太田述正コラム#3406(2009.7.20)
<皆さんとディスカッション(続x545)>

<MS>

 べじたんさんが作成中のFAQと掲示板に関して、提案したいことがあります。

FAQアドレス: http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/

 FAQですが、べじたんさんが、一週間に一度ぐらいのペースで着実に整備してくださっています。かなり項目もそろっているので、そろそろ手分けしてもよいのではないか、と思っています。以下の項目に関して、べじたんさんのご意見を伺いたく思っています。

 特にお聞きしたいのは、
1. 手分けするのはまだ早いか?
2. 手分けするにしても、どの部分を担当してほしいか?具体的には、未整理の部分の手分けをしたいか、すでにべじたんさんが整理された部分を修正する作業を手分けしたいか?(「てにおは」的な修正、および、追加情報(コラム本編へのリンクなどの追加)など。)
3. 何人ぐらいの人手が必要か?
などです。

 次に、掲示板ですが、ウイグル問題のおかげで最近にわかに盛り上がっていますが、やはり参加者が限られていて、少しもの足りない感じがします。

 そこで提案ですが、次のようなシステムの掲示板をつくれないものでしょうか?

1. 太田さんから、何か決まったテーマ(たとえばアニメと中性化の関わり)を与える。
2. 以下の条件の下、テーマに対する討論者を募集する。
  一、この討論者たちは議論に関して、最後まで責任を持つ。
二、討論のリーダーを決め、リーダーが議論の運営に責任を持つ。
  三、募集を締め切ったのちは、基本的に新たな討論者の参加は認めない。
3. 掲示板を用いて、以下のようなルールで討論を行う。
  一、議論の論理が明快であること。
  二、議論の段階を二つにわける。
    段階Aでは、典拠がない議論を許す。ただし、典拠がない箇所に関しては、番号振って記録しておく。
    段階Bでは、典拠を埋めつつ、詳細な議論を行う。
  三、A, B の段階を必要に応じて繰り返す。どのタイミングでA,Bのモードを切り替えるかはリーダーが決める。
四、討論者以外に「観客」の参加を認める。観客は以下のことができる。
    イ、典拠の提供 
    ロ、議論の論理的矛盾の指摘
    ハ、感想の表明や討論者の応援
五、上記イ、ロに関しては、議論のリーダーが何らかの回答をする。

 うまくいけば、学術的なレベルの研究や議論を、大学や研究機関の枠組みを超えて、linux の開発でみられるような「伽藍とバザール」(下記リンク)のような方式で行うことの先駆的な場になるかもしれないと期待しています。

 これに関連して、ITグループの方への提案があります。
 上記の提案は現在の掲示板でも可能ですが、もっと特化した掲示板があるとありがたいです。たとえば、討論者の募集や締切の自動化、観客に対する書き込みの制限、典拠のリストアップ機能などなど。また、欲を言えば、太田述正掲示板にこだわらず、上記の満たすような媒体をウェブ上に作っていただけないでしょうか?
 広く一般に用いてもらえば、ひょっとしたら、2ch や mixi とは一味違うウェブコミュニティとして爆発的に広がって、大金持ちになれるかもしれませんよ?
 (まずは現在の掲示板で試験的に活動したほうがよいとは思いますが。)初期投資が必要であれば、多少のお金(数十万程度なら)だせるかと思います。

伽藍とバザール:
http://www.tlug.jp/docs/cathedral-bazaar/cathedral-paper-jp.html
(↑開発(議論)手法だけでなく、コミュニティを盛り上げる方法に関しても、
非常に参考になるかと思います。)

<べじたん>

◎古代ウイグル人と現代ウイグル人

 「その後、中央アジアのウイグル人はチャガタイ・ハン国の支配を受けてイスラム化を深め、民族的にも変容し、ウイグルという民族自称名を失った。現在ロシア領内や、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区に採用されているウイグルの名称は1920年代以後のものであり、言語的要素を除き、かならずしも古代から連続した実体をさすものではないが、ウイグル人としての民族意識をもつに至っている。」
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%AB/
 *梅村坦、内陸アジア史・ウイグル民族史、中央大学教授
http://hiki.cre.jp/history/?UmemuraHirosi

 「かならずしも古代から連続した実体をさすものではないが、ウイグル人としての民族意識をもつに至っている」をどう考えるかによって、歴史認識が変わるだろうな、と思いました。

