太田述正コラム#3322(2009.6.8)
<皆さんとディスカッション(続x509)>

<元公務員妻>

≫日本の公務員数 は少ない。人口千人当たり80人程度が普通であるのに日本はその半分しかいな い。(コラム#3320「」より)

 現在の日本の姿を見ると、人数の多寡よりも、「仕事は何をやっているのか?」、「仕事の内容と報酬のバランスは?」などが重要ではありませんか?

 イギリスの政治学者C.N.パーキンソンが発表した法則のうち第1法則、「(公務員の)仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」は、まだまだ通用するようです。
 ちなみに第2法則の「(公務員による)支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」は、収入の額をはるかに超過している現在では当てはまりません。

 ところで、公務員は暇になると(余剰人員が生じると)必要かどうかにも拘わらず、次々と仕事を創り出します。その創り出された仕事の目的と内容を納税者にも是非知って欲しいと考えています。
 公務員を長い間やっていると、仕事は自分(公務員)の利益にならず、他人(一般民衆)へのサービスであり、税金は他人のお金であって、自分の財布とは無関係であるという認識が生まれるようです。
 このような公務員の実態のほんの一部を知ることができたのは公務員の妻だったからです。

 公務員(役人)に対して次のような見方もあります。内容は少しばかり過激ですが、行政のことをよく知らない私を納得させてくれます。真摯に仕事に取り組んでいる公務員のみなさん、ごめんなさい。

「役人を斬る」 高山正之(ジャーナリスト)
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=67
 役人は江戸の昔の何百倍にも増えたが、いまの役人はこれっぽっちも仕事をしない。
 そんな連中は即座にクビにすればいい。そうすれば腹の立つことも減る。
 国の赤字も大幅に減る。

<太田>

 これは、私の「日本型経済論」の話になるわけですが、日本は、政府についても、その機能が国民というエージェントに大幅に委譲されているというユニークな国なのです。
 だから、フォーマルな公務員が異常に少なくてもやってられるんです。
 江戸時代だってそうだったんだけど、引き続きそのままなんですな、これが。
 例えば、町会なんて、日本以外にあんましないんじゃないかな。
 町会は、行政機構の末端としての機能を事実上担っており、隣近所同士が互いの動向を掌握することで防犯、治安機能も果たしているでしょ。

 このことがいいかどうかについての判断は留保するとして、さしあたりの日本の公務員の問題は、この少ない公務員が仕事をさぼっているということと、女性の公務員が少なすぎるということでしょうね。

<こくぴと>

≫「男性の友情は、感情よりも活動に立脚している。彼らは接点をスポーツ、仕事、ポーカー、政治等々を通じてつくる。女性は話すことを通じて・・。男性は物事を一緒にやる。女性達の友情は顔を見合わせながらのものであるのに対し、男性達の友情は横に並びながらのものなのだ」と。≪ (コラム#3228「友人の効用」より)

≫・・・女性達は男性達のために調理を始めたと考えられ、その結果、男性達はより多くの時間を肉や蜂蜜を探すのに費やせるようになった。≪(コラム#3299「調理が人類を誕生させた?」より)

 女性は調理場でのコミュニケーションを通じて同性間の人間関係を築いてきたため、「おしゃべり」を通じて友情を育てるのが得意。
 一方で、男性は主に狩を通じて人間関係を築いてきたので、「仕事」や「政治」など何らかの共通の目的(獲物)がないと、緊密な友情を育てていくのが難しいということでしょうか。

≫「男性は、大体は30歳頃までに友情を形成するけれど、それ以降は、しばしば友情は目減りしていく」と<この本の著者は>述べる≪(コラム#3228「友人の効用」より)

 無限の可能性を前にした若者と違い、30過ぎにもなると残りの人生の可能性が先細っていくのを自覚せざるを得ない場合も多く、「共通の目標を追い求める」ような人間関係を作るのが難しくなる気がします。
 男性が30歳以降に友情形成する機会が減ってしまう理由は、そういうところにあるのかもしれません。

 老人施設でも、おしゃべりは可能ですが、誰かと「共通の目標」を見つけるのってほとんど不可能なような気が・・・。
 女性より男性のほうが短命な理由が、生物学的なもの以外にもこういうところにあるのかも。

<太田>

 うまくおまとめになりましたね。

<ΑΦΑΦ>(同上)>(「たった一人の反乱」より)

≫F35のお値段は、まだ分からないのではないでしょうか。≪(コラム#3241。太田)

