太田述正コラム#3544(2009.9.25)
<皆さんとディスカッション(続x608)>

<Chase>(2009.9.24)http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/

 --太田述正氏の思想#6(図解:日本の軍隊は世界の非常識)--

 優れた思想はシンプルな体系を有している。
 太田述正氏の思想は優れていると直観しているので、そのことを図解で検証することとしている。アピールポイント(トピック)をひとまず整理した後に、MSさんのドラフトをベースとしながら、目次設計とコラムの採取を同時並行で行っていきたいと考えている。
 今しばらくは、トピックの洗い出しと表現方法の検討を行っていきたい。
 太田コラムで指摘いただいた点については、逐次修正を行っていく。

 今回の図解は、軍隊と警察の違いであり、これまた太田コラムの常連?術語である。
 これについては、太田氏のオリジナル思想ではもちろんないが、吉田ドクトリンによるモラルハザードで、軍隊の本質が遠のいた日本人にとっては、必須の啓蒙アイテムである。
 法体系は数学の集合論が親和性が高いので、そのニュアンスで表現してみた。図解なのであいまいな部分が出てしまうが、こんな感じで御容赦願えれば・・・。

(参照コラム)
太田述正コラム#0227(2004.1.10)<イラク派遣自衛隊をめぐる法的諸問題(その1)>
http://blog.ohtan.net/archives/50955606.html

→図は http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/

<MS>

1. 太田述正氏の思想#4(図解:日本文明とアングロサクソン文明の親和性)
http://blog.zaq.ne.jp/fifa/article/211/

 もう少し分野ごとに対比させつつ整理してから、図にした方が良い気がします。
 例えば、以下のような対比のさせ方はどうでしょうか?

       日本           アングロサクソン
------------------------------------------------------------
自然観   共生            共生?

価値観   人間主義(or 利他主義?)   個人主義(or 利他主義?)
思考様式  人間主義?    経験主義
行動様式  人間主義      個人主義

政治形態  自由主義          自由主義
      権威と権力の分離(天皇制) 権威と権力の分離(立憲君主制)
      民主主義(下克上的)     反民主主義

法形態   法の常識に基づいた運用   コモンロー(常識の明文化)

経済体制  日本型経済体制       資本主義経済体制

民族    混血(縄文+弥生+...)   混血(バスク+ケルト+ゲルマン+ノ
ルマン+...)    

文化の変遷 カメレオン的        カメレオン的

発祥の地  辺境の島国         辺境の島国
発祥の時期 縄文時代            ?

波及の程度 日本列島 全世界的
      +朝鮮半島+台湾+...

<太田>

 太田「理論」の欠缺部分や生煮えの部分を補ったり敷衍したりしていただいてますね。
 ただ、そうなるとMS説ということになっちゃいます。
 ここは、中身を含め、第三者の皆さんのご意見もぜひうかがいたいところです。
 
 そうは言っても私が何も言わないわけにもいかないので、苦し紛れですが、数点、申し上げておきます。

・日本、アングロサクソンと並んで欧州も対比できるようにすれば、全部一時に片付くのでは?
・アングロサクソンの自然観については、もっと勉強する必要があるが、とりあえず、「人間中心に作り替えられた自然との共生」にしておけばいかが。(欧州は、さしずめ、「自然の征服」か。)
・価値観は、日本が「人間主義」、アングロサクソンが「個人主義」とここでは単純に言い切る。(欧州は、「宗教/イデオロギー志向」か。)
・思考様式については、日本が「情緒的・外国文献依拠的」、アングロサクソンが「経験的・帰納的」か。(欧州は、「合理的・演繹的」。)
・行動様式は削除。 
・政治形態中の「自由主義--自由主義」のところは削除。
・アングロサクソンの政治形態の「権威と権力の分離」のカッコ書きの中は、「議会主権」(コラム#1334、1789、1798、1805、1809、2244、2472、2482、2922)の方がより端的でよい。(欧州は、「権威と権力の一致」。)
・政治形態中、日本の「民主主義(下克上的)」は「民本主義(民のための権力)」に、アングロサクソンの「反民主主義」は「自由主義(権力からの自由)」に改めるべきか。(欧州は、さしずめ、「独裁/民主主義的独裁」か。)
・「法形態」は「法意識」に改め、日本は「柔軟な制定法解釈」、アングロサクソンは、「コモンロー(判例法たる手続き的先例)遵守」とする。(欧州は、「制定法墨守」か。)
・民族については、アングロサクソンは、「混血(バスク+ケルト+ゲルマン+...」とする。(欧州は、「階級(ゲルマン支配者・ラテン/スラブ等被支配者・ユダヤ/ロマ不可触賤民)」か。)
・発祥の時期については、アングロサクソンは、「アングロサクソン時代」とする。(欧州は、「西ローマ帝国末期」か。)

