太田述正コラム#3570(2009.10.8)
<皆さんとディスカッション(続x621)>

<ααΤΤ>(「たった一人の反乱」より)

≫俺の家族に、属国のこと話たら、・・・キチガイ扱いされたぞ≪(コラム#3568。ΤααΤ)

 ああ、オレもほぼ同様だわ。
 満足なネット環境があり、自分で情報を取りに行くタイプで国内外の政治経済に関心がある、と思われる奴相手でさえ、属国という概念は理解できても、それがまさに今の日本である、というところにどうしても納得ができない。
 最悪、軍国主義者・ウォーモンガー呼ばわりで議論にもならん。

 軍事っていうことに対する受容体がそもそも無いんだろうな。
 そうとしか考えられん。

<αΤΤα>(同上)

 俺の親の軍事意識について話してて何となく感じるのが、テレビに出てる自称知識人コメンテーターが、
「北朝鮮にしろ、中国にしろ、現実に戦争行為に踏み込む程愚かではない。核実験はブラフとか示威行為に過ぎない。軍拡も現実的脅威にない」
みたいなことをたまに言うじゃん。

 あの意識があるんじゃないのかって最近感じてる。
 つまり、現実では大きな戦争は起こりっこないんだから、だったら軍隊そのものが無駄じゃない?って感じのこと。
 で、世界が未だに軍隊を持って、日本が9条を持って軍隊を否定しているのは日本が世界より一歩賢いから、みたいな思想。

<ααΤΤ>(同上)

 確かに。すごく頷ける話だな、それは。
 オレの周りはそのタイプか、情報も環境も自分と近似しているはずなんだが、
「属国の定義はわかる。が日本は違う。そのパワーは非軍事で他を圧倒している」
という結論が一致しないタイプの2択だ。

 後者は超簡単に(あるいはわかりにくく)いうと、チラ裏とか床屋スレ読んで悦に浸り、自衛隊の正面装備や実力錬度だけをかなり過剰に評価して一等国でございと思い込んでる人々ってとこかな(もちろんあのスレ住民が全部そうだと言うつもりはない)。
 結局、日本は極東の小国っていう思い込みが為せる業だろう。

 日本みたいな規模、水準の国が自己完結的な国防体制が構築できないとしたら、諸外国の努力はどこの並行世界の話だ?ってことになっちまうな。

 それにしても
「英国民は日本に基本的に悪感情を抱いているであろう、それはむしろ日本にとって
名誉なことだ」という太田さんの言<(コラム#3568)>は含蓄があるねえ。
 相手が悪感情を抱いてる。だから仲良く、だから謝罪を、っていう皮相的な結論付けに終始するのはよくあるパターンなんだが。おまけに自分の利権を絡めてそれを補強するネタにする「左右」のド腐れ=「属国屋」の言辞を麗々しく垂れ流すメディアってのも、相当狂ってんな。 

 つまり太田さんが商業的に売れないのは、属国ゆえにこれまた当然なのだというオチになってしまうなあ…

<ττΑΑ>(同上)

 『日本独立への指針』とか本出して欲しい。
 自費出版なら一万円位だすのに。

 全然関係ないが、日本の少子化って東京に人口集まり過ぎで密度効果が発生してるからな気がする。家賃高すぎんだよ。
 政治の力で東京の会社地方に分散できないもんかね
≫民主党

<αΤΤα>(同上)

 地方分権って今流行ってるけどさ。詳しいことがよく分からんのよね。道州制にして地方に分散するのは良いんだろうけどさ。

 すごい個人的に地方分権に反対なのは、中央の政治とか官僚が腐ってるのは、太田さんのブログとかマスメディアの垂れ流す情報でしか知らんのだが、俺の近所のやつが市議会議員をずっとしててさ、少し前にかなり大きな工事をして、俺の家がそのあおりを食らって庭が削られたり色々されたわけ。

 しかも、その市議会議員ってのがあんま良い噂を聞かなくてさ、やくざとかその辺とつながりがあるらしいんだよ。

 地方は地方で腐ってんのは実感として分かるし、もし仮に、中央の腐りっぷりに嫌気がさしての地方分権ならあんま意味ないと思うな。
 どっちも腐敗してるんだし、だったら太田さんみたいな人を生み出せる官僚制の方がいいな。

