太田述正コラム#3883(2010.3.13)
<皆さんとディスカッション(続x771)>

<AT>

≫あのー、私が日本は「独立」すべきだ、日本を「独立」させたい、と思っていることはご存じですよね。≪(コラム#3881。太田)

 よく存じております。
 戦前の再評価を図った著作は、これまでにも多数出ております。
 その多くは、戦前の「軍」や、民族主義的な文脈で語られる「日本人」に対する再評価であるように見うけられます。
 これに対して太田さんは、「民主主義国家としての日本」という新視点で再評価をするのだと想像し、必然「民意」がキーワードになると考え、質問した次第です。

 「『防衛庁再生宣言』140〜147」に関してですが、「日本人向けプロモーション」としては、やや難解であると感じます。「自分と同じような存在として平均的他者を見」ているだけなのかもしれませんが。

<太田>

 「自分」は私でもあるかも。いやー、一本とられましたね。
 Chaseさんの手で、戦前の日本の自由民主主義関連の私のあちこちでの記述を一纏めにしていただけるでしょうから、それを次著の一つの章へと作り上げる過程で、記述を見直したいと思います。
 Chaseさんからもご意見をお聞きしたいですねえ。
 何たる怠惰な「革命」家って怒られそうだな。

<Ueyama>

≫私は「革命」家・・≪(コラム#3881。太田)

 以前から太田さんは自分のことを「革命家」だとおっしゃっていましたけど、本気だったんですね。半ば本気、程度かと思ってました。もちろん別に商売人だとは思ってませんでしたけど。
 そして、

≫私の現在について言えば、年金だけでは餓死しかねないので、本当は一刻も早く全コラムを以前のように無償に戻したいところ、やむをえず、便宜的に一部を有料にし、ただし有料コラムの大部分(名誉毀損やプライバシー侵害の懼れのないもの)についても、一定期間後公開することにしている、ということです。≪(同上)

 うーん、今まで「「革命のため」の資金を寄付してくれ」と(裁判云々じゃなく)堂々と言って有料読者制度なし、寄付のみでメールマガジンを配信していた時代ってありましたっけ? 
 もしないようなら、一度是非そうしてみてほしいところです。
 太田さんが生活するくらいの金なんてすぐ集まりませんかね。甘いのかなぁ。
 「本当は一刻も早く全コラムを以前のように無償に戻したいところ」とおっしゃるなら、「革命」のためにも自由に活動していただきたいところです。

<太田>

 甘い甘い。

 それはそうとして、「大欲は無欲に似たり」という言葉があるけど、私が「革命」なんて大欲を抱いていることも、私が、餓死しないでインターネットアクセスさえできりゃいいという物欲・金銭欲が欠如している人物であることも、分かってくれる人がほとんどいないんだな。
 ホント困ったモンです。

 なお、私、「革命」家だって言っても、(本日配信予定のドローンなる、一見バーチャルな兵器についての非公開コラムをぜひ読んで欲しいが、)ディスプレー画面の前に座って時々(ドローンのオペレーターにとってのジョイスティックならぬ)キーボードをさわっているだけの一見バーチャルな、時代の最先端を行ってるカウチポテト「革命」家なんだよね。

<Ueyama>

 自発的再配分に関しては、知人の反応を「平均的他者」ではないのか、という例として出したんですけど、全く話がかみ合っていませんね。
 金持ちはモノホンのバカじゃないんだから、本当に社会が崩壊する危険を感じりゃ「自発的」にやるはずだ、というのが多くのアナルコキャピタリストやリバタリアンの発想です。
 これって太田さんがおっしゃるようないわゆる「性善説」なのかなぁ。ueyamaはそうは感じないんですけど。単なる自己防衛の範囲内で、社会が崩壊すりゃ生きていけないなんて脳みそついてりゃ誰でもわかることでしょう。

<太田>

 話は完全に噛み合ってます。
 「社会が崩壊しない」ということ自体が公共財であり、公共財にはただ乗りしようとするというのが「平均的他者」であって、あなたやあなたのお友達は、特異なヒトなんです!

<Ueyama>

≫実質個人経営の中小企業なんて、脱税のやり放題であるのが実情です。 あなた(や私・・エヘン!・・)と違って、平均的他者はそんなもんです。≪(同上)

 いやいや、もちろんそんなことは承知の上の発言で、また全く的外れな答えで、こちらの日本語力の問題ですかね。もうしわけないです。
 ueyamaはベーシックインカムをやるなら所得税・相続税・法人税なんてなくして消費税だけにし、消費税は相当程度高く累進的にすればいいんじゃないかと直感的には思いますが(ゲッツ・ヴェルナー等)、所得税の累進率をもっと引き上げるべきだ、という意見(ウォーレン・バフェットやビル・ゲーツ等)もあります(所得税に頼ると所得隠しの源泉になりそうですけど)。
 基本的には給付を、ついでに税制もシンプルにしよう、という話は負の所得税もベーシックインカムも同じなんです。
 そして、所得を厳密に追いかけようなんてすると、相当程度の手間と人員、つまり費用がかかるだろうことは「経営者(の名を借りた自由業)」だからこそ当たり前のようにわかっていることです。
 太田さんは個人事業主ですけど、ueyamaは一応法人ですから。いわゆる「中小(零細(笑))企業」ですよ。もちろん元お役人様ではありませんけど。

