太田述正コラム#3592(2009.10.19)
<皆さんとディスカッション(続x632)>

<ΧΑΧΑ>(「たった一人の反乱」より)

 この印象操作の酷さよ↓。一事が万事。
http://blog-imgs-34.fc2.com/n/i/h/nihon9999/20091016153037d5a.jpg

 あと、自民党の正体見たり枯れ尾花ってのがしばらく前のみなディス<(コラム#3578)>にありましたよね。
 以下は某所からの引用だけど、

>ひげの隊長のブログを読んでると分かるが
>自衛隊の式典は毎週のようにやっていて
>ほとんどが自民の議員しか出ていない。

>そうなのか。
>ありがとう。初めて知りました。
>確かに、手元の資料を見てみると
>毎週何らかの式典やイベントやってますね。

>たまたま自民党議員の
>都合がつかなかった日だけ
>ゴミクズが取り上げたと解釈してよい?

>そんなところだと思う。
>自衛隊板の基地祭スレで聞いてみればわかる。
>あと、自民党議員は出席できない場合でも
>ちゃんと祝電を送ってる。

 こういう問答がありました。
 自民党の正体自体は<太田>コラム読者には明白でしょうけど、あの記事そのものは余り取り上げる価値も無いようですね。
 失礼。

<太田>

 もったいぶらずに、「2ちゃんねる極東板」からだって書いてね。
 いずれにせよ、このやりとり、典拠が「ひげの隊長のブログ」と言うだけじゃ不親切だなあ。
 ホントに自衛隊の式典にはほとんどが自民の議員しか出ていないのかどうか、自分でそのブログを読んで確かめるくらいのことして投稿してもらえるありがたいね。

<ΧΑΑΧ>(同上)

<≫日本人の近現代史認識ともからんでる面白い話だな。≪(コラム#3582、3590。太田)>

 日本へ侵略するゲームって売れてるか?

 俺はcod4は最高に面白かったが、cod5の第二次世界大戦舞台で日本人が殺されていくゲームはさすがに辛かったが、まぁまぁ面白かった。
 で、やっぱりcod4に比べてcod5は国内で売れてない。

 そもそも洋ゲー自体、日本をマーケットにしてないから日本を舞台にしたゲームなんてほとんどない。
 日本で売れてるのってcrysis,stalker,l4dとかファンタジー色の入ったものか、cod4みたいな洋ゲーがマーケットとしている国々を舞台にしたものだけだろ?

 だいたい、アメリカ人やイギリス、ドイツ人は自分たちの祖先が凄惨な殺し合いをするゲームを作って、マーケットが作り上げてるんだから、あいつらのほうが、過去の戦争を気にしてないっていえる。

 ただのゲームのネタに日本人や外国人の歴史認識、見たいなものは見えてこないだろうな。

<ΑΧΑΧ>(同上)

 たとえばゲームセンターでヒットしたカプコンのこのシリーズみたいなのもある。
http://www.youtube.com/watch?v=fEDkvajhOGA
http://ja.wikipedia.org/wiki/1943_%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E6%B5%B7%E6%88%A6

 これはたまたま自機がアメリカ軍で敵が日本機動部隊という設定ではあるが、逆に自機が日本の爆撃機で敵がアメリカの艦隊だったとしてもゲーマーたちは何の違和感も無く受け入れられたんじゃなかろうか。
 祖先がどうのこうのというようなこだわりは無いと思う。

 このゲームの場合、なぜ敵に日本艦隊が選ばれたかというと、たぶん日本の軍艦の見た目が圧倒的にカッコイイからデカいグラフィックで絵を見せたかったという作り手側の趣味が出てるだけだと思う。

<ΑΑΧΧ>(同上)

 そのヒットにも歴史認識がどうのこうのなんて関係ないだろうな。
 それは自分も含めたゲーマーにとって、ゾンビと日本軍に違いなんて無いし、それはゲームをしているときだけ無意識的に無視してるに過ぎないよ。

 こういうフィクションを楽しむために、映画とか小説も含めて、読者ってのは無意識的に楽しめない要素を無視するよう訓練されてるだけで、歴史を考えるときは、ゲームをするときのように楽しむための無視なんかしないよ。普通は。

 フィクションと現実が違うように、ゲームをしてるときの自分と、社会生活を送ってる自分は決定的に違うもんだろ。
 ゲームで人をFY71で撃ち殺して楽しんでるのと、現実で戦争で人が死んでるって報道を聞いて悲しむことは両立するだろ。
 エンターテイメントのためのフィクションで、現実世界の人間は推し量れないよ。

<ΑΧΧΑ>(同上)

