太田述正コラム#4319(2010.10.17)
<皆さんとディスカッション(続x986)>

<きよきよ>

 牛へのたとえ ホントわかりやすいし最高!

<bonkers_blunder>(ツイッターより)

 あたしゃあまり良くない読者だが牛のくだりは太田節の真骨頂だろうか(笑) 。

<roma_sakamoto>

 正直、腑に落ちない部分もありますが、丁寧に答えてくださったことには感謝しております。
 さて、私の質問にばかり時間を取らせるわけにもいきませんので、今回は遠慮しようかと思いましたが、どうしても気になることなので、ついでにもう少し質問させてください。
 アメリカの国益に叶う決定事項というのは、一体誰にどのような形で日本に伝えられるのでしょうか?
 具体的に、言葉として伝令がおりるのか、それとも、それとなく遠まわしに「空気を読めよ!」と、暗黙のメッセージとして送られるのか、これまた、 幼稚な質問かも知れませんが、よろしければお答えください。
 また、いい加減に日本の自立をアメリカが望んでいるのでしたら、それこそ、宗主国として日本を突き放したり、自衛権を行使させることぐらいは、たやすいはずでしょうが、それをしないのはなぜでしょう?
 もし、中国や北朝鮮の活動が、アメリカにとって大きく国益を損ねるような事態になれば、属国の日本の軍隊を使ってやっちまえ!という決定が下される日もあると考えてよろしいのでしょうか。
 中共の対日レアアース禁輸をアメリカが怒るだろうよ、と太田さんが予測して、すぐにそのようになったことには、なんとなく少しだけこの国が属国であることが分かった気はしましたが。

 話かわりますが、以前のブログで、鳩山・小沢の金銭問題について、米国は日本に諜報員をおいているのに対して、日本はカウンターを打つ機関もないのだから、スキャンダルの流布などで失脚させることぐらいはできるだろう、と書いておられたように記憶しております。
 (私の質門の「自民党のお歴々の方たち」は日本語として誤りで「自民党のお歴々」が正ですね。)

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>それこそ、宗主国として日本を突き放したり、自衛権を行使させることぐらいは、たやすいはずでしょうが、それをしないのはなぜでしょう?

 これに対する答えは、もうしっか述べられていましたね。すみませんでした。
 よく読んだつもりでしたが。

<太田>

>アメリカの国益に叶う決定事項というのは、一体誰にどのような形で日本に伝えられるのでしょうか?

 日米両国政府は、ほとんど日常的に公式に接触していると言っていいでしょう。 
 日米防衛協力がらみの在日米軍と外務省・防衛庁/各自衛隊との接触はさておき、端的な例が、地位協定に基づいて設置されている日米合同委員会です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/pdfs/soshikizu.pdf
 主要官庁がすべてメンバーで入ってるでしょ。
 また、平素から同委員会事務方(先方は駐日大使館と在日米軍、当方は各省庁)同士の調整が行われています。
 こういう場の前後や休憩時間に、直接の懸案以外の雑談も出るのですが、これが結構重要なんですねえ。

 話変わりますが、コラム#4317で、「キリスト教化する以前からイギリスはアングロサクソン文明の地でしたし」は、「キリスト教化する以前、イギリスは自然宗教の地であり」の誤記です。
 ブログは訂正してあります。

<太田>(ツイッターより)

 (コラム#4258に関し)今クリミア戦争(未公開)について書いてる。
 トルストイはこの戦争を体験してルポをものにし、恐らくはそれがナポレオン戦争を扱った『戦争と平和』の下敷きになったのだろうが、クリミア戦争の映画ないね。

<kmahito0193250>(ツイッターより)

 『遥かなる戦場<(THE CHARGE OF THE LIGHT BRIGADE)>』は違いますか?僕は観たことないですが。

<太田>

 おお、1968年の英国映画のこれ↓ですか。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Charge_of_the_Light_Brigade_(1968_film)
http://en.wikipedia.org/wiki/Charge_of_the_Light_Brigade
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Charge_of_the_Light_Brigade_(poem)

 クリミア戦争の一断片だけ・・ただし超有名な戦闘・・を切り取ったもののようですが、機会があったら鑑賞してみましょう。

<δδηη>(「たった一人の反乱」より)

