太田述正コラム#3853(2010.2.26)
<皆さんとディスカッション(続x756)>

<憂国の龍馬>

≫どうでもいいけど、法人仕分けしたら公務員が足りなくなるんじゃないんですか?≪(コラム#3849。文責・名無しさん)

 私は公共事業の受注者として40年近く携わってきました。
 発注者は省庁、地方自治体、特殊法人などで、そこで体験し、見聞してきたことは驚くことばかりでした。
 公務員は同じ日本人の労働者なのかと思いました。
 これまで一般の方々には決して知られていないことでしたが、最近は一部メディアでも極々一部が報じられるようになりました。
 その驚くべき実態を知ったら、公務員が不足するなどという発想は決して出てこないでしょう。
 私は小泉純一郎氏を尊敬していませんが、彼が「民でできることは民でやるべき」と言ったことには概ね賛同できるのです。
 話は飛躍するようですが、今の日本の経済と雇用環境の悪化は、公務員の就労形態と彼らの勤労感覚にも起因していると思われるのです。

<太田>

 私は、日本の官僚機構が抱えている問題としては、一、「民でできることを官でやっている」問題より、二、「官がやるべきことを民にやらせすぎている」問題、そしてそれよりも更に、三、「官がやるべきことを(民はもとよりだが、)官がやっていない」問題の方が深刻だと思っています。
 一だけに着目すれば、官僚の数は減らせるでしょうが、日本の官僚数の人口比が、世界有数の低さであるのは、二と三のせいであり、二と三を是正しようとすれば、官僚の数は大幅に増やさざるをえないでしょう。
 二は、(崩れつつあるものの)日本型経済体制の下で、グローバルスタンダードにおける政府機能の相当部分を、日本では、例えば町会といった形で民が担わされているのを、責任の所在を明確にする等の観点から整理することが望ましい、ということであり、三は申し上げるまでもなく、日本が属国であることから、外交・安全保障をほとんど放擲しているところ、「独立」し、外交・安全保障を担えるだけの官僚を質量ともに確保することが望まれる、ということです。 

<後からすみません>

≫細野流解釈が正しかったとしても、・・石川議員が犯した誤記が赦されるわけではありませんよ、と指摘したわけです。ワーカリマシタデスカ?≪(コラム#3849。太田)

 初回のコメントで申しましたが、上の内容自体は論点にさえしておりません。
 そうではなくて、先生のご議論の順序を問題にしている訳です。
 お分かりにならないかもしれませんが、純法律問題(=犯意)と会計・法律問題(虚偽記載)の両方を肯定しないと石川氏の有罪は成立しません。
 そのうち、純法律問題である犯意(故意)だけを論じて、会計問題でもある虚偽記載について、当初、まったく論じておられませんでした。出発点のコラムで「会計上の観点から批判している部分については、傾聴に値するけど、筆者の専門外の指摘については読み流すほかないやね」とお書きになっていることに照らして、滑稽だと申し上げたのです。
<太田>

 私は、細野会計士の、専門知識に基づく立法論・・政治資金に係る諸資料は複式簿記で記入することとすべき・・は傾聴に値するが、彼の専門外であるところの、現在の法律(政治資金規正法)に係る法解釈論は全く傾聴に値しないよ、と言ってるんです。
 ひょっとして、立法論と法解釈論の違いをご存じない?

<後からすみません>

≫細野会計士は、・・ご自分の政治資金規正法解釈に照らせば記載すべからざること(=定期預金)を、石川議員が記載してしまっている、と指摘・・。これをもって、私は、(石川議員が有罪だと)と申し上げたわけ≪(コラム#3851。太田)

 いつのまにか、小沢氏との資金授受から、定期預金の記載に、論点を変えておられますね。
 これについても、前に書いた通りです(起訴内容がわからないので、そのままストレートに有罪になるかどうかは不明)。
 ただ、老婆心から申し上げますと、「小沢氏との資金授受の不記載=虚偽記載」としている検察の立場からは、定期預金の記載は正しい処理です。起訴内容には含まれていないと推測するのが自然だと思いますヨ。