<MS>

2. 太田述正氏の思想#6(図解:日本の軍隊は世界の非常識)
http://blog.zaq.ne.jp/fifa/article/214/

 世界の警察の図はいらない気がします。

 何を言いたいかにもよりますが、日本の軍隊は世界の非常識だということが分かればよいのであれば、日本の軍隊と世界の軍隊の対比だけでよいのではないでしょうか?

3. 太田述正氏の思想#3(図解:属国状態と官僚の合法的腐敗は表裏一体)
http://blog.zaq.ne.jp/fifa/article/210/

 いろんな方向の矢印があって流れがわかりにくいと思います。

 できるだけ一次元的な流れにした方がよいと思います。

 例えば、

1. 吉田ドクトリンの選択(=外交安保のアメリカへの丸投げ)

2. 国家ガバナンスの放棄

3. 政治家のリーダーシップ・能力の欠如 <---    
↓ |    
4. 政治家の官僚依存            | 堕落の無限ループ
↓ |
5. 政官の生活互助会化 -------------------

 先のコメント(2)ですが、むしろ次のような図にした方が良いかもしれませんね。

2. 太田述正氏の思想#6(図解:日本の軍隊は世界の非常識)
http://blog.zaq.ne.jp/fifa/article/214/

      軍隊    警察 
世界  ネガリスト   ポジリスト
日本  ポジリスト   ポジリスト

 ○○リストの部分は、Chaseさんの集合の図でもよいと思います。
 ただし、対称性を考えると日本は同じ包含関係の図を2個横に並べたほうが良いと思います。(重要なことは日本の軍隊は警察と同じだということが強調できること。)

<Chase>

 MS様、・・・なるほどと思えるご指摘ばかりです。
 MSさんの太田言説のご理解は私なんぞはるかに超えていることがよくわかります。
 (べじたんさん、遠江人さんもすごいですね)
 ご指摘の点は、<太田さんの指摘も踏まえ、>勉強しながらよく考えて修正してみます。・・・

<ΑΑΡΡ>(「たった一人の反乱」より)

 新しい内閣になって早速、核の持ち込みの密約の再調査や、アニメの殿堂の建設見直し、母子加算の復活など旧政権の膿出しや改革への動きが見えてええなあ、と思うけど、前原さん、大丈夫か?

 最近何かと話題になっている八ツ場ダムの建設中止問題について、どうも現地を視察せず、代替案を考えずに、中止を発表したみたいだし、やり方として問題ないのかなあって思っちゃうよ。
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009092001000277.html

 「前原誠司国土交通相は20日、八ツ場ダム(群馬県)の建設中止に向け、ダムに代わる治水策を話し合うため、国と群馬県など地元自治体による協議会を設置する方針を示した。」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090923-OYT1T00694.htm?from=main2