 地方を強くしていくと、そこからはみ出た人間って出にくくなると思うんだよな。だから、腐敗の速度は中央集権より加速すると思う。

 ちなみに、会社組織の地方分散はいいと思う。

<τΑτΑ>(同上)

 一般人に日本が属国だとわからせるには おーたんに陰謀論を信じさせるくらいの
努力がいるよ・・・はぁ(ため息)

<ααΤΤ>(同上)

 太田さんは、<防衛省の文官や自衛官で>「まともに考えようとする人は発狂するか辞めるかしかない」っつう意味のことを言ってた気がするが、あれは誇張でもジョークでもないんだぜ。
 属国論を自分の周囲に認識させようとする際に感じる落差を濃縮してくと多分発狂リスクまでいくから。

 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
 『俺は奴の前で属国論を紹介したと思ったら、いつの間にか軍国主義者になっていた』。
 な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何でそうされたのかわからなかった。
 … 頭がどうにかなりそうだった…平和ボケだとか軍事の効能への無理解だとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

>一般人に日本が属国だとわからせるには おーたんに陰謀論を信じさせるくらいの
努力がいるよ

 だがちょっと待ってほしい。
 それだと「不可能」ということになってしまわないだろうか。

<τΑΑτ>(同上)

 属国論を説明する場合、まず韓国併合の頃くらいの日本と韓国の関係を思い出させた上で、現在のアメリカと日本の関係をその上になぞらせる。
 これで日本がアメリカの属国だってことは容易に理解できる。
 日本が韓国を属国にしたってことは頭に刷り込まれている(おそらくは悪いイメージで)から効果的。

 理解できない奴には「ファッキンジャップ!」

<ΑτΑτ>(同上)

 たぶん属国なんていう言葉を振りかざして熱く語ってる姿を見せられると、反射的に精神主義者だと判断されちゃうんだよ。
 日本によくいる右翼のように、現実適応を度外視してでも自尊心を重視するタイプだと思われて警戒されちゃうんじゃないかな。

 「属国であることのデメリットを色々と語って見せてるけど、それは方便にすぎず、本心では属国であることの屈辱感に耐えられないから熱くなってるだけなんだろ?」って反射的に判断されちゃって、言ってることの全てを頭から信用されないんだと思う。

<ΑΑττ>(同上)

 内田樹

「戦後日本は一貫してアメリカの軍事的属国であり、いかなる固有の世界戦略を持つことも許されていない」
http://blog.tatsuru.com/2007/03/21_2032.php

<ΑττΑ>(同上)

 内田樹ってwiki見ると9条原理主義者じゃん。

<ΥΥΑΑ>(同上)

 「日本はアメリカの「軍事的属国」であるという事実をクールに受け止めて、その屈辱的条件のもとで最高のパフォーマンスを展開することに集中できるような心理的成熟に日本人は達していないし、そのような心理的成熟を準備するための努力もしてこなかった。だから、九条を廃絶しないほうがいいと私は申し上げているのである。」(上出典拠)

 ポイントはここか。
 おーたんが、左の人とは99%意見が合うが、最後の1%でずっこけるというやつだ。
 ここでは「だから、九条を廃絶しないほうがいいと私は申し上げているのである。」が最後の1%にあたる。

 9条を改憲すると日本が今までアメリカの属国であったことに気づく。
→この屈辱に耐えられる現代日本人はいない。
→だから、九条を廃絶しないほうがいい

 なかなか、斬新な護憲論かもねw

<ΥΑΥΑ>(同上)

 「アメリカの軍事的属国であるという事実に日本の政治的自由を拘束する最大の要因はある。
 それを歴代内閣は「国内的な対立勢力の抵抗のせいで対米協力について政府がフリーハンドをふるえない」という話型に回収してきた。
 そうやって、対米的にはリスクとコストの高い軍事協力を逃れ国内的には「属国である事実」を隠蔽してきたのである。
 私はそれを「世界政治史上もっとも狡猾な政治的装置の一つ」と評価している。」
http://blog.tatsuru.com/2007/09/26_1234.php(祝奉55年体制の復活)

 ここなんかは太田とまったく同じ認識かもしれんな

 ただ、
 「日本は1894〜1945までの五十年戦争の間を除き、常に属国だった。」
http://blog.tatsuru.com/2007/05/31_1136.php(辺境で何か問題でも?)