 同じ敗戦国のドイツを持ち出すと、

 プレイヤーも逮捕!?暴力的ゲームの禁止案がドイツで(2006年)
http://www.gpara.com/kaigainews/eanda/2006121504.php
 ゲーマー400人が抗議デモ!人気ゲームのイベントを禁じた政治家たちに
http://www.gpara.com/kaigainews/eanda/2009070901/
 血もナチスもない(典拠ではなく参考程度に)
http://pub.ne.jp/Seiryu/?entry_id=1244848
 「ドイツにおける具体的な規制内容だが、第一にナチスに関連する要素は原則禁止。特にハーケンクロイツ(鉤十字)のマークの使用はご法度となる。
 ・・・史実に則した内容のゲームにドイツ軍を出す事は許されているが、仮想的なストー リーを持ったドイツ軍に関するゲームの発売は通常許されていない。 」

 例えば・・・最近では・・・Turning point Liberty(ナチスがWW?で勝利していたらというIF物)の様な設定のゲーム (暴力表現についても具体的に載っているので参照してみるといい) 、暴力関係に厳しい規制がされてるのとナチ関係がタブーなのが面白いぞ。
 特に暴力に厳しいってところは太田さんの欧州観とは違うように思えるけど、WW2のトラウマってところだろうかね。

<ΑΑΧΧ>(同上)

 その例も解釈が間違ってる。カウンターストライクって言うゲームがカリスマ的に人気が確かあるから、それで禁止にしようって話が出てきた。それぐらい暴力ゲームが人気があるってこと。
 クライシスっていうfpsの秀作もドイツが作ってる。

 ナチ関連で言えば、確か太田さんが昔ネット上で揉めてたけどどうなんだろうね?
 実際、ナチを悪役ってことにすれば、表現にそこまで規制がかかってるとは思えんのだが、ゲームとか映画でもユダヤ人の弾圧の悲劇ってお題目で散々ナチの暴力描写描いてるんだから。

<太田>

 私、戦争ゲームやったことないんで、諸君のやりとり、よー分からん部分もあるけど、それが現実の世界からかけ離れていれば、おっしゃる通りなんだろね。

 他方、現実の世界を忠実になぞったバーチャルリアリティー・ゲーム上での体験は、実世界での体験とバーチャリー・イコールだ。
 このことは、PTSD患者たる元兵士に、現実のイラク等の戦場を忠実になぞった(死臭まで醸し出す)バーチャルリアリティー・ゲームで、PTSDの原因となった体験を、(カウンセリングしながら、)何度も繰り返させる、アレルギーにおける減感作療法のような治療方法が米国で開発されたって話
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8017260.stm
を読むだけでも、想像がつくはずだ。

 バーチャリー・イコール体験を繰り返す→感覚が鈍磨する、というのだから、ホントは人間は残虐行為や戦争が大好きでも、現実の残虐行為や戦争をやりたい気持ちが減少する、あるいはホントは人間はHが大好きでも、現実のHをやりたい気持ちが減少する、ということになりそうだね。
 最後の点だが、ゲームではなくてビデオだけど、ポルノの解禁によって強姦は減る(コラム#1666、1667)ということのようだから、間違いなさそうだね。
 だから、こういう類のものを禁止するのは、一般的には逆効果なんじゃないかなあ。

 更に、私の経験に基づく脱線をお許し願いたい。
 諸君と私との間のものを含め、ネット上でのやりとりは、実名でやった場合ですら、対面してのやりとりとバーチャリー・イコールとは言えない。
 ネット上でのやりとりは、いい意味でも悪い意味でも、対面してのやりとりと比較して自由度がはるかに高いからだ。
 そこんとこが、分かってない人、多いんで困るよ。

<χχΑΑ>(同上) 

 それにしても、<先の大戦>当時は自分たちの存亡をかけて、これ以上無いほど真剣に戦ってたというのに、ほんの数十年間平和が続くだけでその真剣さは忘れられて娯楽のネタだからな。
 やっぱり戦争なんてむなしいもんだ。真剣になったやつほど馬鹿をみる。

<ΑΑΧΧ>(同上)

 実際に戦争はむなしいが、戦った人を侮蔑するようなことは言うなよ。

 日本を守るために真剣に戦って死んだ人が、子孫に無駄死にして馬鹿を見たなんていわれたら悲しむぞ。

<χχΑΑ>(同上)

 無駄死にで馬鹿を見た兵隊が多かったのは事実だろ、どう考えても。

 もう勝てないのにズルズルと終戦を引き伸ばしたんだから。
 しかもそれは、一億玉砕とか言ってたのだから国民の命を守るためじゃなくて国体を守りたかっただけなわけで、そんな一部の人間のロマンに付き合わされて無駄死にさせられた兵隊は本当に気の毒だ。

 事実の指摘が侮蔑になってたら申し訳ないが、だからといって事実を捻じ曲げて正当化するのはもっと悪いと思う。

<ΑΑΧΧ>(同上)

 いや、俺も言いたいことは分かるけど、馬鹿を見たとか、上から目線で死んでいった兵士に対する尊敬の念が感じられない物言いをどうにかしてほしかっただけ。

<太田>

>戦争はむなしい

 なんての、「軍事力の行使はむなしい」と言い換えてみれば、そのナンセンスさが分かるよ。
 タリバン/アルカーイダが、そして、タリバン/アルカーイダと戦っている米国を始めとするNATO諸国やパキスタンが、そんなこと言われたって聞く耳持つと思う?

