太田述正コラム#4133(2010.7.16)
<皆さんとディスカッション(続x894)>

<太田>(ツイッターより)

 (コラム#4131に関し)日本は自分で属国になったということを押さえておかないと、現在の日本の政治・社会状況、何も分からないよ。
 自分の顔を鏡に映してつらつら眺めなくっちゃ。

 (コラム#3914に関し)戦間期において、米国の経済政策がいかにダメでいかに日本のそれが適切だったか、それだけとっても、当時12歳の少年だったのがどっちかは明らかだ。

<γΓΓγ>(「たった一人の反乱」より)

 おーたん、<コラム#4131での>雁屋氏への反論、乙カレーでございます。
 こういう反論は、おーたんの思想ポジションが明確にされるので、読者としては有意義です。

 ところで、雁屋氏の文章・・文筆家であるにもかかわらず・・は読みにくくなかったですか?
 わたしゃ、以前、雁屋氏のブログを読んだ時、論旨があっちこっちに飛んで、よく分かりませんでした。
 平均的日本語能力が、私には無いのかと、げんなりしました(笑)。

<太田>

 雁屋サンには大変失礼ながら、彼の文章を読んでいて、1980年代初めに信頼醸成措置に関する国連の政府専門家会議に出席していた時、第三世界の政府「専門」家達の、論旨が飛ぶ、そして同じ論旨が繰り返される、しかもどの論旨もアブない長広舌を次々に聞かされてげんなりした記憶がフラッシュバックしましたね。
 だけど、雁屋サン、できのよいお子さんをお持ちで何よりです。

<植田信>(2010.7.14〜15)http://8706.teacup.com/uedam/bbs

 --対米従属の点では、自民党も民主党も変わりない、という戦後の日本問題--

 ・・・久しぶりに太田述正氏のディスカスを拝見しました。892そして、久しぶりにスカッとする正論を見た気分になりました。
 ここです、

 「・・・ご承知のことと思いますが、立党以来、政権の座に座り続け、吉田ドクトリン墨守中枢として、日本を米国の属国たらしめ続けてきたという点で、自民党こそ戦後日本における売国政党の最たるものである、というのが私の考えです。
 そのような日本である以上、「独立」しない限り、日本に米国以外の国に売国する自由などない・・宗主国米国が認めるワケがない・・のですから、ご心配になど全くおよびませんよ。」

 したがって、民主党が売国党になどなりようがない、と太田氏が指摘しています。戦後の日本は、すべてアメリカの管理の中にいるのだから、と。
 まったくその通り。

 それでも、沖縄の海兵隊は日本から消える可能性はある、と。
 太田氏のサイトの閲覧者が次の貴重な記事を紹介しています。

http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/07/12/okinawa-marines-out-says-barney-frank/?mod=wsj_share_twitter
 この記事には、日本語の訳文つきです。

 「フランク議員は7月10日、米ナショナル・パブリック・ラジオの取材に対して「沖縄に1万5000人もの海兵隊は必要ない。沖縄に駐留する海兵隊は65年前に終わった戦争の遺物に過ぎない」と述べた。」

 以上、全文はここです。
http://blog.ohtan.net/archives/52003344.html

 太田氏の説では、日本が今、アメリカから自立する方法は、集団的自衛権の行使を法的に認めること、です。
 これだけで、よし、と。
 カネはいりません。
 必要なのは、国会での決議です。

→必要ありません。首相の決断だけで可能です。(太田)

 しかし、根強い反論があります、
 「そんなことをしたら、日本はアメリカの戦争に巻き込まれる」と。

 それでも消費税の問題と同じように、いつかは、誰かが、つまり、日本国の首相が正面から口にする必要がある問題です。

 鳩山前首相は、普天間基地移設だけを口にして失敗しました。
 そこに、日本は集団的自衛権の行使を認める用意がある、と追加していればどうなっていたでしょうか。県外・国外移設に成功したかもしれない、となったかもしれません。

 確かに「アメリカ軍の駐留は抑止力として意味がある」と鳩山前首相が学習しました。
 追加すべきは、日本が自衛権の行使を放棄している限りにおいて、でした。

 しかしこの問題は、消費税よりもはるかに根が深いです。
 戦前の日本軍の総括を、全国民的にクリアしてからでないと、踏み込めません。

→まさに、それも自分でやろうとしているのですが、なかなか思うにまかせません。(太田)

 今のところは、消費税くらいでなんだかんだと言っているのが、時代の流れです。
 ・・・
 さきほど紹介したように、太田述正氏によると、権力政党だった時代の自民党こそが売国政党だった、ということです。

>立党以来、政権の座に座り続け、吉田ドクトリン墨守中枢として、日本を米国の属国たらしめ続けてきたという点で、自民党こそ戦後日本における売国政党の最たるものである、というのが私の考えです。

 太田氏は防衛庁出身のかたなので、主として、安全保障面での戦後日本の対米依存のことを指しています。太田氏の言葉では、「アメリカ丸投げ」です。
 主権国家の存立の基盤は国家の安全保障にありますから、ここが外国であるアメリカに依存している戦後の日本が、他のもろもろの領域においてもそうなることは、いわずもがな、です。経済しかり、学位しかり、等々。・・・