 「八ッ場(やんば)ダムの建設中止を表明した前原国土交通相は23日、群馬県長野原町の建設予定地を就任後初めて訪れた。」

 テレビで地元の人の反応を見てるとそもそも経済合理性だけで判断できそうにないけどなあ。

 これまでのように根回しや密室で処理するのではなく、交渉プロセスをメディアに公開するのもいいと思うけど、こじれそうですなあ。
 大臣が全部出て行くのは最後の最後で副大臣や官僚、地元の議員とか使える人を使わないと、ほかの事に手が回らなくなるよ。
 ダム建設見直しも140箇所以上あるみたいだし。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200909/2009091800473

 権力を握ってすぐぶんぶん振り回してバッサリ切り捨てるのもカッコいいけど、偽メールの前科があるだけにちょっと心配ですわ。

<太田>

 前原国交相が、かつて偽メール事件や(私がだけが指摘してることだけど)中共軍事的脅威発言で味噌を付けたのは、秘情報が関わる話で、彼が、特定の情報源からの話だけに依拠して言動を行ったからです。
 しかし、ダム建設見直しについては、関連情報が基本的にオープンになっている上、民主党内で組織的検討を行った後にマニフェストに明記し、その上で大臣就任後に発言しているわけであり、余り心配する必要はないでしょう。

<ΑΡΡΑ>(同上)

 八ツ場ダムの建設中止問題の一般的なマスコミ報道は国土交通省の官僚が自分達に都合のいい情報をマスコミにリークしてマスコミが検証せずに垂れ流しているだけだと思うよ。

 「よく気をつけてテレビを見ていると、画面に出てくる「地元住民」というのはほとんど同じ人たちだ。」
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/7eaba4bbf3409d6bf7151d9501304ff2
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/7e9bb4637bf027ef7fffcf57c8019bda
http://yanbachiba.blog102.fc2.com/

 ボイコットした人たちも、この人たちだ。

<太田>

 「よく気をつけてテレビを見ていると」、「地元住民」で八ツ場ダムの建設中止に賛成している人々も画面に登場してるよ。

<ρραα>(同上)

【民主党の公約「八ッ場ダム建設中止」について】
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/09/post-1097-1.html

民主党の「建設中止」を支持する 90%
民主党の「建設中止」を支持しない 4%
どちらとも言えない 5%

<ραρα>(同上)

 アイルランド飢饉に対する、イギリス人の愉快な反応。
http://blog.goo.ne.jp/bosintang/e/5104550ac9ca61b96013af1d3ee431d3

 日本人の方がまともじゃね?

<ρααρ>(同上)

 「ブレア英首相、150年後の謝罪――アイルランドのポテト大ききん、大英帝国は傍観
 アイルランドでは、大ききんに対し、当時の英政府が有効な対策をとらなかったとの批判が今でも強く、両国間の歴史のわだかまりとなっている。」
(1997年6月4日東京新聞夕刊)

 初めて知った。これがイギリスvsアイルランド始まりなのか。

<太田>

 いや、もっと根が深いよ。
 コラム#632の冒頭部分を読んでみたまえ。
 ところで、コラム#1293は今度は大飢饉より後の話、といった具合で、アイルランド大飢饉そのものに触れたことがたまたまなかったんだけど、コラム#3533(未公開)で「<ジョン・ラッセル英内閣は、>アイルランド大飢饉が起こったが、適切な対策がとれなかった」と記したところだ。

<ρααρ>

>日本人の方がまともじゃね? <(ραρα)

 イギリス人にとってのアイルランド人というのは、日本の部落差別的なもんなんかな?
 日本人もIRAを見習って、原爆投下の恨み辛みと、北方領土をネコババされた恨み辛みを晴らすべきか、と思ったりw

 「ブレア書簡は英領北アイルランドにも反響を呼び起こし、カトリック系は新政権の姿勢を評価しているが、プロテスタント系のテーラー・アルスター統一党副党首は、被害意識が強いアイルランド人が今後新たな謝罪要求を出してくる可能性があり、今回謝罪すべきではなかった、と不満を表明している。」

