太田述正コラム#4205(2010.8.21)
<皆さんとディスカッション(続x930)>

<マロン>

 <コラム#4203での>早速のお返事ありがとうございました。

 首相が制服組から意見を聞いたところで、防衛省の見解を何度も聞かされて洗脳されてしまう可能性があるくらいで、特に新たな知見を得ることはないのですね。
 でも自衛隊の士気が上がるのでしたら、首相が制服組と会合を持つ意味はありそうですね。
 そんなつもりで今回の会合が設定されたわけではないようですが。

<太田>

 今回のように、会うことにしただけで、「新たな知見」を得ることができるようなめずらしい首相もいるようですがね。

<ΓΓΖΖ>(「たった一人の反乱」より)

 外国人地方参政権に賛成の方々。

 公明党・小沢一郎・鳩山由紀夫・菅直人・仙石由人・土井たか子・社民党・橋下徹(特別永住者のみ)・太田述正・その他大勢

<ΓΖΖΓ>(同上)

 ググったら太田さん、地方参政権については、太田述正コラム#3789(2010.1.25)「皆さんとディスカッション(続x724)」の中で語ってた。

 私は、あらゆる問題に、安全保障を念頭に置いて取り組むことにしています。
 ですから、まず、日本の急速な人口減を食い止めることを考えるわけで、移民ができるだけ増えるよう、あらゆる措置を講ずるべきだと思っています。
 そのためには、日本にいる外国人、日本にやってきた外国人に定住意欲、ひいては帰化意欲を持たせることも重要であり、その方策の一つとして私は参政権付与をとらえています。
 何事によらず、参加すれば、ステークホルダーとしての意識、意欲が生じるものだからです。
 ただし、いくら日本の現状は米国の属国である・・安全保障の基本を米国にゆだねている・・とはいえ、国政上の参政権を付与することは、外国人を日本の安全保障に参画させることになるので、好ましくありません。
 よって、地方参政権付与にとどめるべきである、というのが私の見解です。
 なお、帰化のハードルを余り下げることは、憲法解釈上徴兵制が禁じられている現状では好ましくない、とも考えています。
 また、私は日本の米国からの「独立」を追求しているわけですが、地方分権推進は、国政とはもっぱら安全保障に係るものであることを中央政治家に実感させる方法として極めて有効であると考えています。
 (大幅な地方分権をすれば、属国のままでは、中央政治家がやることがなくなってしまうはずだからです。)

って事らしい。
 参政権賛成派はどんな思考の結果であろうが無条件で許せないって人が多いよね。
 それだけ外国人(特に中国人と朝鮮人)が怖いって事なんだろうけど。
 騒いでる人達の言うように参政権を与えると本当に日本は乗っ取られちゃうもんなの?
<ζζΓΓ>(同上)

 乗っ取られる…かどうかは受け入れ開始から云十年先になってみないとなんとも言えない。「人口減を食い止められる」レベルの数を受け入れるなら、当面は移民区域近隣の生活環境や就学環境は日本人にとっては悪くなるだろうね。
 日本人逆差別の固定化が進行する。
 そして移民のうちの大多数はそのまま一つの下層階級を形成するようになるだろう。
 深刻な社会問題に発展すると思うよ。
 移民に関しては当面封印でいいでしょ。
 英国と大陸欧州諸国の情勢をウォッチしつつ、日本国内で広く国民的議論に発展するよう動いていくのがよいのでは。

 英語も読めず話せず、特別なスキルもなく、環境が悪くなっても自由にそれを避けうるほど資産は無い。
 そういう属国民の私見としては中朝韓人が怖いということに加えて(なぜ怖いと思うかは後述)戦後日本人の統治能力の無さを知っていればこそ、さ。
 是々非々を指摘して法の下の平等を推進する気風能力が社会一般にない。

