太田述正コラム#4203(2010.8.20)
<皆さんとディスカッション(続x929)>

<roma_sakamoto>

 渋い選曲をしてきて<(コラム#4201)>、また意地の悪いと思いながらも聴き進めていったのですが、なるほど確かに違いますね。
 リバッティとジメルマンは録音状態の差を差し引いても、タッチ、音色、抑揚、違いは歴然としていると感じました。
 グレン・グールドと内田光子さんとの比較も、仰るように誰が聞いても内田光子さんの方に表現力を感じると思います。
 現代作曲家はハッキリしたメロが無くて個性を出すのが難しそうですが、聴き比べると、ここまで違いを出せるものなのか、と感心しました。
 この女性の写真、よく見かけますが、内田光子さんと言うのですね。そんなに凄い方だとは知らなかったです(笑)。
 憶えておきます。
 私にとって今、音楽はどうしても必要なものでは無くなってしまいましたが、CDの値段など変わらないし、限りある時間、どうせなら最上のものを聴きたいものです。
 ありがとうございました。

<太田>

 謙遜されてるけど、結構音楽通でらっしゃる。

<roma_sakamoto>(ツイッターより)
 
 太田さんがクラッシックが分かるのも、これまで永いこと聴いて、投資してきたからですかね。
 知識人(太田さんはこの呼び方馬鹿にしそう)にはクラッシック・ファン多いけど、忙しい中いつ聴いてるのかな?
 本と違って速読出来ないし、と福田和也氏が言ってましたっけ。
 ・・・
 クラッシックにはそれこそ同曲の競演が多く、録音ものも沢山ありますが、ガイドブックは太田さんから見て公正で役に立つと思いますか?

<太田>

 子供の頃に半ば強制的に両親にピアノを、結果的に10年間やらされただけですよ。
 中1の時にコンクールの予選に落ちたショックでピアノを止めたのですが、それ以来、音楽、とりわけクラシックにはどちらかというと背を向けた生活が続きました。
 不思議なことに、スタンフォード留学時代に若干ピアノが恋しくなり、日本の歌謡曲を日本人留学生仲間達のリクエストに応えて弾いたりするようになりました。
 ところが、帰国後しばらくしてから、再び私は音楽から遠ざかります。※
 それが長い間続きました。
 ところが、しばらく前から急にクラシックを中心とするネット・音楽三昧の生活を送るようになりました。※
 ※がどうして生じたか、それぞれその理由ははっきりしていますが、申し上げることは現時点では控えます。
 私、知識人であるかどうかはともかく、聴きながらパソコンに向かっているので、時間がとられるということはありません。

 以上が私に係る音楽の歴史ですが、私はレコードやCDで音楽を聴いた経験があまりありません。
 だから、ガイドブック類も一切読んだことがないですねえ。

<サヨク>

 roma_sakamotoさん! 「セックスを真面目にする」という表現に似て、「真面目にクラッシックを聞く」という表現<(コラム#4201)>が、ぼくにはちょっと違和感を感じてしまいます。
 (批判ではありません、念のため。太田ブログに関係無いにも関わらず、思い抑えがたく・・・)

<べじたん>

 添削お願いします。
 句点ごとのコラムへのリンクは、おいおい足していきます。
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/

<太田>

 よくできてますねえ。
 とりあえず気づいた点は次のとおりです。

国家ガバナンスの回復→国家ガバナンス<を>回復<させる> (理由:平仄を整えるため)
欧州の第一の→欧州・・・の (理由:途中から読み出した人には唐突だから)
これを縄文モードの時代と名付け→<後の2つ>を縄文モードの時代と名付け (理由:すぐ後のくだりとの整合性をとるため)
ポスト農業革命だけを→ポスト農業革命<的文化>だけを (理由:より正確な表現にした)

<べじたん>

 4階の英国にとって、米国は、3.5階くらいですか?

<太田>

 まあ、そんなところでしょうねえ。

 ところで、ちょっと気になったのですが、中南米は欧州の外延であるところ、それは第一? それとも第0? 私が聞いちゃいけませんがね。

 それでは、記事の紹介です。

 全文掲載したけど、朝日、メンゴ。
 日本政府が自国の外交・安全保障の基本に携わっていないことがよく分かるよね。
 どうせ何もやんないんだったら、石破元防衛相みたいに知ったかぶりをするよりゃ、菅首相のように無知丸出しの方がさわやかでイイ。↓

