太田述正コラム#4137(2010.7.18)
<皆さんとディスカッション(続x896)>

<太田>(ツイッターより)

 どうして、本丸である日本の属国性そのものを問題にせず、周辺的なことばかりに目を奪われるのだろうか。
 日本の「独立」なくして、記者クラブ制や官房機密費を通じた政治家とマスコミの癒着の抜本的な解消を図ることはできない。

<jaguar321>(同上)

政治家とマスコミこそ、属国でいたい派。

<bonkers_blunder>(同上)

要領のいい日和見主義の吉田ドクトリン信者たちがずっと日本を牛耳っているわけです。
 日本の属国状態に怒る学生さんたちはどこにいるんでしょう?
 徒然なるままに(その3)
http://blog.ohtan.net/archives/50954839.html

<宮里立士>

 太田述正様、<私がお送りした、秦郁彦の、(開戦後における)1942年インパール作戦前倒し実施説が掲載されている懇談の抜き刷り(『昭和史の論点』文春新書(2002年3月)143〜147頁)>ご受領の連絡に<添えて>、・・・<この資料をもとにお書きになったコラム#4134>「大東亜戦争たられば論」<(未公開)>をお送り下さり恐縮いたしました。
 少しはお役に立てたようでうれしく思いました。

秦さんのインパール作戦前倒し論。読んだとき、なるほどと思いましたが、「そんなにうまくペルシャ湾まで行けるか?」「その戦線を保持できるのか?」とも感じました。
 ご高論を拝読し、納得いたしました。

<太田>

 コラム#1249で「1942年ないし1943年の段階で、仮にボースの協力を得た形で日本軍がインパール作戦を実施していたとすれば、成功した可能性が高い、と考えられている。」と記したところですが、私自身はそうは思っていなかったということです。
 なお、コラム#4134には改めて記さなかったのですが、日本の敗北が決定的になってからインパール作戦が決行されたことを私は無駄だった、だから同作戦で亡くなった日本人兵士達は犬死にだった、とは全く思っていない(同じコラム)ので、念のため。(コラム#264も参照のこと)

<宮里立士>

 昭和天皇が戦争責任を問われ、「そういう文学方面のアヤは解りません」とかわした<(コラム#4135)>のは、自分などにはそうとうすごい言い返しだと思っておりました。
 敗戦後のいわゆる「天皇メッセージ」(アメリカの沖縄長期占領を望んだといわれるもの)も、その文言を注意深く読めば、当時の状況から考えると、昭和天皇がぎりぎりで沖縄を日本領として護ろうとした高等戦略だったと思います(政治学者のエルドリッヂが論証したものがあります。『沖縄問題の起源』名古屋大学出版会)。
 これを単純に「天皇は沖縄をアメリカに売った」というふうに口汚く罵るひとは、単にそのひとの政治的幼稚さを露呈した反応だと感じております。
 講和後、そして復帰後の沖縄の現状は、「主権者」の日本国民および日本政府(自民党)の判断によるものだと思います。

<太田>

 私自身、昭和天皇(や今上天皇)を高く評価しているわけですが、私としては、もっと単純に、歴代天皇の行動原理は、「日本のため」ではなく、「天皇制を維持するため」である、と解しています。(コラム#省略)
 だからといって、歴代天皇の行動は「日本のため」ではなかったということには必ずしもなりません。
 天皇制が維持されてきたことが結果的に日本のためになってきた、と私は考えているからです。

<切り開く青空人>

 米軍基地排除方法を考えてみました。
 米軍基地を排除するためには、日本はこれだけのことを現実的にやらなければなりません。
 アメリカ依存の外交を辞める場合の今後の外交の方向性を掲載しています。・・・
http://www.enpitu-aozora.jp/kategorie/usk.html

<太田>

 当面、日本がそんなに沢山のことをやる必要なんてありません。
 現在、自衛隊は軍隊として使われることを全く想定されていません。
 政府憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を解禁すれば、自衛隊は即名実ともに軍隊となり、それだけで自由民主主義陣営の軍事力強化に大いに貢献することになるのですよ。
 ああ、そうそう。
 米軍基地を排除するったって、全部排除する必要はないし、第一全部排除しちゃったら、日米安保の信頼性は大幅に低下するよ。
 米空母機動部隊だけは残すべきだろう。

