太田述正コラム#4061(2010.6.10)
<皆さんとディスカッション(続x859)>

<文十郎>

 素人の素朴な疑問その2です。
 (リンク先は<前回の>発言と同じですので省略しました)

 日米安保条約の第五条を見ると
 「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」
と、ありますから離島(日本領土)に侵略があっても米国軍が行動するように思えます。
 (ただし、米国憲法にどう規定されているか分かりませんが)

 それが、日米同盟になると
 「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応する。
 これらの目的のために、日本の防衛態勢は、2004年の防衛計画の大綱に従って強化される。」
 明らかに「米軍は戦いません」と言っています。
 全体を読むと、米軍は「守りません」が「抑止」して「支援」します、と言っています。
 この理解で正しいでしょうか?

<太田>

 何度も申し上げているように、日本の領域における武力攻撃があった場合、安保条約上、米国が自動的に参戦する義務があるわけではありません。
 そのことはさておき、米国が参戦した場合といえども、自衛隊が存在する以上、米軍におまかせで自衛隊は何もしないというわけにはいきません。
 では、自衛隊と米軍は、各種状況においてどのように役割を分担するのでしょうか。
 ご指摘の日米同盟なる文書から、BMD・・端的に言えば在日米軍基地へのBM攻撃対処ですな・・及び日本の領域におけるテロリスト的攻撃への対処は、自衛隊がメインとなることが分かります。
 おっしゃるように、その場合、米軍は自衛隊を「支援」するわけですが、日米がかかる共同対処態勢をとること(宣言すること)によって、この種攻撃も「抑止」されることになるわけです。
 「支援」だって日本を「守」ることに変わりはないのであって、日米安保と日米同盟との間に矛盾はありません。

<Fat Tail>

 --太田述正観察日記I:太田(中将)はこんなに可愛い!(最終回)--

九、慈母たる太田(中将)夫人
 さて前回、熱心な読者の中にこそ、太田(中将)に一方的に入れ込んでしまい、それが高じて合理的な説明が付かないような行動やコメントが見られるケースを扱ったが、これも太田(中将)の可愛さに意識的あるいは無意識的に魅入ってしまうからだろう。
 お茶目なルックスとその可愛らしさを武器とし、かつ女性に大甘とくれば、独身時代は意外ともてたかもしれない。
 そんなモテ男太田(中将)のハートを射止めた太田(中将)夫人も興味深い。
 あまり夫人の話はコラムで登場しないのだが、考えてみればこれほど心の広い女性も珍しいのではないか。
 というのも、本来であれば得られたはずの退官後の「隠れ年金」を棒に振ってしまうような太田(中将)を夫に持っているのだから、夫人は慈母のような方だと私は勝手に想像してしまっている(1*)。

十、終論
 これまで計6回に渡り、太田(中将)の可愛さを中心に、主に太田コラムからの抜粋という形で論を進めてきた。
 これを寄稿しようと思い立った理由は、過去に太田コラムを読んでいる過程で気付いた点を都度書き留めていたものが、ある程度の分量に達したことに気付き、この際せっかくだから太田(中将)と他の読者にも供しようと考え、「【たった一人の反乱】太田述正【非公式FAQ】」(2*)に既に取り纏められている「太田諸論」とは重複しないような個所を選び、アレンジし直した。
 他の読者に太田(中将)の可愛さ(=実直さ、健気さ、人に対し公平に接する気高さ)を再認識していただけたのなら、大変嬉しい。
 また、太田(中将)には、無料読者の中にも太田コラムを斜め読みせずに十分咀嚼している人間(3*)がいることを汲み取っていただき、少しでも今後の執筆活動の励みとしていただけるのなら、これに勝る喜びはない。


1*:しかもここ数年、取材や講演以外は、パソコン(自宅あるいは事務所)の前に座りっぱなしの夫なのだから、夫人の胸の内も是非伺ってみたいものだ。
 それに加え、夫人が太田(中将)のコラムの読者なのか、知りたいところだ。やたらセックスネタやオルガズムネタを取上げる夫のコラムを、夫人が真剣に読んでいると想像すると、何やら物凄い夫婦に思えてくる。
2*:http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/
 何の金銭的利益ももたらさないのに、こうした「人物評論」を寄稿している私が言うのも何だが、労苦を厭わずにこのページを運営している管理者は、大分変っている。
 Webは、人間の行動のインセンティブは、金銭欲だけではないことの例証の宝庫だ。
 ようやく続編も公開される、映画「Wall Street」の名台詞にかけて言えば、”Greed is good, but there must be better things in life.”、といったところか。
3*:さらに、吉田ドクトリンの弊害やアングロサクソン論に感化され、知人友人にも太田コラムを事あるごとに薦めているのだが、多くの人は斜め読みや摘み食いするばかりで、定期的に読むようにはならず、残念ながらあまり拡がりと深化をみせない。
 彼らの内、少なくない人間が高い感度と意識を持っているにも関わらず!
 日本の独立達成の遼遠を思う。