 「菅直人首相は19日、首相官邸で北沢俊美防衛相に「ちょっと昨日予習をしたら、(防衛)大臣は自衛官じゃないんですよ」と述べた。憲法66条は「大臣は文民でなければならない」と規定しており、これを知らなかったかのような発言は、シビリアンコントロール(文民統制)への理解の浅さを露呈したと批判されそうだ。
 首相は、この日開いた自衛隊の折木良一統合幕僚長ら制服組首脳との意見交換会を前に、北沢氏との雑談の中でこうした発言をした。
 意見交換会のあいさつでは「改めて法律を調べてみたら『総理大臣は、自衛隊の最高の指揮監督権を有する』と規定されており、そういう自覚を持って、皆さん方のご意見を拝聴し、役目を担っていきたい」と語った。これまで、そうした自覚がなかったと受け取られかねない発言だ。
 意見交換会を終えた折木統幕長は、記者団に一連の発言について聞かれて「本当に冗談だと思う。指揮官としての立場は十分自覚されている上での話だと、私は認識している」と語った。」
http://www.asahi.com/politics/update/0819/TKY201008190397.html

 産経みたいに悲憤慷慨してみたって始まらないさ。↓
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100819/plc1008192247017-n1.htm

 朝鮮日報特派員の卒業記事だ。
 花マル。↓

 「・・・常に「日本は大国だ」と・・・感じていた。他国に頼らなくても生きていける国だった。地域間対立もなかった。国民は誠実だった。明治維新のように国家システムを変えさえすれば、いつでも大国になり得る体力を備えている。そんな日本をどうしたら克服できるか。100年前に傷つけられた国の魂をどうしたら回復できるか。
 日本列島をめぐりながら、過去ではなく未来を見詰め、短所より長所を取り入れることが、韓国にとってよいのではないかと感じた。・・・
 島国日本はゆがんだ歴史観を持っていても成り立つが、文明と勢力が交錯する半島韓国は、過去に執着し、隣国と反目するほど、国家の基盤が崩れてしまう。100年前もそうだったし、100年後もそうであるはずだ。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100818000048

 米国の一般国民の知的レベルの低さには改めて呆れちゃうな。↓

 A Pew Research Center survey showed that nearly 20 percent of Americans believe that President Obama is a Muslim (he is not), and only one-third of Americans believe he is a Christian (he is). ・・・
http://newsweek.washingtonpost.com/onfaith/undergod/2010/08/president_obamas_religion_does_your_presidents_faith_matter.html?hpid=talkbox1

 その米国は、今、先の見えない経済不況のまっただ中にある。
 米国は、第三世界に転落しかかっていると米国のコラムニストが言い始めた。
 私のコラム読んだはずはないが・・。↓

 ・・・In a recent cover story titled "So long, middle class," the New York Post presented its readers with "25 statistics that prove that the middle class is being systematically wiped out of existence in America." Last week, the leading online columnist Arianna Huffington issued the almost apocalyptic warning that "America is in danger of becoming a Third World country."・・・
 the real unemployment figure jumps to more than 17 percent.
 In its current annual report, the US Department of Agriculture notes that "food insecurity" is on the rise, and that 50 million Americans couldn't afford to buy enough food to stay healthy at some point last year. One in eight American adults and one in four children now survive on government food stamps.・・・
 In 1978, the average per capita income for men in the United States was $45,879 (about 35,570EURO). The same figure for 2007, adjusted for inflation, was $45,113 (35,051EURO). ・・・
 In 1979, one third of the profits the country produced went to the richest 1 percent of American society. Today it's almost 60 percent. In 1950, the average corporate CEO earned 30 times as much as an ordinary worker. Today it's 300 times as much. And today 1 percent of Americans own 37 percent of the total national wealth.
 Income inequality in the United States is greater today than it has been since the 1920s・・・
 Some 61 percent of Americans have no financial reserves and are living from paycheck to paycheck.・・・ 
http://www.spiegel.de/international/zeitgeist/0,1518,druck-712496,00.html

 売春目的での女性の国際売買に象徴される、発展途上国の女性差別問題こそ、21世紀における最大の倫理的課題ってのは確かにその通りだな。
 日本は、この点では発展途上国に属することが示唆されている。
 国恥じゃー。↓

 ・・・If the supreme moral challenge of the 19th century was slavery, and of the 20th century the fight against totalitarianism, then, they write, "in this century the paramount moral challenge will be the struggle for gender equality in the developing world".・・・
 ・・・you compare the slave trade at its peak in the 1780s, when there were 80,000 slaves transported from Africa to the New World, and you see there are now 10 times that amount of women trafficked across international borders,・・・
 They widened their net from China to India, Korea, Japan and then Africa.・・・
 "We realised there was a societal attitude that doesn't allow women to be active members of society, that doesn't treat them like human beings. That's the link: the disregard of women as human beings."・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2010/aug/19/women-slavery-half-the-sky

 ヨルダンまでも自由民主主義度において退行しちゃった。
 イスラム世界はどうしょうもないね。↓

 ・・・Jordan's autocratic trends led the non-governmental group Freedom House to downgrade it from "partially free" to "not free." ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/08/19/AR2010081902955_pf.html
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太田述正コラム#4204(2010.8.20)
<イスラエルのイラン攻撃論争(その5)>

→非公開