太田述正コラム#3566(2009.10.6)
<皆さんとディスカッション(続x619)>

<少数株主>

 --ポーランドがここまで酷いとは知りませんでした--

 コラム#3564のKY氏のレポート見て唖然としました。
 パキスタンのことは、今やアフガニスタンより酷いと噂で聞いていましたが、ポーランドの情報は、殆ど国内では流れず、ワレサ大統領、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の就任で国民が熱狂的支持の記事ばかり目にし、それなりの国になっているとばかり思っていました。
 そのころはそれなりに落ち着いていたのでしょうか?
 太田氏の、欧州嫌いが解るようなレポートでした。
 それにしても、人間って怖い生き物ですね。
 世界平和や友愛など訪れるのでしょうか?
 大変でしょうがKY氏のこれからのご多幸をお祈りします。

<びり江>

 ポーランドって、とんでもない国なんですね。

 ただ、 英国に留学していた友人によると、現地で度々差別に遭っていたそうです。
 すれ違いざまに「Loser」とささやかれたり、背後から「タカタカタンタンタンタンタ〜ン♪」と支那系BGMを口ずさまれたり、水をかけられたりしたと。
 残飯を投げつけられた人もいたそうです。
 英国も五十歩百歩なんじゃないかなあ。

<太田>

 KYさん、何かおっしゃりたいことは?

<ατατ>(「たった一人の反乱」より)

 「08年人口比」は、恐らく「地区別の大学進学者数/地区別の18歳人口」のことだろうか? <(「コラム#3562。τταα」を参照。)>
 北海道の「08年人口比4.3%」っつーのはヒドイね。

 一般論として地方分権化は、
「財政力の格差のため地域間格差は短期的には拡大し、さらなる一極集中が起こる」
http://www3.grips.ac.jp/~fukushima/bunken5.htm
ので、地方の親の年収はさらに低下し、その子は大学進学を諦めざるをえないという地域格差が、さらに生じるかもよ。
 また、財政力の低い地方の公立大学は廃校しちゃうかも。実際、橋下は大阪府大をつぶしたいっぽいし。
(親の年収と子の大学進学率が比例するってのは社会常識的典拠略としてもいいかな?)

 あと、近場の大学に進学しがちなことがデータから読めるが、これは、当たり前だけからいいんだけど、西日本から東日本へ進学するのは抵抗がないが、東日本から西日本への進学には抵抗がある、っつーのもデータから読めるなw

<ααττ>(同上)

 鳩山不況(2)?
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/60582899.html

 鳩山由紀夫よ、「友愛」を口にするな。
http://sessai.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-3351.html

【政治】「ミスター年金」長妻昭厚生労働相、社会保障は実は苦手分野?
…外交・安保に取り組みたい?「自衛隊を国軍として認めるべし」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091003/stt0910030726015-n1.htm

<MS>

 コラム#3544で取り上げられた日本と欧州文明の比較の表

太田述正氏の思想#4(図解:日本文明とアングロサクソン文明の親和性)
http://blog.zaq.ne.jp/fifa/article/211/

に、太田さんのコメント(欧州文明の記述を含む)を加えたものをお送りします。

 また一部私のほうで勝手に穴埋めしている部分がありますので、明らかに間違っているようでしたら、ご指摘いただけるとありがたいです。

 この表を次回出版作にのせるかどうかはともかくとして、各項目ごとにコラム番号(とそこへのリンク)を示したうえで、ブログの方からアクセスできるようにしておけば、目次のように使えて便利だと思います。


      日本           アングロサクソン 欧州
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
自然観   共生(自然中心)     共生(人間中心)      征服

価値観   人間主義        個人主義        宗教/イデオロギー志向

思考様式  情緒的・外国文献依拠的  経験的・帰納的     合理的・演繹的

政治形態  権威と権力の分離(天皇制) 権威と権力の分離(議会主権*1) 権威と権力の一致
民本主義(民のための権力) 自由主義(権力からの自由) 独裁/民主主義的独裁

法意識   柔軟な制定法解釈   コモンロー(判例法たる手続き的先例)遵守 制定法墨守

経済体制  日本型経済体制*2      資本主義経済体制 資本主義・社会主義経済体制
(エージェント関係中心)  (市場中心)                (生産中心)  

民族    混血(縄文+弥生+...)  混血(バスク+ケルト+ゲルマン+...) 階級(ゲルマン支配者・
ラテン/スラブ等被支配者・
ユダヤ/ロマ不可触賤民)

文化の変遷 カメレオン的        カメレオン的                  ???

性意識   開放的           開放的                     抑圧的

発祥の地  辺境の島国         辺境の島国     大陸

発祥の時期 縄文時代         アングロサクソン時代 西ローマ帝国末期

波及の程度 東アジア          全世界的                     全世界的
     (日本列島   (英国+旧英領(米国含む)+日本+...)   (欧州+米国+中国+...)
      +朝鮮半島+台湾+...)