(完)

<太田>

 どうもお疲れさま。
 I(元の字は禁則文字なので変えました)というのだから、II以下もあるということですね。
 期待して待ってましょう。

<太田>(ツイッターより)

 「太田コラムに多大なる貢献をされてるべじたん、Fat Tailご両名のアイデンティティーは、私にも皆目見当がつかない。皆さん、プロファイリングやっていただけません?」

<ミュンヘン>

 「Fat Tail」とGoogleに入れて調べてみただけですが、Fat Tail α(ファット・テール・アルファ)さんでは?
http://fattailalpha.at.webry.info/
 違っていたらごめんなさい。

 理由
 (1)ブログの中に太田さんの名前があります。
 引用開始
134. アメリカ人ポートフォリオ・マネージャーとの対話 2009/11/03 12:10
http://fattailalpha.at.webry.info/200911/article_1.html
 ・・・但し、こんなことに付き合わされているアメリカは、心底うざったい思いをしいているし、日本の政府および当局に対し(太田述正氏の表現を借りれば)軽蔑の念を一層強くしていることだろう。

130. 日本の現実的シナリオ_属国・ゼロ近辺成長・「国債バブル」の継続  2009/10/28 00:22
http://fattailalpha.at.webry.info/200910/article_1.html
 ・・・アメリカの保護領(属国)に甘んじ続ける
 解釈改憲による集団的自衛権の認定に踏み切らず、引続き外交・防衛をアメリカに丸投げし、属国の地位に甘んじ続ける。
 (貶められ続ける、ということではないのがポイント。太田述正氏が指摘している通り、これは吉田ドクトリンを国是とし、日本が選択した結果であるということ。)
・・・
引用終わり

 (2)池田信夫氏の名前も見られます。
131. 池田信夫氏にでも突っ込んでほしい、櫻井よしこ氏のこの言説 2009/10/28 01:36
http://fattailalpha.at.webry.info/200910/article_2.html

 (3)「ネーミング」は少し気になるようです。
14. 名付けは難しいが、ABとBAはやめてくれ 2007/12/08 00:00
http://fattailalpha.at.webry.info/200712/article_15.html

 あまり強力な証拠ではありませんが、とりあえず参考まで。

<太田>

 さっそくお調べいただき、ありがとうございます。
 状況証拠的には、無限にクロに近い灰色って感じ(失礼!)ですねえ。
 プロファイリングができたとなると、ズバリ、アイデンティティーを知りたいなあ。

 それにしても、べじたんさんのガードは堅そうですね。


<βΨβΨ>(「たった一人の反乱」より)

 太田さんが最も苦手にしているのが「経済」。
 経済と安全保障を組み合わせて。日本独立を語ったらかなり説得力があるような気がする。
 サブプライムローン問題の時に、避難所として外国は円を買ったわけだから、それなりに日本に発言権があっても良いのでは。
 太田さんが軍事専門家の兵頭二十八氏と組んだのは、軍オタ以外にはほぼ意味がないと思う。
 太田さんが経済人・経済アナリストと組むと面白いかな。

<ββΨΨ>(同上)

 つーか日本に、組むに値する経済アナリストなんかいないだろ。

<太田>

 Fat Tailサンがプロファイリング通りに経済アナリスト的生業に従事してるとすると、ひょっとして、(一方的にではあるが、)もう組んでるのかもよ。

<βΨΨβ>(同上)

 <ΨββΨクン(コラム#4059)、>そのとおりだな。「右」の妾根性もいい加減にしろと。
 「左」の反米志向もまた、現実が見えていれば(太田説と結論が相違するような)ああいう頓珍漢なハナシにはなるまいに。
 思うに「左」の惰弱さが「右」やら「自民党的なるもの」を相対的に「より現実的」に見せてきたんだろうな。

 次の「民主党あるいは社民共産党的なるもの」に国民が心底幻滅したとき、「擬似左右=属国志向守旧派」が共に滅ぶ。
 とにかく国民が「戦後」に幻滅を極めないと次のフェイズに移行できない。
 それは時間の問題なんだがね。どれくらいかかるのかは見当がつかないな。