 ついでに言うと明治以来、日本の政体はまともな官僚人事ができない。
 つまり選挙民が政治家を通じて官僚を自由自在に馘首できない。
 頂点(首相)に最も最高機密情報が集まり、ナンバー2以降は各分野にいるものの情報アクセスはその権能に応じて限定される、という構造が整備できていない。
 これじゃあ政府が国防・外交部局双方をきちんと統制することは不可能だし、外交や戦争開始と終了もしっちゃかめっちゃかだ。
 それは暴力装置の統制ができないことと同根で、それがために大日本帝国は滅んだ。
 で、その是正はまったくされていない。
 舞台が日本本土限定になっただけの話で戦前からなにも変わっちゃいない。
 よりひどくなってる。

 で、なぜ怖いかというのは結局ここに係ってくる。
 非イスラムであろうが、ホッブス的世界の住民を馴化するのは、国内治安においても暴力装置(つまりは軍事)による担保が必要だと考えるわけなんだが。
 しかし敗戦以来、国内治安の究極の担保たる暴力装置の頂点にはなんと外国軍=米軍サマが鎮座していらっしゃるわけだ。
 つまり国内で官僚以外に、米軍サマに媚び、チクり、権力利権を増大せんという別集団が誕生するだろうね。これは何しろニューカマーが中心なので露骨にマフィア化するのではないかな。
 「左」には民族差別というマジックスペル、「右」には在日米軍。
 「日本人を叩きのめしたアメリカ人のイコン」を常にチラつかせる。
 敗戦以来日本が外交で中朝韓にされてきたことをこれまた日本国内で拡大再生産されるというわけ。

 日本国外に逃げられず、ゲーテッドシティに篭る資産もないとなれば慎重になるのですね。
 っていうか原住日本人若年者の就職もままならんし年金も不安だしね。
 自分の身の丈考えたらあんまり威勢のいいことって考えられないんだよね。
 小物すぎ属国民すぎてあいすまぬ。

 妄想をまとめると、ニューカマーは、己の権力闘争勝利のためなら日本の「独立」なんざ興味はないし、むしろ「独立派」の足を引っ張る、どころか米軍サマの手足となって率先して有形力無形力を行使して、その芽をつもうとするはず。「自立」なんかされたら大迷惑。
 これまた日本敗戦以来一貫する中朝韓の対日戦略の日本国内再演だろう。
 情報統制能力、宣伝能力において劣後する原日本人は国内においても今以上にいいようにやられて窒息することになりそうだね。
 必ず是々非々反論する努力、言説普及努力(積極的売名)等々、古来から日本人一般が外国人にそこを突かれてきたところだ。
 バンクーバーみたいなとこでプラス肩身狭く生活しなければならないとしたらそれはちっとも日本国民の幸福を増進しないんじゃあないかと想像する。
 誰のための日本国なんだかよく考えるよすがにはなる話でしょ。

<ζΓζΓ>(同上)

 日本人は引きこもりで怖がりだね。
 異質な人たちが身近に寄って来るだけで自分が変えられてしまうんじゃないかという
不安に怯えるほどアイデンティティがぐらついてるから、たとえジリ貧で身が滅びようとも気心の知れた身内だけでガチガチにガードを固めて知らない人たちとの交流を拒絶することが自分を守る最善の手段だと思ってそう。
 敗戦の自信喪失をいまだに引きずってるだけじゃないかと思うけど、もしかしたらこれが縄文気質なのか。

<ζζΓΓ>(同上)

 敗戦の自信喪失は誰でもずーっと引きずってるんじゃないかな。
 逆に引きずっていないというのはどういう状態をいうのかな。
 大多数が引きずっているから日本社会がこうなってるんでしょ。