 それに、ベーシックインカムが、実施が難しいだけで、負の所得税と同じ程度には「特異な個人的主張」ではないことは、英語版でも日本語版でもどちらもベーシックインカムのほうが詳細に記載されていることからも伺えるのではないでしょうか。

<太田>

 負の所得税と違って、(低所得者への生活保護を始めとする諸給付の一本化と言える)ベーシックインカムなんて、地方レベルで試行されたことすらないじゃないですか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E

 それはともかく、あの箇所はちっとばかし舌足らずだった。
 私は、あの箇所で、ベーシックインカム自体を問題にしたわけではなく、負の所得税にせよ、ベーシックインカムにせよ、その財源は(自発的再配分だけじゃ全然足らないので)基本的に税収に求めざるをえないことから、租税論を展開しなければならないというのに、(自発的再配分を主張しているためか、)あなたがそれを行わないばかりか、所得の捕捉が困難であることだけを指摘したことを咎めて、所得が捕捉できないという現状が異常なんで、それを改めりゃいいじゃないか、と申し上げたワケ。
 (あなた、租税論について、今回、ようやく後出しで消費税への一本化論・・またまた特異な主張・・を持ち出してきたけどね。)
 以上を踏まえて、もう一度あの箇所を読み返してごらん。話が噛み合ってるの分かるから。

<Ueyama>
 
 どうも「私(太田さん)と、更には平均的読者の貴重な時間を空費した」ようなので、「空気を読んで(笑)」こっちの舞台からは退散することにします(別にueyamaにとってはそうでもなかったし、だったら「そもそも答えなく(メルマガに転載しなく)たっていい」んですけどねぇ。そんな義務はないんだから)。
 また、上記のような理由でめんどくさいので典拠は一切参照しませんでした。

<太田>

 とにかく、「自発的再配分」論は止めて欲しいな。
 あなたはもともとアナキストであると自称してたけど、「自発的再配分」をするボスを中心に形成される集団が、互いに仁義なき殺し合いを続けるところの、現実世界ではソマリア、空想世界では『マッドマックス2』を連想しちゃって、何ともクラーい気持ちになっちまったよ。
 ずっと前にもあなたに「ディスカッション」上で示唆したことあると思うけど、そんなにアナキズムがお好みなら、日本型経済体制を江戸時代以上に徹底し、天皇だけ残して、政府機能を完全に外部委託しちゃう方がまだマシだと思うね。
 その場合、当然、ヤクザの皆さんにも司法・警察機能を大幅に担ってもらうことになるけど・・。

<T.T>

 突然トヨタ擁護症状の発端
http://www.fox40.com/news/headlines/ktxl-news-jamessikesinvestigated0311,0,4677651.story

 この症状も一応,NHTSAの調査結果を待った方が... 。

<さぶ>

 普天間の現行計画容認を一時明言 首相、米大使に
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031101000964.html

 私も政権交代前、小沢を過大評価していたから頭を丸めなきゃいけないんですが……。
 鳩山総理と、小沢総理と、どっちがマシだったんですか?

 鳩山マネー 民主21議員へ5500万円 落選中の14人 養われた? 07〜08年 しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-03-12/2010031215_01_1.html

<太田>

 鳩山首相も岡田外相も平野官房長官も首相の現行計画容認発言をやっきになって否定してるけど、
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010031201000836.html
そういう発言をしてたとしても誰も驚かないでしょう。
 とにかく、お示しいただいた後の方の記事からも、首相が嘘つきであることは歴然としてますからね。
 鳩山と小沢とどっちが首相になってた方がよりマシだった?
 どっちも現世利益追求亡者だけど、権力だけが欲しい鳩山の方が権力もカネも欲しい小沢よりちったあマシじゃないかな。

 それでは、記事の紹介です。

 愛子さま問題、外国のメディアは、露骨に書くねえ。↓

 ・・・Some commentators speculated whether her mother’s problems had made Aiko overly sensitive or emotionally frail. ・・・
 Some said Aiko’s troubles might even feed growing calls by conservatives for her father, 50, to step aside as the successor to his father, Emperor Akihito, 76.
 “Many people won’t want such an unhealthy family to become emperor and empress,” ・・・
http://www.nytimes.com/2010/03/12/world/asia/12princess.html?ref=world&pagewanted=print 

 キリスト教原理主義の偽善性ってとこね。
 米国の病理、ここにあり。↓

 ・・・evangelical Protestant teens have sex at slightly earlier ages on average than their nonevangelical peers (respectively, 16.38 years old versus 16.52 years old), evangelical Protestant couples are also slightly more likely to divorce than nonevangelical couples, and evangelical mothers are actually more likely to work full time outside the home than their nonevangelical peers. ・・・
http://www.csmonitor.com/Commentary/Opinion/2010/0312/High-divorce-rates-and-teen-pregnancy-are-worse-in-conservative-states-than-liberal-states