<太田>

 それでは、記事の紹介です。

 (例によって横並びで)菅内閣発足に係る世論調査結果が載っている。
http://www.asahi.com/politics/update/0609/TKY201006090513.html
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E2EBE2E1818DE2EBE2E4E0E2E3E29C9CEAE2E2E2
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819481E2EBE2E0848DE2EBE2E4E0E2E3E29F9FEAE2E2E2;bm=96958A9C93819481E2EBE2E1818DE2EBE2E4E0E2E3E29C9CEAE2E2E2
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100610k0000m010112000c.html

 中共は、台湾に関しては本気で米国に喧嘩を売っているようだ。
 中共サンよ、まだ、ウン十年早いぞ、・・ちゅうより、永久にそんなこと諦めた方がいいぜ。
 逆立ちしたって米国を含む先進自由民主主義陣営にゃ勝てないからさ。
 モチ、自由民主主義化すりゃ、話は別だけど、今度は台湾問題なんて根っこから解消するもんな。↓

 A senior Chinese admiral delivered a three-minute “rant” to 65 visiting US officials in Beijing last month, in which he said that US arms sales to Taiwan proved that Washington viewed China as an enemy.
 Since then, US diplomats and US Secretary of Defense Robert Gates have tried to portray the remarks by Rear Admiral Guan Youfei (關友飛) as at odds with the thinking of the rest of the Chinese government.
 But・・・Washington Post・・・reporter John Pomfret interviewed a wide range of experts, officials and military officers in China who indicated that Guan’s speech on May 24 as part of a two-day US-China Strategic and Economic Dialogue represented the mainstream views of the Chinese Communist Party.・・・
 Repeating Guan’s words, Major General Zhu Chenghu (朱成虎) told Gates: “You, the Americans, are taking China as the enemy.”
 Zhu rose to prominence in China in 2005 after he warned that if the US came to Taiwan’s defense in a war with China, Beijing would abandon its “no first use” doctrine on nuclear weapons and attack the US・・・
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2010/06/10/2003475134 

 韓国は、38度線での宣伝放送再開に向けて着々と準備を整えつつあるんだねえ。
 問題は、本当に、そしてその場合、いつ放送を再開するかだ。↓
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2010/06/10/2010061000312.html

 結論的には、哲学者は結婚するな、するならソクラテスに倣ってクサンチッペを娶れってことのようだな。↓

 「・・・男性の攻撃性は10代後半から20代後半にかけてピークを見せる訳ですが、これはちょうど男性が繁殖活動に入る時期と一致しています。・・・
 人間の文化に見られる、自然界で生き延びていくのに必要なレベルからかけ離れた極端に高度な芸術や学術活動も、もともと男性が女性に対し性的な魅力をアピールするディスプレイから発展したものではないかという説があります。・・・
 男性の業績は比較的若い年代をピークにしてその後急激に落ち込むパターンが見られること、女性の業績は概して少なく年齢による大きな変化は見られない、という殺人者の分布と似たパターンが見られました。 ・・・」
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20100531/107273/
 「結婚したテニスプレーヤーは、結婚前の順位や勝率・・・が、結婚した後ではいずれも下がっていました。・・・
 男性科学者たちに関しても、生涯独身だった人は年をとっても業績のレベルが落ちないのですが、結婚すると数年のタイム・ラグを置いて業績が急速に落ちていきます。・・・」
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20100601/107290/?bpnetml

 ニュートンとアインシュタインはアスペルガー症候群だったのか否か、それが問題だ。↓

[説の1]
 ・・・Researchers at Cambridge and Oxford universities believe・・・Albert Einstein and Isaac Newton・・・displayed signs of Asperger's Syndrome. ・・・
 Passion, falling in love and standing up for justice are all perfectly compatible with Asperger's Syndrome・・・
 What most people with Asperger's Syndrome find difficult is casual chatting - they can't do small talk.・・・
 ・・・people with the syndrome can excel if they find their niche in life. ・・・
[説の2]
 One can imagine geniuses who are socially inept and yet not remotely autistic・・・
 Impatience with the intellectual slowness of others, narcissism and passion for one's mission in life might combine to make such individuals isolative and difficult.・・・
 Einstein was regarded as having a good sense of humour - a trait not seen in people with severe Asperger's.・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2988647.stm

 インターネットの普及で米国人は一層非人間主義的になりつつあるってさ?
 ホントかよ。↓

 ・・・college students today are about 40 percent lower in empathy, measured by standard personality tests, than their counterparts 20 and 30 years ago. The biggest drop occurred after 2000, coinciding with the rise of online communications and social networking・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/06/08/AR2010060803734_pf.html
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太田述正コラム#4062(2010.6.10)
<ジェームス・ワットをめぐって(その1)>

→非公開