太田述正コラム#3233(2009.4.24)
<皆さんとディスカッション(続x466)>

<eno>

 --よろしくお願いいたします--

 麻生首相が集団的自衛権について再考するという記事を見ました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000520-san-pol

 自民党と官業の癒着構造、吉田ドクトリンの堅守などが日本の病理であることは理解している(つもりな)のですが、上記記事にて疑問が沸いてきたので、教えていただければ幸いです。

1.生涯獲得賃金の最大化が目的であれば、癒着構造のみ温存しておけば、吉田ドクトリンは破棄(日本の独立)、憲法解釈の変更は(自民党が)おこなう可能性があるのではないか?
 それともやはり先生のいわれるように(コラム3219)(選挙のための)みせかけのものなのでしょうか?

2.なぜ今突然このようなaction(みせかけ?)をするのでしょうか?選挙が近いからと解釈して正解なのでしょうか?

 稚拙な文章で申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

<太田>

 「生涯獲得賃金の最大化が目的」なのは、官僚であって、与党系政治家の目的は「権力の恒久的維持+α」ですよ。

 さて、あなたが引用された記事はこうです。

 「・・・<麻生>首相は記者団に対して、「安保法制懇の話がそのままになっているので話を聞いた。長い文章なので勉強しなければならないと思っている」と解釈変更に前向きな姿勢を示した。再議論の必要性については、安保法制懇が平成20年6月に報告書を福田康夫首相(当時)に提出していることを踏まえ、「きちんとした答えは作られており、内容もまとまったものがある」と述べた。
 安保法制懇の報告書は、(1)公海における米軍艦艇の防護(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(3)国際的な平和活動における武器使用(4)国連平和維持活動(PKO)での他国部隊の後方支援−の4類型について、集団的自衛権の行使を認めるなど政府解釈を変更すれば、現憲法のまま実施できると結論づけた。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090424/plc0904240136001-n1.htm

 (1)、(2)、(4)は、米国からかかり始めているところの、全般的な集団的自衛権行使への強い圧力をかわすための「見せ金」ですし、(3)は、自衛隊からの、隊員の安全確保の観点からの懇願に耳を貸しているポーズをとらざるをえない、というだけのことです。
 麻生が、与党内の「ハト」派、とりわけ公明党との軋轢が避けられない火中の栗を、選挙直前の今、拾うわけないです。
 より露骨に言えば、こういう類の「タカ」派対「ハト」派の猿芝居を与党は与党内で戦後一貫して演じ、有権者を欺いてきたのです。
 私の持論は、上記の4つのケースに限定するなんてことなく、全面的に、かつ、ただちに集団的自衛権行使を認めるべきである、というものですが、そんなことは、到底自民党中心の政権の下では不可能でしょう。

<ΓαΓα>(「たった一人の反乱」より)

≫しかも、私立の大学までの一貫校の代表格の慶應も生徒をスポイルしているらしい・・・、となると、どうしようもないって感じだね。≪(コラム#3231。太田)

 スポイルしているのは、慶応の生徒の半分を占める推薦合格者や内部進学者じゃなかろうか。
 特にエスカレーターで進学した生徒。
 そうすると、悪貨は私立(小)中高一貫の生徒という一貫したものが見えてこないか?
 いや、そもそも私立に関わらず、(小)中高一貫がいけないのかもしれない。
 思春期にずっと同じ共同体に所属し続けることに問題があるのかも。

≫一、大学群の頂点を富士山型(東大一極)から八ヶ岳型化する。≪(同上)

 これは、東京の首都機能を京都・大阪・名古屋etcに移すことで実現できるんじゃなかろうか。
 東京一極集中の影響で京大に一橋が追い付いてきていることからも、政治の中心=学問の中心だろう。
 そっか。究極的には地方分権か。

 それにしても太田の案は随分過激だね。実現したらすごく面白そうだけど。

 元凶を考えてみると、やはり試験問題(センターも2次も)が固定化していることが問題だね。
 どんな問題が出るか予想できうるから、(中高)6年間勉強浸けになれば克服できてしまう。
 太田案第四で解決可能か。

<太田>

 うんだうんだ。

 話はガラリと変わります。
 結局、小学生くらいまで、家でどんな音楽が流れているかによって、音楽への嗜好が決まってしまうような気がします。
 私の場合は、クラシックと歌謡曲でした。
 どっちも古くさいけどね。

 ユーチューブで音楽を聞きながら、パソコンに向かうというのが習慣になったのは、昨年の中頃からなのですが、時折、クラシックの方のユーチューブ情報をコラムに書いているのはご承知のとおりです。
 歌謡曲の方は、不思議なことに、以前はほとんど耳を傾けたことがなかった、テレサテンと倍賞千恵子に今はまっています。
 「反共」のテレサが中共を席巻したのはなぜかが、ようやく分かったような気がしています。
 倍賞は、俳優として活躍したためか、今まであまり歌手としては認識していませんでしたが、すてきですね。

 てな具合で、ジャズでも洋楽でも何でもいいので、皆さん、語りたいことがあったら、ぜひお聞かせください。
 できたら、ユーチューブのURLもつけてくださいね。
 私も遅ればせながら、音楽の嗜好の幅を広げたいと思ってますので・・。
 もちろん、クラシックや歌謡曲の話も、そしてJポップの話も歓迎です。

<深雪>

 Bad Day (With Lyrics at the Info bar) - Daniel Powter
 こちらはスタジオ録音によるCD音源
http://www.youtube.com/watch?v=YoptZMcJpUY&eurl=http%3A%2F%2Fmixi%2Ejp%2Fview%5Fbbs%2Epl%3Fid%3D41976758%26comm%5Fid%3D2428880&feature=player_embedded

 <英語の全歌詞>→省略(太田)

 ライブ盤はこちらがお勧め
http://www.youtube.com/watch?v=GXWRqCeS_GQ

僕らが必要とした瞬間はどこにあるんだろう?