 ググってたら見つけたよん。

 「F22は空対空の戦闘に適し現状では世界最高水準。米軍は既に配備しているが、外国には禁輸措置を継続する。米メディアによると、1機約140億円とされる。
 F35は英豪などとの国際共同開発。海軍や海兵隊の要求も満たした汎用型で対地攻撃に優れる。実戦配備は2014年ごろを予定。1機約90億円と見込まれる。
 いずれもロッキード・マーチン社製。(ワシントン共同)」
http://www.toonippo.co.jp/news_hyakka/hyakka2009/0523_1.html

<太田>

 おお、サンキュー。

<ΑΦΑΦ>(同上)>(同上)

 「浜田防衛相は会談後、記者団に対して、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補になっている米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターに関し「少しでも望みがあるならという話をした」と述べ、会談のなかで導入に期待感を示したことを明らかにした。」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090502/plc0905020037000-n1.htm

 「レキシントン・インスティテュートの防衛アナリスト、ローレン・ソンプソン氏によると、日本の防衛省は導入を計画している次期主力戦闘機(FX)として、F22戦闘機を40〜60機購入することを希望している。
 主要な防衛関連会社数社のアドバイザーを務める同氏によると、日本は輸出向けの最新鋭戦闘機の開発費用としていくら拠出してもかまわないとの姿勢を示している。」
 「ただ、米上院軍事委員会に以前補佐官としてかかわったグレッグ・キリー氏は、…「F22戦闘機の輸出は実現しないと思われる」としている。」
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-38343220090602

 「防衛省、次期戦闘機の来年度予算計上見送りへ」
 「概算要求では機種を特定せずに機数と調達経費を計上することは可能だ。
 しかし、防衛省幹部は「年末の予算編成までに機種を決めなければならず、F22の禁輸が未解除だと、他機種から選ばざるを得なくなる」として、F22導入を優先する立場からも、概算要求への計上見送りはやむを得ないとしている。」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090607-00000126-yom-pol

 こう見ていくと、政府防衛省関係者はF22が欲しくてたまらんみたいだね。何がそうさせてるんだろ?
 ・・・
 自己レスだけど、解説してる所見つけたわ

 「それでも日本側がF-22の導入にこだわる理由は、近年、中国空軍がロシア製のSu-27、国産のJ-10といったF-15と同世代の戦闘機を着々と導入していることにある。
空母の建造に着手していることからも明らかなように、経済発展著しい中国は、東シナ海・太平洋のシーレーンと制空権を確保しようとしているのである。
すでに空自は、沖縄・那覇基地のF-4部隊と茨城・百里基地のF-15部隊を交替させて中国方面の防空体制を強化しているが、数の面ではどうしても不利だ。そこで、F-15に対しても模擬戦闘で圧倒的な強さを発揮したF-22に頼ろうというわけである。」
http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/enquete/090604.html

 <だけど、>F35で決まりみたいですね。

 「ゲーツ国防長官が浜田靖一防衛相に、開発中の第5世代戦闘機F35の導入を事実上打診していたことが27日、米政府関係者の話で分かった。」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200905/2009052700947

<太田>

 うー、私の出番ないね。

<ΑΦΑΦ>(同上)

≫朝鮮半島の植民地支配に対して、一回、心から遺憾の意を表すれば、韓国はもう蒸し返しはしないと思いますがね・・。≪(コラム#3241。太田)

 天皇が訪韓して遺憾の意を表す、ってことですか?(首相はしたから。
http://q.hatena.ne.jp/1113547723
 韓国の要求は高いから、天皇訪韓は無理じゃないかなあ?

 「李明博(イ・ミョンバク)大統領が昨年4月に来日した際、招請した天皇陛下の韓国訪問にも触れ「1日も早く実現することを期待する」と強調。 「(訪問実現を通じて)日韓の距離が近くなり、過去の難しい問題を解決する契機にしたい」と訴えた。」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090515AT2M1401Y14052009.html

 「李大統領は「ブラント首相の謝罪は、すべてのポーランド人、ヨーロッパ人、ないしは全世界の人々の心を深く動かし、ヨーロッパ各国のパートナー関係の転機となった。韓日関係を本当に前向きに考えるならば、日本の天皇にも同様の行動をとって欲しいと期待している」と述べた。」
http://j.people.com.cn/94474/94734/6532170.html

