edges the region past reigning champion Tokyo (11 three-star restaurants) and places it well above Western dining capitals Paris (10 top-rated restaurants), New York (five) and London (two).・・・
 <ちなみに、香港/マカオ:3箇所、ロンドン:2箇所、ローマ:1箇所、サンフランシスコ:1箇所>
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303339504575565641303938772.html?mod=WSJASIA_hpp_MIDDLETopStories
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太田述正コラム#4330(2010.10.22)
<ヒットラーとスターリン(その3)>

→非公開