◎女真が(半)遊牧民族かどうか

http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%A5%B3%E7%9C%9F/
には、何民族かは書かれていません。本来は、他の歴史学事典や民俗学事典にあたるべきなのですが、持ってないので、ネットで拾えるもので。

*山川出版社
 「契丹や女真といった遊牧諸勢力の台頭,東アジア諸地域の自立と勢力交替,宋の興亡と社会や文化の特色を理解する。」
http://tinyurl.com/ntsm2h

*人民中国
 「契丹族は遊牧民族、女真族は農耕・狩猟・遊牧民族、蒙古族は遊牧民族、漢族は農耕民族、満州族は半狩・半農の民族である。民族と民族との間では、あれやこれやの問題もあったが、総じていえばたがいに重んじあい、学びあい、助けあってきたといえよう。北京を舞台に、農耕民族、遊牧民族、狩猟民族が一つに溶けあって千年も暮らしてきたのだ。」
http://www.peoplechina.com.cn/zhuanti/2007-12/19/content_99572.htm

*学生のレポートからの孫引き
 「女真族(後の満洲族)は中国東北部の遊牧民族である。明の永楽帝はここを支配するために、衛所と呼ばれる組織を作ったが、これが後に女真族の部族組織のようなものに発展した。女真族は15世紀後半から明と、貿易をめぐって紛争を起こすようになった。(注26)」
 「注26 大林太良・生田滋共著、『東アジア民族の興亡』日本経済新聞社、260ページ参照。」
http://semi.miyazaki-mu.ac.jp/stamiya/shouron/14/hurukawa.htm
 *大林太良、日本の民族学者、東京大学名誉教授
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9E%97%E5%A4%AA%E8%89%AF
 *生田滋、東南アジア史研究者、大東文化大学名誉教授
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%94%B0%E6%BB%8B

 以上からですが、女真は(半)遊牧民族である、というのは間違いでもなさそうですが、いかかでしょうか?

<ιααι>(「たった一人の反乱」より)

http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/49cbbc7e77b0892cdd68e8f83d00dc9a
 これ読むと ohtanも北京に上手く踊らされてるってのが分かるな

<太田>

 まあ、英米の主要メディアが中共当局に上手く踊らされてるとすりゃ、それに拠ってる私も踊らされてることになるわいな。
 ところで、引用されたブログ、「ウイグル人のデモは当初携帯メールなどを通じて動員が行われたようですが、治安部隊の実弾射撃や装甲車の突入といった「動かぬ証拠」が、ビデオであれ携帯動画であれ、とにかくビジュアルとして現在に至るまで全く出てきていません。」と嘆いてるけど、確かに警察によるウイグル人射殺がらみの映像が全く出てきていないのは不思議ですね。
 広東省のおもちゃ工場での漢人によるウイグル人殺害については、映像が出てきているというのにね。
 携帯等で撮影する準備すらしてなかったってんだから、ウルムチでのウイグル人騒乱が、カディーアらによる謀略なんてもんじゃなかったことは明白だよな。

 それにしても、中共当局は、こんな↓にまなじりを決してウイグル人対策に血道をあげているわりには、「成果」があがってませんね。

 ・・・Xiangyang Po, a grimy quarter of <Urumqi> dominated by Uighurs・・・
 Last year, during a raid on an apartment, the authorities fatally shot two men they said were part of a terrorist group making homemade explosives. Last Monday, police officers killed two men and wounded a third, the authorities said, after the men tried to attack officers on patrol.・・・
 Last year, in the months leading to the Beijing Olympics, the authorities arrested and tried more than 1,100 people in Xinjiang during a campaign against what they called “religious extremists and separatists.”Shortly after the arrests, Wang Lequan, the region’s Communist Party secretary, described the crackdown as a “life and death” struggle.・・・
 In a sign of the sensitivities surrounding the unrest, the Bureau for Legal Affairs in Beijing has warned lawyers to stay away from cases in Xinjiang, suggesting that those who assist anyone accused of rioting pose a threat to national unity. Officials on Friday shut down the Open Constitution Initiative, a consortium of volunteer lawyers who have taken on cases that challenge the government and other powerful interests. Separately, the bureau canceled the licenses of 53 lawyers, some of whom had offered to help Tibetans accused of rioting last year in Lhasa, the capital of Tibet. ・・・ 
http://www.nytimes.com/2009/07/20/world/asia/20xinjiang.html?_r=1&hp=&pagewanted=print

