太田述正コラム#3721(2009.12.22)
<皆さんとディスカッション(続x690)>

<ΒηηΒ>(「たった一人の反乱」より)

 <ウッズのセックス依存症の件は、>どうでもいいくだらない論争だな。
 防衛庁OBっていう看板要らないだろ、こんな内容じゃ。

<太田>

 ブログのタイトルは、管理人のタテジマさんが、検索に引っかかりやすい言葉を選んでつけてくれたものです。
 ただ、吉田ドクトリンの矛盾が集約されていたような防衛庁にいたおかげで、戦後日本の病根が見えやすかったってことがあっただけでなく、本来、世界を相手に命のやりとりをすることがミッションであるべき防衛庁にいたから、世界について、そして人間について、深く考えさせられたってこともある。
 精神疾患に関心があるのは、人間とはいかなる存在であるか、強い関心を抱いているからだよ。

 ところで、コラム#2971で「セックス中毒は<今のところ米国の精神障害マニュアルでは障害の中に挙げられてないが、2012年に予定されている次の版で挙げるかどうか、現在検討がなされている。>」と記したけど、本日目にした記事でも、
 
 ・・・In light of Tiger Woods' extramarital trysts, "sex addiction" has been widely touted by the global media despite the fact it lacks official recognition and scientific support.・・・
http://www.slate.com/id/2239010/pagenum/all/#p2

と記されている。
 セックス中毒は、それ単独で精神疾患であるというよりは、鬱症状同様、症状ではないか、とも考えられるな。
 ウッズも薬物依存症の疑いがあるよう(コラム#3719)だが、押尾学もそう取りざたされてるよね。
http://www.cyzo.com/2009/12/post_3418.html

 ヤクが性欲を昂進させ、セックス依存症状をもたらしている可能性があるってこと。
 同様、躁鬱病者がセックス依存症状を呈する場合もある(コラム#2805)。
 いずれにせよ、はっきりしているのは、自分ではいかんともし難い、セックス依存症(状)が、この世の中に存在していることだ。

<けんちゃん>

 太田さま:
 次の項目についてのご意見を拝聴させていただければ幸甚です。

1.国家予算について:
 税収が極端に減る予想により、国債の発行額を44兆円以下いやそれ以上とかと問題になっておりますが、此れも国の負債を800兆円以上に膨らし、負債の額はますます増えるばかりです。
 お尋ねしたいのは、日本政府は大量のアメリカ国債を購入し、所持しているように聞いております。
 この国債を換金して、国家予算の不足分を補っては如何でしょうか?かつて橋本首相がこのことを口にしかけたときに、アメリカ政府の高官は顔をしかめたそうで、橋本首相は発言をやめたとの記憶があります。
 この度の経済危機、金融危機はアメリカ発で、日本を始め世界各国は被害ばかり受けております。緊急処置としてアメリカから金をいくらか引揚げることは可能でしょうか。

2. 普天間基地移転について:
 普天間基地を国外、県外(例えばグアム)に移転すると、緊急のときに間に合わないとか言う評論家が居りますが、一体何処の国が日本を侵略しようと狙っているのでしょうか。
 一説によると、北朝鮮、中国の中、長距離ミサイルは日本に照準を合わせて設置されこのような兵器が多数あると聞いております。
 若し彼らがこれらの兵器を使用すると、世界戦争の勃発は必至だと思われますし、その結果は人類の破滅を招くと考えられます。北朝鮮、中国にしてもこのような冒険は決してしないと確信できます。
 では日本が侵略されるとすれば、平常兵器によるものでしょうが、そのときは、自衛隊が対応すれば良く、また外国の支援が必要ならば、要請すればよいので、アメリカ軍が日本に駐留し続ける必要はないと思われます。
 アメリカ政府が、自民党政府と合意した案に固執するのは、あくまで金をなるべく多く日本政府から引き出す手段と考えていると思れます。アメリカの世界戦略からして、普天間基地の一つ、二つ何処に移転しようが、大したことでは無いと考えられます。是非国外/県外移転を願いたいです。  
 お尋ねは、政権が新しくなり前政権とは方針が異なり、新しい国策に従いたいと強行にアメリカに交渉は出来ないのですか、アメリカでもブッシュの政策を早期に変更しましたね。又一体何時まで日本に駐留し属国扱いとするのかとの真意を探ってはとも思います。 是非ご意見を頂戴したく、宜しくお願いいたします。

<太田>

 後者のご質問から行くと、日本に対する軍事的脅威は、日米安保と米韓安保の存在を前提とすれば、核の脅威しかありません。(テロリスト的脅威は、治安上の脅威ととらえるべきです。)
 このような、前提的な話を含め、ご質問に係ることは、このコラム上でさんざんご説明をしてきたところであり、太田ブログで直接検索をかけるなり、太田FAQで探し出したコラムを読んだりされた上で、なお、分からない点について、投稿されるようにしてください。
 前者のご質問については、日本は米国の属国ですから、米国の政府債権を一挙に相当量売却するなどという、米国政府の逆鱗に触れるようなことはそもそもできないばかりでなく、そんなことをやったら、米国の政府債権は暴落し、むしろ日本が損をしてしまいます。
 属国の話の部分はともかくとして、こんなことも、ちょっとネットでお調べになれば、出てきますよ。
 繰り返しになりますが、自助努力をされた上で投稿するようにお心がけください。

