太田述正コラム#3849(2010.2.24)
<皆さんとディスカッション(続x754)>

<文責・名無しさん>

 どうでもいいけど、法人仕分けしたら公務員が足りなくなるんじゃないんですか?

≫61歳以降は新規採用者並みの給与、という考え方だってありうる。≪(コラム#3847。太田)

 それだったら天下らせてそこで「新規採用者並みの給与」でも与えといたほうがいいじゃん。
 元公務員なんだから公務員の面子とか少しは斟酌してやれよ。

<太田>

 あのさ、私、投稿者が少しは過去コラムを読んでることを前提に(ちゅうか期待して)ディスカッション書いてるんだけど・・。
 私が、日本の公務員数(地方公務員を含む)は少なすぎると言っていること、私が公務員の「面子を」大いに「斟酌して」恩給制度の復活を唱えていること、私が公務員の肩たたきの廃止はいいとしても定年の延長には必ずしも賛成していないこと、ぐらい調べた上で投稿して欲しいな。

<KY>

≫>検事・事務官・刑事は、あまり簿記・会計に詳しくないですねん。
 典拠は?≪(コラム#3843。太田)

 「私は、特捜部に所属する検事というのは、経済事件などのエキスパートで経済や簿記会計の知識経験が豊富だろうと思っていたが、実はそうではないことがわかった。
 そもそも数字が苦手な検事もいた。その事件に加わって先輩検事から、証券担保ローンに関する用語の「評価割れ」という意味がどうしても解らないという話を聞いた時には驚いた」(「検察の正義」P36〜・郷原信郎著)

 検事は簿記・会計どころか、証券・経済も知らないのですね・・・苦笑。

<太田>

 郷原ヤメ検のご経歴
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B7%E5%8E%9F%E4%BF%A1%E9%83%8E
を見ると、ご本人、数字に強いのは当たり前だし、現在コンプライアンス専門家として活躍してるようだから、相当昔から簿記・会計に詳しかったと推察されます。
 その彼が東京地検特捜部に所属していた時の所見だから、この所見が仮に正しかったとして、上記文章は、「私は、特捜部に所属する検事というのは、経済事件などのエキスパートで経済や簿記会計の知識経験が豊富だろうと思っていたが、実は<それほどでもない人が少なく>ないことがわかった。」といった具合に読み替えなければならないでしょうな。
 →当面の結論:「検事には、簿記・会計に詳しくない人も少なくない」

<KY>

≫経済事犯を扱おうと思ったら、簿記・会計が分からなきゃハナシにならんぜ。≪(コラム#3843。太田)

 太田先生、、、典拠は??w

 地方警察の知能犯刑事も、簿記学校や税務大学校へ派遣されて勉強はしていますが、、、公認会計士や税理士の資格を持っている者は全くいません(検事・警視庁などでも、資格者は極僅かでしょう? 中途採用した者はいますが・・・)

<太田>

 エ!「簿記・会計が分からな」くても「経済事犯を扱」えるっての?
 ホントにあなたそう思ってる?
 いずれにせよ、公認会計士や税理士の資格まで持ってる必要があるなんて一言も私言ってませんよ。

<後からすみません>

≫アナタが・・と言ってる(コラム#3837)ので、・・細野会計士の石川無罪論の核心部分は間違っている、と指摘したわけです≪(コラム#3845。太田)

 私は、細野氏の主張の会計部分と法律部分を分けた上で、会計部分の核心(=小沢氏からの調達と返済を収支報告書に記載する必要はない)が正しいと仮定すれば、石川議員の行為は規制法違反の構成要件を満たさない、つまり、(犯意を問題にするまでもなく)犯罪が成立しないと申し上げているだけです。

→オーマイゴッド! 私は、「小沢氏からの調達と返済を収支報告書に記載する必要はない」は政治資金規正法の細野流解釈であり、法解釈なんてのは同会計士の専門外じゃないの、と申し上げた上で、仮にこの細野流解釈が正しかったとしても、この解釈(法)を知らなかったがゆえに石川議員が犯した誤記が赦されるわけではありませんよ、と指摘したわけです。ワーカリマシタデスカ?(太田)

 起訴内容については、報道以上のことはわかりません。定期預金の誤計上を含めた虚偽記載全体が対象なのかどうかもわかりません。
 もっとも、「真偽が分からない場合は、自分の主張を正しいものとする」と宣言なさるのは御自由だと思います。
 ただし、源資を隠すために行った負債の非計上と、ルールの無知による預金の誤計上とでは、「背景事実の悪質さ」に差があると思います。

→どっちみち原資を隠すという目的に由来する話なので、両者の間に「背景事実の悪質さ」の程度に軽重はないでしょう。(太田)

≫検察に刑事処罰権限なぞない・・ので、裁判所のことを言ってることになるぜ≪

 御存知だと思いますが、刑事裁判は、検察官と被告人の攻防を裁判官が判断する仕組になっています。
 「検察の主張を批判することが、イコール、裁判所の批判になる」とは、ちょっと意味がわかりません。

→やれやれ、「刑事処罰」と書いたのは「刑事訴追」の誤りでした、と素直にお認めになればいいだけなのにねえ。(太田)

