太田述正コラム#3889(2010.3.16)
<皆さんとディスカッション(続x774)>

<AT>

(コラム#3887の私に対する返答に関して)私のような者でも太田さんのお役にたてると知り、嬉しく思います。
 述べ忘れましたが、「小学生」と「大人」の違いは、「軍隊の有無」とか何とかとご理解ください(「雑」ですみません)。確かに「小学生」は極端ですので、「高校生」ぐらいだとまだましだったかも知れませんね。
 蛇足かもしれませんが、件の例えは、かつて話題となったいわゆる「田母神論文」↓から着想を得たものです。

 「私は日米同盟を否定しているわけではない。アジア地域の安定のためには良好な日米関係が必須である。但し日米関係は必要なときに助け合う良好な親子関係のようなものであることが望ましい。子供がいつまでも親に頼りきっているような関係は改善の必要があると思っている。」
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

というか、実を言いますと、コラム#3887のような「雑」な理解の仕方に対して、お叱りを受けるとばかり想像・想定していました。
 その時、反論に用いようと考えていたのが、コラム#3662〜「再び人間主義について(その1〜3)」です(この一連のコラム自体は、身近な実例が挙げられていないせいかいまいちピンときません)。
 これを用いて、私が「全体」を観ることに対する正当性(太田さんを説得する為の、の意)と妥当性(日本人を説得する目的に関する、の意)の根拠とするつもりでした。
 まあ、私は単に自分が(太田さんの属国論が)分かりにくいと考える部分を説明する為に先の例を挙げただけで、反論云々は完全に後付けなのですが、考えてみると、私がこういった「全体」を俯瞰しようと考えること自体、私がコラム#3662〜の「アジア人」の典型例であることを示しているのかもしれません。

 それはいいとして、太田さんの論は、いわゆる「右」・「左」、「反米」・「親米」などの従来的な見方では全く理解することが出来ません。そういう意味でも、また人間主義理論に則る意味でも、いわゆる「右」・「左」、「反米」・「親米」などを含む「全体」としての論述が、あらゆる場面で欠かせないと思うのですが、いかがでしょうか。

<太田>

 あなたの結論の部分は分かったしそのとおりだと思うけど、そこに至るまでの論理がよく分かりませんでした。
 ギブアップ。
 投稿する前に時間を置いてもう一度読み返したり、第三者に読んでもらったりしたらいかが?

<οοββ>(「たった一人の反乱」より)

≫つまり、以前私が述べたように、米国の政府には権威がなく、国民から信頼されていないからこそ、暴力の極限形態である殺人が米国では日常茶飯事なのだ(コラム#3694)、というわけなのです。≪(コラム#3826。太田)

 なるほどねぇ。
 「許されざる者」でよく言われるのは、保安官リトル・ビル・ダゲットはビル・クリントンのことで、銃規制に反対するメッセージがこめられてるってのがあるけど、それについてはどう思いますか。
 ついでにイーストウッドは97年に作った「目撃」で不倫の末、殺人を犯す大統領の役を、「許されざる者」と同じ保安官役のジーン・ハックマンにやらせてます。これもビル・クリントンではないかと言われてます。

<太田>

 「よく言われる」とか「と言われてます」たって、どちらも典拠付けなくっちゃ。
 前者、少し調べてみたけど、それらしき話、出てこなかったぜ。
 いずれにせよ、この映画だけからしても、イーストウッドが米国の現状を好意的に見ていないことは明らかであり、銃規制にも反対するわけないように思うけどね。
 と思って検索かけたら、すぐ出てきたわ。↓

 ・・・I<(=イーストウッド)>'ve always supported a certain amount of gun control. ・・・I think it's very important that guns don't get in the wrong hands・・・
http://www.imdb.com/name/nm0000142/bio

 いくら2ちゃんだと言っても、でたらめ投稿すんな!

 ところで、
 ・・・Though he(=イーストウッド)> has lapsed out of organized religion, he practices meditation twice a day.・・・(同上)
なんだね。
 ますます彼に好感持ったな。

<οβοβ>(同上)

 比較的新しい西部劇はテンポもよく(昔の作品はテンポ遅い)面白いので、個人的には大好きだったな。
 ヤングガン、ワイルドバンチ、シルバーラード・明日に向かって撃て(カテゴリーが違うか?)・・・等々他にも沢山名作が揃っているが、西部劇は日本では流行らないので、直ぐ打ち切りになる。
 以前映画館ビルにテナントで入っていた関係で、配給会社の知人がたくさんいたのだが、作品は良くても早く行かないと打ち切りになるんで早く観なさいと券を渡されたのだが、案の定 すぐ終わっていたのが多い。
 そんな配給会社も斜陽化し、どんどん撤退しているのは寂しい限り。みんな組合活動しているな・・・。
 で、「シルバーラード」という結構有名な、黒人のカウボーイが殆ど主人公の佳作映画があるが・・。

<太田>

 『シルバーラード』ね。評論対象候補にさせていただきます。

<コバ>

 景気後退にもかかわらず、世界で兵器の取引が大繁盛しているようです。

『The worldwide arms race has accelerated, most dramatically in South America and south-east Asia, despite the economic and financial slump, according to a report published today.