<FUKO>

 太田さんの縄文・弥生モード論と同じようなことを中西輝政氏(京都大学教授)が言っています。
http://www.kepco.co.jp/insight/content/column/column001.html
 また、それと正反対のことを中村忠之なる人が言っています。
http://joumon-juku.com/index.html
 中西氏の論に対する中村氏の反論↓
http://joumon-juku.com/help/23.html

<太田>

 どうもありがとう。
 さっそく、現在上梓中の「縄文モード・弥生モード論をめぐって」(コラム#4136〜(未公開))に反映させましょう。

<Lくん>

 <コラム#1059>「on the job training・実学・学問(その1)」<を読み>ました。http://blog.ohtan.net/archives/50954774.html#comments

 はじめまして。。。

 スレ違いでしたら、申し訳ないのですが・・・少し疑問が払拭できなかったのでコメントいたします。。

 構造計算偽造事件において、結局、検察が捜査を止めてしまったのは全国の下請け会社が関わっていたことなどが理由として挙げられるのでしょうか。。。
 極端なファンタジーな例ですが、例えば、首都直下型の地震が発生した場合に、姉歯氏の建物は壊れなかったが、他の企業の建造物は崩壊したなどという不都合な真実を隠すためにも、国民の不安を和らげる形で幕を閉じられたというわけでしょうか。。。
 また、このようなことを考えるのはナンセンスで杞憂でしょうか。。。

P.S.それから個人的に、小嶋ヒューザー社長は頭が良かったのではないかなと思いました。。。

<太田>

>構造計算偽造事件において、結局、検察が捜査を止めてしまった

 典拠は?
 私は、単純に構造計算偽造なんてほとんど行われていない、とふんでいるんですがね。

<TU>

 <米欧関係が悪いというコラム#4135に関し>何かの例として使えれば…

【通貨】仏首相「アングロサクソンの新聞信じるな」 ユーロの安定性を強調[10/07/16]

 来日中のフィヨン仏首相が16日、都内で講演し、ギリシャの財政危機を契機とした欧州単一通貨ユーロの信用不安について、「問題は(ギリシャの)債務であり、単一通貨の脆弱性ではない」と強調。ユーロ圏全体の財政状況はおおむね健全で、ユーロの安定性が損なわれることはないとの考えを示した。
 フィヨン首相はまた、「アングロサクソンの新聞を読むだけでは欧州連合(EU)がどう機能しているか理解できない。フランスやドイツの報道を見てもらえば、よりバランスの取れた見方ができるはずだ」と語り、米英で根強い欧州統合への懐疑論に反発。EUが分裂に向かうとの見方を否定した。
 最近のユーロ安については、「ユーロはかつて過剰評価されていた」などと述べ、現在の為替水準は適正だとの認識を示した。
 一方、日本とEUとの自由貿易協定(FTA)締結交渉に関し、鉄道や医薬品の分野で日本の市場開放が進んでいないことが障害になっていると指摘した。

□ソース:産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100716/erp1007162253006-n1.htm

<太田>

 ドイツのシュピーゲル誌(英語版)も読んでるけど、ユーロ危機に関し、アングロサクソンの新聞と見方は大差ないぜ。↓
http://www.spiegel.de/international/business/0,1518,705590,00.html

<マロン>

 細かいことですが…。

 <コラム#4132(未公開)の>Zelaya大統領の発音は「セラヤ」です。

<太田>

 サンキュー。

 ・・・The surname 'Zelaya' (pronounced 'Selaya' in Latin American Spanish) ・・・
http://en.wikipedia.org/wiki/Manuel_Zelaya


 それでは、記事の紹介です。

 日本がこの中に登場しないことの異常性を噛み締めていただきたい。
 少なくとも、韓国の現右派政権及びそのシンパくらい、日本に取り込む日本での動きに余りケチをつけるべきじゃないぜ。↓

