太田述正コラム#3340(2009.6.17)
<皆さんとディスカッション(続x518)>

<太田>

 Chaseさんとsantaさんの、対韓国謝罪「論争」が太田述正掲示板で行われ、一応の収束を見ました。
 「論争」の中身自体はそちらをご覧下さい。
 ここでは、「論争」の周辺的なやりとりだけをご紹介しておきます。

<santa>

 ・・・韓国国内では「親日迫害」があります・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%B8%9D%E5%BC%B7%E5%8D%A0%E4%B8%8B%E5%8F%8D%E6%B0%91%E6%97%8F%E8%A1%8C%E7%82%BA%E7%9C%9F%E7%9B%B8%E7%B3%BE%E6%98%8E%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%B3%95

<Chase>

 ・・・<日本の戦争謝罪発言一覧は次のとおりです。>・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7

<santa>

 ・・・
 おかげさまで自分の考えを整理する機会に恵まれました。
 Chaseさん、ありがとうございました。

 以下余談。
 今回のご縁でChaseさんのブログ
http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
を拝読するにあたり、気付きがあり、あるいはよりご見解を伺いたいと思う箇所もありました。・・・
 僭越ながら非常に良質なブログと思います(ちょっと用語が難しいと感じた部分があったことは付言しておきます)。
 太田さんが「みなさんとディスカッション」という貴重な場を提供してくださっていること(出血大サービスですね)に感謝したいと思います。
 もっとも活況を呈すると、Chaseさんのブログで、「もっと若い世代には著名人弄りはやめられないだろう」と辛辣な(?)お言葉をいただくことになってしまい(笑)なかなか難儀ですね。
 私は少なくとも太田さんを「著名人」だとは思っていなかったりするんですが(失礼!)。
 弄るような不埒な投稿は圧倒的に少なく、太田さんの意図のとおり機能しているのでは、と思います。
 フラチ投稿が載るのもまた太田さんのチョイスと趣味(笑)の範疇と考え楽しんでいます。

<Chase>

 Santaさんへ。
 ご返答ありがとうございました。
 今回のご返答見ましたら、基本的に大きな相違感はないものと(勝手に)思っておりますので、個別の返答は控えます。

 そもそも、意見のやりとりはその人の思想背景が分からないとやりずらいところがあり、かつ問題提起した側が、立論をすべきだとは思いますが(そうしないと全体像がわからないので)、それはそれで骨の折れることであり、50台になった一般人の私としても、きつく気乗りがしません。
 Santaさんから意見をいただいた私のブログ記事は(どの記事もそうですが)立論ベースでなく、直観に頼った戯言と自重しています。
 したがって、鋭い反論については正直つらいところです。とはいえ、やはり表に出しているわけですから、意見が欲しいという気持ちもあります。
 その意味で、今回、Santaさんから意見をいただきとても嬉しかったです。
 拙ブログを評価いただいたことも感謝します。

 私はコムラーを自称していますので、小室直樹氏の言論が自分内の中核をしめています。
 私の韓国論?の全体像にについていえば、同氏の韓国でもベストセラーになった「韓国の悲劇」をはじめとする韓国三部作がべーすとしてあります。
 当初の私の記事では、「謝罪」の側面を表に出していますが、私は、過去も今も、語弊を承知で言えば、いわゆる右派言論を自分の基調としていることからも、これまで反論を上手にやってこなかったこなかったことの忸怩たる思いは、(Santaさん以上に?)当然あり、むしろまずそのことの主張の方が、自分内部の大きな部分を占めています。
 その上での、「謝罪」の側面を意識した意見の表明ということでご理解願います。
 主張は主張、謝罪は謝罪でそれぞれ、自らの判断を第一義的にまずやるべきだというのが基本的発想です。
 上掲の「韓国の悲劇」も日本側、韓国側の両者の立場を踏まえながら、それぞれが、主張は主張、謝罪は謝罪で行うべきとのモチーフと理解しております。

 なお、著名人弄りというのは、遊び言葉なのであまり真に受けないで下さい。
 太田さんが対応下さっている範囲では何の問題もないと思います。
 ただ、太田さんのような細かい対応をしてくださる言論人はごくまれだと思いますし、そのことの有り難味は必要以上に感じておいた方がよいと私は思います。