 日本とそっくりだね

 英首相の謝罪ネタだと、最近、同性愛問題があったねぇ。

 「天才数学者 55年ぶり名誉回復 チューリングに英首相謝罪」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009091202000065.html

<太田>

 チューリングの件でもっと詳しいこと知りたければ、
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8249792.stm
をどうぞ。
 この記事、紹介すべきだったか。

<ρααρ>

≫パキスタンもイランもとんでもない国である↓、という認識に立って民主党政権はその対パキスタン、イラン「政策」を進めて欲しい。≪(コラム#3540。太田)

 鳩山政権、どうするのかなあ?
 「補給活動継続を要請 パキスタン外相
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090924/plc0909240903005-n1.htm

 「議長。日本で、制限的なものとはいえ選挙制度が始まったのは、今から120年前の1889年のことです。
 その後、20世紀の初めには「大正デモクラシー」と呼ばれる時代もあり、選挙によって政府が変わることは、実は日本でも当たり前のことでした。」
http://www.asahi.com/politics/update/0925/TKY200909240357.html

 これ言ったの、でかしたって感じかしら?
 太田さん、アメリカが日本を民主主義国家にしたというブッシュの妄言を批判していたから。

<太田>

 頑張って色々情報提供してくれて、(僭越にも2チャンネラーの方々に成り代わって)ありがとさん、と言っとくね。

 それでは、記事の紹介です。

 当たり前と言えば当たり前だけど・・。↓

 A genetic search of India’s diverse populations shows most people have mixtures of European and ancient south Indian genes・・・
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2009/09/25/2003454408

 核拡散防止のための、説得力ある、ささやかな、具体的な提案がなされてました。↓

 ・・・<There is> a critical weakness in the effort to halt the spread of nuclear weapons: the international community’s inability to stop and inspect a ship suspected of carrying nuclear materials without first getting permission from the country whose flag the ship is flying. ・・・
 Additionally, <it is> not authorize<d> the use of force if a country refuses to let its ship be inspected. ・・・
 Flag-state jurisdiction should now be amended to allow exceptions to combat nuclear proliferation and terrorism. A precedent for this already exists: in the Law of the Sea, the principle does not apply to ships involved in piracy or the slave trade, which can be detained.・・・
 ・・・a new maritime law can come into being simply through general international consensus. For example, in 1945 President Harry Truman declared that the United States would have exclusive use of its continental shelf. Other states accepted this and made similar declarations, and this principle became an accepted part of maritime law. ・・・
 The danger, to be taken very seriously, is that the offended country will respond aggressively. To minimize this risk, the first interdiction must be one whose moral logic is so strongly compelling to the international community that there is near universal support. Additionally, a system of liability should be established. If a ship is wrongly stopped, the owner should be compensated justly for the trouble.・・・
http://www.nytimes.com/2009/09/24/opinion/24muzinich.html?ref=opinion&pagewanted=print

 大統領当時のクリントンの証言を読むと、彼がブッシュ大統領の時代をいかに的確に見通していたか、舌を巻きます。↓

 ・・・Mr. Clinton called George W. Bush “an empty suit, meaner than his dad” and predicted that the Supreme Court would “do anything it could” to help the Texas governor in the wake of the Florida election stand-off. He also anticipated that Mr. Bush, as president, would want to “lead a charge” against bad guys like Saddam Hussein, whom he said he knew Mr. Bush “wants to take on.”
 Though his own administration would fail to take effective pre-emptive action against al Qaeda, Mr. Clinton identified Osama bin Laden to Mr. Branch as a clear and present danger, who, he said, bore an eerie resemblance to the fictional villains in James Bond movies -- a transnational presence owing no allegiance to a nation state and endowed, in Mr. Branch’s words, with “enormous private wealth and a network of operatives in many countries, including ours.”・・・
http://www.nytimes.com/2009/09/25/books/25bookready.html?hpw=&pagewanted=print
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太田述正コラム#3545(2009.9.25)
<ブランダイス--米国の良心(その2)>

→非公開