・中国のニュース・サイト、環球網は15日、「日本の右翼団体が3000人による駐日本中国大使館の“包囲攻撃”を計画」とする記事を配信した。

 田母神俊雄前航空幕僚長が会長を務める「頑張れ日本! 全国行動委員会」が16日(土)に予定するデモ「中国大使館包囲 尖閣侵略糾弾! 緊急国民行動」を指し、「右翼保守団体の行動。同団体は書面やインターネットで多くの人が参加するよう、煽動している」などと紹介した。

 同委員会は、デモ隊による中国大使館の「包囲」を呼びかけたが、環球網はカッコつきで「包攻(包囲攻撃)」と表現した。中国では他のニュース・サイトも、同記事の転載を始めた。

 環球網の記事に対して、日本人は島国根性と非難したり、問題を作るのは日本側などとのコメントが殺到した。「目には目を」として、中国国内の日本側施設の攻撃を示唆したり、
 国交を断絶せよと主張するなど、激しい反感を示す書き込みもある。
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1015&f=national_1015_108.shtml

 2chもえらい盛り上がってるな。
 ただ、日本側の集会はあまり報道されない。
 よくあるマスコミ談合。

<太田>

 ま、若いモンが田母神閣下に足腰(とノド(?))を鍛えてもらうのも悪くなかろうって。
 日本でのデモについても、日本の主要メディアで少しは報道されてるね。↓

 「中国四川省成都など3都市で16日午後、計1万人を超えるとみられる大規模な反日デモが起き、成都では日系スーパー、イトーヨーカ堂の店舗の窓ガラスなどが破壊された。沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で起きた中国漁船衝突事件をめぐり、東京の中国大使館前で同日、尖閣諸島の領有権を主張する中国への抗議デモが行われており、中国のデモ隊はこれに対抗、「日本は釣魚島から出て行け」などと叫んだ。
 中国での大規模な反日デモは、日本の国連安全保障理事会常任理事国入り問題などがきっかけとなった2005年4月以来。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010101601000446.html

 ネット警察があえて取りこぼしをしているところを見ても、中共の奥地でのデモ、中共当局のやらせだろうね。↓

 「中国外務省の馬朝旭報道局長は17日、中国で16日に起きた反日デモについて「合法的、理性的に愛国心を表現するべきで、非理性的な違法行為は賛成しない」とデモ参加者に冷静な対応を呼び掛ける談話を発表した。また「中日は互いに重要な隣国だ」とした上で、日本に対しては戦略的互恵関係を維持することの重要性を強調した。
 一方で局長は「一部群衆が日本側の誤った言動に憤慨するのは理解できる」と共感も示した。その上で「愛国の熱情を(学業など)本来業務での実際の行動に結実させて改革、発展、安定の大局を維持する」よう呼び掛けた。
 また局長は「中日間には微妙で複雑な問題があり、われわれは話し合いを通じて適切に解決するよう主張している」と述べた。
 「誤った言動」は前原誠司外相の対中強硬発言や民主党の枝野幸男幹事長代理が中国を「あしき隣人」と呼んだことなどを指すとみられる。」(共同電)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010101701000010.html
 「・・・過激な書き込みはたちまち削除されていく。ネット警察がフル回転で抑え込もうとしているとみられる。今も残る書き込みからは、最も早いもので12日から呼びかけがあったことがわかる。」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101016-OYT1T00850.htm?from=main1

 前にも述べたが、中共の尖閣諸島への執着について軍事的説明をするのは間違いだ。
 よりにもよって、長島議員のように純軍事的説明を試みる人間が出てきたのにはぶったまげたぜ。
 空母機動部隊や揚陸強襲艦類をまだ保有してない(=外洋海軍を持ってない)中共が尖閣諸島を占拠・保持できるわけないことはさておき、仮に保持したとして、飛行場をつくる広さがあるとは思えないから、ミサイル基地でもつくる? しかし、そんな苦労するくらいなら、ミサイル搭載艦艇を1隻余分に作った方が、運用の柔軟性もこれあり、よっぽどマシじゃん?↓