<べじたん>

≫「民主党の候補者のネガティブリストに入れるか微妙な人を何名かご紹介を。
(お父さんが参議院議員の扱いってどうなったんですか?)≪(コラム#3404。ιαια)

 菅川洋氏と宮島大典氏は、完全な見落としです。

 あと、wikiがそもそもない多くの新人候補は、家族構成をチェックできませんでした。
 石井登志郎氏は以前話題になったこともあり、
http://blog.ohtan.net/archives/51379138.html
注意してチェックしたのですが、地盤は継いでないと公言していたので、【世襲とみなすか保留】リストから外しました。

 「私自身「世襲」の対象ではありませんが「二世」の対象です。今回の議論は、若干、私にも関係しないこともありませんので、一言だけ私の考えを記したいと思います。」
http://ameblo.jp/toshiro141/entry-10246231432.html
2009/07/19(日) 23:31:20

<太田>

 それでは、まず、総選挙がらみの記事の紹介から始めましょう。

 「・・・次期衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいかを尋ねた質問では、民主党との回答が56%と前回調査(6月13、14日)より3ポイント増え、自民党の23%(前回比4ポイント減)を大きく引き離した。政党支持率は民主が36%(前回比2ポイント増)で過去最高を更新し、自民は18%(同2ポイント減)で昨年9月の麻生政権発足以来、最低に落ち込んだ。・・・
  今、衆院選が実施されたら比例代表でどの政党に投票するかも質問した。民主党との回答が45%で、自民党の18%を大きく上回ってトップ。同じ質問をした3月の調査から民主党が17ポイント増えたのに対し、自民党は2ポイント減。
 ほかの政党の支持率は公明党5%・・・」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090720k0000m010111000c.html 
 「・・・全国電話世論調査(第1回トレンド調査)で、比例代表の投票先政党で民主党が36.2%に上り、15.6%だった自民党の2倍以上に達した。前回2005年衆院選の第1回トレンド調査では自民党が31.5%、民主党15.2%だったが、完全に逆転した形だ。
 ただ「まだ決めていない」の回答が34.7%あり、情勢が変化する可能性もある。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009072002000092.html

 今、総選挙があれば、民主党だけで衆院の過半数を占めますね。
 その場合、参院の自民党議員で民主党に鞍替えしたり、民主党と提携する新党を立ち上げたりする人が出てきて、参院でも民主党が単独過半数を確保でき、民主党単独政権ができるかもしれないし、そうならない場合でも、民主党中心の政権がボロを出さなければ、来年の参院選で、民主党が過半数を得ることでしょう。

 「・・・麻生太郎首相と鳩山代表のどちらが首相にふさわしいかの質問では、鳩山代表が28%(前回比4ポイント減)で麻生首相の11%(同4ポイント減)を上回り「どちらもふさわしくない」が57%(同11ポイント増)と半数を超えた。鳩山氏については献金虚偽記載問題で「説明責任を果たしていない」との回答が75%を占め、この問題の対応が鳩山氏への期待を減らしたとみられる。・・・」(毎日上掲)

 しかし、このように、態度を保留している人↑が多いだけに、これからの40日間の長丁場を、鳩山問題を抱える民主党がつつがなく乗り切れるのか、まだ心配です。

 「・・・東京都議会議員選挙の・・・開票結果を眺めて、「おやっ」と思うのは、議席数を激減させた自民党や共産党の総得票数が前回都議選(平成17年)よりも、逆に増えている点である。・・・
 <このように、>ほとんどの党が得票を伸ばす中で、全候補者を当選させた公明党が実は票を減らしている・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090720/lcl0907200811002-n1.htm

 分かってるだろうけど、今度の総選挙では、選挙区の民主党候補がネガティブ・リストに載っかってたような場合でも、間違っても公明党の候補になんか投票しちゃダメですよ。
 自民党だけでなく、公明党にも鉄槌を下しましょう。