 どうもありがとうございました。

<太田>

 お二方の熱心な「議論」に敬意を表します。
 なお、オバマ大統領は、イランに謝罪しましたよ↓。ご参考まで。

 ・・・in 1953・・・ the C.I.A. organized a coup that deposed Prime Minister Mohammad Mosaddeq and installed the Shah ? a cold war operation for which Mr. Obama just publicly apologized during his speech at Cairo University last month.・・・
http://www.nytimes.com/2009/06/17/world/17sanger.html?ref=world&pagewanted=print

 ところで、コラム#3233であげた、中島みゆきの私の好きな曲に、次の3曲を加えたいと思います。

春なのに
http://www.youtube.com/watch?v=_REdla-_YHg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=PWwa8v3y34w&feature=related
(柏原芳恵)
http://www.youtube.com/watch?v=b4tNAQPynkc&feature=related

しあわせ芝居
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=DK14jZ6T_ug&fmt=18
http://www.youtube.com/watch?v=-atJV31gEW0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=aODq_d6SqgM&feature=related
(桜田淳子)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=whfNDXpNxjs&fmt=18

最愛
http://www.youtube.com/watch?v=Mq3tqsekUbg&feature=related
(柏原芳恵)
http://www.youtube.com/watch?v=HO2bXsZhKu0&feature=related

 それぞれ、つい最近まで、中島みゆきの曲だとは知らなかったものです。
 彼女が提供した相手の歌唱と比べてみるのも一興です。

 恐ろしいのは、しあわせ芝居の3番目で、中島が提供相手の桜田のマネをしているのが、そっくりであることです。
 中島の詩人、作曲家としての力量だけでなく、その歌唱力にも脱帽です。

 さて、記事の紹介です。

 日経BPに載った郷原信郎コラムは、色んな意味で面白いですねえ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090616/197741/?bvr

 「中西輝政教授は、「子供の政治が国を滅ぼす」(文藝春秋2009年5月号)で、昭和初期、政治不信の高まり、世界恐慌など、現在と共通する政治、経済状況の中で、検察による疑獄事件の摘発が相次ぎ、それが、最後に「司法の暴走」帝人事件(現在の民主党鳩山由紀夫代表の祖父鳩山一郎文部大臣など政治家、官僚が逮捕・起訴され後に全面無罪となった)を引き起こし、政党政治を崩壊させて、日本が道を誤って敗戦まで突き進む大きな要因になったことを述べ・・・」

→前段から後段へは論理の飛躍があるのでは?
 政治家や官僚の腐敗は確かにあっただろうし、もともと、政党間の醜悪な足の引っ張り合いに国民が政党政治に幻滅を感じ始めていたところへ、大恐慌、支那情勢の緊迫化があり、日本が有事体制に入ったっことが、政党政治の後退をもたらした、というところでしょう。(太田)

 「・・・6月10日に公表された「政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」(政治資金問題第三者委員会)の報告書に対して、新聞、テレビの多くは、検察当局や報道機関の批判に重点を置き、小沢一郎氏の説明不足を追及していないなどと批判している。とりわけ、報告書中で、法務大臣の検事総長に対する指揮権発動に関して言及したことに対しては、朝日新聞以外の各紙の批判は「非難」のレベルにまで達している。・・・」

→当たり前じゃん。(太田)

 「・・・「法務大臣の指揮権」をタブー視する考え方は、造船疑獄事件での犬養法務大臣の指揮権発動という「政治の圧力」が「検察の正義」の行く手を阻んだ、という歴史認識に基づくものだが、実は、そこには重大な誤謬がある。元共同通信記者の渡邉文幸氏の著書『指揮権発動』では、当時、法務省刑事局長だった井本台吉氏が事件から40年経って初めて語った証言などを基に、捜査に行き詰まった検察側が「名誉ある撤退」をするために、自ら吉田茂首相に指揮権発動を持ちかけた「策略」だったことが明らかにされている。・・・
 そして、2006年6月14日付朝日新聞夕刊の「(ニッポン人脈記)秋霜烈日のバッジ」(村山治編集委員)では、上記の井本氏の証言に加えて、当時東京地検特捜副部長だった神谷尚男氏の「あのままでは佐藤を起訴するだけの証拠がなかった」との証言、当時、一線の検事として捜査に加わっていた栗本六郎氏の「捜査は行き詰まっていた。拘置所で指揮権発動を聞き、事件がストップして正直ほっとした」という証言のほか、「日本の検察には『正義の特捜』対『巨悪の政界』という単純化された構図による呪縛と幻想がある」との渡邉氏の指摘も紹介されている。
 造船疑獄における指揮権発動が検察側の策略によるものだったことは、ほとんど疑う余地のないものと言ってもよいであろう。・・・」