<しんご>

 <コラム#2828(2008.10.3)>「ノーベル賞がとれない米国の小説家」
http://blog.ohtan.net/archives/51295692.html#comments
<を読み>ました。

 ジョン・アップダイクは1993年ではなく、2009年1月27日に亡くなりました。
 ノーベル賞を受賞することなく死亡したことにはかわりないですが。
 最近まで、2年ごとに新作を発表していました。
 2008年には「イーストウィックの未亡人たち(未訳)」を出版し、現役の作家でした。
 現役の作家を勝手に殺してはいけません、16年も早く。

<太田>

 ご指摘ありがとうございます。
 確かに、私が件のコラムを書いた時点ではアップダイクは存命だった
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Updike
わけであり、他の誰かと混線した可能性があるものの、どうしてこんなミスをしでかしたのか、今となっては分かりません。
 (1993年というのは、トニ・モリソンが米国人としてこれまでで最後にノーベル文学賞を授与された年ですね。)
 まことにお恥ずかしい次第です。
 この誤りは、今後の反省材料とするため、訂正せずにそのままにしておきましょう。

<再有料購読申込み者>

 有料メルマガからは約半年ほど、離れていたのですが、この度復帰させていただきます。
 その間も無料公開コラムはフォローしておりました。

 この約半年の間に第一段階の革命が達成されたことによってなのか、ディスカッション(投稿)の質が上がっているように見受けられ、刺激を受けています。

<太田>

 それはそれは。
 ぜひまた、投稿なさってください。

 オフ会幹事団に成り代わって、オフ会アンケートの自由記入欄へのこれまでの書き込みをご紹介します。(太田)

オフ会がどのような内容であれば強く参加を希望しますか?

・参加者の講演が充実している内容。
・基本的に今までのように太田さんの講義のような形であれば参加したいと思っています。特に興味があるのはアングロサクソンの歴史や日本の独立、現在の政治のあり方と日本の未来のような話です。ただ、あまり安全保障の話が多い&詳しくなるとついて行けないと思います。その辺をソフトに噛み砕いて説明していただけると嬉しいです。あと、参加できなかった大きな理由は家の都合です。土曜日だと家族がいるので無理でした。平日のお昼ならいいのですが、これは厳しい注文ですね。ということで、家族がそれぞれ予定がある土曜日に開催されるのを待っています。
・太田述正氏の「講演」時間がもっと長いことと、質問コーナーで参加者のクエスチョンに太田氏が応える展開が確保されていること。
・自衛隊もしくは軍隊が必要な理由
・凡人に理解が可能なレベルの内容で、かつ十分に啓蒙されるような内容。
・太田さんや参加者と長時間議論ができるもの.予定表は白紙が一番よいと思う.経験上話題は尽きない.
・平日、仕事帰りによれるならば参加できます。

オフ会がどのような内容であれば参加を強くためらいますか?

・過去と同じ内容。
・内容には特に問題はありませんが、例えば安全保障や日本の独立には核が必要か、などという話ばかりだと引いてしまうと思います。内容というよりは、上にも書きましたが、日程が合えばぜひ参加したいと思っています。あと、会費は今のまま安い方が助かります。
・現在のように、いささか堅苦しく、マニアックな式次第を見ると参加意欲はまったく湧かない。太田コラムを知らない友人知人を誘って「布教」しようにも、あれでは逆効果だった。
・音楽など
・凡人にはついて行けないような、高度あるいは専門的な内容である場合。
・素性のわからないゲストが一方的講義形式で長時間話すもの.(名指しで申し訳ないがアニメと南京での経験より.)この人なら大丈夫そうだという保証・評判がないかぎりやるべきではない.
・土日開催の場合

上記でご回答いただいた事以外に、ご意見・ご要望がありましたら、お教えいただけるとありがたいです。

・幹事会のみなさん、頑張ってください。
・いつもブログを楽しみにしている無料読者(ごめんなさい)です。今までも興味のある記事は英語でも読んでいましたがFUKO さんとglobalystさんが翻訳してくださり、大変うれしく思っています。ありがとうございます。太田さんのブログを読むだけではなかなか個人的に自立していけないのですが、なんとか努力して行きたいなと思っています。
・普段の太田コラムから想像するに、凡人がのこのこ出張っていくと、大恥をかくか、浮きまくって気まずい思いをする羽目になると想像しております。違うのかな?
・機会があれば神戸でもやってください.旅費の調達は無理ですが,場所探しならば可能です.