>国民の命を守るためじゃなくて国体を守りたかっただけ

 これも、最近も口を酸っぱくして言っているように、軍事力の行使は、生命財産を守るためではないことからすれば当たり前だ。
 守ろうとしたのが「国体」だからいけないって?
 「国体」を「昭和天皇」ないし「天皇制」と矮小化してとらえる必要はないと思うよ。
 「国体」を「国家体制」と本来の意味でとらえれば、日本が最後の一線、「国家体制」のあり方は日本が決める、ということを条件にして降伏できるよう努力したのは高く評価すべきだと言うことになるのかもしれない。
 残念ながら、戦後の日本は、せっかくこうやって「ほぼ」獲得した条件を生かさなかったけどね。
 なお、先の大戦において、軍部が拙劣な戦い方を強いたことで、「無駄死」した日本人兵士や日本人一般住民がいたことを私は決して否定するつもりはないよ。念のため。 

 では、そのほかの記事の紹介です。

 海賊対処への転用を考えるのは、ごく自然なことだ(コラム#3574)。↓
 そして、やるのなら、形はともあれ、給油艦の転用ではなく、護衛艦の転用をすべきだろう。

 「インド洋からの海上自衛隊補給艦の撤収に伴い、同艦をソマリア沖で海賊対処にあたる外国艦艇の補給に活用する案が政府内で検討されていることが・・・、分かった。・・・
 自衛隊は海賊対処に護衛艦2隻、インド洋の補給活動に補給艦と護衛艦各1隻を派遣している。インド洋からの撤収で浮く補給、護衛各艦をソマリア沖に振り向ければ海賊対策でより実効的な活動が可能となる。ソマリア沖には現補給活動の給油ポイントの一つがあり、テロ対策と海賊対処など複数任務を兼ねた艦艇も少なくない。・・・
  政府内には補給支援のほか、海自の任務をソマリア領海内を往来する国連世界食糧計画(WFP)船舶の護衛に拡大する案も浮上している。ただ、いずれも法改正が必要となる。このため自衛隊員を海保の要請に基づき首相を長とする「海賊対処本部」に身分を移して派遣するなどとした同党の従来の主張とあわせ、海賊対処法を一括改正する方策などが検討されている。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091019/plc0910190136001-n1.htm

 これ↓も、属国であることの事例・・地位協定の拡大解釈・・として使えますね。
 なお、属国の事例は、『属国の防衛革命』15〜17頁でもあげられていることにご注意。

 「 在日米軍とその関係者が使った高速道路などの利用料について、毎年9億円近くをチェックもしないで負担しているのは不適切だとして、会計検査院は防衛省に対し改善を求める方針を固めた。
 日米地位協定では、在日米軍関係者が公務で有料道路を使った場合、利用料は日本が負担する決まりだが、負担した中には休日に観光でレンタカーを使ったとみられるケースも多数見つかったという。防衛省はこうした実態を把握しておらず、検査院は「会計法上、問題がある」と判断した。
 日米地位協定5条では、在日米軍関係者が米軍施設や港、空港との間を移動するなどの公務に限り、有料道路の使用料は課されないことになっている。・・・
 在日米軍では、基地内の福利厚生機関が企画する観光ツアーや、管理するレンタカーを個人が旅行のために借りた場合でも、通行券を発行している。・・・
 在日米軍司令部は・・・「レンタカーは福利厚生機関の運用するもので、軍に属しており、その使用はすべて公務にあたる」と説明している。・・・
 防衛省は「日本文化に対する理解を深め、軍隊の構成員の士気の高揚を図るためのレクリエーションであれば、軍の活動の一環として認められる」との見解だが、単なる個人旅行については、公務にあたらない場合もあるとしている。
 しかし、検査院が調べたところ、同省では「公務の範囲」についての取り決めがなく、利用実態も調査していなかった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091019-OYT1T00034.htm

 ベトナム戦争に、米国が最終的に・・客観的には・・勝利するに至った理由をあげ、アフガニスタン戦争においても参考にするようにというコラム↓が載ってました。
http://www.nytimes.com/2009/10/18/opinion/18sorley.html?ref=opinion&pagewanted=print
--------------------------------------------------------------

太田述正コラム#3593(2009.10.19)
<ウェードの本をめぐって(その4)>

→非公開