<三文ノーテクひっぴー>http://d.hatena.ne.jp/suganokei/20100224/1266983500

 世界で初めて軍事目標に限定しない無差別爆撃を行なったのは、日中戦争における日本軍の重慶爆撃だったとする説がある。
 そのあたりのことを検索していて防衛省OB太田述正氏の記事が目に入ったのだが、氏の記事によると(もっぱら wikipedia からの引用だが)、重慶爆撃が史上初の無差別爆撃とは必ずしも言えないらしい。<(コラム#520、523、831、1857)>
 ぼくも、事実がどうであったかということを検証することにはそれなりに意味があることだと思うのだけど、「あれが最初だった」「いや、その前にこれもあった」「あれは無差別じゃない」「途中から無差別になった」などなどの水かけ的議論をすることにはどうも不毛なものを感じる。
 所詮われわれは、一つの真実というものにはたどり着けないのであって、「あちらの見方」も「こちらの見方」もそれぞれにそれなりに正しいのだ。
 だから、むしろ必要なのは、「わたしはこう考えますが、あなたはそう考えるのですね」ということであり、「わたしは苦しかったし、あなたも苦しかったのですね」という相互理解なのだと思う。・・・

<太田>

 傍観者的なことをおっしゃるものですねえ。
 歴史的「真実」を見きわめるためには、歴史的「事実」を検証しつつ、それを歴史的文脈の中に位置づける必要があります。
 そして、どのような歴史的文脈の中にそれを位置づけるかは、その人その人の価値観次第です。
 あなたご自身の価値観をはっきりさせてご覧なさい。
 そうすれば、あなたにとって「最ももっともらしい」歴史的「真実」が自ずから析出して来るはずですよ。

 それでは、記事の紹介です。

 思いやり自体に反対だけど、仮に続けるとしたら、米国の総国防費の零テン何パーセントを負担する、といったやり方でもとらないと、精神衛生上良くないねえ。↓

 「二〇〇六年五月に日米合意した「米軍再編」に基づき、日本側が負担する米海兵隊の家族住宅建設費の中に、米本土からグアムへ移転する家族分まで含まれていることが分かった。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010022402000109.html

 「イギリスとユダヤ人」シリーズ(コラム#3842、3844、3846)(未公開)でとりあげた本の新たな書評が出ました。
 ガーディアンの書評らしからぬ歯切れの悪さですが・・。↓
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/feb/23/zionism-antisemitism-book

 丸ごとキリスト教原理主義化しつつある米国の共和党。背筋に冷たいものが走るねえ。
 米国の将来がホント、心配だ。↓

 If you're part of secular America ? that is, if you're an atheist, an agnostic, a religious liberal or even a mainstream believer who thinks religion should be kept out of politics and vice-versa ? then you should be very afraid of what the Republican party has in store for you in 2012.
No news there, you might say. The Republicans, as we all know, have been in thrall to the Christian right since the Reagan era. But there's something new, something more intolerant, something truly ugly in the works. ・・・
 the Republicans propose a theocracy of believers. It is an assault not just on anyone who isn't one of them, but on the American idea, and on liberal democracies everywhere.
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2010/feb/23/republicans-religion-secular-america

 この関連で、先般のIRSへの航空機テロ事件に係る下掲の記事、いやーな感じがするな。↓

 ・・・Threats against IRS employees have gone up steadily in the past five years, from 834 in 2005 to 1,014 in 2009・・・
  ・・・the National Treasury Employees Union is denouncing remarks made by Rep. Steve King (R) of Iowa, in which the congressmen calls the attack "sad," but adds that the IRS is "unnecessary" and that abolishing the agency would mean "a happy day for America."
 National Treasury Employees Union president Colleen Kelley noted that IRS employee Vernon Hunter died in the attack.
 "Rep. King's comments are inappropriate and show an appalling lack of compassion over [Hunter's] death, as well as a lack of respect for the lives of federal employees nationwide," said Ms. Kelley in a statement.
http://www.csmonitor.com/USA/Society/2010/0223/Joe-Stack-IRS-attack-All-American-rage

 へーエ、イギリスのヘンリー8世の2番目のお后のアン・ボーレンちゃん、色情狂だった可能性が高いんだ。ヘンリーもついてないねえ。↓

 A new biography of Anne Boleyn is set to claim that, far from being framed for adultery, Henry VIII's second queen may not have been innocent of the affairs for which she was sentenced to death.
 The widely held view among contemporary historians is that the charges brought against Anne ? that she committed adultery with five lovers, including her brother ? are too preposterous to be true, and were either trumped up by one political faction to do down another, or invented by Henry as a result of his desire to marry Jane Seymour, after Anne had failed to give him a son. But George Bernard, professor of early modern history at Southampton University and editor of the English Historical Review, believes that the queen could well have been guilty of some of the charges laid against her ? or at the very least that her behaviour was such that it was reasonable for Henry to assume she had committed adultery.・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2010/feb/23/anne-boleyn-guilty-adultery-biography-claims

 前段は、よく知られている事実の確認。
 後段は、私も以前指摘した話。だけど、国民皆医療保険制度の導入にあれだけ手こずっているオバマ政権を見ると、全くその通りだと思うなあ。↓

 ・・・a dual demographic and economic trend is taking place that will result in spectacular shifts by the middle of this century. The Western world will represent only 12 percent of the world’s ¬population, with Europeans reduced to 6 percent. (In 1913, a year before the outbreak of World War I, Europe was slightly more populated than China.) Economically, the West will account for around 30 percent of global output ? a level that corresponds to Europe’s share in the 18th century and down from 68 percent in 1950.
 What we are witnessing can be seen as a return to the past, with the West returning to its old place in the world before the start of China’s long process of historical decline at the beginning of the 19th century.・・・
 The US’ political institutions have aged like the country’s infrastructure. They were devised more than two centuries ago for a mostly agrarian world. Today, they need to be amended and rejuvenated. But that may not be possible, given the sacrosanctity with which many Americans regard the US Constitution. ・・・
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2010/02/24/2003466471
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太田述正コラム#3850(2010.2.24)
<自由民主主義・専制主義・資本主義(その2)>

→非公開