太田述正コラム#3512(2009.9.9)
<皆さんとディスカッション(続x593)>

<οαοα>(「たった一人の反乱」より)

 鳩山さんの奥さんのブッ飛んだ発言が取り上げられてるけど、Timeによるとムーという雑誌
http://www.gakken.co.jp/mu/mumagazine.html
にコラムを連載してるらしいよ。
 ギャグで言ったり、それを取り上げたりしてるものかと思ってたけど、もしかしたら本気で言ってんのかも。
 正直、こういうのは勘弁して欲しいなぁ。
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1920515,00.html

<KK>

 小生、・・・「日本人の精神史」に興味があり、いろいろ調べていますが、・・・最近では、人間主義(コラム#3489、#3491)、民主主義(コラム#3446)、などの論考を興味深く読まさせてもらっています。

 「日本人は「「個」が十全に発達していないために、「全体主義」的(集合無意識部分が多い?)なところがあり、それ故、日本に「民主主義」は根付かない。」と考えていました。

 太田さんは「一神教」よりも「多神教」の方が「民主的」で、従前から日本にも民主主義があったと称えておられる。
 また、「人間主義の普遍性」を称えておられる。
 今後、科学の対象が三次元(顕在意識)現象から潜在意識まで広がることにより、人間のとらえ方が変わり、人間と自然との関係性も変わっていくことが予感させられます。

 「精神史」以外に関心を寄せている「自然保護活動」についても、太田さんの論考を参考にして、従来の「上から目線」の西洋型自然保護活動から、「横並び目線」で「調和した共存共生を目指す」日本型自然保護を発信できるのではないかと、その可能性を模索しています。

 しかし、日本人の精神的特異性(本当は普遍性)が、社会や戦後教育の特異性と相まって、我々自身がその特異性を欠点としてしか自覚していないところと、個が十全に発達し得ない環境下で、潜在意識下の日本人の精神的特異性が顕在化しにくい(共有化しにくい)ところに問題解決の困難さを感じます。

 人間主義で言うところの<潜在意識下での普遍性>は、残念ながら<顕在意識下での普遍性>に直結してませんから。

 長々と、感想を述べさせていただきましたが、今後も太田さんのご活躍を楽しみにしています。

<太田>

 どうもどうも。

<οααο>(「たった一人の反乱」より)

 「利己主義と裏切りが支配する世界に「協力」が生まれる条件は:シミュレーション実験
 ・・・
 ・・・人類の文化的進化において、「一つの場所から別の場所へ移動することは、実際のところ、協調行動が発現し、普及する上で重要な前提条件だったかもしれない」とHelbing氏は述べる。・・・」
http://wiredvision.jp/news/200903/2009030423.html

 人間主義又は個人主義と関連しますかね?

<太田>

 原文
http://www.wired.com/wiredscience/2009/02/cooperation/
を読ませてもらったけど、大部分の人間は非協調的行動をとるところ、協調行動が発現する鍵は移動(移住)によって、たまたま協調行動をとっている人々と遭遇し、かかる行動を模倣することだ、ってことのようですね。

<οααο>(同上)

 「利他的行動は戦闘で進化:コンピューターモデルで分析・・・」
http://wiredvision.jp/news/200906/2009060823.html

 集団主義の起源=戦争?

 「・・・弥生時代には農耕生産による富の蓄積の上に、共同体のなかに階層差が生まれ、祭司を担う支配者が形成されるとともに、共同体間の戦争が行われるようになった・・・」
(概論日本歴史から引用)

 縄文時代が平和であったのなら、日本に集団主義があるのなら、弥生時代に起源があるといって良いみたい?
 もしそうなら弥生モードは集団主義的な側面を有している?

<太田>

 最初の方のを原文
http://www.wired.com/wiredscience/2009/06/altruism/
で読ませてもらったけど、それを踏まえた私の理解は、次のとおりです。

一、人間以外の動物とは違って、人間には、近親者以外に対しても利他的(=人間主義的)性向がある:縄文時代はかかる性向が発現した個人からなる社会だった。日本は、つい2000数百年前まで、人間主義的社会だったということ。
二、それが、一定程度以上に豊かな社会になると、平時においては、人間は利己的(=個人主義的)になりがちである。:日本においてさえ、弥生時代にはそのような傾向があった。
三、しかし、そのような社会でも、有事(災害時、戦争時)においては例外的に利他的(=人間主義的)性向が発現する。:日本は、その後も、縄文モードの時代においては、世界的には極めて珍しいことだが、平時においても利他的(=人間主義的)性向が発現した個人からなる社会だった。

