太田述正コラム#4086(2010.6.22)
<グラマー(性的魅力)について(その3)>(2010.7.22公開)

 (4)反グラマーの戦後

 「・・・<先の大戦>の後、グラマーの敬意からの失墜は続いた。
 1950年代のクリスチャン・ディオール(Christian Dior<。1905〜57年。フランスのファッション・デザイナー
http://en.wikipedia.org/wiki/Christian_Dior (太田)
>)のニュー・ルック(New Look)
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4SUNA_jaJP315JP315&q=Christian+Dior%EF%BC%9BNew+Look&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=eaogTMVMh99xkff8GQ&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CDEQsAQwAA (太田)
の影響(impact)により、階級とエレガンスが参入し、グラマーは悪趣味(tacky)に見え始めた。
 エリザベス2世(Elizabeth II)の戴冠
http://www.google.co.jp/images?um=1&hl=ja&rlz=1T4SUNA_jaJP315JP315&tbs=isch%3A1&sa=1&q=Elizabeth+%E2%85%A1%3Bcoronation&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=&aql=&oq=&gs_rfai= (太田)
は古風な女性らしさ(femininity)の諸形態への懐旧の念を呼び起こした。
 女性向け雑誌はお姫様達や貴族の女性達の儀式的衣装に取り憑かれるに至り、階級、社交界への初見参達、そしてへりくだり(deference)の寿命が延びることとなった。
 家庭向け雑誌は、ピンナップ写真、ピンナップ・ヌード、或いはソフト・ポルノ雑誌の裸同然のモデルを次第に強く連想させるようになったために汚されたところの、グラマーという言葉の使用を避けるようになった。
 「自分を安っぽく見せないようにしなさい」というのが、1950年代末に化粧品による作り変え(cosmetic makeover)に心が傾いた娘達に対して多くの母親達から与えられた忠告だった。・・・
 毛皮は、環境的かつ倫理的に疑わしい存在となり、唇は青白い色合いへと白くなった。・・・」(B)

 「・・・しかし、ダイハウスのグラマーについてのビジョンは、ほろ苦い味わいを残す。
 彼女は、シモーヌ・ド・ボーボワールが彼女の古典である『第二の性』(1949年)<(コラム#3965、4039)>で主張したような、女性が自らを客体化しているとのフェミニストによる苦情、及びグラマーへの投資が「家父長制と資本主義によって育まれたところの「誤った意識」の「一形態」であるとする苦情、に対して論争を挑む。・・・」(E)

 (4)グラマー復権へ

 「・・・1980年代の英国では、鉄のレディ(Iron Lady)<たるサッチャー>が舵取りをしていたが、肩パッドと大きなアレックス・コルビー(Alexis Colby<。米国のTVドラマシリーズ『ダイナスティー』に1981〜89年の間登場したところのジョーン・コリンズ(Joan Collins)によって演じられた配役
http://en.wikipedia.org/wiki/Alexis_Colby (太田)
>)髪
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4SUNA_jaJP315JP315&q=Alexis+Colby&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=yasgTJaqMo7RcZy_nWA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CC8QsAQwAA (太田)
と床に突き刺さるような鋭いハイヒールが、女性の自己主張と手を取り合って闊歩するようになった。・・・」(E)

 「・・・グラマーもまた、時代の検証に耐えうるのだ。
 20世紀の終わりまでには、二人の女性のおかげで、グラマーは従来になく好ましい(desirable)ものとなった。
 ダイハウスは、ダイアナ妃(Princess Diana)
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4SUNA_jaJP315JP315&q=Princess+Diana&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=Cq4gTPL9DIe3ccG89Co&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CDIQsAQwAA (太田)
とマドンナ(Madonna)
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4SUNA_jaJP315JP315&q=Madonna&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=o60gTJnZKcOrceifvUM&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CDcQsAQwAA (太田)
にとっては、グラマーとは、「伝統的な女性らしさへの期待に直面してこれに反抗的態度をとることと密接に結びついた演技」だったと主張する。
 チャールス王子がTVインタビューで浮気を告白した翌日にダイアナが着た、黒の肩丸出しの「リベンジ・ドレス」にせよ、マドンナのハリウッド的グラマーと攻撃的な街のスタイルのフュージョンにせよ、どちらの女性もグラマーの変形的力を自分自身のために最も良き形に充当したのだ。・・・」(E)

→このあたり、私がつけたサービス典拠は、ウィキペディア以外は、写真なので、ぜひクリックしてご覧下さい。(太田)

(続く)