<太田>

 ダブル・サンクス。

<Chase>(http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/

 「日本型経済体制」論―「政府介入」と「自由競争」の新しいバランス」(『日本の産業5 産業社会と日本人』(筑摩書房1980年6月)を近くの図書館からようやく入手した。

 同論文については、太田氏から(http://blog.ohtan.net/archives/51373395.html)、論文内の"「多傘分散メカニズム」は、中川が私の「エージェンシー関係の重層構造」・・・"と助言頂いていたが、なるほど本当に知らなかったら"「多傘分散メカニズム」という言い方は、読む気を削ぎそうな術語である。
 文脈的には、計画経済、自由市場経済とは別に日本型経済が存在するとして、呼称として「多傘分散経済」(意味については、手短な要約がしにくいため、別稿にて紹介する)という術語でもって、日本独特の経済を読解しようとするものである。

 もうひとつ太田氏は言及されていた(中川氏が主導したとされる)結論の違和感であるが、これは、どこの箇所かよく判らなかったが、一点、太田氏のイデオロギーからは意外にも?日本の経済体制(当時)が自由主義の高度産業社会のモデルとなるだろうとの仮説を最終部で提示している(『日本の産業5 産業社会と日本人』64P)箇所が気になり、この箇所かもと邪推するところだ。

 ここが、中川氏の主張であるなら、(太田氏が違和感を感じたということを)私は個人的に納得できる。というのも、ほぼ同時期、中川氏は、「超先進国日本」という一般向けの本を上梓し、当時、先進国でありながら、社会諸制度が遅れているという論調が支配的な中、実は欧米諸国より進んでいるんだとして、事例を多数挙げながら一石を投じたことと軌を一にしているからだ(結局、中川氏の主張は流行らなかったが、個々の主張自体は新鮮な部分もあった)。

 それはさておき、「日本型経済体制」論―「政府介入」と「自由競争」の新しいバランス」であるが、当時、小室直樹氏も「仮面を被った共産主義」(disuguised communism:欧米の学者の呼称)論で、同論文と同一?の問題意識で論を張っていた(その後も一貫として)。
 それはともかく、同論文については、今後、読み込んでいき(私のオツムではすぐには読み込めない本格論文である)日本社会への考察を深める一助とさせていただきたい。
 今後、適宜、論評として言及させていただきたいと思っている。宜しくお願いいたします。

PS
 しかし、太田氏と中川氏の共同というのは、リベラルとバーキアンの呉越同舟の感があり何とも重量感?を感じるところである。

<太田>

 わざわざ、昔の私の論考をお読みいただき、恐縮です。

>邪推するところだ。

 邪推じゃないです。ズバリその通りです。
 私は、価値中立的に、日本型経済体制がいかなる条件の下に成立するかを明らかにするとともに、それがかかる条件下では極めて合理的な体制であることを説明したかっただけなのですが、この論考のマーケティングを担当した相方が、中身に不似合いな「ど派手」な包装紙にこの論考をくるんじゃったって申し上げればいいかな。

 本日の記事の紹介です。

 ご存じの通り、バン・クライバーン国際ピアノコンクールで盲目の辻井伸行さん(20歳)が優勝しました。おめでとう。
 彼によるリストのカンパネラの演奏をどうぞ。#3241で紹介した他のピアニストの演奏と比べてご覧になったらいかが。
http://www.youtube.com/watch?v=X9MlN-ZudKo

 なお、彼の偉業を貶めるつもりは全然ありませんが、私自身の経験に照らせば、盲目であることは、楽譜が読めないということでは確かにハンデではあるものの、一旦曲を覚えてしまえば、演奏すること自体においては、ほとんどハンデにはなりません。

 もっと面白いのが猫によるピアノ「演奏」です↓。
 聴いてごらん。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/8087878.stm

 レバノン情勢です。

 An American-backed alliance appeared to retain control of the Lebanese Parliament on Sunday in a hotly contested election that had been billed as a showdown between Tehran and Washington for influence in the Middle East.・・・
 ・・・a predominantly Sunni, Christian and Druze alliance, held at least 67 seats out of 128 in Parliament.・・・
http://www.nytimes.com/2009/06/08/world/middleeast/08lebanon.html?pagewanted=print

 このalliance↑には、もともとヒズボラも入っていて、その後ヒズボラが抜けたために、allianceは、少数派政権の状態で現在に至っていたものです。
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太田述正コラム#3323(2009.6.8)
<改めて民主主義について(その2)>

→非公開