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太田述正コラム#3400(2009.7.17)
<皆さんとディスカッション(続x542)>

<ぶんた>

 太田さんご紹介の、おもちゃ工場への強制移送に関するワシントンポストの記事、思いっきり納得しました。すごい取材ですね。中国政府関係者、移送されたウイグル人の家族、雇った工場主まで登場するんですから。
 これまた太田さんのご指摘のとおり、ノルマ達成のため地方の役人が暴走したっぽい気がしますが、いずれにせよ、中共の少数民族政策(植民地政策?)は思いっきり失敗しているということですね。14歳の少女を連れ出したり、逃亡させないために警官を貼り付けたり、むちゃくちゃだな。
 深雪さん、ちょっと疑って<(コラム#3390)>すみません。

<太田>

 ニューヨークタイムスがワシントンポストの記事をフォローする記事↓を載せました。

 ・・・The Uighurs who work at the Shaoguan toy factory, all of them from Shufu County outside Kashgar, are part of a growing wave of 1.5 million people who have migrated from Xinjiang to more prosperous cities of coastal China. This year, more than 6,700 young men and women left Shufu County, according to government figures, part of an ambitious jobs export program intended to relieve high youth unemployment and provide low-cost workers to factories.
 According to an article in the state-run Xinjiang Daily, “70 percent of the laborers had signed up for employment voluntarily.” The article, published in May, did not explain what measures were used to win over the remaining 30 percent.
 But residents in and around Kashgar say the families of those who refuse to go are threatened with fines that can equal up to six months of a villager’s income. “If asked, most people will go, because no one can afford the penalty,” said a man who gave his name only as Abdul, whose 18-year-old sister is being recruited for work at a factory in Guangzhou but has so far resisted.
 Some families are particularly upset that recruitment drives are directed at young unmarried women, saying that the time spent living in a Han city far away from home taints their marriage prospects. Taheer, a 25-year-old bachelor who is seeking a wife, put it bluntly. “I would not marry such a girl because there’s a chance she would not come back with her virginity,” he said.
 Still, a few Uighurs said they were thankful for factory jobs with wages as high as $190 a month, double the average income in Xinjiang.・・・
http://www.nytimes.com/2009/07/16/world/asia/16china.html?ref=world&pagewanted=print

 どうも、強制手段が併用・・しかも半ば公然と・・されたというのは、今回のおもちゃ工場のケースだけみたいですね。
 この「強制連行」問題を指しておられるのか、ウルムチ等での騒乱を指しておられるのか必ずしも明らかではありませんが、「中共の少数民族政策(植民地政策?)は思いっきり失敗している」とは必ずしも言えないでしょう。
 「55あるとされる中国内少数民族全てが漢族からの独立を求めているというわけではなく、その大半はさまざまな矛盾を抱えながらも漢族との共存の道を歩んでい<る>」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0713&f=column_0713_002.shtml
(後出)ということからして、チベット族やウイグル族の不満のそれぞれの固有の原因を追求する必要があります。
 いずれにしても、この「強制連行」問題に関して言えば、それは、中共全土で地方当局が再開発のため、あるいは場合によってはその幹部が私腹を肥やすため、農地や宅地を安く強制収用して、各地で強い反発を生んでいること等と同次元の、中共の非自由民主主義性の現れ、ととらえるべきではないでしょうか。

<ΑΑΙΙ>(「たった一人の反乱」より)

【在日】地方参政権獲得へ、苦節16年の総決算だ!
http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=3473&corner=2

 うわぁ。

 ウルムチ暴動を在日から見ると……日本も他人事ではない。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0713&f=column_0713_002.shtml
執筆者:鄭雅英 立命館大学准教授

 さあ案の定、サーチナと在日のコラボで、同列論が出てきました。
 在日は外国人に過ぎず彼等には帰る国がある。
 密航者の末裔っしょ。

<太田>

 提供された情報は貴重ですが、最後の結論の部分は小せえ、小せえ。

<ΑΙΙΑ>(同上)