→ここは勉強になりました。(太田)

 「・・・報告書では、小沢氏個人の資金管理団体である「陸山会」への寄附は、逮捕・起訴事実とされた2003年以降の2100万円だけで、それ以前は行われていないこと、小沢氏側への寄附は自由党、新進党の政治資金団体や民主党岩手県連に対する寄附をすべて含めても23.7%に過ぎず、西松建設関連団体の設立目的は小沢氏の政治家個人への寄附とは無関係だったと考えざるを得ないことを指摘している。
 そして、むしろ、西松建設が「新政治問題研究会」と称する団体を設立した真の意図は、橋本龍太郎氏の資金管理団体と同一の名称の団体を千代田区内に設立することで、区までの所在地と団体の名称しか記載されない官報の上で自民党議員への寄附の具体的内容が明らかにならないようにすること、つまり自民党議員側への寄附について迷彩を施すことにあったのではないかと推測されると述べている。・・・
 ・・・<これらについては、>新聞、テレビでも十分把握していた事実が含まれていたはずであるが、それらはこれまで報道されてこなかった。・・・」

→新聞、テレビもだらしないけど、そもそも、このような反論材料は、小沢一郎がもっと早く積極的に出すべきだったんじゃないかな。
 どうして出さなかったか?
 「新政治問題研究会」は小沢サイドからの働きかけで設立されたという報道がなされていること、「自由党、新進党の政治資金団体や民主党岩手県連に対する寄附をすべて含めて」の西松から小沢サイドへ長年のの巨額献金の趣旨を小沢は説明しようとしていないこと、等から、ヤブヘビだと考えたからだと考えるのが順当でしょうね。(太田)

 次は、本日配信する非公開コラム「北朝鮮の「核」をめぐって(その3)」に盛り込まれない、北朝鮮の核関連の記事の紹介です。

 「・・・「北朝鮮に係る船舶検査活動等に関する特別措置法案」(仮称)の原案が判明した。「海上保安庁または自衛隊」による船舶検査活動に加え、自衛隊による外国軍への後方支援活動を盛り込んだ。
 現行の船舶検査活動法は、日本の平和と安全に重大な影響を与える「周辺事態」の認定が前提。政府は現状を周辺事態とみていないため、原案は活動根拠を国連制裁決議としているが、成立すれば、自衛隊による船舶検査と後方支援という周辺事態に準ずる活動が可能になる。
 判明した原案によると、後方支援活動は「領海または我が国周辺の公海」で、燃料補給や人員の輸送を行う。インド洋で自衛隊が米軍などに実施しているような洋上補給などを想定。武器・弾薬の提供は含まない。
 一方、船舶検査は、首相の判断で海保、自衛隊のいずれかが実施し、船舶が所属する国の同意と船長の承諾を得たうえで積み荷などを調べる。ミサイル関連物資などの禁輸品目があれば、航路変更などを要請する。活動区域は「領海または我が国周辺の公海」とし、外国軍の活動区域とは「明確に区別し指定する」としている。・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0617/TKY200906160360.html

 法案が自衛隊をかませる方向とはっきり書いた↑のは、主要紙の中で朝日だけですね。
 相手はならず者ではあっても、国家は国家なんだし、どんな武装をしているかも分からないんだから、自衛隊をかませるのは当然です。(太田)

 「北朝鮮が北西部のミサイル基地に加え、北東部の基地でも長距離弾道ミサイルの発射準備を進めていることが・・・分かった。2発ともテポドン2号かその改良型とみられる。・・・
  南東部の江原道(カンウオンド)旗対嶺(キテリヨン)の基地では、ノドンとみられる中距離弾道ミサイルの発射準備も進められ、3基地からの連続発射も懸念される。その場合、日本を飛び越える長距離弾道ミサイルよりも弾頭落下の恐れが強く、MDでの主たる迎撃対象でもあるノドンの対処に集中すべきだとの見方が大勢・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090617/plc0906170131002-n1.htm

 北朝鮮も忙しいことです↑。それにしても、ノドンの方がテポドンより懸念が大きいと、日本のマスコミもようやく言うようになりましたね。(太田)

 なお、イランでの騒擾関係の記事は、明日以降に予定している非公開コラムで扱います。

 小沢・クリントン会談の舞台裏を報じた産経の記事↓を読むと、改めて小沢一郎の異常さ、ダメさかげんが分かります。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090617/stt0906170806000-n1.htm