 妊娠がらみの死亡率の高さ。もう一つの米国の病理、ここにあり。↓

 ・・・In the U.S., we spend more than any country on health care, yet American women are at greater risk of dying from pregnancy-related causes than in 40 other countries・・・
 ・・・black women in the U.S. are nearly four times as likely as white women to die from pregnancy-related causes・・・
http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1971633,00.html

 器楽演奏を小さい時にやらせるの、ものすごーくいいことだってさ。↓

 ・・・music is little more than ear candy for the brain if it is consumed only passively・・・
 Learning to make music changes the brain and boosts broad academic performance.・・・
 ・・・spending money and time on music lessons and practice is a solid investment in mental fitness.・・・
 After a year, kids who got keyboard or voice lessons showed a 3-point IQ boost on average over the kids taking drama or no lessons at all.・・・
 In the musicians, the bundle of connective fibers that carry messages between the brain's right and left hemispheres ? a structure called the corpus callosum ? was larger and denser on average than that of their non-musical peers. The brawnier bridge was particularly notable toward the rear of the brain, at the crossing that links areas responsible for sensory perception and voluntary movement.
 It suggested not only that musicians might be able to more nimbly react to incoming information but also that their brains might be more resilient and adaptable, allowing right and left hemispheres, which specialize in separate functions, to work better together.
 Schlaug and colleagues also found that the musicians who had begun their musical training before the age of 7 showed the most pronounced differences ? suggesting an early start might rewire the brain most dramatically.・・・
 A team led by Trainor reported that in kids chosen randomly to get a tightly structured instrumental training called the Suzuki method, brain responses were two to three years more mature on average than those in children not taking music lessons.
 Electrical signals traveled more swiftly and efficiently through the brains of the Suzuki-trained kids, who also showed improved performance on tasks that required sustained attention and the ability to hold information in memory long enough to execute complex tasks ? what neuroscientists call working memory.・・・
http://www.latimes.com/features/health/la-he-0301-brain-music-20100301,0,3251510,full.story 

 中身のあるオハナシを毎日やってる人は幸せなんだって。
 皆さん、中身のある「ディスカッション」に参加を!↓

 ・・・researchers from Washington University and the University of Arizona found a correlation between feelings of well-being and the amount of time spent talking every day. Moreover, the more substantive your conversations, the happier you're likely to be. In other words, heart-to-hearts trump small talk. ・・・
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-daum11-2010mar11,0,7125128.column

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 一人題名のない音楽会です。
 今回は、「ロシアとウクライナ」の付録として、旧ソ連出身の二人の「美人」女性オペラ歌手をご紹介しましょう。
 ある女性大好き人間の読者がメールで送ってくれたユーチューブ・ファイルのURLをそのまま活用し、若干の補足をつけるやり方で、省力化を図ったことを申し添えます。

 一人目は、ラトヴィア出身のメゾソプラノのElina Garanca(1976年〜)です。 
http://en.wikipedia.org/wiki/El%C4%ABna_Garan%C4%8Da

 Aria La Clemnza di Tito, Mozart
http://www.youtube.com/watch?v=l_O_85-fYYQ

 二人目はロシア出身のソプラノのAnna Netrebko(1971年〜)です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Anna_Netrebko

 Casta Diva, Vincenzo Bellini
http://www.youtube.com/watch?v=ekuB8KMd2tU
 同じ曲の、あのMaria Callas による伝説的歌唱です。
http://www.youtube.com/watch#!v=MBW5a77wINQ&feature=fvw

 "E strano...Sempre libera" La Traviata, Verdi
http://www.youtube.com/watch?v=S9zeUAYFRVI&feature=related

 Manon Lescaut, Puccini 体当たりの「演技」です。
http://www.youtube.com/watch?v=VQC0O3j8Ttk

 Piotr Beczalaと。Im Chambre separee (intermezzo from Der Opernball), Heuberger
http://www.youtube.com/watch?v=4JdEtB2bcc8&feature=related
 同じ曲の、Elisabeth Schwarzkopfによる名歌唱です。
http://www.youtube.com/watch#!v=jd6JPUP_JXo&feature=related

 最後に、この二人の共演をどうぞ。

 Belle nuit, o nuit d'amour, the Barcarolle from Les Contes d'Hoffmann, Offenbach  (コラム#3687)
http://www.youtube.com/watch?v=wd3_8AfOFFg&feature=related
 同じ曲のAndre Rieuによるページェント的演出もご覧じよ。
http://www.youtube.com/watch#!v=Z2y2DTNUM6o&feature=related

 I capuleti e i montecchi, Bellini
http://www.youtube.com/watch?v=A_TfxQIOR8E&feature=fvw

 さあ、あなた、一体どっちの方がより美人だと思いました?
 それとも、どっちもイマイチだと思いましたか? 
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太田述正コラム#3884(2010.3.13)
<現在進行中のドローン軍事革命(その1)>

→非公開