<οααο>(同上)

 利他的行動は戦闘によって進化と聞いて頭に浮かんだのが↓だった

(テルモピュレーの戦いを前にしてクセルクセスとデマトラス(ギリシア人)の対話場面)
ク:・・・果たしてギリシア人どもが敢えてわしに刃向い抵抗するだろうか否か、わしに申してみよ。・・・
デ:・・・われわれは叡智ときびしい法の力によって・・・専制に屈服することもなく参ったのです・・・
デ:・・・ギリシアに隷属を強いるごとき提案は絶対に彼らの受諾するところとはなりませぬ・・・
ク:・・・一千の兵がこれほどの大軍を相手に戦うなど・・・当然の理屈に従って考えてみるがよい・・・
ク:・・・指揮官を恐れる心から・・・鞭に脅かされて寡勢を顧みず大軍に向って突撃もしよう。・・・
ク・・・しかしながら自由に放任しておけば、そのいずれもするはずがなかろう。・・・
デ:・・・スパルタ人は一人一人の戦いにおいても何人にも遅れをとりませんが更に団結した場合には世界最強の軍隊・・・
デ:・・・彼らは自由であるとはいえ・・・法(ノモス)と言う主君を戴いており・・・主君の命ずるまま行動いたします・・・
(ヘロドトス「歴史」より抜粋)

 利他的なギリシアと利己的なペルシア、勝利したギリシアと敗北したペルシアの対比。

<太田>

 有事において、自分の内に潜む利他的(=人間主義的)性向が発現し易いのは、その個人が自分の内に潜むものに身をゆだねる自由を平時から享受している場合だ、ということではないでしょうか。
 つまり、専制主義の下では、有事においても、利他的(人間主義的)性向は発現しにくいのではないのか、ということです。
 ロシアにおいて、テロ事件に対処するにあたって、人質の命がいかに軽んじられてきたか・・モスクワでの劇場占拠事件(コラム#465)やベスランの悲劇(コラム#464〜467、469、474、476、477)・・が思い起こされます。
 私が最近書いた人間主義に係るコラム(#3489、#3491)が公開されたらぜひ読んでください。
 いずれにせよ、貴重な情報提供、感謝します。

<おなか一杯>

 --『北朝鮮と台湾の関係』 核廃棄物--

 核開発などで何かと話題に上る北朝鮮と台湾の意外な関係をまとめてみましたので、ご参考まで。

 「必ずしも足並みがそろわぬ米側の対応
 ・・・加えて、四月一二日、李登輝総統は、イギリスの賓客との会見の中で、北朝鮮問題とそれに関する台湾の対応策に言及したといわれる。
 だが、かねてから話題となっていた台湾の核廃棄物を北朝鮮で処理する問題については、既述のギングリッチ米下院議長ですら李登輝総統との会見で抑制を促したもようである。・・・ 」(1997/06/10 世界週報)
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm

http://72.14.203.104/search?q=cache:Dgo-61n9W8sJ:nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm+%E6%A0%B8%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9%E3%80%80%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%80%E6%9D%8E%E7%99%BB%E8%BC%9D&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=2

 愛知李登輝友の会ブログ(2009年08月23日)
http://ritouki-aichi.sblo.jp/article/31540733.html?reload=2009-08-27T15:15:16
のコメント欄<も>ご覧ください。

<太田>

 情報提供ご苦労様です。 

<MS/KT>

 次回のオフ会についての、最終的なご案内です。

一次会

日時:9月12日(土)
   9時30分〜16時30分(昼休憩12時〜13時)

場所:大井第三地域センター
(http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/menu000007300/hpg000007215.htm) 

会費:500円

注:
 オフ会出席ご希望の方は、下掲↓のフォームでどうぞ。
http://www.ohtan.net/meeting/ 

 ただし、当日の飛び入り参加(途中からでも可)大歓迎。

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一次会プログラム

9:00 集会所到着、準備
9:30 オフ会開始の挨拶(MS)
9:35 太田さんの模擬講義
     (進行:H氏の誘導質問形式、内容:米国論・属国論等)
10:35 質疑応答
11:30 参加者自己紹介
12:00 昼飯休憩(参加費支払いもこの時にお願いします)
13:00 太田コラムマニアッククイズコーナー(KT、景品あり)
13:30 参加者の発表「開国論」(太田HPの改善、次回出版作等にも触れる)(MS)
      これを受け、太田コラムの読者を増やす方策等について討論する。
14:50 休憩
15:00 参加者の発表「南京事件」(核心さん)
      これを受け、太田コラムの方法論等について討論する。
16:20 一次会終了&二次会場へ移動