 中共の台湾籠絡経済作戦を報じた産経の記事↓もグッド。記事中で引用された朝鮮日報記事のタイトルは覚えているけど読んでいませんでした。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090617/chn0906170309000-n1.htm

 とにかく、この事件↓はひどすぎます。
 それにしても、主要紙いずれも、この民主党らしい議員の名前を報じないねえ。
 取材不足なんだろうけど、早くも次の権力に媚びてるって感じもするなあ。(太田)

 「郵便不正を巡る厚生労働省の偽公文書作成事件で、再逮捕された自称障害者団体「凛(りん)の会」(解散)元会長・倉沢邦夫被告(73)が大阪地検特捜部の調べに対し、障害者団体証明書が発行されるよう口添えを頼んだ国会議員が、目の前で当時の同省障害保健福祉部長(57)(退職)に電話で依頼したと供述している・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090617-OYT1T00002.htm?from=main1

 こんな記事↓読むと、厚労省も農水省も、防衛省、文科省ともども、キャリア官僚は総とっかえが必要か・・KTさんご推挙の約1名の農水官僚(コラム#3316)を除き(?)・・・。

 「農林水産省の全国の出先機関で2008年度までの3年間、少なくとも1400回の職場集会などが勤務時間中に開かれていたことが・・・、同省の内部文書で分かった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090617-OYT1T00018.htm?from=top

 次の英国の総選挙で保守党に続いて第二党になる可能性が高い自由民主党が、核弾道弾搭載原潜(SSBN)の更新をしない方針を打ち出しました↓。
 その代替案として、二つあげられていますが、そのうちの一つは日本を引き合いに出しています。はずかしいなあ。(太田)

 The Liberal Democrats today become the first mainstream party to declare they will not renew Britain's Trident nuclear deterrent system with an equivalent modernised system・・・
 Trident could consume 9.97% to 10.97% of the defence budget.・・・
 He suggested it might be possible to equip Astute class submarines with nuclear-armed cruise missiles, such as the Tomahawk land attack missile. He also suggested Britain, like Japan, could retain a stockpile of safeguarded fissile material that could be turned into a nuclear missile within six to 24 months.・・・」
http://www.guardian.co.uk/politics/2009/jun/16/trident-liberal-democrats-nick-clegg

 オバマ政権のミサイル防衛政策の輪郭がはっきりしてきました。
 ポーランドやチェコはいい面の顔ですが、何が何でもロシアを取り込もうというものです↓。

 ・・・"We are looking at the alternatives in Europe, including the Polish-Czech option, to defend against an Iranian missile threat,"・・・Deputy Defense Secretary William J. Lynn III・・・told the Senate Armed Services Committee. "We are exploring the cooperation with the Russians . . . [and] we haven't made a final decision on how to proceed there." ・・・
 Lynn said that a radar installation in Armavir in southern Russia "would provide helpful early-warning detection in the case of an Iranian ballistic missile attack."・・・Gen. Patrick J. O'Reilly, director of the Missile Defense Agency・・・told the panel that he had visited a Russian radar facility at Gabala, Azerbaijan, and that both Russian radars would be helpful in monitoring Iranian missile tests. The data gained "would significantly help our development of our missile defenses," O'Reilly added. ・・・
 Sen. Joseph I. Lieberman (I-Conn.) told the military officials that he feared that not pursuing the Polish-Czech option would limit protection of the United States from an Iranian missile attack. O'Reilly said such a plan would provide "redundant coverage" of the United States, adding that the nation's other ground-based radars and satellites, plus interceptors at Fort Greely, Alaska, and Vandenberg Air Force Base in California, protect against missiles from North Korea and Iran. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/16/AR2009061603083_pf.html

 この中共のカラオケバーのウェイトレスの顔写真をご覧あれ↓。
 今回のイランの騒擾でもツイッターが大活躍していますが、中共でもインターネットが猛威を振るって当局をびびらせてますよ。

 ・・・ A karaoke bar waitress who won nationwide sympathy and support after killing a local official who demanded sex was freed Tuesday by a Chinese court.
The surprise decision provided fresh evidence of the power of the Internet, where Deng Yujiao had become a popular heroine and a symbol of resistance to corrupt and licentious government officials. ・・・
http://www.csmonitor.com/2009/0616/p90s01-woap.html
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太田述正コラム#3341(2009.6.17)
<北朝鮮の「核」をめぐって(その3)>

→非公開