 それ以外の記事です。
 
 「・・・1999年にシカゴ大学が実施した調査では、30パーセントもの女性が性欲をまったく覚えないと答えた。男性の場合も、性欲をまったく覚えないと答えた人が15パーセントいたが、アルコール依存、ストレス、糖尿病、心臓病、その他の障害など、明らかな原因があった。ところが、“性欲をまったく覚えない”女性たちに関しては、これといった原因が存在しない。・・・
 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に所属するローズマリー・バソン医学博士(精神科医)は、「性欲が性行為の原因」だとする大前提を根底から覆す説を唱えている。彼女によれば、かなりの割合の女性は、自分から性欲を覚えることがなく、ある程度の性的な接触があって初めて性欲を覚える。つまり、「性欲は性行為の結果」なのだということになる。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/4258195/

 中共は、以下↓のように、戦略的にアフリカに進出しています(コラム#1683)。
 これに対し、米国も戦略的に対応しています。
 ところが、わが日本は・・。

 ・・・In 1976, under Mao Zedong, China completed the Tan-Zam railway, linking Zambia to the port of Dar es Salaam in Tanzania. But, as the authors note, Chinese inroads into Africa really got a kick-start in 1995, when President Jiang Zemin made a speech urging Chinese business leaders to “Go abroad! Become world players!”・・・
 ・・・bilateral trade between the regions quintupled, to $55 billion, from 2000 to 2006, and that the figure is expected to reach $100 billion by 2010. ・・・
 China’s ambitions in Africa are grandly geopolitical as well as economic.・・・
 China is using Africa to get where the United States is now, and surpass it.・・・
 ・・・there are now about 750,000 Chinese living and working in Africa・・・
 On the one hand, the Chinese invest heavily in infrastructure projects and create hundreds of thousands of jobs in return for being granted oil, mining and other concessions by African nations. ・・・Chinese “discretion and humility” are a breath of fresh air against a backdrop of “colonial arrogance” by France, Britain and other nations. In addition,・・・“Africa welcomes any competition that shakes up the Western, Lebanese and Indian business monopolies.”
 Many African leaders are enamored of the Chinese mix of authoritarianism and capitalism in business affairs, an emphasis on efficiency and a lack of preaching about human rights・・・
 But・・・the Chinese have been criticized for selling arms to Sudan and Zimbabwe in the past, and for showing support for the Zimbabwean dictator Robert Mugabe. ・・・thousands of machetes used in the Rwandan genocide were imported from China.
 And the everyday workplace is riven with accusations of mistreatment of African laborers by Chinese bosses, and accusations of virulent racism that seems to contradict the Chinese image of discretion and humility.・・・
http://www.nytimes.com/2009/07/19/business/19shelf.html?ref=world&pagewanted=print

 3連休中も太田コラムをお読みいただいた皆さんに敬意を表して、シャンソンをお送りします。
 je n'pourrai jamais t'oublier(あなたのことは決して忘れられないわ→再会)です。

 曲だけをまず、ポール・モーリア(Paul Mauriat)楽団演奏でお聞き下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=6WTMa3b7NIk&feature=related

 フランスの原曲は次のとおりです。歌うのはニコレッタ(nicoletta)。器楽伴奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=CpYJbd-ozLo

 次に、4人の女性による日本語訳での名歌唱をどうぞ。

 金子由香利。どれも素敵です。ピアノ中心の伴奏もすばらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=q35ZxrGi4kE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=EoY0HcKV06k&feature=related (訳詞付)
http://www.youtube.com/watch?v=mBw4_WPDgTs&feature=related
 嵯峨美子。淡々とした中に味わいがあります。ギター中心の伴奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=qBf5ZBnGX9E&feature=related
 奥田晶子。表情や仕草を含め、お見事です。ピアノだけの伴奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=0LVqNcPEORo&feature=related
 青木FUKI。最近のもののようです。ピアノだけの伴奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=I1rSPa0H8i4&feature=related

 お笑い版もあるんですよ。これがなかなかいける。
 石原愛子 
http://www.youtube.com/watch?v=sHQ1zwYuI3Q&feature=related

 最後にベトナム語による歌唱です。現代ベトナムにもフランスの影が・・。
 ゴク・ラン(Ngoc Lan)
http://www.youtube.com/watch?v=lyG-zNfj9zY&feature=related
---------------------------------------------------------------------------

太田述正コラム#3407(2009.7.20)
<米国における最新の対外政策論(その3)>

→非公開