 なんてのを典拠まったく付けずに言ってのけちゃうあたり、日本の学者だなと。
 いくらエッセイストとは言えそりゃねぇよと、ウィキによるとディスカッションにも応じないときてるし、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9
劣化した太田だな。

<ΥΑΑΥ>(同上)

 属国を証明する最近の事例あげるとだな、2004年、沖縄国際大学構内に米軍ヘリが墜落した際、日米地位協定とやらにより沖縄警察は事故現場の検証どころか捜査権すらなく、立ち入ることでさえきなかったのを憶えているだろ。
 おいらは当時、県警が米軍の指揮の下で、現場付近の交通整理をせっせとしていただけの情けない映像を見て、ありゃ〜日本は植民地なんだなぁ と、つくづく思い知ったもんだが。

 日米地位協定とやらによって日本国内での米軍の活動が、事実上治外法権化してしまって、国の警察権すら行使できない事実がある。

 あと外務省の機密文書問題。
 非核三原則を謳いながら、核持ち込み密約があったと元外務省事務次官が発言したが、これを政府側は知らぬ存ぜぬで、当然首相も知らない(外務官僚曰く、教えるに値しないらしいww)との、どっちにせよ到底独立国とは云えないへたれぶりというか・・・。

 属国マンセー・吉田ドクトリン墨守で、属国日本の覇権と利権を独占し、B層国民のうえに胡坐をかいてきたのが、売国の自民党と宦官たちなんだろーが、でもこれこそ属国の正しい?ありかたの証左ではないかと。

<太田>

 沖縄国際大学構内米軍ヘリ墜落事件について補足しとくと、地位協定に基づく合意議事録が米軍によって拡大解釈され、それを日本政府が黙認したという情けない話だ。
 下掲↓の75頁を参照。
 なお、このように100%米軍の過失で起こった事故の補償(75%を米国政府が支払うことになっている)さえ支払われない場合があることについて、78頁の脚注27を参照。
http://nels.nii.ac.jp/els/110004668384.pdf?id=ART0007398824&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1254976027&cp=

 いやー、皆さんの力の入った議論に感動したなあ。
 Chaseさん、日韓併合の前の第二次日韓協約(1905年)は外交権の委譲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E6%97%A5%E9%9F%93%E5%8D%94%E7%B4%84
であって日米安保のような軍事権の委譲ではないのでやや様相を異にするけど、米軍ヘリ墜落事件や核密約の話は、属国論のところで使えそうなネタですね。

 それでは、記事の紹介です。

 「・・・急逝した中川昭一元財務大臣にかかわる評価は大きく2つに分かれるだろう。今年2月のローマでの“もうろう会見”の失態をことさらに重視するか、無類の政策通の勉強家で、北朝鮮拉致問題に強い信念から取り組むなど保守政治家らしい情誼・・・の厚さに共感するか、の違いにほかならない。・・・
 長い人生や生活の全体を審判の対象と考える立場からすれば、中川氏の政治家としての力量は、死後の審判でも1回の“過誤”を打ち消し高く評価されるにちがいない。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091008/acd0910080729001-n1.htm

 死者をむち打つつもりはないけど、山内教授、そりゃないよ。↑
 第一、こういうこと言いたいのなら、もうろう会見が問題になった当時に言うべきだろ。
 中川の酒(+薬?)の上でのトラブルは、この会見にとどまらず、山のようにある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E6%98%AD%E4%B8%80
 そもそもこんな人間を政府の要職に就けるのは、アル中の人間をバスの運転手に就けるよりも酷い話さ。
 そんな失態を繰り返して恬として恥じず、断酒せずして要職に嬉々として就くような人物に政策を語る資格はないし、そういう人物を情誼が厚いとは言わない。

 一人っ子ばかりになっちゃってるんじゃしょうがないけど、女の姉妹と一緒に育つといいらしいよ。↓

 ・・・those who grew up with sisters were more likely to be happy and balanced.
 ・・・having daughters made a family more open and willing to discuss feelings.
 ・・・the influence of girls was particularly important after distressing family events such as marital break-ups. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7977454.stm
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太田述正コラム#3571(2009.10.8)
<人間主義の起源(続)(その1)>

→非公開