 大体生活者レベルの不安を説得できないなら、その政策はそもそもロクなもんじゃあるまい。
 材料や論拠に不足があるってことだろう。
 まずは広範な議論さ。

 趣旨は異質な人間だろうがなんだろうがルールと慣習を守らせるだけの備えがカラクリとしてできているかいないかという疑問だ。
 備えに対する疑問表明だよ。それをして交流を拒絶するとか身内だけでガチガチに云々という感想文じゃあ、他人の文章の咀嚼ができない人間が増えているという実例なんだろうな。
 まずは国民議論って一番最初に書いてあるよ。
 (太田さん本人以外の)太田コラム読者の移民推進派の方々はなにか先鋭的すぎて違和感があるね。太田さんの尻馬に乗ってるだけだし。

 それに中朝韓に限らずそれが英米人だとしても、外国人が一定以上入ってきたならば異なる人間集団を形成しそこには権力闘争というものが発生するものじゃないかな。
 明治維新では外国勢力を介入させず日本人同士で決着させたから成功したのだろう。
 次の「独立」は果たしてどうかな?という疑問。
 すでに先の敗戦でGHQ様に女中根性をフルに発揮した挙句がこのザマ
じゃあないのかい。

 ニューカマーを背景にして、あるいはそれに取り入る勢力と土着勢力の権力闘争なんてのは日本史じゃあその開闢からして珍しくないわけでしょ。
 移民受入れとその後その可能性のひとつを指摘したまでだよ。

<ζΓΓζ>(同上)

 溶け込んで仲良くやっていく可能性を全く見ないようにしてるのは何でなんだろ。
 移民と土着民は何が何でも対立するだけのものだってはなから決め付けて
 理屈を並べてるけど、交わるのを怖がってるようにしか思えないな。

<太田>

 大いに議論をするのは結構だが、ζζΓΓクン、親(米国)のつくった無菌室に入れてもらって、外に出ると細菌に感染するからずっと無菌室にいたいって子供が駄々こねてるって感じだね。
 適度に細菌に感染して免疫力を付け、細菌との共存を図らない限り、いつまで経っても社会人にゃなれないぜ。
 親は、一刻も早く子離れしたがってるってのに、なさけないったらありゃせんぞ。

<太田>(ツイッターより)

 (コラム#4203に関し)べじたん流に整理しちゃうと、私の考えに関し、ぶれがあったり、整合性がとれていなかったりする部分が析出してくるんじゃないかとヒヤヒヤもんだ。
 私の考え、いくつかの点で過激化してきてるというぶれは確かにあるんよ。チャーチルに対する評価もそうだ。

<roma_sakamoto>(同上)

文藝春秋が普天間基地の代替として韓国で移設を引き受ける用意があると報じたよう
http://www.chosunonline.com/news/20100820000019
ですが、間違いなくガセですよねぇ?
 本当ならそれはそれで結構だと思いますが。

<太田>

 韓国が、同国内に設ける新しい米軍基地の建設費を(国内における基地移転でもないのに、辺野古並みに全面)負担できるわけないでしょうが。
 韓国内の潜在的反米軍感情の強さは日本の比じゃないんですよ。
 だから、そんなこと、韓国の大統領、間違っても言うはずがありません。

 文藝春秋なんて、週刊文春の月刊版、つまりは時期遅れに出る大衆週刊誌なのであって、トイレに入った時にでも流し読みして、一昔前だったら、頁を破って落とし紙に使うのにふさわしい程度の代物です。
 大体からして、創刊者が大衆小説家の菊池寛ですからね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8A%E6%B1%A0%E5%AF%9B
 これ↑見てご覧なさい。
 菊池がどんな「思想」を持っていたのか、一言の記述もないじゃん。


 それでは、記事の紹介です。
 オバマをイスラム教徒だと思う米国人が結構いるという世論調査結果(コラム#4203)は、米国を震撼させてる。
 
 どうしてそんな誤った認識を持つ米国人がいるのかを、「説明」使用とする試みがこれ。↓

 ・・・As for why he’s so often accused of being Muslim, the default lefty explanation is of course racism but I think it’s more a combination of his middle name, his background growing up in Indonesia, and his attempt to win over Muslim public opinion with his Cairo speech last year. And all of that gets compounded by soundbites that are taken out of context or cleverly edited to make it sound like he’s making admissions about his “true faith.”・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2010/08/20/when-is-a-muslim-not-a-muslim/?pagemode=print