 ・・・
 戦後の日本が対米従属しているという点では、今では日本人にコンセンサスが出てきました。それゆえに、鳩山前首相の口から、「日米対等」という言葉が出てきました。
・・・
 戦後の日本が「対米従属」から解放される鍵<は、>・・・太田述正氏的には、具体的には、日本は集団的自衛権の行使を認めればよい、ということになります。

<太田>

>戦後の日本が対米従属しているという点では、今では日本人にコンセンサスが出てきました。

 そうは全く思いません。
 現時点でも、そのような認識を持っている日本人は、共産党シンパを除けば、ほんの一握りでしょう。

<じゃがー>(2009.8.6)http://buzz.goo.ne.jp/item/cid/9/pcid/7098250/tab_flag/3/

 入江 隆則『海洋アジアと日本の将来』<の読者評>

 ・・・吉田ドクトリンの採用により外交・安保を米国に丸投げした日本が、現在身動きが取れない状況を著者は憂う。
 日本人には縄文モードと弥生モードがあり、平時は縄文風に緩やかに過ごすが、危機感が高まると一斉に弥生モードに切り替わり体制転換をやってのける力があるとの指摘は太田述正氏と同じで興味深い。

<太田>

 ここ↑に一人(二人?)いた!
 しかも、縄文モード・弥生モード論についてもご同朋がいたってわけだ。
 心強いねえ。

<うーさん>(2008.6.1)http://www.freeml.com/peace/532

 --北京五輪中止?--

 ・・・太田述正コラム<#2514(2008.4.28)>(2008.6.1公開)から北京五輪中止?の原因結果グラフを整理しました。
 私が知らなかったこともありますが、大局的には同意見です。

 (原因結果グラフ)
中共は自前で欧米向けの広報戦略を策定する能力が不足
 ↓
Weber Shandwickという広告会社に五輪招致戦略の策定を依頼
 ↓採用した広報戦略は
「中共に開催権を与えれば、中共は様々な面で改善されることだろう」
 ↓ところが
人権面での改善が殆ど見られない、いやむしろ後退気味
 ↓そこへもってきて
チベット騒乱&ダルフール事件 (共に人権問題)  
 ↓ 巧妙な親チベット・グループの広報戦略
 ↓  ↓  
 ↓  ↓ 欧米の黄禍論の伝統&冷戦の相手という記憶
 ↓  ↓  ↓
自由民主主義諸国が反中に転じる
 ↓
米国では中共はイランとイラクに続いて嫌われる国
 ↓
北京五輪中止?


 原因結果グラフの最初は、中国は文明国ではない、親チベット・グループは文明国の構成員である、ということでしょう(私見)。餅は餅屋。

<太田>

 それでは、記事の紹介です。

 韓国を巡って、自由民主主義陣営と非自由民主主義陣営が激しい綱引きを行っている、という認識を読者諸君は持って欲しいんだな。
 19世紀末と同じなんだぜ。↓

 ・・・China is already South Korea's largest export destination, and the bilateral trade is larger than the total trade South Korea has with the US and Japan combined. In the first four months of this year, the trade volume skyrocketed 48% over the same period last year・・・
http://www.atimes.com/atimes/China/LG16Ad02.html

 イランを仮想敵国とする事実上のイスラエル・アラブ軍事同盟が既に成立しているとさ。↓

 Israel and the Arab states near the Persian Gulf recognize a common threat: the regime in Tehran. A regional diplomat has not even ruled out support by the Arab states for a military strike to end Iran's nuclear ambitions.・・・
 The Jews and Arabs have been fighting for one hundred years. The Arabs and the Persians have been going at (it) for a thousand・・・
 Almost all Arab neighbors have a hostile relationship with the Islamic Republic. Saudi Arabia suspects Iran of stirring up the Shiite minority in its eastern provinces. The Arab emirates accuse Iran of occupying three islands in the Persian Gulf. Egypt has not had regular diplomatic relations with Iran since a street in Tehran was named after the murderer of former Egyptian President Anwar el-Sadat.
Jordanian King Abdullah II warns against the establishment of a "Shiite crescent" between Iran and Lebanon. And Kuwait, fearing the Iranians, installed the Patriot air defense missile system in the spring. ・・・
 On June 12, The Times in London wrote that Saudi Arabia had recently "conducted tests to stand down its air defenses to enable Israeli jets to make a bombing raid on Iran's nuclear facilities" -- in the event of an attack on the nuclear power plant in Bushehr. In March, Western intelligence agencies reported that there were signs of secret negotiations between Jerusalem and Riyadh to discuss the possibility.・・・
 Next to Jordan, the UAE is the only Arab country with soldiers deployed in Afghanistan -- fighting on the side of the United States. ・・・
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,706445,00.html

 そのような背景の下、米国とイスラエルは、対イラン攻撃に向けて着々と準備を整えつつある。↓

 In late 2006, George W. Bush met with the Joint Chiefs of Staff at the Pentagon and asked if military action against Iran's nuclear program was feasible. The unanimous answer was no. ・・・
 Gates is sounding more belligerent these days. "I don't think we're prepared to even talk about containing a nuclear Iran," he told Fox News on June 20. "We do not accept the idea of Iran having nuclear weapons." In fact, Gates was reflecting a new reality in the military and intelligence communities. ・・・
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,2003921,00.html
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太田述正コラム#4134(2010.7.16)
<大東亜戦争たられば論>

→非公開