 「・・・ 哨戒艦「天安」沈没事件が国連安全保障理事会などの国際舞台で議論される際、注目を集めるのはいつも米国と中国で、被害当事国の韓国は常に脇役だ。しかも、その存在感すら徐々に薄れつつある。中国は、攻撃を仕掛けたのは北朝鮮だという事実を容認する一方で、議長声明に北朝鮮の名を明記させず、北朝鮮に警告を促すための西海での韓米合同軍事演習も事実上、有名無実化してしまった。米国と中国がこのような形で話し合いを進める中、韓国がその話し合いに口をはさむ余地は、今も昔もほとんどない。・・・
 安全保障を取り巻く状況は、100年前も60年前もほとんど変わっていないようだ。
 現在、北朝鮮は中国なしには存立自体が成り立たない状況にあり、韓国も米軍無しには戦争を防ぐ力はないという不安が残っている。つまり南北双方が、米国と中国の保護国になっているということだ。
http://www.chosunonline.com/news/20100717000033

 米国の黒人問題は深刻化の一歩を辿っている。↓

 ・・・ In 2008, 72 percent of African American babies were born to single mothers, a rate almost one and a half times that of Hispanic Americans, two and a half times that of non-Hispanic whites, and four and a half times that of Asian Americans.・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/16/AR2010071602877_pf.html

 ナチスによるホロコーストにはドイツ人の女性達も積極的に協力していた。↓

 ・・・The Nazi killing machine was undoubtedly a male-dominated affair. But according to new research, the participation of German women in the genocide, as perpetrators, accomplices or passive witnesses, was far greater than previously thought. ・・・
 There were up to 5,000 female guards in the concentration camps, making up about 10 percent of the personnel.・・・
 Only 1 or 2 percent of the perpetrators were women, according to Ms. Lower. But in many cases where genocide was taking place, German women were very close by. Several witnesses have described festive banquets near mass shooting sites in the Ukrainian forests, with German women providing refreshments for the shooting squads whose work often went on for days. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/07/18/world/europe/18holocaust.html?ref=world
 
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 一人題名のない音楽会です。

 今回は、ベートーベン小特集の第一回目です。

 ※小学生の時、随分弾き込んだ懐かしい曲

エリーゼのために クレイダーマン(編曲・演奏) 原曲について、ユーチューブ上に碌な演奏がアップされていないのはどういうわけか。それともこの曲、実は難関曲なのか?
http://www.youtube.com/watch?v=9jGZbheKpgc&feature=related
悲愴ソナタ※(お急ぎの方は、第1楽章だけどうぞ) ホロヴィッツ
http://www.youtube.com/watch?v=weEYNgeHyDA 以下
ソナタ第12番 第3楽章(葬送行進曲) ミケランジェリ
http://www.youtube.com/watch?v=XWCtihHdmxU&feature=related
月光ソナタ※(お急ぎの方は、第1楽章だけどうぞ) ブレンデル 
http://www.youtube.com/watch?v=M4b-PHPuwiM&feature=related 以下
テンペスト・ソナタ※
同上 第1楽章 Tzvi Erez
http://www.youtube.com/watch?v=RPsdBk9dykg&feature=related
同上 第3楽章
 グールド  余りにも速いけれどとにかく凄い演奏
http://www.youtube.com/watch?v=-sBTAfpr21I&feature=related 
 ケンプ   テンポも情感も非の打ち所がないが、年齢から来るミスタッチが気になる
http://www.youtube.com/watch?v=LfjD-DQ5REk&feature=related 
 Tzvi Erez ユーチューブ上におけるこの曲の楽章の最高の演奏か
http://www.youtube.com/watch?v=RPsdBk9dykg&feature=related

熱情ソナタ
同上 第1楽章 ホロヴィッツ
http://www.youtube.com/watch?v=uowUCwMiz54&feature=related 以下
同上 第3楽章 
 ホロヴィッツ 華麗な演奏
http://www.youtube.com/watch?v=FqeTFgFuVQs&feature=related
 ブレンデル 格調の高い演奏:私はこちらの方が好み。残念ながら彼による第1楽章はアップされていない。
http://www.youtube.com/watch?v=OAGgiEGV_tg&feature=related

(続く)
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太田述正コラム#4138(2010.7.18)
<縄文モード・弥生モード論をめぐって(その2)>

→非公開