 いや、とにかく一般の米国人のレベルはむっちゃ低いと自嘲するのがこれ。↓

 ・・・18 percent of Americans think the sun revolves around the earth or that only 18 percent of Americans believe all or most of what is published in the New York Times.・・・
http://www.slate.com/id/2264539/

 本日は、バトル・オブ・ブリテン勝利70周年だ。
 英空軍パイロットの3分の1が死傷したんだね。↓

 ・・・Adolf Hitler had Britain in his sights after the evacuation of British forces from Dunkirk in June 1940.・・・
 One in three of these young men - the average age of a pilot was 22 - was either killed or wounded.・・・
 The RAF defeat of the Luftwaffe is seen as a turning point in World War II.・・・
 The bravery of the RAF pilots was captured in then Prime Minister Winston Churchill's speech on 20 August 1940 when he said: "Never in the field of human conflict was so much owed by so many to so few".・・・
http://www.bbc.co.uk/news/uk-11026119

 ロマ(ジプシー)とは何かが、簡潔に説明されている。↓

 ・・・The Roma originated in India but left the subcontinent in the 11th century, perhaps following Muslim invasions. ・・・
 (Since it's thought that the Roma adhered to strict purity codes, they may also have been reluctant to mix with outsiders, making assimilation unwanted on both sides.) When the Roma arrived in Western Europe in the 15th century, local populations worried they were part of an Ottoman invasion (because of their dark skin color) and the German Reichstag of Freiberg declared them outlaws. Barred from purchasing land or joining guilds, the Roma had no choice but to move about.
 Wandering became a way of life, and the Roma fit into the European economy by selling merchandise in rural areas distant from shops. ・・・they appeared as purveyors of gossip and news, sellers of cheap wares (often made by themselves) repairers of household goods, seasonal laborers (e.g. for haymaking, pea and fruit picking, hopping); or they could function as itinerant entertainers.・・・
http://www.slate.com/id/2264504/
-----------------------------------------------------------------------------

 一人題名のない音楽会です。
 今回は、シューマンの特集です。

 ユーチューブの世界を渉猟していて、今更ながら目を啓かされたのは、シューマンの世界の奥行きの深さと豊饒さです。
 そこで、3回シリーズでお送りすることにしました。
 1回目は内田光子小特集を兼ねています。

ピアノ協奏曲 
 言わずと知れたピアノ協奏曲の最高傑作の一つ。
 リヒテル  Witold Rowicki指揮? ワルシャワ国立交響楽団 (ユーチューブにアップされた中ではイチオシの演奏。)
http://www.youtube.com/watch?v=yJ5p5E3XCQ4&feature=related 以下
 内田光子 抜粋だが高音質だし、彼女の素晴らしさを垣間見せてくれる。
http://www.youtube.com/watch?v=TOKcktvmk5o&feature=related

『謝肉祭』 内田光子 サイモン・ラトル指揮 ベルリンフィル
 信じられないほどの名演奏。特にオススメは●
http://www.youtube.com/watch?v=6udeFADF6xc&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=1NzGIvzsEfA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=527MWE8ep44&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=rbzGQ9CwBHo&feature=related

『ウィーンの謝肉祭』より「間奏曲」〜1:53 リヒテル
http://www.youtube.com/watch?v=bVKT_VbN0Ko&feature=related

『クライスレリアーナ』
 より7番'Sehr rasch' ホロヴィッツ
http://www.youtube.com/watch?v=hKjOZM8AabE&feature=related
 同上より1番 内田光子
http://www.youtube.com/watch?v=NkbS6rxT3s4&feature=fvw

(続く)
-------------------------------------------------------------

太田述正コラム#4206(2010.8.21)
<落第政治家チャーチル(その1)>

→非公開