 おーたんも、みなみ<(南。コラム#3398)>たんもガンガレー。
 みなみたん、即日レスせんでも、議論から逃げたなんて誰も思わないから、ガンガレー。

<太田>

 タイミングよく、北村豊・住友商事総合研究所アナリストによるコラム↓が出てましたね。

 「・・・始皇帝の秦朝(紀元前221〜206年)から清朝(1644〜1912年)までの2133年間に在位した皇帝・・皇帝あるいは天王、王という称号を持ち、かつ元号を使用した者の総数。ただし、漢の武帝以前は元号がなくても算入・・の数は合計341人である。
 これらの皇帝を、[A]純粋な漢族、[B]純粋な異民族、[C]異民族との混血、という3区分に分類すると、[A]162人(47.5%)、[B]147人(43.1%)、[C]32人(9.4%)という結果になるという。皇帝総数に占める[B]と[C]の比率は52.5%であり、皇帝の半数以上が純粋の漢族ではなかったことになる。・・・
 755年にソグド族系将軍の安禄山が唐の玄宗皇帝に対して反旗を翻した「安史の乱」により、唐朝は滅亡の危機に見舞われたが、反乱軍を鎮圧して唐朝を救ったのが今のウイグル族の先祖<廻?(ウイグル)の皇太子・葉護(Yabghu、ヤブグ、?〜758年?)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%89%E8%AD%B7
>だった。
 また、蒙古族の元朝は、蒙古人、色目人、漢人、南人という4階層の支配制度を敷いたが、第2位に位置づけられた色目人とは西域を起源とする多数の少数民族(ウイグル族も含む)で、彼らが漢族よりも上位に置かれたこともあった・・・
 漢族は混血民族であ<り、他方>、少数民族とはその混血民族たる漢族を生み出した母体とも言える存在である。ただし、少数民族もまた、民族間の興亡により幾多の変転を経て、他民族を吸収することで生き残ってきた混血民族なのである。・・・
  匈奴は鮮卑に、匈奴と鮮卑は柔然に、柔然は突厥に、突厥は回こつに、契丹は蒙古に、渤海は高麗に、女真は蒙古に、羌人は吐蕃に、それぞれ融合された。
 さらに新たな民族を構成したものさえもあった。回?は今日のウイグル族となり、女真は今の満州族となり、室韋(しつい)・突厥・契丹・女真はこれに漢族まで加わって今日の蒙古族となった。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090716/200233/
 なお、このコラム↑には、漢人と少数民族の人口動態の表もついてます。
 当然ですが、少数民族の方が人口の伸びは大きいです。

 ついでに、中共における少数民族の分布状況を知りたい方は、↓をどうぞ。
http://www.nytimes.com//interactive/2009/07/10/world/20090711-xinjiang.html?ref=world

 どうして、アラブ諸国やイランでウイグル騒乱への関心が低いかを説明する記事↓がありました。

 ・・・To some Arab regimes, the bloody images of riot police clashing with Uighur protesters in Xinjiang's capital last week were strikingly familiar, because the same thing happens at home. ・・・
 The Uighurs complain of religious and cultural persecution and economic marginalization by China's Han-dominated government. Not unlike Egypt's heavy-handed treatment of the Brotherhood -- which is banned from participating in politics, and whose members are frequently subject to arrests and interrogations -- China also limits the Uighurs' international travel and maintains a degree of control over the sermons they provide at local mosques. ・・・
 ・・・China is both Iran and Sudan's biggest trade partner, and either the main or secondary source of imports for most of the other countries in the region. ・・・
 In the case of Egypt, "China is not involved in or critical about any of the political challenges in Egypt, and it doesn't interfere on this level," ・・・. "That makes Egypt more reserved toward any clashes that Muslims are involved [with] in China."・・・
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1911002,00.html

<ιιΑΑ>(「たった一人の反乱」より)

 おーたん、ジュリアン・ジェインズの「神々の沈黙」読んだことある?

<太田>

 読んだことない、で終わっちゃうから、こういう質問は、この本のURL程度は示した上で、質問の趣旨を記すべきでしょが。

<ιΑιΑ>(同上)

 まだ全容が見えていないが、今日の「署名騒動」見ていたら自民党の議員に外交なんか任せていいのかと思う。
http://www.asahi.com/politics/update/0716/TKY200907160224.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009071600475

<太田>

 耳タコで恐縮だけど、我々はもともと外交、というか少なくともその基本は宗主国米国にお任せしてるんですよ。
 自民党の議員に任せていないからこそ、連中はやることがなくて、ただひたすら属国のちんけな権力の座を維持することだけに血道をあげてきたわけさ。
 その虎の子の権力の座を明け渡さざるを得ない日が近づいていることで、連中の本性が白日の下に晒されたってこと。

<ιΑΑι>(同上)

≫しかし、それでは年代等細部において誤りなきを期し難いので、原則英語ウイキペディアで私の記憶を検証するよう努めている、ということです。(読者の便宜にもなりますからね。)≪(コラム#2398。太田)

 精度や権威を気にするなら、ウイキよりも、小学館・日本大百科全書の方がいいんでない?
http://100.yahoo.co.jp/

<太田>

 IEのお気に入りに登録だけはしてあったんだけど、今後は、時々使ってみますかね。

<ιΑΑι>

 A Flash of Memory
http://www.nytimes.com/2009/07/14/opinion/14miyake.html

 今日の朝刊で(うちは読売なんだけど)、三宅一生が書いた原文が読めると期待したんだけど、読売には載ってなかった。
 原文を入手したのは朝日だけなのかな? しかも朝日、ネットには載せてないっぽい。
http://2.bp.blogspot.com/_Caz5c9IpjZA/Sl6bjuwLMmI/AAAAAAAAGLk/hsCC4rJAW14/s1600-h/090716_7.JPG
http://heibonshatoday.blogspot.com/2009/07/blog-post_16.html

 おーたん、一昨日と昨日取り上げなかったけど、欧米社会へのインパクトは今一なんだろうか?

 「この寄稿文は、イギリスのBBCテレビが取り上げたほか、フランスの通信社が打電、またインターネットのサイトでも、この話題の書き込みが多く見られるなど、三宅さんが世界的に有名なデザイナーだけに各所で話題を集めています。」
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4185231.html

<太田>

 見落としてました。
 英訳でしか読めないわけだけど、すばらしい文章ですね。
 サンキュー。
 今日、こんなコラム↓が出てましたね。
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20090717k0000m070130000c.html

 既に事実上記事の紹介をしてきましたが、それ以外の記事を一つだけ。

 ・・・Women spend an average of 287 days of their life thinking about what to wear・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2009/07/17/2009071700245.html
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太田述正コラム#3401(2009.7.17)
<中共における豪州鉄鋼会社幹部逮捕事件>

→非公開

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