<太田>

 私の言ってることは、以下のとおり単純明快です。

 検察の政治資金規正法に係る法解釈に照らせば、石川議員による記載(不記載を含む)には虚偽である箇所があり、本人自身がその虚偽記載が故意であることを認めたとされているのが事実であれば、同議員は政治資金規正法違反を犯している。
 他方、細野会計士の政治資金規正法に係る独特の変わった法解釈に照らしても、同会計士によれば、石川議員による記載(不記載を含む)には虚偽である箇所があり、しかも、同議員の故意性を同会計士が認定している以上、同議員は政治資金規正法違反を犯していると言わざるをえない。

 後者が起訴内容に含まれているかどうか、そもそも、検察による法解釈に照らすとそれが政治資金規正法違反であるのかどうか、なんぞ、とりあえず、私の知ったことじゃありません。

 どれだけかみ砕いて説明してさしあげても、宇宙人サマ相手だとするとむなしい限りですが・・。

<KY>

≫エ!「簿記・会計が分からな」くても「経済事犯を扱」えるの? ホントにあなたそう思ってる?≪(コラム#3849。太田)

 太田先生も、専門外だからあまり特捜部内の事をご存じないようですねぇ・・・

 (参考)「検察の正義」P37
 「私は経済事件の捜査においては簿記・会計の知識が不可欠だと思っていた。 しかし、簿記がまったくわからないという特捜検事は珍しくなかった・・・」
 「要するに、経済事件などの捜査に向いているとか、それを専門に手がけてきた人が特捜部に配属されているわけでなく、検事としての一般的な能力を評価された人が特捜部に配属されているだけなのだ。」

 元大阪高裁判事 (生田暉雄さん)が、「裁判が日本を変える!」という本の第5章で、「架空給与申請で最高裁は裏金を作っている」と書いています。 裁判所も、検察に有利な判決を出すはず・・・。

<太田>

 いや、(あくまでも彼がホントのことを言っているという前提ですが、)私の郷原ヤメ検の文章の「解釈」あたってたじゃないですか。

>簿記がまったくわからないという特捜検事は珍しくなかった 

というのだから、簿記が(ある程度)分かっている特捜検事はたくさんいた、という理解で間違いないでしょ。
 特捜部は経済事犯だけを扱っているわけじゃないから、それで十分だと思いますよ。

>検事としての一般的な能力を評価された人が特捜部に配属されているだけ

 これもそれで十分でしょう。
 必要性を感じたら、本人が勉強すればいいんですよ。
 優秀な検事なら、(法学、とりわけ私法は理系であり、)理系に強いはずだから、簿記・会計なんて簡単に身につきますよ。
 そういう人、何人も身近で見てきたから、断言できまっせ。

 なお、一番最後の一文は、本件と何の関係もないわな。

 それでは、記事の紹介です。

 だれか、歴史の真相を解明してくれ!↓

 「・・・シュワブ陸上部案については、2005年の日米協議で、訓練に支障が出るうえ、騒音被害や環境悪化が広がるなどとして、米側が拒否した経緯がある。米側はこの際、シュワブ内の射撃場が使用しにくくなることなど、技術面での難点を複数挙げた・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100226-OYT1T00010.htm

 朝鮮日報が日本語版と英語版で、それぞれ内容は若干異なれども、日本の冬季五輪での不振等をとらえて、日本そのものが草食系になってしまった等と書きました。
 シュン。
 ま、私に言わせれば、「縄文モード+属国」シンドロームってとこかな。↓
http://www.chosunonline.com/news/20100225000048
http://www.chosunonline.com/news/20100225000049
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2010/02/23/2010022300942.html 

 本日は、雑事が重なって朝から超バタバタしたけど、英米の主要メディアで紹介すべき記事がなかったので、時間を節約できて助かりました。

 明日のオフ会、1次会と3次会は、飛び入り出席も歓迎なので、思い立ったらどうぞ。↓
http://www.ohtan.net/meeting/
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太田述正コラム#3854(2010.2.26)
<米国での軍事論争2題(その2)>

→非公開