君は作り笑いをして、コーヒーを飲んでたね
最近はよくないことばかりなんだろう?
君はいつも心がボロボロになっていくよね
そんなに頑張り続けなくていいんだよ

落ち込んでいたんだよね?
君はそれを紛らわすために悲しい歌を歌う
君は分からないと言ってるけど
それは嘘なんだろ?

一番必要としてる情熱はどこにあるのだろう?


 繰り返されるメロディーラインと、繰り返されるYou had a bad dayのフレーズ。
 誰にでもあるついていない日に、友が傍でさりげなく慰め励ましてくれる。
 そんな快感がある作品です。
 ピアノ好きには、すんなり心に入る一曲でもあるかな。

<太田>

 Thanks!
 さっそく聞いてみたよ。
 深雪さん、詩心もありそうですねえ。

 1974年にスタンフォードに留学した時、日本人の、大抵は私より年上の留学生達が、今で言う洋楽にめっぽう詳しく、互いにフレーズを口すさんで盛り上がってるのにすごーいズレを感じました。
 しかし、そんな連中が、私がピアノで弾く歌謡曲に目を輝かせるものだから、彼らと会うと、リクエストに応えて歌謡曲ばっかし弾いてたな。
 もちろん、歌謡曲が大好きな留学生もいた。
 彼から小椋佳の「シクラメンの香り」を教わって、さっそく私のピアノ・レパートリーに加えた、なんてこともあった。
 しかも、マンション方式の学生家族寮を韓国人留学生・・男だよ・・とシェアしてたのですが、その相棒が、韓国歌謡のテープをいつも流してるんだな。
 日本の歌謡曲のイミテーションじゃないかって言ったら、そいつが怒るの何のって。
 韓国のオリジナルだと言い張るんだな。
 (両者の深―い関係については、当時は知識がありませんでした。)。

 てなわけで、せっかく米国に2年もいたのに、現地の歌に親しむ機会があんまりありませんでした。

<ソムナムナー>

 テレサテンを題材にした香港の大ヒット映画に「甜蜜蜜tian mimi」というのがあるよ。
http://www.youtube.com/watch?v=Ppccxy4YyKg

 映画の本編も全編、ヨウツベにうpされている。
http://www.youtube.com/watch?v=sR4E8XVK_2k&feature=related

 単純なストーリーで、北京から香港に出稼ぎにやってきた若者と現地の女性の交流の物語。
 香港の女がポケベルを持っていることに、北京の田舎者は感動するんだよね。

 中国を含めた東南アジアで爆発的ヒットした曲↓ 。
 中国名は「容易受傷的女性」、東南アジアでは、「broken hearted woman」。
http://www.youtube.com/watch?v=g7d159m-a5M(wang feiの広東語版)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=D87VSkp0cgM&feature=related(東南アジアバージョン)
 実は、原曲は、日本。
http://www.youtube.com/watch?v=yMgt1zF8HU8&feature=related
 東南アジアバージョンが好きだ。

 開放前の中国の代表曲の「北風吹」。
http://www.youtube.com/watch?v=r5zFNbgf3vM&feature=related
 76年のフィルムで、当時の風俗も垣間見れる。
 76年といったら、現代中国の最大の激動の年ですな。
 ちなみに、フィルムの感じは今の北朝鮮にそっくり。

<太田>

 ニューカマーの方ですね。
 イヤー面白かった。ご紹介ありがとう。

>原曲は、日本

 中島みゆきの「ルージュ」って曲なんですね。ちあきなおみが歌ってたらしい。
 そうそう、中島みゆきも最近、「発見」したんだな。(オマエ何人だ?)
 だけど、中島の歌う曲で私が好きなのは、「この空を飛べたら」、「地上の星」、「わかれうた」、{ひとり上手」、「誘惑」、「命の別名」、「世情」(順序不同)の7曲くらいであり、自分で曲をつくるわけではないテレサテンや倍賞千恵子と同次元で比べるのは意味ないんだけど、あんましピンと来ないんだな。
 
 では、記事の紹介です。

 1976年にスタンフォード留学から東回りで帰国する時に、まずロンドンに立ち寄ったのですが、第三世界の国に足を踏み入れたようなショックを覚えた話を以前したような気がします。
 1970年代の英国がどんなだったか、下掲の書評を読むとよく分かります。
http://www.guardian.co.uk/books/2009/apr/17/economy-crisis-1974-three-day-week

 コラム#3230(未公開)で、ワシントンポスト電子版上での、士官学校廃止の是非のディベートを紹介しましたが、空軍廃止の是非のディベートも行われています。
 廃止論は以下のとおり。

 ・・・the Air Force should be eliminated, and its personnel and equipment integrated into the Army, Navy and Marine Corps. ・・・
 At the moment, the Army, Navy and Marine Corps are at war, but the Air Force is not. This is not the fault of the Air Force: it is simply not structured to be in the fights in Iraq and Afghanistan.・・・
  In 2007, only about 5 percent of the troops in Iraq were airmen.
 Yes, air power is a critical component of America’s arsenal. But the Army, Navy and Marines already maintain air wings within their expeditionary units. The Air Force is increasingly a redundancy in structure and spending.・・・
http://www.nytimes.com/2009/04/21/opinion/21kane.html

 世界で初めて、独立した空軍を1918年につくったのは、これまた英国
http://en.wikipedia.org/wiki/Royal_Air_Force
ですが、確かに独立した空軍の存在意義があった時代は、もう終わったのかもしれませんね。
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太田述正コラム#3234(2009.4.24)
<パキスタン解体へ(?)(その1)>

→非公開