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二次会


品川駅東口の居酒屋天狗で午後五時から七時まで
予算2500円程度。
地図: http://r.gnavi.co.jp/a115113/map1.htm


<太田>

 記事の紹介です。

 猪木武徳国際日本文化研究センター所長が、言っていること↓は、上の方で論じた人間主義論と関連づけて理解すると腑に落ちるんじゃないかな。

 「・・・物事の軽重大小や優先順位を見極める能力(これを福沢諭吉は「公智」と呼んだ)が、人生においても国家存亡に際しても重要な役割を果たすのだ。
人間の日々の生活には単調なルーティンの活動も多いが、時として非定型な予測しがたい問題に直面することがある。個人も、組織も、そして国家も、こうした非定型の、時には「危機」と呼ばれるような状況への対応能力が問われる場面に遭遇する。
リーダーに求められるのは、こうした公智に基づく「リーダーシップ」なのである。そしてリーダーに従おうとする気持ちを人々に起こさせるのは、彼の公正さ、廉直さ、勇気といった公徳であることは言うまでもない。リーダーは憧れや理念を指し示す人物でなければならないからだ。・・・」
http://globe.asahi.com/worldeconmy/090907/01_02.html

 おいおい、産経ですら、金井さんの階級を省略している↓のはどうなってんだい?
 「・・・宇宙飛行士の候補として、新たに海上自衛隊第1術科学校(広島県)所属の医師、金井宣茂さん(32)を採用する方針・・」
http://sankei.jp.msn.com/science/science/090908/scn0909081029003-n1.htm

 ざっと探したけど、「一等海尉」って書いてたのは時事↓くらいですね。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009090700888

 何度も言うけど、自民党はもう終わってます。↓

 「・・・ 自民党は93年に下野した際、衆院選から4日後に両院議員総会を開催。河野洋平新総裁(前衆院議長)を選んだのは選挙から12日後だった。当時の自民党は比較第1党(223議席)だったとはいえ、党の再起にかける熱気と小沢一郎氏ら非自民勢力に対する敵対心はすさまじく、今日<の両院議員総会>との差は歴然としていた。・・・」
http://mainichi.jp/select/seiji/seikenkotai/document/news/20090909ddm002010052000c.html

 背の低い男性のコンプレックスには理由があるんですねえ。↓

 ・・・tall men have greater success with the opposite sex. ・・・
 ・・・researchers questioned 100 men and 100 women in relationships about their feelings of jealousy and how interested they believed their partners to be in other members of the opposite sex. They found taller men were less jealous. Apparently, 5ft 4in men scored an average of 3.75 out of six on a jealousy scale, with the men around 6ft 6in getting just 2.25. The results among women were more complex, with those of around average height (5ft 6in) scoring lowest for jealously, at around three out of six.・・・
 ・・・in 21 American presidential elections from 1904 to 1984, the taller candidate won 80% of the time. But did the taller candidates win because they are taller? It is by no means certain. Indeed, the Longer Name Hypothesis points out that of the 22 presidential elections between 1876 and 1960, the candidate with more letters in his last name won the popular vote 20 times・・・
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/sep/09/mens-fashion-nicolas-sarkozy

 小林正樹監督の「人間の条件」(の英語字幕版?)が絶賛されてました。↓
http://www.slate.com/id/2226970/

 中共でも、法学士優位の社会の到来は近い?↓

 ・・・In the beginning there were firebrand revolutionaries like Mao Zedong and Deng Xiaoping. Then came the engineers. China's post-Mao leadership has been dominated by engineers of varying stripes. Party chief (and President) Hu Jintao trained in hydraulic engineering, and Premier Wen Jiabao studied geomechanics, for example. Apparatchiks like them account for eight of the nine members of the Communist Party's all-powerful Politburo Standing Committee, a trend replicated throughout the lower ranks, too. But times are changing. An analysis of younger rising stars in the party's leadership firmament reveals that cadres trained in the "soft sciences"--especially law--are quickly catching up・・・
 Of the eight fastest-rising young Politburo stars, none got their highest degree in engineering. Instead, their educational backgrounds--defined by the highest degree attained--include economics, history, management, journalism, business, and law (three have legal training).・・・
http://www.newsweek.com/id/214993
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太田述正コラム#3513(2009.9.9)
<チャーチルの第二次世界大戦(その3)>

→非公開