The average volume of arms sales increased by 22% over the past five years, compared to the previous five-year period, says the report by the Stockholm International Peace Research Institute (SIPRI). The last two of these years were marked by worldwide economic turbulence which has far from stabilised, yet the arms trade is booming, it finds.』
http://www.guardian.co.uk/world/2010/mar/15/worldwide-arms-trade-flourishing-recession

 こんな絶好の商機に参加できていないであろう日本、経済を最優先の国柄にしてきた歴史が泣くのではないでしょうか。日本が安全保障を放擲してきたことは、対テロ、対犯罪、人命保護のための技術革新にも影を落としているように思います。

<太田>

 基本的に同意ですが、武器貿易の話、近々『ロード・オブ・ウォー』の映画評で取り上げるつもりなので、そちらをご覧下さい。無料読者の方は、そのコラム公開まで一ヶ月強待ってね。

<οββο>(同上)

 「朝日新聞社が13、14の両日に実施した全国世論調査(電話)によると、鳩山内閣の支持率は32%で、前回調査(2月20、21日)の37%から下落した。不支持率は47%(前回46%)だった。」
http://www.asahi.com/politics/update/0315/TKY201003150319.html

 えらいことになりましたなあ。普天間基地の移設先を決めるあたりで内閣が吹っ飛んでしまうかもな。
 どのような決定内容になってもケチのつけどころがあるわけで、メディアがケチをつけたい人のところへマイクを持って行って、決定内容を連日、批判させるだろうからな。

<太田>

 ?!?!?!?!?!↓

 「・・・政府内では平野氏を中心にシュワブ内に滑走路を建設する「陸上案」や米軍ホワイトビーチ(沖縄県うるま市)と沖合の津堅(つけん)島の間を埋め立てる案が検討されている。だが、「すでに報道されている両案では地元の反発が強く、まとめるのは容易ではない」(官邸筋)のが現状で、徳之島案が新たな有力案として浮上してくる可能性がある。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100316/plc1003160131000-n1.htm

 「・・・米政府関係者は日本の当局者に対し、政争ばかりで統治能力がない政情不安な小国に対する卑称を使い、「日本は『バナナ共和国』だ。安全保障の交渉などできない」とぼやいている・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100315/plc1003152018012-n1.htm

<Ueyama>

≫言葉が軽いとか多重人格的とか言われたくなければ、最初から、今回のように、「理想」と「セカンドベスト」とをきちんと仕分けして書くことです。≪(コラム#3887。太田)

 「「富の再配分、どうせならベーシックインカムにしようよってんならあまり文句はないですし」(#3879)」

 これって普通は「セカンドベスト」だと言ってると思いませんかね。。

<太田>

 私がいかなる人間であるのか、そしてそんな私がコラムを何のために書いているのか、を誤解していたあなたが、その私に向かって、「あなたは私の文章を誤解してる」と文句つけたって始まらないのでは?
 これ、結構あなたにとって深刻な問題ではないかな。
 一つには、既に申し上げているようにこの双方向の誤解が生じた原因は一つであってあなた自身の側に原因があるのではないかということと、もう一つ、様々な形であなた、私と太田コラムを誤解しつつも(?!)太田プロジェクトを支援してくれてきた・・Thank you very much!・・ところ、それを含め、あなたは、ご自身語ったように、大いに各種「自発的再配分」をやってきたんだろう・・エラい!・・が、その哲学にもひょっとして問題あるかもよ。
 「自発的再配分」は「慈善」とか「社会的貢献」とか言い換えてもいいが、前にコラムに書いたように、それらをやることは人間にとって極めつきに楽しいことなのであり、そういう意味においてこそ、それらはまことに利己的な行為なのである、と思った方が私はいいと思うな。

<Ueyama>

≫いずれにしても、まだまだ(フリードマンの箇所なんか)典拠不足だけどね。≪(同上)

 ・・・ueyamaは議論をしているつもりはないので、これは当たり前ですね。

<太田>

 議論であろうとなかろうと、私信であろうとなかろうと、第三者の考えを紹介する時には、自分のため(誤りなきを期すため)にも、またこの考えを紹介される側の便宜のためにも、典拠を示すように心がけた方がいいってこと。

 それでは、その他の記事の紹介です。

 40億ドルねえ。
 それほど巨額とも思わないが、北朝鮮の人々から見れば信じられないほどの巨額なんだろうね。↓

 North Korean leader Kim Jong-il has US$4 billion hidden in secret accounts in European banks to continue his lavish way of life if he is forced to flee the country・・・
 Much of the money was held in Swiss banks until authorities there began to tighten regulations on money laundering.・・・
 Kim's operatives then withdrew the money -- in cash, in order not to leave a paper trail -- and transferred it to banks in Luxembourg・・・
 Swiss banks kept customers' account information in closely guarded secret even in the case of criminals until Switzerland signed information exchange agreements with the U.S., France and other countries after the G20 summit in London last April warned that sanctions could be imposed on nations that refuse to cooperate.・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2010/03/16/2010031600233.html

 温家宝発言(コラム#3887)にクルーグマンが激しく噛みついてる。↓

 ・・・on Sunday Wen Jiabao, the Chinese prime minister, declared ? absurdly ? that his nation’s currency is not undervalued. (The Peterson Institute for International Economics estimates that the renminbi is undervalued by between 20 and 40 percent.) And Mr. Wen accused other nations of doing what China actually does, seeking to weaken their currencies “just for the purposes of increasing their own exports.”
But if sweet reason won’t work, what’s the alternative? In 1971 the United States dealt with a similar but much less severe problem of foreign undervaluation by imposing a temporary 10 percent surcharge on imports, which was removed a few months later after Germany, Japan and other nations raised the dollar value of their currencies. At this point, it’s hard to see China changing its policies unless faced with the threat of similar action ? except that this time the surcharge would have to be much larger, say 25 percent. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/03/15/opinion/15krugman.html?ref=opinion&pagewanted=print