 以上ですが、引き続き、下掲でアンケートをよろしく。↓
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=24100

 それでは、記事の紹介です。

 小沢幹事長は追い詰められてるね。↓
 皆さん喜べ。彼の没落は近い予感がするぞ。

 「・・・、「同じように(政治資金を)処理していた人が誰もとがめを受けない。なぜ僕だけなんだ。権力は公平公正な使用をしなくてはいけない」と改めて検察批判を展開した。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091221-OYT1T00729.htm?from=y10&from=yoltop
 「・・・その上で、「僕は田中先生(角栄・元首相)の教えを受けたから、それ以来、そのイメージでいっしょくたにされているが、そう言われるのは不本意だ」とも語った。・・・
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091222-OYT1T00095.htm?from=main6
 「・・・「内閣が判断したことについて、天皇陛下がその意を受けて行動なさるのは当然だ」と指摘。「天皇陛下にはまったくのプライベートはないに等しい。ご自身で自由にあっちこっちということはできず、その行動の責任を負うのは内閣だ」とも述べた。・・・
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009122202000109.html
 「首相になって本当にみんなのためにやれるというふうに、みなさんが思ってくれる時があれば、拒む必要はないと思う」と意欲もにじませた。
 事件の捜査進展に対抗するためにも、自身に権力を集中しておきたいという意識が働いているのではないかとの見方も出ている。・・・」(讀賣上掲)

 小沢にが勝手なことを並べ立てるのはご自由だが、天皇に関する上記発言は致命的だと思うな。
 彼、呆れるほど天皇制の何たるかが分かっちゃないね。
 そこに行くと、オバマはすごいね。
 この一週間、英ファイナンシャルタイムスは、オバマの天皇へのおじぎ写真を掲載し続けてるよ。
http://www.ft.com/arts-leisure
 オバマが2選を果たせなかったら、特別に即時帰化を認めた上で国会議員に当選させ、日本の首相になってもらいたいくらいだ。

 この「アバター」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
の映画評は重要。
 キリスト教原理主義の米国人の心の奥底には、本来のアングロサクソンの自然宗教=汎神論がわだかまっており、それにトックヴィルは気づいたってわけです。
 米国で日本のアニメがウケるのも、日本のアニメの自然宗教性による、ということになりそうです。↓

 ・・・James Cameron’s “Avatar”・・・is・・・long apologia for pantheism ? a faith that equates God with Nature, and calls humanity into religious communion with the natural world. ・・・
 If this narrative arc sounds familiar, that’s because pantheism has been Hollywood’s religion of choice for a generation now. It’s the truth that Kevin Costner discovered when he went dancing with wolves. It’s the metaphysic woven through Disney cartoons like “The Lion King” and “Pocahontas.” And it’s the dogma of George Lucas’s Jedi, whose mystical Force “surrounds us, penetrates us, and binds the galaxy together.”
 Hollywood keeps returning to these themes because millions of Americans respond favorably to them. From Deepak Chopra to Eckhart Tolle, the “religion and inspiration” section in your local bookstore is crowded with titles pushing a pantheistic message. A recent Pew Forum report on how Americans mix and match theology found that many self-professed Christians hold beliefs about the “spiritual energy” of trees and mountains that would fit right in among the indigo-tinted Na’Vi.
 As usual, Alexis de Tocqueville<(コラム#88、503、3714(未公開))> saw it coming. The American belief in the essential unity of all mankind, Tocqueville wrote in the 1830s, leads us to collapse distinctions at every level of creation. “Not content with the discovery that there is nothing in the world but a creation and a Creator,” he suggested, democratic man “seeks to expand and simplify his conception by including God and the universe in one great whole.”・・・
 ・・・it represents a form of religion that even atheists can support. Richard Dawkins<(コラム#3718(未公開))> has called pantheism “a sexed-up atheism.”・・・
 Einstein’s expression of religious awe at the “beauty and sublimity” of the universe<(コラム#498、1681、2008)>, Dawkins allows, “In this sense I too am religious.”・・・
http://www.nytimes.com/2009/12/21/opinion/21douthat1.html?pagewanted=print 

<globalyst:翻訳>

コラム#3719より

 中共は、企業ともども、建設作業員等の労働者も輸出してて、受け入れ国との間で軋轢を引き起こしているってさ。↓

 「・・・安価な商品を輸出することで有名な中国は、次第に安価な労働力を輸出することもで知られるようになってきています。・・・
 しかし、彼らに対する反発も大きくなっています。アジア、アフリカでは、中国人労働者に対する抗議や暴力に関する出来事が頻発しています。外国企業のための新たな労働規則を課し、入国できる中国人労働者の数を制限するよう動いている国々、ベトナムおよびインド等、と北京との間で緊張が高まっています。 ・・・
 ・・・2008年末において740,000人余の中国人労働者が海外にいて、そのうち去年だけで58パーセントが送り出されました。・・・
 こうした労働者は、中国企業によって直接的に、或いは、労働者を手配する中国人労働者仲介業者によって中国国内で雇われています。500もの公認仲介業者に加えて多くの無許可の仲介業者がいます。
 中国の高官は、中国人労働者は、現地労働者と比較して、いつも安上がりだというわけではないが、熟練し管理し易いと言っています。・・・」
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太田述正コラム#3722(2009.12.22)
<政治的宗教について(続)(その1)>

→非公開