[1] #1334、1789、1798、1805、1809、2244、2472、2482、2922
[2] #40、41、43

<Chase>

 MSさん、いつもありがとうございます。
 時間がうまくとれず作業が遅れており申し訳ありません。
 お送りいただいた表は、次回本に掲載するとした場合、そのまま表の方がよいと思っています。
 内容の是非は、私はできませんので、太田さんにお願いしたく存じます。
 対比を図にするとしたら、表中の主要なものを抜粋した方がパンチ力があると思いますので、いずれ抜粋版で修正したものをUPしてみたいと思います。

 章の構成ですが、2章吉田ドクトリンと3章日本の自由民主主義の間に、アングロサクソン論の章を挿入して人間主義の章で親和性を訴えるという構成を思案(私案)しています。

 それで、現在2章の追加コラムと、アングロサクソン論の章のコラムの切り貼りを考えている最中です。

 アングロサクソン論については、本の論理構成もさることながら、岡崎久彦氏のアングロサクソン論イメージが論壇には強いと思われる中で、太田さんのアングロサクソン論は、(防衛庁再生宣言でも触れられてはいますが、)岡崎氏と対比することで大きなインパクトがあると考えています。この図解もイメージしています。

<太田>

 MSさん、どうも。
 テキストファイルで、しかも限られた空間に表示しなければならないので、表が極めて見にくいけれど、もちろんこれはMSさんの責任じゃありません。
 さて、順不同で行くと、「波及の程度」は、私自身あまりきちんと考えたことがないので削除しましょう。
 「性意識」については、欧州のそれの検討がまだ不十分なので削除しましょう。
 「文化の変遷」は、「歴史」に差し替え、日本:縄文モードと弥生モードの繰り返し、アングロサクソン:なし(アングロサクソン的価値の普及・徹底)、欧州:古代→中世→近世→近代→現代、としましょう。
 ちなみに、バスク人はカメレオン的だったけれど、アングロサクソン色に染まった後はカメレオン的であることを止めています。
 「経済体制」の「欧州」については、コーポラティズム/ディリジズム、(政治中心)
http://en.wikipedia.org/wiki/Corporatism
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/My%20Essay%20on%20Definitions%20of%20some%20concepts%20in%20Iwanami.htm
http://en.wikipedia.org/wiki/Dirigisme
、ととりあえずしておきましょう。このことについては、そのうち後付でコラム書こうかな。
 MSさん、私の「理論」を「発展」させる時は、ちゃんとした典拠に拠りましょう!

 記事の紹介です。

 既存仏教の更なる風化と直葬の普及・・考えさせられる記事です。↓
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/091006/sty0910060816003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090922/trd0909220846005-n1.htm

 おぞましい(階級社会)欧州の医療皆保険制と異常な(個人主義社会)米国の医療皆保険制への敵意とを対比させたって非生産的です。
 対比させるのなら、正常な個人主義社会であるところの、イギリスを始めとするアングロサクソン社会の医療界保険制と、できそこないのアングロサクソン社会の米国の医療皆保険制への敵意とを対比しなくっちゃ。↓

 ・・・“In Europe generally the populace in the various countries feels enough sense of social connectedness to enforce a social contract that benefits all, albeit at a fairly high cost. In America it is not like that. There is endless worry that one’s neighbor may be getting more than his or her “fair” share.”
 Post-heroic European societies, having paid in blood for violent political movements born of inequality and class struggle, see greater risk in unfettered individualism than in social solidarity. Americans, born in revolt against Europe and so ever defining themselves against the old Continent’s models, mythologize their rugged (always rugged) individualism as the bulwark against initiative-sapping entitlements. We’re not talking about health here. We’re talking about national narratives and mythologies ? as well as money.・・・
http://www.nytimes.com/2009/10/05/opinion/05iht-edcohen.html?ref=opinion&pagewanted=print

 民主主義を機能させるのがいかにむつかしいか。
 なお、ここでもイギリス人のアイルランド人蔑視がいかなるものであったかが分かります。↓

 ・・・In the late 19th century, Conservative prime minister Lord Salisbury famously noted that he “would no more give the vote to the Irishman than to the Hottentot”.・・・
 ・・・the intractable areas of the world where the act of casting a vote does not usher in peace, prosperity and progress ? parts of Africa, Afghanistan, the Middle East or, increasingly, Russia.
 Did it ever? Hitler, after all, won a majority of votes in Germany. Robert Mugabe was handsomely re-elected well before he began rigging ballots, as was Slobodan Milosevic even as he unleashed his killers to murder European Muslims at Srebrenica or in Kosovo.・・・
  ・・・promotion of democracy should also support free media, rule of law, non-protectionist economics, and, above all education, education, education ? especially girls and young women.・・・
http://www.ft.com/cms/s/2/976b77ae-aee3-11de-96d7-00144feabdc0.html

 コラム#3299と3315でとりあげた、Richard Wrangham, Catching Fire: How Cooking Made us Human の新たな書評が出ていました。↓

http://www.ft.com/cms/s/2/92bb98b0-aee3-11de-96d7-00144feabdc0.html
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太田述正コラム#3567(2009.10.6)
<イギリス女性のフランス論(その2)>

→非公開