 「・・・前防衛政務官、長島昭久は中国が尖閣問題で攻勢を強めている理由について「海洋戦略の一環だ」と指摘する。尖閣を手中に収めれば、沖縄からフィリピンに至る第1列島線を越えて、米空母機動部隊が中国側に進入するのを阻止する「接近阻止(アンチアクセス)」戦略を確かなものにできるからだ。中国の戦略を踏まえれば対抗策は自明だ。日米同盟を基軸にした離島防衛の強化にほかならない。防衛上の空白地域となっている与那国島などの先島諸島への自衛隊配備について検討を加速させる必要がある。・・・
  防衛研究所所員の斉藤良は「中国が北米、南米の『市場』にアクセスするために通る必要がある対馬海峡や薩南諸島、琉球諸島に存在する海峡」に注目する。沖縄本島と宮古島の間の「宮古海峡」などでの日米共同演習は、中国に対する「接近阻止」戦略となるわけだ。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101016/plc1010162219017-n1.htm

 この前も述べたが、アフガニスタンで米軍(NATO)軍は、着実に成果を上げつつあるな。↓

 ・・・top U.S. military and civilian officials in Afghanistan have begun to assert that they see concrete progress in the war against the Taliban・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/10/16/AR2010101601552_pf.html

 朝鮮日報が昭和天皇戦犯説と非戦犯説をとりあげているが、どちらも、戦前・戦中の日本が自由民主主義的国家であったことと、あの戦争が対ロ安全保障のための戦争であったことを認めていない点では同じであり、間違いだ。
 それよりももっと問題なのは、「日中戦争で日本軍は、中国軍兵士を陣地から炙り出すために、非致死性の嘔吐ガスである「あか」や催涙ガスの「みどり」を使用していた。」(「化学兵器」のウィキペディア)である以上、通常の読者をして致死性のガスの話だと思わせてしまうであろう下掲の記述だ。↓

 「・・・昭和天皇は37年7月28日、化学兵器の使用を初めて許可し、宮中に設置した「大本営」を通じ、毒ガス使用を375回以上も許可した。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20101017000002

 ホント、そのとおりだぜ。↓

 「・・・日本が科学分野で15人のノーベル賞受賞者を輩出したのに対し、韓国は一人も受賞者を出していない。この事実が何を意味するのかについても、よく考えたほうがよさそうだ。」
http://www.chosunonline.com/news/20101017000023

 ニューヨークタイムスが、日本経済の現状及び将来について著しく悲観的な記事を掲げた。
 日本人よ、奮起せよ。↓
http://www.nytimes.com/2010/10/17/world/asia/17japan.html?_r=1&hp=&pagewanted=print

 米国で、ラティノがどうして白人よりも長生きなんだって記事だよ。↓

 ・・・as of 2006, the life expectancy for Hispanics at birth was 80.6 years, 2.5 years more than for non-Hispanic whites and almost 8 years longer than for blacks.
 The finding is all the more surprising because Hispanics have lower median family incomes and a higher poverty rate than whites, and are less likely than whites to have a college education ? all factors associated with better health. They also have high rates of obesity and diabetes. ・・・
 ・・・the longer life expectancy might have to do with cultural factors, including close social and family networks and low rates of smoking. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/10/19/health/research/19aging.html?hpw=&pagewanted=print

 「悲しき天使」(原題「長い道を」ないし「長い道」)をコラム#3841でとりあげたが、その数奇な歴史が記事になってた。↓
http://www.asahi.com/shopping/tabibito/TKY201010140236.html

 子宮頸癌が起こるのと同じ理由で口腔癌が起きるのだとよ。
 だけど、どうして男性まで???↓

 ・・・<英国で>Rates of oral cancers have gone up by 50% in men since 1989 and are rising by 3% a year in women, even as smoking, once thought to be the major cause, declines.・・・
 Scientists have provided growing evidence over the last decade of the link between the human papillomavirus (HPV)(パピローマ(=ヒト乳頭腫)ウィルス), which is passed from person to person during sexual activity, and an increased risk of developing oral cancer. It is better known as a major cause of cervical cancer.・・・
http://www.guardian.co.uk/society/2010/oct/17/oral-sex-cancer-documentary-jaime-winstone
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太田述正コラム#4320(2010.10.17)
<クリミア戦争(その3)>

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